3 既知の問題
この章では、現在のOracle Linux 8リリースの既知の問題を示します。このリストには、x86プラットフォームとaarch64プラットフォームの両方に影響する可能性のある問題が含まれています。リストでは、aarch64プラットフォームにのみ固有の追加の問題には、aarch64のみ:
というラベルが付いています。
次のガイドには、特定のOracle Linuxコンポーネントに関連する既知の問題に関する追加情報が記載されています。
- Podmanコンテナ管理ツール: 『Oracle Linux Podmanユーザー・ガイド』
- Leappを使用したシステムおよびOracle Cloud Infrastructureインスタンスのアップグレード: 『Oracle Linux 8 Leappによるシステム・アップグレードの実行』
インストールとアップグレードの問題
このリリースのOracle Linux 8で発生した既知のインストールおよびアップグレードの問題を次に示します。
「警告:ディスク上でpmlogger.serviceのユニット・ファイル、ソース構成ファイルまたはドロップインが変更されました。'systemctl daemon-reload'を実行してユニットを再ロードしてください」というアップグレード中の警告
適切なOracle Linux 8リポジトリを有効にしてOracle Linux 8.4からOracle Linux 8.5にアップグレードすると、次の警告が発行されます。
Warning: The unit file, source configuration file or drop-ins of pmlogger.service changed on disk. Run 'systemctl daemon-reload' to reload units.
この警告は、アップグレードが正常に完了するため、無視しても問題ありません。
(バグID 32852356)
アップグレード中にtmpfiles.d/ファイルを参照するメッセージが表示されます
Oracle Linux 8.5から Oracle Linux 8.6へのアップグレード中に、適切なOracle Linux 8リポジトリを有効にしてdnf upgradeコマンドを実行すると、次のようなメッセージが表示されます。
Running scriptlet: systemd-239-44.0.1.el8.x86_64 4550/4550 [/usr/lib/tmpfiles.d/dnssec-trigger.conf:1] Line references path below legacy directory /var/run/, updating /var/run/dnssec-trigger → /run/dnssec-trigger; please update the tmpfiles.d/ drop-in file accordingly. [/usr/lib/tmpfiles.d/krb5-krb5kdc.conf:1] Line references path below legacy directory /var/run/, updating /var/run/krb5kdc → /run/krb5kdc; please update the tmpfiles.d/ drop-in file accordingly. [/usr/lib/tmpfiles.d/nss-pam-ldapd.conf:2] Line references path below legacy directory /var/run/, updating /var/run/nslcd → /run/nslcd; please update the tmpfiles.d/ drop-in file accordingly. [/usr/lib/tmpfiles.d/pesign.conf:1] Line references path below legacy directory /var/run/, updating /var/run/pesign → /run/pesign; please update the tmpfiles.d/ drop-in file accordingly. [/usr/lib/tmpfiles.d/portreserve.conf:1] Line references path below legacy directory /var/run/, updating /var/run/portreserve → /run/portreserve; please update the tmpfiles.d/ drop-in file accordingly. . . .
