11 Oracle Fusion Middlewareのモニタリング

Fusion Middleware ControlOracle WebLogic Server管理コンソールおよびコマンド行を使用してOracle Fusion Middlewareをモニターできます。

Oracle Fusion Middlewareのステータスのモニタリング

Oracle Fusion Middleware環境のヘルスのモニタリングおよびパフォーマンスが最適であることの確認は、管理者の重要なタスクです。

Oracle Fusion Middlewareでは、次の方法で環境のステータスをモニタリングできます。

  • Fusion Middleware Control: Oracle WebLogic Serverドメイン、クラスタ、サーバー、Javaコンポーネント、システム・コンポーネントおよびアプリケーションのステータスをモニターできます。Oracle HTTP Serverインスタンスのホーム・ページなどのエンティティのホーム・ページにナビゲートします。

  • Oracle WebLogic Server管理コンソール: Oracle WebLogic Serverドメイン、クラスタ、サーバー、Javaコンポーネントおよびアプリケーションのステータスをモニターできます。管理コンソールからエンティティのページにナビゲートします。コンソールを使用したモニタリングの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』管理コンソールの概要に関する項を参照してください。

  • コマンド行: WLSTのstateコマンドを使用して、環境のステータスをモニターできます。

この章のほとんどのモニタリング・タスクでは、Fusion Middleware Controlまたはコマンド行を使用してモニターする方法を説明します。

次の各項で、詳細を説明します。

Oracle WebLogic Serverドメインのモニタリング

Fusion Middleware Controlのドメインのホーム・ページから、ドメイン内のサーバー、クラスタ、デプロイメントを含め、ドメインのステータスを表示できます。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューから、「ホーム」を選択します。

    ドメインのホーム・ページが表示されます。このページには次の内容が表示されます。

    • 管理サーバーおよび管理サーバーが置かれているホストの名前。

    • ドメイン内のサーバーに関する情報がリストされた表。表には、「名前」、「ステータス」、「サーバー・タイプ」、「ホスト」、「クラスタ」、「リスニング・ポート」、「CPU使用率」および「ヒープ使用量」の各列が含まれます。

  2. ドメインに関する特定の監視の詳細は、WebLogicドメインのメニューで、「モニタリング」を選択し、パフォーマンス・サマリー、ヘルスまたはデプロイメントなどの他のサブカテゴリを選択します。

Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用したOracle WebLogic Serverドメインのモニタリングの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』管理コンソールの概要に関する項を参照してください。管理コンソールは、ドメインのヘルスとパフォーマンスの詳細を提供します。

Oracle WebLogic Serverの管理サーバーや管理対象サーバーの監視

Fusion Middleware Controlで、WebLogic Serverの管理サーバーや管理対象サーバーのステータスを表示できます。

  1. ナビゲーション・ペインからドメインを展開します。
  2. サーバーを選択します。

    サーバーのホームページが表示されます。このページには次の内容が表示されます。

    • サーバーのステータス、サーバーで実行されているサーブレット、JSPおよびEJBに関する情報を含む、サーバーの一般的なサマリー

    • レスポンスと負荷

  3. サーバーに関する特定の監視の詳細は、「WebLogic Server」メニューで、「モニタリング」を選択し、パフォーマンス・サマリー、ヘルスまたはデプロイメントなどの他のサブカテゴリを選択します。

Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用したサーバーのモニタリングの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』管理コンソールの概要に関する項を参照してください。管理コンソールは、サーバーのヘルスとパフォーマンスの詳細を提供します。

クラスタのモニタリング

Fusion Middleware Controlを使用して、クラスタ内のサーバーやデプロイメントを含め、クラスタのステータスを表示できます。

  1. ナビゲーション・ペインからドメインを展開します。
  2. クラスタを選択します。

    「クラスタ」ページには、クラスタ・メッセージング・モード、レスポンスおよび負荷を含むクラスタに関する一般情報、サーブレットおよびJSPに関する情報が表示されます。

  3. クラスタ内のサーブレットのステータスのサマリーを表示するには、WebLogic Clusterのメニューで、「モニタリング」→「サマリー」の順に選択します。
  4. クラスタに関する特定の監視の詳細は、「WebLogicクラスタ」メニューで、「モニタリング」を選択し、「パフォーマンス・サマリー」、「ヘルス」または「デプロイメント」などの他のサブカテゴリを選択します。

Javaコンポーネントのモニタリング

Fusion Middleware Controlのコンポーネントのホーム・ページでは、コンポーネントが起動されているかどうかといったJavaコンポーネントのステータスを表示できます。

