2 アップグレードの準備

必要に応じて各手順を実行して、Oracle Linux 7からOracle Linux 8へのアップグレードを準備します。特に指定のないかぎり、Oracle Linux 7システムのアップグレードのためのすべての手順は、Oracle Cloud Infrastructure上のOracle Linux 7インスタンスのアップグレードにも当てはまります。

  1. コンソールを介してリモートで接続する手段を設定します。

    このドキュメントでは、リモートでLeappアップグレードを実行することを想定しています。この場合、特にアップグレードが自動再起動を実行するときに、アップグレード・プロセスの進行状況をモニターできるようにコンソールが必要になります。

    次のリストに、使用できるコンソール接続オプションを示します:

    ノート:

    SSHを使用するか、システムで実行されているVNCサービスへのVNCを使用してシステムに接続した場合は、アップグレード・プロセスの間に切断され、アップグレードが完了するまでログインできなくなります。

  2. バックアップを実行します。

    アップグレードが失敗した場合にシステムを以前の状態に復元できるように、常にシステムをバックアップしてください。

    ノート:

    Oracle Cloud Infrastructure上のOracle Linux 7インスタンスの場合は、ブート・ボリューム・バックアップを実行します。手順は、https://docs.oracle.com/iaas/Content/Block/Concepts/bootvolumebackups.htmを参照してください。

  3. アップグレードは複雑であり複数回の再起動が必要になるため、そのシステムで実行するように設定されているすべての本番ワークロードを停止します。

  4. セキュア・ブートが実行されている場合はそれを無効にします。

    セキュア・ブートのステータスを確認するには、次のいずれかのコマンドを選択します。

    • bootctl statusの使用例:

      sudo bootctl status
      ...
      Secure Boot: disabled
      ...
    • mokutil --sb-stateの使用例:

      sudo mokutil --sb-state
      SecureBoot disabled

    セキュア・ブートが有効になっている場合は、ブート時にシステムのファームウェアにアクセスしてオプションを無効にする必要があります。

  5. ロケールがen_US.UTF-8に設定されていることを確認します。

    cat /etc/locale.conf

    まだ設定されていない場合は、ファイルを編集してロケールを構成します。次に例を示します。

    sudo localectl set-locale LANG=en_US.UTF-8
  6. OS管理サービス(OSMS)を使用しているOracle Cloud Infrastructureインスタンスでは、Leappを使用できません。インスタンスがOSMSによってアクティブに管理されておらず、OSMSエージェントが実行されている場合は、そのエージェントを無効にします。
    1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、「インスタンス」ページに移動します。

    2. アップグレードするインスタンスを選択してさらにインスタンス情報を表示します。

    3. 左側のパネルの「リソース」ヘッダーで、「OS管理」を選択します。

      • OSMS管理の説明で「このリソースについてのOS管理情報はありません」が指定されている場合は、次のステップに進みます。

      • 説明でその他の情報が示されている場合は、インスタンスをアップグレードできません。

    4. インスタンス情報ページの先頭に戻ります。

    5. 「Oracle Cloudエージェント」タブを選択します。

    6. 実行中のOS管理サービス・エージェント・プロセスを無効にします。

      このプロセスが完了するまでにしばらく時間がかかります。

    7. 十分に待った後、osms-agentプロセスを再度チェックして、何も実行されていないことを確認します。

      ps -ef | grep osms-agent

    詳細は、https://docs.oracle.com/en-us/iaas/Content/Compute/Tasks/manage-plugins.htm#disable-one-pluginを参照してください。

  7. ネットワークにマウントされたファイル・システムがシステムにある場合は、それらをアンマウントしてから、/etc/fstabファイル内のコメント・マークの内側に、関連するエントリを挿入します。

    ファイル・システムとストレージの問題を参照してください。

  8. システムがプロキシの背後にある場合は、次のように/etc/yum.confでプロキシ設定を構成します:

    proxy=proxy-url:port

    Oracle Linux 7 ソフトウェアの管理Yum構成を参照してください。

  9. yum-plugin-versionlockパッケージをインストールした場合は、ロックされたバージョンのパッケージをすべてクリアします。

    sudo yum version lock clear
  10. 最新のOracle Linux 7パッケージを取得します。

    sudo yum update -y

    ノート:

    更新の完了後、次のメッセージが表示される場合があります。
    warning: /etc/yum.repos.d/oracle-linux-ol7.repo 
    created as /etc/yum.repos.d/oracle-linux-ol7.repo.rpmnew
    この警告は、Oracle Linux 7パッケージを更新する前にoracle-linux-ol7.repoファイルがすでに存在していた場合に表示されます。更新プロセスでは、現在のファイルに含まれている可能性のあるカスタマイズが上書きされないように、.rpmnewファイルが作成されます。

    この場合、.rpmnewファイルを使用して、既存の.repoファイルに必要な変更を加えます。新しい情報を.repoファイルに組み込みます。アップグレードを続行するには、最終的なoracle-linux-ol7.repoファイル内にol7_leappol8_leappリポジトリの説明がリストされている必要があります

  11. Oracle Linux 7のKVMホストをアップグレードする場合は、実行されている可能性があるすべての仮想マシンを停止します。

    このコマンドは、仮想マシンを一覧表示します。そのリスト内にある、実行中の特定の仮想マシンを停止します。

    1. 使用可能な仮想マシンを一覧表示します。
      sudo virsh list --all
    2. そのリスト内にある、実行中の個々の仮想マシンを停止します。
      sudo virsh shutdown vm-name
  12. システムがULNまたはULNミラーに登録されている場合は、システムの登録を解除します。

    この手順については、次のドキュメントを参照してください。

  13. システムを再起動します。

    sudo reboot
  14. 次のように、特定のリポジトリを有効にしてLeappユーティリティをインストールします。

    sudo yum install -y leapp-upgrade --enablerepo=ol7_leapp,ol7_latest