これらのメッセージは、アップグレードまたはパッケージのインストールが正常に完了するため、無視しても問題ありません。
別の回避方法として、メッセージの指示に従って構成を更新します。レガシーのvar/run/
<...>ディレクトリ・パスを/run/
<...>に変更します。
(バグID 32852433)
Oracle 6.4 TB NVMe SSDデバイスへのインストールが、mkfs.xfsがファイルシステムをマウントできないため失敗する
Oracle 6.4 TB NVMe SSDデバイスでOracle Linux 8.5の新規インストールを実行しようとすると失敗します。この問題は、mkfs.xfs
コマンドがファイル・システムをマウントできないために発生します。この障害は、RHCK内のxfsprogs
パッケージ・バージョンの問題に関連しており、問題の根本的な原因はNVMe SSDファームウェアのバグです。
この問題を回避するために、Oracle 6.4 TB NVMe SSDをブート・ディスクとして使用しないでください。
別の方法として、Oracle Linux 8.2をインストールしてからOracle Linux 8.5にアップグレードする方法もあります。
(バグID 32823840)
「/sbin/ldconfig: /lib64/libsmbldap.so.2はシンボリック・リンクではない」というメッセージがアップグレード中に返される
適切なOracle Linux 8リポジトリを有効にしてOracle Linux 8.3からOracle Linux 8.4にアップグレードすると、dnf upgradeコマンドは、アップグレード処理中に次のようなエラー・メッセージを何度も返します。
sbin/ldconfig: /lib64/libsmbldap.so.2 is not a symbolic link
これらの警告は、アップグレードが正常に完了するため、無視しても問題ありません。
(バグID 32846091)
PXEインストール中にEthernet over USBネットワーク・インタフェースがインストーラで自動的に有効化される
Oracle Linux 8のPreboot eXecution Environment (PXE)インストールの間に、インストーラで自動的にbootproto=dhcp
パラメータとONBOOT=yes
パラメータが指定されてEthernet over USBネットワーク・インタフェースが有効化されます。これらのデフォルト設定では、NetworkManager
サービスの起動に失敗します。
この問題の発生を防ぐためや、すでに問題が発生している場合に問題を解決するためには、次のいずれかの回避策を使用します。
-
インストールの前に、kickstartファイル内で、次のようにEthernet over USBネットワーク・インタフェース用の
ONBOOT
パラメータを無効にします。network --bootproto=dhcp --device=enp0s20f0u8u3c2 --onboot=off --ipv6=auto
-
インストール中に、ネットワークおよびホスト名画面で、Ethernet over USBネットワーク・インタフェースについて、再起動のたびに自動接続されるように優先して自動接続するチェック・ボックスを選択しないでください。
-
すでにこの問題が発生している場合は、インストール後に、Ethernet over USBネットワーク・インタフェースのネットワーク構成設定を
ONBOOT=no
に変更します。次に、システムを再起動します。
(バグID 31888490)
代替言語を選択した場合、対話型テキストベースのインストール・ウィザードを完了できない
テキストベースのインストーラを使用してOSをインストールするときに代替言語を選択した場合は、インストールを続行できません。インストールは、ソフトウェアの選択およびインストール先で[!]フラグでブロックされます。これら2つのオプションの設定内容は関係ありません。
ただし、デフォルトの英語の選択またはグラフィカル・インストール・プログラムを使用してインストールを実行している場合は、この問題は発生しません。
(バグID 30535416、29648703)
許容できないKdump値が入力されると、グラフィカル・インストール・プログラムが失敗してエラーが発生する
アップストリームのマイナーなユーザビリティ・エラーは、Kdumpの構成中にグラフィカル・インストール・プログラムに影響を与えます。
Kdumpのメモリー予約を手動で構成するときに許容できない値を指定した場合は、「完了」
をクリックして「インストール・サマリー」画面に戻ることができます。インストーラでは、警告またはエラー・メッセージは生成されません。かわりに、インストーラによって、値が最後に認識された許容値またはデフォルト値の512 MBに自動的にリセットされます。これにより、インストールは成功します。ただし、この修正された設定は画面に表示されないため、指定した値が無視されたことに気付かない場合があります。
この問題は、テキストベースのインストーラでは発生しません。許容できない値を入力するとエラーが適切に返され、続行できません。
(バグID 31133351、31182708)
