5 ポートの管理

Oracle WebLogic ServerまたはOracle HTTP Serverによって使用されるポート番号などの、Oracle Fusion Middlewareポート番号を確認および変更できます。

ポートの管理について

Oracle Fusion Middlewareの多くのコンポーネントおよびサービスではポートを使用します。ほとんどのポート番号はドメインの作成時に割り当てられます。管理者は、これらのサービスで使用されるポート番号を把握し、同じポート番号がホスト上の2つのサービスに使用されないことを確認する必要があります。

一部のポートは、ドメインの作成時にポート番号割当てを指定できます。

インストール時に通常割り当てられるポート番号のリストは、「ポート番号」を参照してください。インストール時のポートの割当てを無効にする方法の詳細は、インストレーション・ガイドを参照してください。

ポート番号の表示

多くの場合、Oracle Fusion Middleware環境で使用されるポート番号を把握する必要があります。

次の各トピックで説明するように、コマンド行またはFusion Middleware Controlを使用して、現在使用中のポート番号を表示できます。

コマンド行を使用したポート番号の表示

Oracle WebLogic Serverのポート番号を表示するには、属性を指定してWLSTのgetコマンドを使用します。たとえば、管理ポートを取得するには、次のコマンドを使用します。

wls:/WLS_domain/serverConfig> get('AdministrationPort')
9002

Fusion Middleware Controlを使用したポート番号の表示

Fusion Middleware Controlを使用して、ドメイン、管理サーバー、管理対象サーバー、Oracle HTTP Serverなどのコンポーネントのポート番号を表示できます。

たとえば、ドメインのポートを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューで「モニタリング」「ポートの使用状況」を選択します。

    次の図に示すように、「ポートの使用状況」ページが表示されます。

    オプションで、「表示」から管理対象サーバーを選択することで、表示するポートをフィルタできます。

「ポートの使用状況の詳細」表に、使用されているポート、IPアドレス、コンポーネント、チャネルおよびプロトコルが表示されます。

ターゲットに移動し、ターゲットのメニューから「ポートの使用状況」を選択することでも、管理サーバー、管理対象サーバー、Oracle HTTP Serverなどのコンポーネントについて同様のページを表示できます。

Oracle Fusion Middlewareで使用するポート番号の変更

Fusion Middleware ControlOracle WebLogic Server管理コンソールまたはコマンド行を使用して、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのポート番号を変更できます。

ポート番号は、未使用であるポートの任意のポート番号に変更できます。コンポーネントに割り当てられているポート範囲内のポート番号を使用する必要はありません。割り当てられているポート範囲の詳細は、「ポート番号」を参照してください。

その他のポートの変更の詳細は、次を参照してください。

Oracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更できます。

Oracle WebLogic Serverポートの変更の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』リスニング・ポートの構成に関する項を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

Fusion Middleware Controlを使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには:

  1. ターゲット・ナビゲーション・ペインで、サーバーを選択します。
  2. 「WebLogic Server」メニューで、「管理」「一般設定」を選択します。
  3. 「構成」タブを選択します。「一般設定」タブで、「リスニング・ポート」または「SSLリスニング・ポート」の数値を変更します。
  4. サーバーが稼働中であれば、サーバーを再起動します。
  5. 別のコンポーネントがOracle WebLogic Serverリスニング・ポートに依存している場合、そのようなコンポーネントを再構成する必要があります。
WLSTを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

WLSTコマンド行を使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次の手順を実行します。コマンドはオフライン・モードで(サーバーに接続せずに)実行する必要があります。

たとえば、管理サーバーのHTTPリスニング・ポートをポート8001に変更するには、次のWLSTコマンドを使用します。

readDomain("oracle/config/domains/domain_name")
cd("servers/AdminServer")
cmo.setListenPort(8001)
updateDomain()

ノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

次の各トピックで説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、ノード・マネージャのリスニング・ポートを変更できます。

WLSTを使用したノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

WLSTを使用してノード・マネージャのリスニング・ポートを変更するには:

readDomain('Domain_Home')
cd('/')
cd('NMProperties')
set('ListenPort',new_port_number)
updateDomain()
Fusion Middleware Controlを使用したノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

