15 Oracle Fusion Middlewareネットワーク構成の変更
- ネットワーク構成の変更について
Oracle Fusion Middlewareドメインのホスト名およびIPアドレスや、Oracle Fusion Middlewareで使用するデータベースを変更できます。 - ネットワーク接続のオン/オフの切替え
Oracle Fusion Middlewareホストのネットワーク接続のオン/オフを切り替えできます。 - 静的IPアドレスとDHCPの切替え
静的IPアドレスとDHCPを切り替えできます。 - IPv6の使用
Oracle Fusion Middlewareでは、インターネット・プロトコル・バージョン4 (IPv4)およびインターネット・プロトコル・バージョン6 (IPv6)がサポートされます。
親トピック: 高度な管理
ネットワーク構成の変更について
Oracle Fusion Middlewareドメインのホスト名およびIPアドレスや、Oracle Fusion Middlewareで使用するデータベースを変更できます。
- ネットワーク構成の変更の概要
- chghostユーティリティについて
chghostユーティリティを使用して、Oracle Fusion Middlewareインストール、またはOracle Fusion Middlewareスキーマを含むデータベースを含むマシンのホスト名、ネットワーク・ドメイン名、またはIPアドレスを変更できます。 - Oracle Fusion Middlewareのホスト名の変更
Oracle Fusion Middlewareを含むホストのホスト名を変更できます。 - Oracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動
- マルチノードのOracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareを複数のホストにインストールした場合、それを新しいホストに移動できます。 - データベースのホスト名またはIPアドレスの変更
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースを含むホストのホスト名またはIPアドレスを変更できます。 - Oracle Fusion Middlewareデータベースの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースを新しいホストへ移動できます。 - マルチノードのOracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースを複数のホストにインストールした場合、それを新しいホストに移動できます。 - ネットワーク構成の変更のための追加のタスク
一部のコンポーネントでは、ネットワーク構成を変更するのに、chghostユーティリティを実行した後に、追加のステップが必要です。
ネットワーク構成の変更の概要
バイナリ・クローニング、chghostユーティリティ、ホストから別のホストへのファイルのコピーの組合せを使用して、Oracle Fusion Middlewareでは次の変更がサポートされます。
-
管理サーバーまたは1つ以上の管理対象サーバーのホスト名またはIPアドレスの変更。「Oracle Fusion Middlewareのホスト名の変更」を参照してください。
-
Oracle Fusion Middlewareの別のホストへの移動。「Oracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動」または「マルチノードのOracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動」を参照してください。
-
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースを含むホストのホスト名またはIPアドレスの変更。「データベースのホスト名またはIPアドレスの変更」を参照してください。
-
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースの別のホストへの移動。「Oracle Fusion Middlewareデータベースの新しいホストへの移動」を参照してください。
-
Oracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースの別のホストへの移動。「マルチノードのOracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースの新しいホストへの移動」を参照してください。
次の点に注意してください。
-
トポロジは変更できません。たとえば、管理対象サーバーを追加または削除することはできず、WebLogicサーバーのドメイン名を変更することもできません。ポート番号は変更できません。
-
ソースおよびターゲット・インスタンスの両方のパスは同じである必要があります。これは変更できません。
-
Oracle Fusion Middlewareをオペレーティング・システムの1つのタイプから別のタイプに移動できません。同じタイプのオペレーティング・システムにのみ移動できます。
-
データベースをホストから別のホストへ移動する場合、データベース・タイプは変更できません。たとえば、データベース・タイプをOracleデータベースからSQL Serverデータベースに変更することはできません。
-
マルチノード環境で、各ノードのネットワーク構成を別個に移動または変更することは可能です。たとえば、管理サーバーがホストAにあり、管理対象サーバーがホストBにある場合、管理サーバー、管理対象サーバーまたはその両方のネットワーク構成を移動または変更することができます。
-
chghostユーティリティはバイナリ・データまたはデータベース内のデータを移動できません。
-
chghostユーティリティはSSLのみが構成された環境をサポートしません。SSLのみとは、管理ポートが有効またはSSLポートのみが有効という意味です。
次のコンポーネントはchghostスクリプトをサポートしません。
-
Oracle WebCenter Sites
-
Oracle BI EE
-
Oracle Data Integrator
- Oracle Access Manager
-
Oracle Internet Directory
-