グラフィカル・インストール・プログラムにKdumpに手動で設定されている予約メモリーが表示されない
マイナーなユーザビリティ・エラーは、Kdumpの構成中にグラフィカル・インストール・プログラムに影響を与えます。Kdump用に予約されているデフォルトのメモリー・サイズを手動で変更した場合、画面がリフレッシュされても新しい設定は表示されません。かわりに、システム・メモリーの合計と使用可能なシステム・メモリーの値のみが表示されます。したがって、予約するメモリー(Mb)パラメータの制限は、将来のKdump構成では不明になります。
ノート:
Kdumpメモリー予約のデフォルト設定であるauto
は、カーネルがブート時に使用するサイズを決定するため、適切な設定になっています
(バグID 31133287および31182699)
アップグレード中にmicrocode_ctlのスクリプトレット関連エラーが表示される可能性がある
Oracle Linux 8リリースの次のバージョンへのアップグレード中に、スクリプト関連のエラー・メッセージが表示されることがあります。dnf updateコマンドを実行すると、次のような出力が表示されることがあります。
Running scriptlet: tuned-2.13.0-6.0.2.el8.noarch 1089/1089 Running scriptlet: microcode_ctl-4:20191115-4.el8.x86_64 1089/1089 realpath: weak-updates/kmod-kvdo/vdo/kvdo.ko: No such file or directory realpath: weak-updates/kmod-kvdo/uds/uds.ko: No such file or directory dracut: installkernel failed in module kernel-modules-extra warning: %posttrans(microcode_ctl-4:20191115-4.el8.x86_64) scriptlet failed, exit status 1 Error in POSTTRANS scriptlet in rpm package microcode_ctl Running scriptlet: libgcc-8.3.1-4.5.0.7.el8.x86_64 1089/1089 Running scriptlet: glibc-common-2.28-101.0.1.el8.x86_64 1089/1089 Running scriptlet: info-6.5-6.el8.x86_64 1089/1089
このエラー・メッセージは、Server with GUI環境を使用してOracle Linux 8をインストールし、RHCKを使用してサーバーを再起動した場合に表示されます。このインストール方法では、カーネルに依存するkmod-kvdo
パッケージまたはモジュールをインストールします。これは、以前のOracle Linux 8リリースとは異なるバージョンです。
ただし、アップグレード・プロセス中にkmod-kvdo
パッケージが正常にインストールされるため、このメッセージは無視しても問題ありません。
ノート:
このエラーは、Minimal Installベース環境をインストールする場合、またはUEK R6またはUEK R7を使用してサーバーをブートする場合には発生しません。
(バグID 31292199)
python3-rhn-virtualization-hostパッケージがインストールされている場合、rhnreg_ks登録コマンドが失敗することがある
Oracle Linux 8.1以降、python3-rhn-virtualization-hosts
パッケージがシステムにインストールされている場合、rhnreg_ks
コマンドを使用してシステムをUnbreakable Linux Network (ULN)に登録すると、失敗することがあります。この問題は、libvirtd
サービスが実行されていない場合に発生しています。
この問題を回避するには、rhnreg_ksコマンドを発行する前に、システムにlibvirtd
パッケージがインストールされており、サービスが有効化されて実行されていることを確認します。
(バグID 30366521)
beignetパッケージが存在すると、アップグレード中に依存関係の問題が発生する可能性がある
システムを現在のOracle Linux 8リリースにアップグレードする場合、アップグレードするシステムにbeignet
パッケージが存在していると、依存関係の問題が発生することがあります。
この問題は、Oracle Linux 8.2以前のリリースを実行しているシステムを現在のOracle Linuxバージョンにアップグレードする場合に特に発生します。これらの以前のリリースでは、beginet
パッケージに以前のバージョンのclang-libs
パッケージが必要です。
ただし、beignet
パッケージは現在、Oracle Linux 8.4以降のOracle Linux 8リリースでは使用できません。したがって、これらの場合には問題はありません。
