4 ATP-Sデータベース移行のトラブルシューティング

移行プロセスの一環として発生する可能性がある問題のトラブルシューティングについて学習します。

DMS使用時のデータベース移行のトラブルシューティング

他のOracle DatabaseからOracle Autonomous Databaseに移行する場合、『Oracle Autonomous Database on Shared Exadata Infrastructureの使用』他のOracle Databaseから移行するユーザーに関するノートに関する項を参照してください。

DBAロール権限の問題

ソース・データベースで使用されているロールがターゲット・データベースで使用できないために、DBA権限をユーザーに付与するときに移行が失敗し、ORA-39083: オブジェクト型ROLE_GRANTの作成がエラーで失敗しました: ORA-01924: 「ロール'DBA'が付与されていないか存在しません」というエラーが表示されます。

ロール権限の問題を修正するには、次を実行します:

  1. ソース・データベースで次のSQLを実行します:
    revoke <role> from <username>
    例:
    revoke DBA from FMW
  2. DMSで移行を再開します。

OIDで参照オプションが失敗する

Oracle Internet Directory (OID)で、参照ボタンを使用してパスを選択しようとすると、解決不可能なエラーが発生する可能性があります。

この問題を解決するには、次のいずれかを実行します。

  • パスの詳細を手動で入力し、「次へ」をクリックします。
  • コマンドライン・ツールldapaddを使用して、ディレクトリにエントリを追加します

移行前のエラー

オンプレミス・データベースからOracle Autonomous Transaction Processing-Shared (ATP-S)データベースへのデータの移行時の検証フェーズ中に発生するエラーをトラブルシューティングします。

「検証」フェーズ中に表示される移行前のエラーについては、「サポートされていないOracle GoldenGateオブジェクトおよびCPATツールのエラーのオブジェクト」の表B-1、B-2およびB-3を参照してください。

Oracle Text DR$索引表の検証に失敗する

DR$索引表はセカンダリ・オブジェクトであるため、移行中にこれらのオブジェクトをエクスポートすることはできず、その索引定義(元の表)を使用して表をエクスポートする必要があります。これらの表をインポートすると、索引が再作成され、セカンダリ・オブジェクトが作成されます。そのため、DMSでは、ソース・データベースでこれらのオブジェクトを検証すると失敗します。

回避策として、移行プロセスに進む前に、失敗したDR$オブジェクトを移行から除外します。移行後に、これらのオブジェクトはATP-Sデータベースで再作成されます。

移行のエラー

オンプレミス・データベースからOracle Autonomous Transaction Processing-Shared (ATP-S)データベースへのデータの移行中に発生するエラーをトラブルシューティングします。

Oracle Identity Managerでのインポート・ログ・エラー

Oracle Identity Manager (OIM)で、インポート・ログに次のエラーが表示されますが、このエラーは無視してかまいません。

24-NOV-21 15:52:44.782: ORA-39083: Object type
PROCOBJ:"NV6_SOAINFRA"."AQ$_EDN_EVENT_QUEUE_TABLE_V" failed to create with error:
ORA-24166: evaluation context NV6_SOAINFRA.AQ$_EDN_EVENT_QUEUE_TABLE_V has errors"

Oracle Internet Directoryのインポート・ログ

Oracle Internet Directory (OID)で、インポート・ログに次の警告が表示されます。このメッセージは無視してかまいません。

ORA-39082: Object type PACKAGE BODY:"ODS"."MANAGEHIQ" created with compilation warnings

移行後のエラー

オンプレミス・データベースからOracle Autonomous Transaction Processing-Shared (ATP-S)データベースへのデータの移行後に発生するエラーをトラブルシューティングします。

スキーマの移行中のエラー

オンプレミス・データベースをOracle Fusion Middleware製品のATP-S databaseに移行した後、WLSスキーマの移行中に次のエラーが表示される場合があります: ORA-00001: 一意の制約エラー。顧客は表からデータを切り捨てる必要があります。

このエラーは、ソース・データベースの順序SEQ_WLS_HVST_RECORDIDLAST_NUMBERが、ターゲット・データベースの順序SEQ_WLS_HVST_RECORDIDLAST_NUMBERより大きい場合に発生します。

この問題を解決するには、次を実行します:

  • 順序をソース・データベースの最後の番号以上に変更して、再起動します。
    SQL> ALTER SEQUENCE <schema_prefix>_WLS.SEQ_WLS_HVST_RECORDID restart start with <<LAST_NUMBER_of_sequence_SEQ_WLS_HVST_RECORDID>;
  • スキーマを移行します。SQL*Plusの次のコマンドを使用して、WebLogic Serverデータベース表からデータを切り捨てます:
    DELETE from ACTIVE;
    DELETE from CHECKPOINTDATA;
    DELETE from EXECUTIONINSTANCEDATA;
    DELETE from JOBINSTANCEDATA;
    DELETE from JOBSTATUS;
    DELETE from STEPEXECUTIONINSTANCEDATA;
    DELETE from STEPSTATUS;
    DELETE from WEBLOGIC_TIMERS;
    DELETE from WL_SERVLET_SESSIONS;
    DELETE from WLS_EVENTS;
    DELETE from WLS_HVST;

