3 ユーザー認証

この章では、EDQでのユーザーの認証方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

EDQ login.propertiesファイル

EDQのユーザー認証は、EDQ構成領域のsecurity/login.propertiesというファイルを使用して構成します。このファイルは、'home'構成ディレクトリまたは'local'構成ディレクトリ(あるいはその両方)に存在します。両方に存在する場合、'local'ディレクトリの値が優先される形で設定がマージされます。ファイルを変更する必要がある場合は、必ず'local'ディレクトリのバージョンを編集してください。

EDQの'home'構成領域には、LDAP統合の複数のタイプに応じた設定例を含むファイルsecurity/login.properties.templateがあります。

login.propertiesファイルでは、複数のレルムを定義します。各レルムは、ユーザーから独立したストアです。ファイルはグローバル設定から始まり、次に各レルムの設定が続きます。標準のグローバル設定は次のとおりです。

realms = realm1, realm2, …
gss    = false

realmsプロパティでは、このインストールで構成するレルムのリストを定義します。名前は任意ですが、特別なレルム名'internal'は、EDQ内部ユーザー・ストアを指定します(ユーザーdnadminなど)。

'gss'設定は、拡張Kerberosスタイルの認証をオフにします。

グローバル設定の次に、レルム固有のプロパティのブロックが続きます(それぞれグローバル・リストのレルム名が接頭辞になります)。たとえば、内部レルムとLDAPレルムを使用する構成は、次のようになります。

realms 			              = internal, corpldap
gss                  = false
corpldap.realm       = EXAMPLE.COM
corpldap.ldap.server = dc1.example.com
…

これらの設定の詳細は、この後で説明します。

login.propertiesで複数のレルムを定義すると、EDQのログイン画面(WebコンソールおよびUI)に、ユーザー名とパスワードに関連付けられたレルムのドロップダウン・セレクタが表示されます。

login.propertiesでの静的グループ・マッピング

外部LDAPユーザー・ストアを使用し、EDQ内部ユーザー・ストアを使用しない場合、LDAPグループからEDQグループへのマッピングを設定しようとすると、ブートストラップ問題が発生します。これを行うには、EDQ Webコンソールを使用します(EDQ管理者ログインが必要です)。ただし、LDAPユーザーがEDQにログインするためには、LDAPグループをEDQ管理者グループにマップする必要があります。

この問題を回避するため、login.propertiesで静的グループ・マッピングを定義できます。構文は次のとおりです。

realm.xgmap = exgroup1 -> edqgroup1, exgroup2 -> edqgroup2 …

'realm'は、グローバル・レルム・リストに指定されたレルム名です。各'exgroup'は外部LDAPグループの名前で、各'edqgroup'はEDQグループの名前です。

静的マッピングは、最初の管理マッピングを設定する場合にのみ使用し、他のマッピングはEDQ Webコンソールの「外部グループ」ページで構成する必要があります。

たとえば、'EDQ-ADMINS'というLDAPグループをEDQ管理者グループにマップするには、次の行を追加します。

corpldap.xgmap = EDQ-ADMINS -> Administrators

WebLogicインストール

WebLogicへのEDQの標準インストールでは、認証にドメインの内部ユーザー・ストアを使用します。これには、ドメイン管理ユーザー(通常は'weblogic')と、他のユーザーの小規模なセットが含まれます。

EDQのデフォルト・セキュリティ構成では、WebLogic管理者グループのすべてのユーザーがEDQ管理者グループにマップされます。他のグループ・マッピングは初期定義されません。

別のユーザーを追加するには、WebLogic管理コンソールにログインし、デフォルト・セキュリティ・レルムの「ユーザーとグループ」タブに移動します。

図3-1 MyRealmの設定

MyRealmの設定

WebLogicでユーザーを管理するかわりに、ユーザーの外部ソース(通常はActive DirectoryなどのLDAPサーバー)に統合できます。統合は、WebLogic管理コンソールで構成するか、セキュリティ構成ファイルを編集してEDQから直接構成できます。前者の方法は「WebLogicおよびOPSSを使用した外部ユーザー管理(LDAP)の統合」を、後者の方法は「EDQでの外部ユーザー管理(LDAP)の直接構成」を参照してください。