この問題を回避するには、現在のOracle Linux 8リリースにアップグレードする前に、システムからbeignet
パッケージを削除します。
(バグID 31213935)
インストール後の初回ブート時にULN登録ウィザードが表示されない
Oracle Linux 8の新規インストールでは、ULNに登録してOracle Kspliceを使用するオプションを提供するULN登録ウィザードは初回ブート時に表示されません。
代替手段として、インストールの完了後にULNに登録します。手順は、https://linux.oracle.com/を参照してください。
(バグID 29933974)
Oracle VM VirtualBoxゲストにインストールするためのグラフィック・コントローラの要件
グラフィカル・インストール・プログラムが使用され、デフォルトのServer with GUI
環境が選択されているOracle VM VirtualBoxゲストにOracle Linux 8を正常にインストールするには、ゲストがVMSVGAグラフィック・コントローラを使用するように設定し、少なくとも64MBのメモリーでゲストを構成する必要があります。そうしないと、グラフィカル表示が正しく開始できません。
Oracle VM VirtualBox 6.0以降、VMSVGAグラフィック・コントローラは、Linuxオペレーティング・システムを実行しているゲストのデフォルトのコントローラです。この問題は、以前のOracle VM VirtualBoxリリースで作成された既存のゲストにOracle Linux 8をインストールすると発生する可能性が高くなります。Oracle Linux 8ゲストを構成するには、Oracle VM VirtualBox 6.0以上を使用することをお薦めします。
(バグID 30004543)
アップグレード中およびldconfigの実行時に、「hwcapディレクティブが無視された」という誤ったメッセージが表示される
Oracle Linux 8.4からOracle Linux 8.5へのシステム更新中に、次のような誤ったメッセージが発行される場合があります。
/sbin/ldconfig:/etc/ld.so.conf.d/kernel-5.4.17-2102.201.3.el8uek.x86_64.conf:6: hwcap directive ignored
これらのメッセージは、UEKのカーネル構成が変更された結果であり、無視しても問題ありません。
この問題は、ldconfig
コマンドの後続の実行、またはldconfig
コマンドをトリガーするサービスまたはプロセスに対しても発生することに注意してください。この場合、メッセージは無視しても問題ありません。
(バグID 32816428)
システム更新中にgssproxyパッケージを再ロードするSystemdデーモン
gssproxy-0.8.0-16
およびnfs-utils-1:2.3.3-41
パッケージをgssproxy-0.8.0-19
およびnfs-utils-1:2.3.3-46
に更新すると、警告が発行されます。警告は、nfs-utils
パッケージの更新によってトリガーされ、次のように表示され、Systemdデーモンを再ロードする必要があることを示しています:
Warning: The unit file, source configuration file or drop-ins of gssproxy.service changed on disk. Run 'systemctl daemon-reload' to reload units.
サービスは後でトランザクションで再起動されるため、これらの警告メッセージは無視しても問題ありません。
(バグID 32831687)
container-selinuxパッケージを削除すると、selinux-policy-targetedパッケージも削除される可能性がある
container-selinux
パッケージをOracle Linux 8のインストール後にシステムから削除すると、selinux-policy-targeted
パッケージも削除される可能性があります。
この問題が発生すると、SELinuxポリシーをロードできないというエラー・メッセージも表示される場合があります。
この問題を回避するには、dnf removeコマンドで次の構文を使用します。
sudo dnf remove container-selinux --setopt=exclude=selinux-policy-targeted
(バグID 32860334)
dnf update glusterfs-*コマンドを実行すると、以前にインストールしたパッケージのアップグレードに失敗する
glusterfs-*.i686
パッケージがOracle Linux 8システムに存在し、次の更新バージョンにアップグレードする場合、後でdnf update glusterfs*
コマンドを実行すると、GlusterFSパッケージのアップグレードに失敗します。
回避策として、最初にシステムからglusterfs-*.i686
パッケージを削除し、次にdnf update glusterfs*コマンドを実行します。
(バグID 30279840)