サーバーの再起動中のエラー

Oracle Access Managerで、サーバーの再起動時に次のエラーが表示されます。これらのエラーメッセージは影響がないので、無視してかまいません。

  1. [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] > <BEA-000000> 
    <Request to processartifacts failed.
    Context=OAM_CONTEXT java.lang.Exception: No file found
    with the name /config/fmwconfig/oauth.xml in database.
    at oracle.security.am.artifacts.store.DBArtifactStore.read(DBArtifactStore.java:191)
    at oracle.security.am.artifacts.processor.DBToFileArtifactProcessor.processRequest(DBToFileArtifactProcessor.java:78)
  2. Context=OAM_CONTEXT
    java.lang.Exception: No file found with the name /config/fmwconfig/oic_rp.xml
    in database.
    at oracle.security.am.artifacts.store.DBArtifactStore.read(DBArtifactStore.java:191)
    at oracle.security.am.artifacts.processor.DBToFileArtifactProcessor.processReques
    t
  3. Context=OAM_CONTEXT 
    <84579d79-4cd7-45bf-b105-a8b08f4c5680-00000009>
    <1632901333560><[severity-value: 8] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] >
    <BEA-000000> <Request to process artifacts failed.
    at oracle.security.am.artifacts.store.DBArtifactStore.read(DBArtifactStore.java:191)
    at java.lang.Exception: No file found with the name /config/fmwconfig/idaas.xmlin database.
  4. <528afb44-5de6-464b-b059-0f872e0139ff-00001fbd> <1631015303075>
    <[severity-value: 8] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] >
    <BEA-000000> <This resource already exists, within domain "testwg".
    oracle.security.am.common.policy.admin.impl.PolicyValidationException:
    OAMSSA-06289: This resource already exists, within domain "testwg".
    at partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN]> 
  5. 60098:Faces lifecycle receives unhandled exceptions in phase
    INVOKE_APPLICATION 5 javax.faces.el.EvaluationException: java.lang.NullPointerException
    at <3d56ab11-4a44-4847-a807-ba6dc771f38a-0004e4a3> <1632897060940>
    <[severity-value: 8] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] >
    <BEA-101017> <[ServletContext@1114167768[app:oam_server module:oam path:null
    spec-version:3.1]]
  6. Root cause of ServletException.
    java.lang.NoClassDefFoundError: oracle/igf/ids/LDAPConnectionException
    at
    oracle.security.am.engines.common.identity.provider.impl.IdentityProviderImpl.
    locateUser(IdentityProviderImpl.java:1468)
    at
    oracle.security.am.engines.common.identity.provider.impl.OracleUserIdentityPro
    vider.locateUser(OracleUserIdentityProvider.java:526)
    at
    84579d79-4cd7-45bf-b105-a8b08f4c5680-00000162> <1632902625446>
    
  7. <[severity-value: 16] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] >
    <ADFC-50023> <ADFc: Attempt to release viewport 'ga1qt8dou_0' threw an
    exception.
    oracle.adf.controller.ControllerException: ADFC-12014: Attempted access to an
    object that has already been released, object type:
    'oracle.adfinternal.controller.state.RootViewPortContextImpl'.
    at
    partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] > <BEA-240003> <Administration
    Console encountered the following error: java.lang.NoSuchMethodError:
    org.glassfish.jersey.internal.LocalizationMessages.WARNING_PROPERTIES()Ljava/l
    ang/String;
    at
    org.glassfish.jersey.internal.config.SystemPropertiesConfigurationModel.getPro
    pe

ATP-Sデータベース移行では、FirstSiteIIはサポートされていません

オンプレミス・データベースをOracle Autonomous Transaction Processing (ATP-S)データベースに移行した後、Oracle WebCenter Sitesでは、FirstSiteIIサンプル・サイトのインストールと構成、およびプロモーション・アセットの作成と編集はサポートされていません。

oidクリーンアップの実行に関する問題

Oracle Internet Directoryで、Oracle Internet Directoryの移行後のタスクでステップ14ではなくクリーンアップ中にエラーが発生した場合は、次を実行します:

  1. 移行前に作成された既存のoidインスタンスをすべて起動します。
  2. 移行前に作成された既存のoidインスタンスをすべて停止します。
  3. ノード・マネージャを停止します。
  4. 管理サーバーを停止します。
  5. 管理サーバーを起動します。
  6. ノード・マネージャを起動します。
  7. 移行前に作成された既存のoidインスタンスをすべて起動します

データ・ポンプ使用時のデータベース移行のトラブルシューティング

データ・ポンプを使用してOracle Identity Governance (OIG)およびOracle Access Manager (OAM)のデータを移行するときに発生する可能性がある問題のトラブルシューティングについて学習します。

カタログ検索が機能しない

Oracle Identity Governance (OIG)で、カタログ検索に結果が表示されません。

この問題を解決するには:
  1. Oracle Identity sysadminコンソールにログインします。
  2. 「システム構成」で、「構成プロパティ」をクリックします。
  3. 「システム構成」セクションの左ペインで、「アクション」メニューから「作成」を選択します。または、ツールバーの「作成」アイコンをクリックします。

    「システム・プロパティの作成」ページが表示されます。

  4. 以下の値を入力します。
    • 名前: 資格に対する階層属性サポート
    • キーワード: Catalog.HierarchicalAttributesOfEntitlement
    • : false
  5. 「保存」をクリックします。

Sysadminコンソールから多数のアーティファクトをエクスポートできない

フロント・エンドでOracle HTTP Server (OHS)サーバーを使用してWebアプリケーションにアクセスし、デプロイメント・マネージャを使用してSysadminコンソールからロール・アーティファクトなどの多数のリソース・エンティティを取得すると、UIがタイムアウトし、結果が返されません。

回避策は、すべてのデータを一度に取得しようとするのではなく、タイプと名前に基づいて検索を実行し、結果を制限することです。