Fusion Middleware Controlを使用してノード・マネージャのリスニング・ポートを変更するには、新しいポートを指し示すようマシンの構成を変更します。

  1. ノード・マネージャのプロパティ・ファイルを編集して、リスニング・ポート・プロパティを変更します。ドメインベースのノード・マネージャの場合、ファイルは次の場所にあります。
    DOMAIN_HOME/nodemanager/nodemanager.properties
    
  2. 「WebLogicドメイン」メニューから「環境」「マシン」を選択します。
  3. 「マシン」ページで、マシンを選択します。
  4. 「構成」タブを選択します。
  5. 「ノード・マネージャ」タブを選択します。
  6. 「リスニング・ポート」を新しいポート番号に変更します。
  7. 「保存」をクリックします。

Oracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverリスニング・ポート(非SSLまたはSSL)を変更する場合、通常、設定する必要がある依存関係が存在します。

次の各トピックでは、Oracle HTTP ServerのHTTPまたはHTTPSリスニング・ポートを変更する方法について説明します。

1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)

デフォルトでは、Oracle HTTP Serverはroot以外のユーザー(Oracle Fusion Middlewareをインストールしたユーザー)として実行されます。UNIXシステムでは、Oracle HTTP Serverのリスニング・ポート番号を1024未満の値に変更する場合は、rootとして実行するようにOracle HTTP Serverを有効にする必要があります。

rootとして実行するようにリスニング・ポートを有効にする方法の詳細は、『Oracle HTTP Serverの管理』権限ポートでのOracle HTTP Serverインスタンスの起動(UNIXの場合のみ)に関する項を参照してください。

WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP Serverの非SSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverの非SSL (HTTP)リスニング・ポートを変更するステップは次のとおりです。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、最初に「1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)」のステップを実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Serverリスニング・ポートを変更するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「HTTP_Server」を展開します。次に、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。
  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」「ポート構成」を選択します。
  3. HTTPプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。
  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。
  5. 「Oracle HTTP Server」メニューから「管理」を選択し、「拡張構成」を選択します。
  6. 関連する構成ファイルを選択し、関連するVirtualHostディレクティブを修正して、VirtualHostの古いリスニング・ポートの値を新しい値に変更します。たとえば:
    <VirtualHost *:4443> 

    構成を保存します。

  7. Oracle HTTP Serverを再起動します。(「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」「再起動」を選択します。)
WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP ServerのSSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP ServerのSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次のステップを実行します。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、「1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)」のステップを実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Server SSLリスニング・ポートを変更するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「HTTP_Server」を展開します。次に、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。
  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」「ポート構成」を選択します。
  3. HTTPSプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。
  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。
  5. 「Oracle HTTP Server」メニューから「管理」を選択し、「拡張構成」を選択します。
  6. 関連する構成ファイルを選択し、関連するVirtualHostディレクティブを修正して、VirtualHostの古いリスニング・ポートの値を新しい値に変更します。たとえば:
    <VirtualHost *:4443> 

    構成を保存します。

  7. Oracle HTTP Serverを再起動します。(「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」「再起動」を選択します。)
スタンドアロン・ドメインでのOracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

スタンドアロン・ドメインにおいてOracle HTTP Serverの非SSLおよびSSLリスニング・ポートを変更するには、次の手順に従います。

  1. 次の構成ファイルのコピーを作成します。
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/httpd.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/admin.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/ssl.conf
  2. 次の構成ファイルおよびポート値を格納しているその他の構成ファイルを修正します。
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/httpd.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/ssl.conf
  3. ファイル内の非SSLおよびSSLリスニング・ポートを新しい値に置換します。
  4. ファイル内の関連する仮想ホスト・ポートを修正します。

Oracle Database Netリスナー・ポートの変更

環境にメタデータ・リポジトリとして機能するOracle Databaseが含まれるときに、そのデータベースのリスナー・ポート番号を変更する場合は、この項で説明する手順を実行します。

最初に、リスナー・ポート番号の変更が必要かどうかを判断します。ホスト上に同じポートを使用する別のデータベースがある場合でも、両方のデータベースで同じポートを使用できます。