libss-develパッケージがインストールされているとlibssパッケージの更新に失敗することがある
システムにlibss-devel
パッケージがインストールされている場合は、libss
パッケージの更新に失敗することがあります。
UEK R6が有効な場合はこの問題が続きます。ただし、カーネルを更新してUEK R7を有効にすると、問題は発生しなくなります。
この問題を回避するには、まずシステムからlibss-devel
パッケージを削除します。次に、Oracle Linux 8 Distro Builder開発者リポジトリ(ol8_distro_builder
)から、このパッケージの対応するバージョンをインストールします。たとえば、次のコマンドを実行できます。
sudo dnf --enablerepo=ol8_distro_builder install libss-devel
ノート:
ol8_distro_builder
リポジトリはサポートされていない開発者リポジトリです。これを、グローバルに有効にするのではなく、この特定のインストール・アクションに対してのみ有効にしてください。
(バグID 32005190)
WebコンソールでVM作成中にディスク・キャッシュ特性を構成するためのオプションを使用できない
Webコンソールでディスク・キャッシュ特性を構成するための一部のオプションは、現在、新しいVMの作成時またはインストール開始前には使用できません。VMにすでに追加されているディスクの場合、またはすでに稼働しているシステムに新しいディスクを追加する場合は、Webコンソールでこれらの構成オプションを使用できます。
別の解決策として、インストール開始前にvirt-manager CLIまたは同様のCLIを使用して、新規追加したディスクやVMにすでに存在するディスクについてディスク・キャッシュ特性を構成します。
より複雑な仮想化要件がある場合は、Oracle Linux Virtualization Managerを使用することをお薦めします。詳細は、https://docs.oracle.com/en/virtualization/oracle-linux-virtualization-manager/を参照してください。
(バグID 30301271)
Dell EMC PowerEdge Serverでブート中にACPIエラーのメッセージが表示される
IntelベースのDell EMC PowerEdgeサーバーのシステム・ブート時に、BIOSでDell Active Power Controller (DAPC)設定が有効になっていると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。
kernel: ACPI Error: No handler for Region [SYSI] (0000000061df8ef3) [IPMI] (20190816/evregion-132) kernel: ACPI Error: Region IPMI (ID=7) has no handler (20190816/exfldio-265) kernel: ACPI Error: Aborting method \_SB.PMI0._GHL due to previous error (AE_NOT_EXIST) (20190816/psparse-531) kernel: ACPI Error: Aborting method \_SB.PMI0._PMC due to previous error (AE_NOT_EXIST) (20190816/psparse-531) kernel: ACPI Error: AE_NOT_EXIST, Evaluating _PMC (20190816/power_meter-743)
この問題を回避するには、次のようにapci_power_meter
カーネル・モジュールを無効にします。
echo "blacklist acpi_power_meter" >> /etc/modprobe.d/hwmon.conf
apci_power_meter
カーネル・モジュールを無効にした後、システムを再起動することで変更内容を有効にします。
DAPC機能を必要としない環境では、別の回避策として、DAPC BIOS設定を無効にできます。
(バグID 32105233)
Oracle Linux 8で古いOracle Sunハードウェア上のSASコントローラが認識されない
Oracle Linux 8インストーラでは、古いOracle Sunサーバー・モデルに搭載されている一部のSerial Attached SCSI (SAS)コントローラが認識されません。これらのサーバー・モデルにOracle Linux 8をインストールしようとすると、インストーラはローカル・ディスクを認識せず、インストールが失敗します。これらのサーバー・モデルの例としては、Oracle Sun Fire X4170 M2 Server、Oracle Sun Fire X4170 M3 Server、Oracle Sun OVCA X3-2 ServerおよびOracle Sun X4-2 Serverなどがあります(これらのみではありません)。