Oracle Forms Services: 「Oracle Forms Servicesのネットワーク構成の変更のための追加のタスク」を参照してください。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
chghostユーティリティについて
chghostユーティリティを使用して、Oracle Fusion Middlewareインストール、またはOracle Fusion Middlewareスキーマを含むデータベースを含むマシンのホスト名、ネットワーク・ドメイン名、またはIPアドレスを変更できます。
chghostユーティリティは、コマンドライン、または入力ファイルに指定した情報を使用して、Oracle Fusion Middleware内のホスト名、ネットワーク・ドメイン名、またはIPアドレスへの参照を変更します。
chghostコマンドの場所は次のとおりです。
(UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/bin/chghost.sh (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\bin\chghost.bat
管理サーバーのホスト名、ネットワーク・ドメイン名、またはIPアドレスを変更している場合、コマンドの形式は次のとおりです。
./chghost.sh -chgHostInputFile ini_file -javaHome location_of_javahome -domainLoc target_domain_path -domainAdminUserName username -walletDir location_of_wallet_dir [-logPriority log_level] [-logDir location_of_log_file] [-ignoreValidationErrors option[, option]]
マルチノード環境で、管理対象サーバーのホスト名、ネットワーク・ドメイン名、またはIPアドレスを変更している場合、コマンドの形式は次のとおりです。
./chghost.sh -chgHostInputFile ini_file -javaHome location_of_javahome -domainLoc target_domain_path -domainAdminUserName username -walletDir location_of_wallet_dir [-logPriority log_level] [-logDir location_of_log_file] [-ignoreValidationErrors option[, option]] -adminURL URL_of_admin_server -managed
表15-1に、chghostコマンドのオプションを示します。
表15-1 chghostコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
-javaHome |
Javaホーム。このユーティリティは次の優先度を使用してJavaインスタンスを呼び出します。
|
-chgHostInputFile |
ファイル名を含む、サーバー・ホストのマッピングおよびデータベース・ホストのマッピングに関する情報を含む入力ファイルの絶対パス。chgHostInputファイルを除き、コマンドライン・オプションも含むことができます。 |
-domainLoc |
ネットワーク構成を変更するドメインの絶対パス。 |
-domainAdminUserName |
管理者ユーザー。 |
-walletDir |
管理ユーザーのパスワードが含まれるファイルをchghostユーティリティが作成するディレクトリの絶対パス。 |
-logPriority |
オプションです。ログ・ファイルに書き込まれる情報のレベル。有効な値(最大値から最小値): SEVERE、WARNING、INFO、CONFIG、FINE、FINER、FINEST。 |
-logDir |
オプションです。chghostユーティリティがログ情報を書き込むディレクトリの絶対パス。 |
-ignoreValidationErrors |
オプションです。次のカンマ区切りの値を使用できます。
ノート: 値を使用せずに |
-adminURL |
管理サーバーのURL。管理対象サーバー(管理サーバーではありません)を含むホストのホスト名を変更するときのみこれを使用します。 |
-managed |
管理サーバーのURL。管理対象サーバー(管理サーバーではありません)を含むホストのホスト名を変更するときのみこれを使用します。 |
chgHostInputパラメータに渡される入力ファイルを作成する必要があります。入力ファイル名の書式は次のとおりです。
# Headers are within the brackets[]. Don't change the header name.
[ARGUMENTS]
-domainLoc domain_location
-domainAdminUserName admin_username
-walletDir wallet_location
-logPriority log_priority
-logDir log_directory
-ignoreValidationErrors option[, option]
# The following two arguments are used only when changing
# the host name of a host that contains Managed Servers,
# not the Administration Server.
-adminURL URL_of_admin_server
-managed
[SERVER_HOST_MAPPING]
#pattern source_host_name=target_host_name
source_admin_server_host.example.com=target_admin_server_host.example.com
source_admin_server_IPAddress=target_admin_server_IPAddress
source_managed_server_host.example.com=target_managed_server_host.example.com
[DATABASE_MAPPING]
# You can only change the database host name.
db1_host.example.com=db2_host.example.com
[LDAP_MAPPING]
