3 ターゲット
ターゲットを使用することで、特定の目的に必要なサービスのみを開始するようにsystemd
を制御できます。たとえば、システムのブート時にグラフィカル・ユーザー・インタフェースが使用されないように、本番サーバーでデフォルトのターゲットをmulti-user.target
に設定します。トラブルシューティングまたは診断を実行する必要がある場合は、ターゲットをrescue.target
に設定することを検討してください。この場合、最小サービス数を実行するためにシステムにログオンするのはroot
のみです。
実行レベルごとに、systemd
で停止または開始するサービスを定義します。たとえば、systemd
はmulti-user.target
のネットワーク・サービスを起動し、graphical.target
のX Windowシステムを開始し、rescue.target
の両方のサービスを停止します。
表3-1に、よく使用されるシステム状態ターゲットと等価実行レベル・ターゲットを示します。
表3-1 システム状態ターゲットおよび等価実行レベル・ターゲット
システム状態ターゲット | 等価実行レベル・ターゲット | 説明 |
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ネットワーキングおよびディスプレイ・マネージャを使用して、マルチユーザー・システムを設定します。 |
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ネットワーキングを使用して非グラフィック・マルチユーザー・システムを設定します。 |
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システムを停止して電源をオフにします。 |
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システムを停止して再起動します。 |
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レスキュー・シェルを設定します。 |
runlevel*
ターゲットはシンボリック・リンクとして実装されます。
詳細は、systemd.target(5)
マニュアル・ページを参照してください。