次のSASコントローラは、RHCKのmpt2sas
ドライバから削除されます。
-
SAS2004、PCI ID 0x1000:0x0070
-
SAS2008、PCI ID 0x1000:0x0072
-
SAS2108_1、PCI ID 0x1000:0x0074
-
SAS2108_2、PCI ID 0x1000:0x0076
-
SAS2108_3、PCI ID 0x1000:0x0077
-
SAS2116_1、PCI ID 0x1000:0x0064
-
SAS2116_2、PCI ID 0x1000:0x0065
-
SSS6200、PCI ID 0x1000:0x007E
次のSASコントローラは、RHCKのmegaraid_sas
ドライバから削除されます。
-
Dell PERC5、PCI ID 0x1028:0x15
-
SAS1078R、PCI ID 0x1000:0x60
-
SAS1078DE、PCI ID 0x1000:0x7C
-
SAS1064R、PCI ID 0x1000:0x411
-
VERDE_ZCR、PCI ID 0x1000:0x413
-
SAS1078GEN2、PCI ID 0x1000:0x78
-
SAS0079GEN2、PCI ID 0x1000:0x79
-
SAS0073SKINNY、PCI ID 0x1000:0x73
-
SAS0071SKINNY、PCI ID 0x1000:0x71
この問題の回避策は、Unbreakable Enterprise Kernelリリース6 (UEK R6)のブートISOを使用してから、Oracle Linux 8でUEK R6を実行することです。これらのコントローラは、Unbreakable Enterprise Kernelリリースでサポートされているためです。
(バグID 29120478)
ファイル・システムの問題
Oracle Linux 8のこのリリースで発生した既知のファイル・システムの問題を次に示します。
Btrfsファイル・システムがRHCKでサポートされていない
Oracle Linux 8ではBtrfsファイル・システムはRHCKから削除されています。つまり、このカーネルの使用時にこのファイル・システムを作成またはマウントすることはできません。また、提供されているBtrfsユーザー領域パッケージはRHCKでサポートされていません。
Btrfsファイル・システムのサポートは、UEK R7およびUEK R6で有効になっています。Oracle Linux 8.3以降、インストール中にBtrfsルート・ファイル・システムを作成するオプションがあり、同じようにデバイスのフォーマット時にファイル・システム・タイプとしてBtrfsを選択するオプションもあります。
これらの変更の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
-
インストール中にBtrfsルート・ファイル・システムを作成する方法については、Oracle Linux 8: Oracle Linuxのインストールを参照してください。
-
Btrfsファイル・システムの管理については、Oracle Linux 8: ローカル・ファイル・システムの管理を参照してください。
-
UEK R6でのBtrfsに対するその他の機能拡張の最新情報は、Unbreakable Enterprise Kernel: リリース・ノートfor Unbreakable Enterprise Kernelリリース6更新3 (5.4.17-2136)を参照してください。
UEK R7の詳細は、Unbreakable Enterprise Kernel: リリース・ノートfor Unbreakable Enterprise Kernelリリース7 (5.15.0-0.30)を参照してください。
OCFS2ファイル・システムがRHCKでサポートされていない
Oracle Linux 8ではOCFS2ファイル・システムはRHCKから削除されています。つまり、このカーネルの使用時にこのファイル・システムを作成またはマウントすることはできません。また、提供されているOCFS2ユーザー領域パッケージはRHCKでサポートされていません。
OCFS2ファイル・システムのサポートは、UEK R7およびUEK R6で有効になっていることに注意してください。UEK R6のOCFS2に加えられた最新情報およびその他の拡張機能については、Unbreakable Enterprise Kernel: リリース・ノートfor Unbreakable Enterprise Kernelリリース6更新3 (5.4.17-2136)を参照してください。Unbreakable Enterprise Kernel: リリース・ノートfor Unbreakable Enterprise Kernelリリース7 (5.15.0-0.30)も参照してください。
カーネルの問題
Oracle Linux 8のこのリリースで発生した既知のカーネルの問題を次に示します。
KVMゲスト・スナップショットのデフォルト・カーネルを交換できない場合がある
あるカーネルを使用するKVMゲスト・スナップショットを作成し、別のカーネルに切り替えるためにそのスナップショットを元に戻すと、次の例に示すように、様々なvirsh