複数のOracle Database 10g、Oracle Database 11g、Oracle Database 12cデータベースで、同じOracle Netリスナー・ポートを共有できます。メタデータ・リポジトリとしてOracle Databaseを使用しているホストに別のOracle Database 10g、Oracle Database 11g、Oracle Database 12cデータベースが含まれる場合、それらはすべてポート1521を使用できます。リスナー・ポート番号を変更する必要はありません。

ノート:

1つのホスト上で同じキー値を使用する2つのリスナーを実行する場合は、「IPCリスナーのKEY値の変更」を参照してください。

データベース・リスナー・ポートを変更するには:

  1. メタデータ・リポジトリを使用するすべてのコンポーネントを停止します。手順は、「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」を参照してください。

  2. メタデータ・リポジトリ・ホストで、メタデータ・リポジトリのOracle Netリスナー・ポートを変更します。

    1. ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数が設定されていることを確認します。

    2. メタデータ・リポジトリ・リスナーを停止します。

      lsnrctl stop
      
    3. 次の場所にあるlistener.oraファイルを編集します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora
      (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\listener.ora
      

      LISTENERエントリの下にあるPORTの値を更新します。ファイルを保存します。

    4. tnsnames.oraファイルを編集します。デフォルトの場所は次のとおりです。

      (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.ora
      (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\tnsnames.ora
      

      ファイルに次の変更を加えます。

      • MDSリポジトリに適用する各エントリでPORT値を更新します。

      • 次のようなエントリを追加します。

        newnetport =
          (DESCRIPTION =
            (ADDRESS = (PROTOCOL = tcp) (HOST = hostname) (PORT = port)))
        

        この例で、hostnameは完全修飾のホスト名、portは新しいポート番号です。

    5. メタデータ・リポジトリ・リスナーを起動します。

      lsnrctl start
      
    6. SQL*Plusを使用して、SYSDBA権限を持つSYSTEMユーザーとしてメタデータ・リポジトリにログインし、次のコマンドを実行します。

      SQL> ALTER SYSTEM SET local_listener='newnetport' scope=spfile;
      
    7. SQL*Plusを使用して、メタデータ・リポジトリを再起動します。

      SQL> SHUTDOWN
      SQL> STARTUP
      
  3. メタデータ・リポジトリに新しいポート番号を使用するようにシステム・データ・ソースを変更します。これを行うには、Fusion Middleware Controlを使用できます。

    1. チェンジ・センターで、「ロックして編集」をクリックします。

    2. ナビゲーション・ペインで、ドメインを展開します。

      「WebLogicドメイン」ページが表示されます。

    3. 「WebLogicドメイン」メニューから「JDBCデータ・ソース」を選択します。

      「JDBCデータ・ソースの概要」ページが表示されます。

    4. 変更するデータ・ソースを選択します。

      「JDBCデータ・ソース」ページが表示されます。

    5. 「接続プール」タブを選択します。

    6. データベース・ポートを変更するには、「データベースURL」フィールドを変更します。たとえば:

      jdbc:oracle:thin:@hostname.domainname.com:1522/orcl
      
    7. 「保存」をクリックします。

    8. このデータ・ソースを使用するサーバーを再起動します。(「ターゲット」タブをクリックし、このデータ・ソースを使用するサーバーを表示します。)

IPCリスナーのKEY値の変更

2つのリスナーのIPCプロトコル・アドレスに同じKEY値の使用が構成されている場合は、それらを同時に実行できません。デフォルトでは、メタデータ・リポジトリ・リスナーのIPC KEY値はEXTPROCに設定されます。したがって、EXTPROCキーを使用するIPCリスナーが他にもある場合は、EXTPROC1などの別のキー値を使用するようにメタデータ・リポジトリ・リスナーを構成する必要があります。

IPCリスナーのKEY値を変更するには:

  1. リスナーを停止します(ORACLE_HOME環境変数が最初に設定されていることを確認します)。
    lsnrctl stop
    
  2. listener.oraおよびtnsnames.oraファイルを編集します。各ファイルで、次の行を探します。
    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC))
    

    この行を次のように変更します。

    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC1))
    
  3. リスナーを再起動します。
    lsnrctl start