# You can only change the LDAP host name.
ldap1_host.example.com=ldap2_host.example.com
次の点に注意してください。
-
ヘッダー名は変更できません([DATABASE_MAPPING]など、かっこ内の名前)。
-
SERVER_HOST_MAPPINGおよびDATABASE_MAPPINGの両方に対し、ソース・システムの完全な正規名を指定する場合、ターゲット・システムの完全な正規名を指定する必要があります。ソース・システムの短縮名を指定する場合、ターゲット・システムの短縮名を指定する必要があります。たとえば、次のマッピングは無効です。
host_a.example.com=host_a1.com host_a.com=host_a1.example.com
-
chghostスクリプトを実行するときに、管理サーバーとすべての管理対象サーバーが停止している必要があります。
-
別のデータベースがソースおよびターゲットで使用されている場合、データベースのポート番号およびSIDはターゲットとソースとで同じにする必要があります。
-
chghostユーティリティがポートの検証エラーで実行中に失敗した場合(つまり複数のサーバーが同じポートを持っている)、次のプロパティを設定し、再度chghostユーティリティを実行します。
-Dchghost.ignore.validation.port=true -chghost.temporary.port.range=lowerPort-higherport
chghostユーティリティの実行中に、一時ポートが割り当てられます。その後、実行の最後に、元のポートがリストアされます。
たとえば:Linux:
CHGHOST_JAVA_OPTIONS="$CHGHOST_JAVA_OPTIONS -Dchghost.ignore.validation.port=true -Dchghost.temporary.port.range=443-10000" export CHGHOST_JAVA_OPTIONS
Windows:
set CHGHOST_JAVA_OPTIONS]=%CHGHOST_JAVA_OPTIONS% -Dchghost.ignore.validation.port=true -Dchghost.temporary.port.range=443-10000
親トピック: ネットワーク構成の変更について
Oracle Fusion Middlewareのホスト名の変更
Oracle Fusion Middlewareを含むホストのホスト名を変更できます。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
Oracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動
このシナリオでは、Oracle Fusion Middlewareを新しいホストへ移動しようとしています。現在はHost_Aにありますが、それをHost_A1に移行しようとしています。
copyBinaryおよびpasteBinaryコマンドを使用してバイナリ・ファイルを移動し、chghostコマンドを使用してOracle Fusion Middlewareのホスト名またはIPアドレスを変更します。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
マルチノードのOracle Fusion Middlewareの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareを複数のホストにインストールした場合、それを新しいホストに移動できます。
このシナリオでは、Oracle Fusion Middlewareを複数のホストにインストールし、それを新しいホストに移動しようとしています。管理サーバーはHost_Aに、管理対象サーバーはHost_Bにあります。管理サーバーをHost_A1に、管理対象サーバーをHost_B1に移動しようとしています。
copyBinaryおよびpasteBinaryコマンドを使用してバイナリ・ファイルを移動し、chghostコマンドを使用してOracle Fusion Middlewareのホスト名またはIPアドレスを変更します。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
データベースのホスト名またはIPアドレスの変更
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースを含むホストのホスト名またはIPアドレスを変更できます。
データベースのホスト名をHost_CからHost_C1に変更するには、次のようにします。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
Oracle Fusion Middlewareデータベースの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareスキーマを保持するデータベースを新しいホストへ移動できます。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
マルチノードのOracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースの新しいホストへの移動
Oracle Fusion Middlewareおよびそのデータベースを複数のホストにインストールした場合、それを新しいホストに移動できます。
このシナリオでは、Oracle Fusion Middlewareを複数のホストにインストールし、それを新しいホストに移動しようとしています。管理サーバーはHost_Aに、管理対象サーバーはHost_Bにあります。管理サーバーをHost_A1に、管理対象サーバーをHost_B1に移動しようとしています。さらに、データベースをHost_Cにインストール済で、それをHost_C1に移動しようとしています。