コマンドが失敗する可能性があります。切り替えはRHCKからUEKに、またはその逆の場合があります。
sudo virsh start myGuest --console
error: Failed to start domain myGuest error: operation failed: guest CPU doesn't match specification: missing features: md-clear
次のコマンドを実行すると、同様のエラーが発生します。
sudo virsh snapshot-revert myGuest mySnapshot1 --force
error: operation failed: guest CPU doesn't match specification: missing features: ibpb,amd-ssbd
ただし、同じベンダーのカーネル・バージョン同士を交換する場合、この問題は発生しません。
この問題を回避するには、ゲスト・スナップショットが最初に作成されたときと同じカーネルを使用するようにします。
(バグID 30561489)
AMD 64ビット・プラットフォームでKVMゲストが「amd64_edac_mod: 不明な記号」エラーを表示して起動する
64ビットのAMDホストでのKVMゲストのブート中に、次のエラーが繰り返し表示されることがあります。
[ 12.474069] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_register_ecc_decoder (err [ 120) [ 12.474083] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_report_gart_errors (err 0) [ 12.852250] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_unregister_ecc_decoder (err 0) [ 12.852297] amd64_edac_mod: Unknown symbol amd_register_ecc_decoder (err 0) . . .
これらのエラーは、ロードに失敗し、モジュール・リストから削除中であるモジュールに対してカーネルのモジュール・コードが誤って-EEXIST
を返すため発生します。amd64_edac_mod
モジュールはVMにロードされません。これらのエラーは機能に影響しないため、無視できます。
この問題は、RHCKを実行しているOracle Linux 8ホストでのみ発生し、UEK R6ホストでは検出されません。
(バグID 29853602)
modinfoコマンドの出力でRetpolineのサポートが表示されない
Oracle Linux 8コードのバグにより、CONFIG_RETPOLINE
フラグがY
に設定されていても、modinfo -F retpolineコマンドの出力にRetroplineサポートが表示されません。次に例を示します。
sudo modinfo -F retpoline /usr/lib/modules/4.18.0-80.el8.x86_64/kernel/sound/usb/usx2y/snd-usb-us122l.ko .xz
Retpolineサポートを追加および表示するには、CONFIG_RETPOLINE=Y
フラグが必要です。パラメータが有効になっている場合、カーネルはRetpoline対応のコンパイラを使用して構築されます。
CONFIG_RETPOLINE
フラグが有効になっていることを確認するには、カーネルのconfig-kernel
構成ファイルでパラメータを検索します。次に例を示します。
cat /boot/config-5.4.17-2011.7.4.el8uek.x86_64 | grep RETPOLINE.
CONFIG_RETPOLINE=y
(バグID 29894295)
一部のAMDハードウェアでKdumpが失敗する可能性がある
Kdumpは、現在のOracle Linuxリリースを実行している一部のAMDハードウェアで失敗することがあります。影響を受けるハードウェアには、AMD EPYC CPUサーバーが含まれます。
この問題を回避するには、/etc/sysconfig/kdump
構成ファイルを変更し、KDUMP_COMMANDLINE_APPEND
変数からiommu=off
コマンドライン・オプションを削除します。kdump
サービスを再起動して、変更内容を有効にします。
(バグID 31274238、34034614、34211826)
LVM dm-writecacheキャッシュ・メソッドの制限事項
新しいLVMのdm-writecache
キャッシュ・メソッドには、dm-cache
メソッドに存在しない次のような制限があります。
-
論理ボリュームがアクティブの場合、
dm-writecache
をアタッチまたはデタッチできません。 -
論理ボリュームが
dm-writecache
を使用している場合、論理ボリュームのスナップショットを取得できません。 -
