カーネルの問題
Oracle Linux 8のこのリリースで発生した既知のカーネルの問題を次に示します。
AMD 64ビット・プラットフォームでKVMゲストがamd64_edac_mod: 不明な記号エラーを表示して起動する
64ビットのAMDホストでのKVMゲストのブート中に、次のエラーが繰り返し表示されることがあります。
[ 12.474069] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_register_ecc_decoder (err [ 120)
[ 12.474083] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_report_gart_errors (err 0)
[ 12.852250] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_unregister_ecc_decoder (err 0)
[ 12.852297] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_register_ecc_decoder (err 0)
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これらのエラーは、ロードに失敗し、モジュール・リストから削除中であるモジュールに対してカーネルのモジュール・コードが誤って-EEXIST
を返すため発生します。amd64_edac_mod
モジュールはVMにロードされません。これらのエラーは機能に影響しないため、無視できます。
この問題は、RHCKを実行しているOracle Linux 8ホストでのみ発生し、UEK R6ホストでは検出されません。
(バグID 29853602)
modinfoコマンドの出力でretpoline
のサポートが表示されない
Oracle Linux 8コードのバグにより、CONFIG_RETPOLINE
フラグがY
に設定されていても、modinfo -F retpolineコマンドの出力にRetroplineサポートが表示されません。次に例を示します。
sudo modinfo -F retpoline
/usr/lib/modules/4.18.0-80.el8.x86_64/kernel/sound/usb/usx2y/snd-usb-us122l.ko
.xz
Retpolineサポートを追加および表示するには、CONFIG_RETPOLINE=Y
フラグが必要です。パラメータが有効になっている場合、カーネルはRetpoline対応のコンパイラを使用して構築されます。
CONFIG_RETPOLINE
フラグが有効になっていることを確認するには、カーネルのconfig-kernel
構成ファイルでパラメータを検索します。次に例を示します。
cat /boot/config-5.4.17-2011.7.4.el8uek.x86_64 | grep RETPOLINE.
CONFIG_RETPOLINE=y
(バグID 29894295)
一部のAMDハードウェアでKdumpが失敗することがある
Kdumpは、現在のOracle Linuxリリースを実行している一部のAMDハードウェアで失敗することがあります。影響を受けるハードウェアには、AMD EPYC CPUサーバーが含まれます。
この問題を回避するには、/etc/sysconfig/kdump
構成ファイルを変更し、KDUMP_COMMANDLINE_APPEND
変数からiommu=off
コマンドライン・オプションを削除します。kdump
サービスを再起動して、変更を有効にします。
(バグID 31274238、34312626)
LVM dm-writecache
キャッシュ・メソッドの制限事項
新しいLVMのdm-writecache
キャッシュ・メソッドには、dm-cache
メソッドに存在しない次のような制限があります:
-
論理ボリュームがアクティブの場合、
dm-writecache
をアタッチまたはデタッチできません。 -
論理ボリュームが
dm-writecache
を使用している場合、論理ボリュームのスナップショットを取得できません。 -
dm-writecache
を非アクティブな論理ボリュームにアタッチする場合、既存のファイル・システムのブロック・サイズと一致するdm-writecache
ブロック・サイズを使用する必要があります。 -
dm-writecache
がボリュームにアタッチされている場合、論理ボリュームのサイズを変更できません。 -
dm-writecache
で使用されるデバイスでは、pvmove
コマンドを使用できません。 -
シン・プールまたは仮想データ・オプティマイザ(VDO)を使用している場合、
dm-writecache
で論理ボリュームを使用できません。
dm-writecache
キャッシュ・メソッドの詳細は、Oracle Linux 8: リリース・ノートfor Oracle Linux 8.2のファイル・システムおよびストレージの機能に関する項を参照してください。lvmcache(7)
マニュアル・ページも参照してください。