copyBinaryおよびpasteBinaryコマンドを使用してバイナリ・ファイルを移動し、chghostコマンドを使用してOracle Fusion Middlewareのホスト名またはIPアドレスを変更します。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
ネットワーク構成の変更のための追加のタスク
一部のコンポーネントでは、ネットワーク構成を変更するのに、chghostユーティリティを実行した後に、追加のステップが必要です。
- Oracle Forms Servicesのネットワーク構成の変更のための追加のタスク
chghostユーティリティを実行した後、Forms Application Deployment Servicesのホストおよびポート情報を更新するための追加のステップを実行する必要があります。
親トピック: ネットワーク構成の変更について
Oracle Forms Servicesのネットワーク構成の変更のための追加のタスク
chghostユーティリティを実行した後、Formsアプリケーションのデプロイメント・サービスのためにホストおよびポート情報を更新する追加のステップが必要です。
ORACLE_HOME/forms/fads/fads_config.py
スクリプトは次の必須引数を取ります。
-
管理サーバーのホスト名
-
管理サーバーのポート
-
アプリケーション・ディレクトリ
たとえば:
wlst.sh ORACLE_HOME/forms/fads/fads_config.py updateHostPort myserverhost myserverport Oracle_Home/applications/forms_domain
親トピック: ネットワーク構成の変更のための追加のタスク
ネットワーク接続のオン/オフの切替え
Oracle Fusion Middlewareホストのネットワーク接続のオン/オフを切り替えできます。
前提および制限は次のとおりです。
-
ホストには、Infrastructureを使用しないインスタンスが含まれている必要があります。または、中間層インスタンスおよびInfrastructureが同じホスト内にある必要があります。
-
DHCPは、ループバック・モードで使用する必要があります。「Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様」を参照してください。
-
IPアドレスの変更のみがサポートされています。ホスト名は変更できません。
-
DHCPモードでは、デフォルトのホスト名(
localhost.localdomain
)は使用しないでください。標準のホスト名を使用するようにホストを設定します。ループバックIPアドレスからそのホスト名に解決する必要があります。 -
ループバック・アダプタはすべてのオフ状態のネットワークのインストール(DHCPまたは静的IP)で必要です。
この項では、次の項目について説明します。
ネットワーク接続のオフからオンへの変更(静的IPアドレス)
この手順では、ネットワーク接続されていないホストに標準のホスト名(localhost
ではない)を使用してOracle Fusion Middlewareをインストールした後で、ネットワークに接続し、静的IPアドレスを使用する場合を想定しています。IPアドレスは、デフォルトのループバックIPまたは任意の標準的なIPアドレスです。
ネットワークに接続された状態に変更するには、ホストをネットワークに接続します。Oracle Fusion Middlewareの更新は必要ありません。
親トピック: ネットワーク接続のオン/オフの切替え
ネットワーク接続のオフからオンへの変更(DHCP)
この手順は、ネットワーク接続されていないホストに標準のホスト名(localhost
ではない)を使用してインストールした後で、ネットワークに接続し、DHCPを使用する場合を想定しています。ホストのIPアドレスは、任意の静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスのいずれでもかまいません。また、このアドレスはホスト名に対して設定されている必要があります。
ネットワークに接続をオンにするには:
- DHCPを使用してホストをネットワークに接続します。
- ループバックIPアドレスに対してのみ、ホスト名を構成します。
親トピック: ネットワーク接続のオン/オフの切替え
ネットワーク接続のオンからオフへの変更(静的IPアドレス)
この手順は、ホストがネットワークに接続され、静的IPアドレスを使用している状態を、ネットワークに接続されていない状態に変更する場合に実行します。
親トピック: ネットワーク接続のオン/オフの切替え
静的IPアドレスとDHCPの切替え
静的IPアドレスとDHCPを切り替えできます。
前提および制限は次のとおりです。
-
このホストには、アイデンティティ管理コンポーネントなどのすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネント、およびこれらのコンポーネントに関連付けられたデータベースが含まれている必要があります。つまり、Oracle Fusion Middleware環境全体が、このホスト上に存在している必要があります。
-
DHCPは、ループバック・モードで使用する必要があります。「Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様」を参照してください。
-
IPアドレスの変更のみがサポートされています。ホスト名は変更できません。
-
DHCPモードでは、デフォルトのホスト名(
localhost.localdomain
)は使用しないでください。標準のホスト名を使用するようにホストを設定します。ループバックIPアドレスからそのホスト名に解決する必要があります。
静的IPアドレスからDHCPへの切替え
ホストの設定を静的IPアドレスからDHCPに変更するには:
- ホストをDHCPに変更する前に、ホスト名とループバックIPアドレスを関連付けてホストを構成します。