dm-writecache
を非アクティブな論理ボリュームにアタッチする場合、既存のファイル・システムのブロック・サイズと一致するdm-writecache
ブロック・サイズを使用する必要があります。 -
dm-writecache
がボリュームにアタッチされている場合、論理ボリュームのサイズを変更できません。 -
dm-writecache
で使用されるデバイスでは、pvmove
コマンドを使用できません。 -
シン・プールまたは仮想データ・オプティマイザ(VDO)を使用している場合、
dm-writecache
で論理ボリュームを使用できません。
dm-writecache
キャッシュ・メソッドの詳細は、Oracle Linux 8: リリース・ノートfor Oracle Linux 8.2のファイル・システムおよびストレージの機能に関する項を参照してください。lvmcache(7)
マニュアル・ページも参照してください。
tracepath6で宛先IPv6アドレスが正しく解析されない
tracepath6
コマンドの実行で宛先IPv6アドレスを正しく解析できません。その結果、このツールで、正しくないホストへのルートがトレースされます。
この問題を回避するには、tracepath6
コマンドと同様の機能があるツールを使用します。
(バグID 29540588)
nohupを実行すると、sshコマンドが実行されない
Oracle Linux 8システムで、次の例に示すようなnohupコマンドを実行すると、ssh
コマンドの問題が発生することがあります。
/usr/bin/nohup ./myscript > nohup.out &
ssh
コマンドを使用して同じシステムにリモート接続しようとすると、コマンドが停止します。
この問題を回避するには、nohupコマンドの構文を次のように変更します。
/usr/bin/nohup ./myscript > nohup.out 2>&1 &
(バグID 30287091)
firewalldサービスを再起動するとSSH接続がタイムアウトする
firewalldサービスを再起動すると、サービスが開始された端末でSSH接続タイムアウトが発生します。他のSSH端末では接続したままです。
(バグID 29478124)
エラー: 「mcelogサービスはこのプロセッサをサポートしていません」
mcelogサービスがプロセッサをサポートしていないことを示すエラーが、AMDプロセッサを使用するシステム(一部のOracle Serverハードウェアなど)上のシステム・ログに表示されます。メッセージは次のように表示されます。
mcelog: ERROR: AMD Processor family 23: mcelog does not support this processor. Please use the edac_mce_amd module instead.
mcelogデーモンは、ハードウェア・エラー・メッセージを記録して処理するためにx86_64プラットフォームで使用されるサービスです。AMDシステムでは、edac_mce_amd
カーネル・モジュールによってマシン例外ロギングが処理されます。したがって、AMDシステムでは、mcelog
デーモンは必要ありません。このエラーは警告にダウングレードする必要があります。
(バグID 29501190)
電源ボタンがデフォルトでACPI Suspendモードに設定される
Oracle Linux 8のグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)コンソール・モードでは、デフォルトで、ハードウェアの電源ボタンがACPIのスリープボタンに相当します。このボタンを使用すると、システムが省電力のスリープ・モードに入ります。これは、GNOMEデスクトップ環境に固有の動作です。
以前のOracle Linuxリリースでは、ハードウェアの電源ボタンでシステムのシャットダウンが開始されました。Oracle Linux 8の動作をそれと同じにするには、次の手順を実行します。
-
次の内容を含む
/etc/dconf/db/local.d/01-shutdown-button-action
という名前のファイルを作成します。[org/gnome/settings-daemon/plugins/power] power-button-action='interactive'
-
次の内容を含む
/etc/dconf/db/local.d/locks/01-power
という名前のファイルを作成します。/org/gnome/settings-daemon/plugins/power/power-button-action
-
次のコマンドを実行します。
sudo dconf update
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デスクトップ環境からログアウトし、再度ログインすることで新しい設定を有効にします。
(バグID 25597898)
Podmanの問題
Oracle Linux 8のPodmanコンテナ管理ツールの既知の問題の詳細は、『Oracle Linux Podmanユーザー・ガイド』の「既知の問題」の章を参照してください。