Oracle SOA Suite Oracle Enterprise SchedulerなどのJavaコンポーネントをモニターするには:

  1. ナビゲーション・ペインで、コンポーネントのタイプ(「SOA」など)を展開します。
  2. コンポーネントを選択します。たとえば、「soa-infra」を選択します。

    コンポーネント・ホーム・ページが表示されます。このページには、状態や主要なメトリックを含むコンポーネントに関する一般情報が表示されます。表示される情報のタイプは、コンポーネントのタイプに応じて異なります。

  3. コンポーネントに関する特定の監視の詳細は、コンポーネントのメニューで、「モニタリング」を選択し、パフォーマンス・サマリーを選択します。

システム・コンポーネントのモニタリング

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントをモニターするには:

  1. ナビゲーション・ペインで、コンポーネントのタイプ(「HTTP Server」など)を展開します。
  2. ohs1などのコンポーネントを選択します。

コンポーネント・ホーム・ページが表示されます。このページには次の内容が表示されます。

  • 名前や状態などのコンポーネントに関する基本情報が含まれる「一般」セクション

  • 1秒当たりのリクエスト数とリクエスト処理時間が表示されたレスポンスと負荷のセクション

  • CPU使用率およびメモリー使用量

Java EEアプリケーションの監視

Fusion Middleware Controlを使用してJava EEアプリケーションをモニターするには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「アプリケーションのデプロイ」を開き、モニター対象のアプリケーションを選択します。

    アプリケーションのホーム・ページが表示されます。

  2. このページで、アプリケーションのステータスのサマリー、アプリケーションのエントリ・ポイント、アプリケーションに関連付けられているWebサービスおよびモジュール、レスポンスと負荷を確認できます。

アプリケーション・ホーム・ページが表示されます。このページには、状態を含むアプリケーションのサマリーが表示されます。

ADFアプリケーションのモニタリング

ADFアプリケーションをモニターするには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「アプリケーションのデプロイ」を開き、モニター対象のアプリケーションを選択します。

    アプリケーションのホーム・ページが表示されます。

    アプリケーションのホーム・ページでは、次の情報を確認できます。

    • アプリケーションの状態、デプロイされている管理対象サーバーや、アクティブ・セッション、アクティブ・リクエスト、リクエストの処理時間の情報などのアプリケーションのサマリー

    • デプロイメント: アプリケーションがデプロイされるサーバーのリスト

    • EJBコンポーネントおよびWebサービスのモジュールとそれぞれのモジュール・タイプのリスト

    • データ・ソースのリスト

  2. 環境のヘルスを表示するには、「アプリケーション・デプロイメント」メニューから「モニタリング」「環境モニタリング」の順に選択します。「環境モニタリング」ページが表示されます。

    「ヘルス」、「問合せキャッシング」、「ワークロード」および「Coherence」の各タブがあります。

    ADFアプリケーションのモニタリングの詳細は、Oracle ADFアプリケーションの管理』Fusion Middleware Controlを使用したADFアプリケーションのモニタリングと構成に関する項を参照してください。

SOAインフラストラクチャおよびSOAコンポジット・アプリケーションの監視

SOAインフラストラクチャおよびSOAコンポジット・アプリケーションを監視するには、次を参照してください。

Oracle WebCenter Portalアプリケーションの監視

Oracle WebCenter Portalアプリケーションを監視するには、『Oracle WebCenter Portalの管理』WebCenter Portalの監視に関する項を参照してください。

クラスタにデプロイされたアプリケーションのモニタリング

アプリケーションをクラスタにデプロイする場合、Oracle Fusion Middlewareでは、アプリケーションがクラスタ内の各管理対象サーバーに自動的にデプロイされます。そのため、各サーバーにはアプリケーションのインスタンスがあります。

個々のサーバーのアプリケーションのパフォーマンスをモニターしたり、クラスタ内のすべてのサーバーにわたってアプリケーションの全体的なパフォーマンスをモニターすることが必要になる場合があります。

たとえば、通常は、アプリケーションの全体的なパフォーマンスを管理して、ユーザーがどのインスタンスにアクセスしているかに関係なく、アプリケーションのすべてのユーザーに影響するパフォーマンスの問題が発生していないかどうかを確認します。パフォーマンスの問題に気付いたら、アプリケーションの具体的なインスタンスを掘り下げて、その問題の影響を受けているのが、クラスタ内のアプリケーション・インスタンスの1つなのかすべてなのかを確認します。