'home'構成ディレクトリのデフォルトのlogin.propertiesの内容は次のとおりです。

realms     = opss
opss.realm = ORACLE
opss.label = Weblogic
opss.type  = opss
opss.xgmap = Administrators -> Administrators

この構成により、WebLogicによって提供されるOPSSライブラリが認証に使用され、WebLogic管理者グループがEDQ管理者グループにマップされます。

Weblogicインストールでのユーザーおよびグループの作成

Weblogic管理コンソールで外部ユーザーおよびグループを作成して、EDQ Launchpadでユーザーをマップできます。

ユーザーとグループを追加するには、次の手順に従います:

  1. WebLogic管理コンソールにログインします。
  2. デフォルト・セキュリティ・レルムで、「ユーザーとグループ」タブをクリックします。

    図3-2 マイ・レルムの設定


    マイ・レルムの設定

  3. 「グループ」タブで、グループを追加します。

    図3-3 グループの追加


    グループの追加

  4. 「ユーザー」タブで、ユーザーを追加し、ユーザーのグループ・メンバーシップを構成します。

    図3-4 グループ・メンバーシップの構成


    グループ・メンバーシップの構成

  5. EDQ Launchpadで、「管理」パネルをクリックします。
  6. 「外部グループ」タブで、追加したWLSグループを検索し、「編集」をクリックします。

    図3-5 外部グループの編集


    外部グループの編集

  7. 関係をEDQグループに割り当てます。

内部レルムの有効化

内部的にユーザーを管理するには、内部レルムを有効にする必要があります。ユーザーの内部レルムを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. ローカル構成ディレクトリにsecurityというサブディレクトリを作成します(oedq_local_home/security)。

  2. login.propertiesファイルを、基本構成ディレクトリのsecurityディレクトリ(oedq_home/security)からoedq_local_home/securityにコピーします。

  3. レルムのカンマ区切りのリストに'internal'を追加します。

    'opss'では、WebLogicユーザーのレルムが有効化されることに注意してください。内部的にユーザーを管理するのみの場合、レルムのリストからopssを削除できます。

  4. サーバーを再起動します。

これにより、ユーザーの内部レルムが有効になり、Launchpadの管理ページで内部ユーザー・アカウントを管理できます。単一のデフォルト管理者ユーザー'dnadmin'が'dnadmin'という初期パスワード付きで存在していますが、このパスワードは初回のログイン時に変更する必要があります。

複数のレルムが定義されている場合、ユーザーは、使用するレルムをログイン時に選択する必要があります。

Tomcatインストール

TomcatへのEDQのインストールでは、EDQ内部認証メカニズムを使用します。これには、完全な管理権限を持つ単一のユーザー'dnadmin'が含まれます。別のユーザーは、EDQの管理Webページを使用して追加できます。

EDQのセキュリティ構成ファイルを編集して、Active Directoryなどの外部LDAPサーバーに統合できます。これは、「EDQでの外部ユーザー管理(LDAP)の直接構成」で説明します。

デフォルト設定では内部認証が使用されるため、Tomcatインストールではlogin.propertiesファイルはデフォルトで使用されません。追加設定が必要な場合、またはLDAP統合が必要な場合、'local'構成ディレクトリにsecurity/login.propertiesファイルを新規作成し、そこで変更を行ってください。

Tomcatインストールでのユーザーおよびグループの作成

EDQ Launchpadで内部ユーザーおよびグループを作成できます。

ユーザーを追加するには、次の手順に従います:

  1. EDQ Launchpadで、「管理」パネルをクリックします。
  2. 「ユーザー」タブで、追加アイコンをクリックします。

    図3-6 ユーザーの作成


    ユーザーの作成

  3. 「ユーザーの作成」ウィンドウで、次の手順を実行します。
    1. 「アカウント詳細」で、ユーザー詳細を追加します。
    2. 「グループ選択」で、ユーザーをグループに割り当てます。

      図3-7 ユーザー詳細の追加およびグループの割当て


      ユーザー詳細の追加とグループの割当て

    ユーザーが追加され、選択したグループに割り当てられます。
    同様に、「管理」パネルの「グループ」タブを使用して、グループおよびグループ詳細を追加できます。