- ホストをDHCPに変更します。Oracle Fusion Middlewareを更新する必要はありません。
親トピック: 静的IPアドレスとDHCPの切替え
DHCPから静的IPアドレスへの切替え
ホストの設定をDHCPから静的IPアドレスに変更するには:
- ホストが静的IPアドレスを使用するように変更します。
- Oracle Fusion Middlewareを更新する必要はありません。
親トピック: 静的IPアドレスとDHCPの切替え
IPv6の使用
Oracle Fusion Middlewareでは、インターネット・プロトコル・バージョン4 (IPv4)およびインターネット・プロトコル・バージョン6 (IPv6)がサポートされます。
特にIPv6 (128ビット)では、IPv4 (32ビット)と比較してサポートされるアドレス空間が大きいため、Web上でアドレス指定可能なコンピュータの数が幾何級数的に増加しています。
IPv6のアドレスは、8つに区切られた4桁の16進数で表します。たとえば:
2001:0db8:85a3:08d3:1319:8a2e:0370:7334
Oracle Fusion MiddlewareコンポーネントによるIPv6サポートの詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を参照してください。
ほとんどのコンポーネントはIPv6をサポートしています。IPv6用にOracle Fusion Middlewareの特定のコンポーネントを構成する方法の詳細は、次のトピックを参照してください。
Oracle HTTP ServerでIPv6を使用する場合の構成
IPv6を使用して通信を行うようにOracle HTTP Serverを構成するには、次のディレクトリにある構成ファイルを変更します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs_name (Windows) DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\components\OHS\ohs_name
たとえば、IPv6を実行しているホスト上のOracle WebLogic Serverと通信するようにOracle HTTP Serverを構成するには、mod_wl_ohsを構成します。次のディレクトリにある構成ファイルを編集します。
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/ohs1
これらの構成ファイルで、次のいずれかのパラメータを使用して、解決可能なホスト名またはIPv6アドレスを指定します。
WebLogicHost hostname | [IPaddress] WebCluster [IPaddress_1]:portnum1, [IPaddress_2]:portnum2, [IPaddress_3]:portnum3, ...
IPv6アドレスは大カッコで囲む必要があります。
エラーはすべてOracle HTTP Serverのログに記録されます。詳細情報を生成するには、mod_weblogicディレクティブにDebug AllおよびWLLogFileパスを設定します。Oracle HTTP Serverはモジュール固有のメッセージを記録します。
ノート:
Oracle HTTP Serverの以前のバージョンでは、IPv6ノードが含まれる動的クラスタを使用する場合に制限がありました。たとえば、Oracle WebLogic Server用のOracle HTTP Serverプラグインでは、IPv6サポートが制限され、プラグインのDSL(動的サーバー・リスト)機能がサポートされていませんでした。つまり、サーバー・リストの静的構成(DynamicServerList=OFF)のみがサポートされていました。これらの制限は解消されています。
OHSのインストール/構成に付属するデフォルトのSSLウォレットには、サブジェクト行にlocalhostが記述された証明書が含まれます。
Listen
、VirtualHost
およびServerName
ディレクティブのadmin.conf
にlocalhostを配置すると、すべて正常に動作します。
admin.conf
でlocalhostを使用しない場合は、そのホストのfqdn
名を使用できます。
たとえば:
Listen
、VirtualHost
およびServerName
ディレクティブのabc.xyz.com
。ここで、証明書のサブジェクト行にabc.xyz.com
を含む新しい証明書を使用して新しいウォレットを作成し、この新しいウォレットをadmin.conf
に指定する必要があります。
ノード・マネージャOHSプラグインはOHS admin.conf
を読み取り、これらの設定を使用してOHSに接続します。
親トピック: IPv6の使用
Oracle SOA Suite、Oracle Identity GovernanceおよびFusion Middleware Controlでのデュアル・スタックの使用
Oracle SOA SuiteおよびOracle Identity Governanceは、デュアル・スタック構成をサポートしています。ただし、Fusion Middleware ControlをOracle SOA SuiteまたはOracle Identity Governanceとともに使用する場合は、次のファイル内でプロトコルを指定する必要があります。そうしないと、Fusion Middleware Controlが正しく機能しないことがあります。
DSOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh
ファイル内の${DOMAIN_HOME}/bin/setDomainEnv.sh
という行の後にIPプロトコルを指定して、次の行を追加します:
$DOMAIN_HOME/bin JAVA_OPTIONS="${JAVA_OPTIONS} -Djava.net.preferIPv4Stack=true"
親トピック: IPv6の使用