Fusion Middleware Controlでは、その両方のシナリオに対してモニタリング・ページが用意されています。

  1. ナビゲーション・ペインで「アプリケーションのデプロイ」を展開します。

    Fusion Middleware Controlでは、現在のドメインにデプロイされているアプリケーションが一覧表示されます。

  2. アプリケーションがクラスタにデプロイされた場合は、ナビゲーション・ペインでアプリケーションを展開します。Fusion Middleware Controlにはアプリケーションがクラスタにデプロイされたことが表示され、それがクラスタ上の複数のアプリケーション・インスタンスを表していることを示します。
  3. クラスタ・アプリケーションをクリックしてクラスタ上のアプリケーションの全体的なパフォーマンスをモニターするか、またはアプリケーション・デプロイ・インスタンスのいずれかをクリックして1つのサーバー上のアプリケーションのパフォーマンスをモニターします。

コマンド行を使用したコンポーネントのステータスのモニター

WLSTコマンド行を使用してコンポーネントのステータスをモニターするには:

  • Javaコンポーネントの場合は、次の形式でWLSTのstateコマンドを使用します。

    state(name, type)
    

    たとえば、管理対象サーバーserver1のステータスを確認する場合は、次のコマンドを使用します。

    wls:/mydomain/serverConfig> state('server1','Server')
    Current state of "server1": SUSPENDED
    
  • システム・コンポーネントのステータスをモニターするには、次の形式でWLSTのstateコマンドを使用します。

    Oracle Fusion Middlewareでは、次の方法で環境のステータスをモニタリングできます。

    システム・コンポーネントのステータスをモニターするには、次の形式でWLSTのstateコマンドを使用します。

    state('component_name')]
    

    たとえば、ohs1ステータスを表示するには、次のコマンドを使用します。

    state('ohs1')]

Oracle Fusion Middlewareのパフォーマンスの表示

アプリケーションの実行に時間がかかる、アプリケーションがハングしている、などの問題が発生した場合は、特定のターゲットのパフォーマンス・メトリックなど、さらに詳しいパフォーマンス情報を参照して、問題の詳細を確認することができます。

Oracle Fusion Middlewareでは、実行時のパフォーマンスを継続的に自動測定します。パフォーマンス・メトリックは自動的に有効になるため、メトリックを収集するためにオプションの設定や追加構成の実行は必要ありません。

Fusion Middleware Controlでは、リアルタイムのデータが表示されます。履歴データの表示が必要な場合は、Oracle Enterprise Manager Grid Controlの使用を検討してください。

たとえば、Oracle WebLogic Serverの管理対象サーバーのパフォーマンスを表示する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインからドメインを展開します。
  2. モニターするサーバーを選択します。

    管理対象サーバーのホーム・ページが表示されます。

  3. 「WebLogic Server」メニューから、「モニタリング」「パフォーマンス・サマリー」と選択します。

    「パフォーマンス・サマリー」ページが表示されます。Oracle WebLogic Serverにデプロイされているアプリケーションのパフォーマンス・メトリックと、レスポンス時間およびリクエスト処理時間に関する情報が表示されます。

  4. その他のメトリックを表示するには、「メトリック・パレットの表示」をクリックし、メトリックのカテゴリを開きます。
  5. メトリックを選択して、パフォーマンス・サマリーに追加します。
  6. 「比較」→他のOracle WebLogic Serverを選択すると、サーバー間で比較できます。別のターゲットをオーバーレイするには、「オーバーレイ」をクリックして、そのターゲットを選択します。このターゲットはチャートに追加され、複数のターゲットのパフォーマンスを一度に表示して比較できるようになります。
  7. チャートごとに表示される時間フレームをカスタマイズするには、次の処理を実行します。
    • 「スライダ」をクリックして、スライダ・ツールを表示します。これを使用すると、チャートに表示される時間を伸縮できます。たとえば、表示範囲を直前の15分から10分に変更する場合、左側のスライダ・コントロールを、直前の10分間が表示されるようになるまで右にスライドさせます。

    • カレンダと時計アイコンを選択します。次に、「開始時間」「終了時間」を入力します。このような時間に関して利用可能なデータがない場合、確認メッセージが表示され、このデータが利用可能な期間へと時系列が自動的に調整されることが説明されます。

Oracle HTTP ServerOracle SOA Suiteなどのコンポーネントのパフォーマンスも表示できます。目的のコンポーネントにナビゲートして「モニタリング」を選択し、動的ターゲット・メニューから「パフォーマンス・サマリー」を選択します。