systemdユニット

systemdは、管理する様々なタイプのリソースをユニットに編成します。ほとんどのユニットは、システムのニーズに応じてこれらのユニットを構成できるユニット構成ファイルで構成されます。ファイルに加えて、systemdランタイム・コマンドを使用してユニットを構成することもできます。

systemdで使用可能なすべてのタイプのユニットを表示するには、次のコマンドを使用します:

sudo systemctl -t help
Available unit types:
service
mount
swap
socket
target
device
automount
timer
path
slice
scope

次のリストでは、systemdを使用してOracle Linuxシステムで管理できるシステム・ユニットについて説明します:

サービス
サービス・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式は、service_name.serviceです(sshd.servicecrond.servicehttpd.serviceなど)。

サービス・ユニットは、デーモンおよびデーモンを構成する各プロセスを起動、管理します。

次の例は、Apache HTTPサーバーhttpd.servicesystemdサービス・ユニットを開始する方法を示しています。

sudo systemctl start httpd.service

詳細は、「サービス管理」を参照してください。

ターゲット
ターゲット・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式はtarget_name.targetです(graphical.targetなど)。

ターゲットは実行レベルと似ています。リソースが構成されると、ブート・プロセス中にシステムが別のターゲットに到達します。たとえば、システムはターゲットnetwork-online.targetに到達する前にnetwork-pre.target に達します。

多くのターゲット・ユニットには依存関係があります。たとえば、graphical.targetのアクティブ化(グラフィカル・セッションの場合)は、multi-user.target (マルチユーザー・システムの場合)もアクティブでないかぎり失敗します。

詳細は、「ターゲット」を参照してください。

ファイル・システムのマウント・ポイント
マウント・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式は、mount_point_name.mountです。
マウント・ユニットを使用すると、ブート時にファイル・システムをマウントできます。たとえば、次のコマンドを実行して、起動時に一時ファイル・システム(tmpfs)を/tmpにマウントできます。
sudo systemctl enable tmp.mount
デバイス
デバイス・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式は、device_unit_name.deviceです。

デバイス・ユニットには、制御する/sysおよび/devパスに基づいて名前が付けられます。たとえば、デバイス/dev/sda5はsystemdでdev-sda5.deviceとして公開されます。

デバイス・ユニットを使用すると、デバイスベースのアクティブ化を実装できます。

ソケット
ソケット・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式は、socket_unit_name.socketです。

各*.socketファイルには、ソケット上の受信トラフィックで開始するようにサービスを構成するために、対応する*.serviceファイルが必要です。

ソケット・ユニットを使用すると、ソケットベースのアクティブ化を実装できます。

タイマー

タイマー・ユニットの構成ファイルのファイル名の形式は、timer_unit_name.timerです。

各*.timerファイルには、構成されたタイマー・イベントで開始するようにサービスを構成するために、対応する*.serviceファイルが必要です。必要に応じて、Unit構成エントリを使用して、タイマー・ユニットとは異なる名前のサービスを指定できます。

タイマー・ユニットは、サービス・ユニットの実行時期を制御でき、cronデーモンを使用する代替手段として機能できます。タイマー・ユニットは、カレンダ時間イベント、モノトニックな時間イベントに対して構成でき、非同期に実行できます。

詳細は、「タイマーの操作」を参照してください。

systemdユニット構成ファイルへのパスは、その目的、およびsystemdが'user'モードと'system'モードのどちらで実行されているかによって異なります。たとえば、パッケージからインストールされたユニットの構成は/usr/lib/systemd/systemまたは/usr/local/lib/systemd/systemで使用でき、ユーザー・モードの構成ユニットは$HOME/.config/systemd/userに格納される可能性があります。詳細は、systemd.unit(5)マニュアル・ページを参照してください。