5 アップグレード後に実行するタスク

この項のトピックでは、Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c へのアップグレード後に実行する必要がある場合があるタスクについて説明します。アップグレードした環境に当てはまるステップのみを実行してください。

アップグレードの検証チェックリストの使用

アップグレード後には、基本的な管理タスク(ノード・マネージャ、管理サーバー、Web層、管理コンソールおよびEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを起動できるかどうかの確認など)が正常に完了できることを確認してください。

ノート:

次のサーバーを起動する順序は重要です。それらを正しい順序で起動(停止)しないと、デプロイメントに関する問題が発生する可能性があるからです。

  1. ノード・マネージャを起動できることを確認します。
  2. 管理サーバーおよび管理対象サーバー(ある場合)を、元のドメイン・ホームのbinディレクトリから起動できることを確認します。Windowsオペレーティング・システム・ユーザーの場合は、新しいコマンド・プロンプトで(12cのUpgrade Assistantを起動したコマンド・プロンプトではなく)サーバーを起動すると便利です。

    ノート:

    OHS自身の構成には、管理対象サーバーは必要ありません。
  3. Web層(OHSサーバー)を起動できることを確認します。
  4. 次のURLを使用して、管理コンソールおよびEnterprise Managerに接続できることを確認します。
    管理コンソール: http://machinename.my_company_com:administration_port/console
    Enterprise Manager: http://machinename.my_company_com:administration_port/em

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにサインインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.4.0になっていることを確認します。

管理コンソールにサインインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control Consoleにサインインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em

ノート:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホーム・ディレクトリではなく新しい12cのOracleホーム・ディレクトリから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

カスタム構成設定のsetDomainEnvへの再適用

アプリケーション環境の12cへのアップグレードを完了するには、起動スクリプト(setDomainEnvなど)へのカスタム構成設定の再適用が必要な場合があります。これらのスクリプトは、アップグレード時に新しい12cバージョンで上書きされます。前のリリースで作成したカスタム構成設定は手動で再適用する必要があります。

「起動スクリプトへのカスタマイズの再適用」を参照してください。

ノート:

今後のアップグレードでカスタム構成設定が失われないようにするには、「カスタムsetDomainEnv設定のメンテナンス」を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 12c監査データ・ストアの構成

11gデプロイメントでファイルベースの監査ストアを使用していた場合は、Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後に、データベースベースの監査データ・ストアへの監査データのロードを有効にする必要があります。

包括的なアップグレード処理の一環として、他のOracle Fusion Middlewareスキーマが存在するデータベースにIAUスキーマを作成しておく必要があります。監査データ・ストアの使用の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』監査データ・ストアの管理に関する項を参照してください。

古いJava EE Webサービス・アプリケーションのセキュリティ・ステータスのメンテナンス

12cにおいて、Java EE Webサービスおよびクライアントに対するグローバル・ポリシー・アタッチメントのサポートを導入すると、既存のJava EE Webサービスおよびクライアント(12.1.2およびそれ以前)の後方互換性に影響する場合があります。ポリシーの不在に依存しているJava EE Webサービスまたはクライアント・エンドポイントが、グローバル・ポリシー・アタッチメントのスコープに含まれる場合、グローバル・ポリシー・アタッチメントの存在によって、そのエンドポイントのセキュリティ動作が変更される場合があります。

ノート:

Fusion Middleware 12.1.2およびそれ以前では、SOAP WebサービスおよびSOAP Webサービス・クライアントのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Oracle Infrastructure Webサービスおよびクライアントにのみ適用可能であり、Java EE Webサービスおよびクライアントからは無視されていました。12c (12.2.1)へのアップグレード後は、これらのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Java EE Webサービスおよびクライアントにも適用され、既存のJava EE Webサービスおよびクライアントのセキュリティ動作に影響を与える場合があります。

後方互換性を維持するには、特定のサービスまたはクライアントにOWSM動作無効ポリシー(no_authentication_service_policyno_authorization_service_policyまたはno_messageprotection_service_policyなど)をアタッチすることにより、それらのエンドポイントへのグローバル・ポリシー・アタッチメントを無効化できます。Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理グローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください。

ノート:

WebLogic Wssp1.5-No-Op.xml動作無効ポリシーを使用できます。ただし、WebLogicセキュリティ・ポリシーは、プログラムでのみWebサービス・クライアントにアタッチできるため、コードの変更が必要です。Oracle WebLogic ServerのWebサービスの保護に関するマニュアルのグローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 12cソフトウェアの管理のためのドキュメント・リソース

このトピックでは、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行することが多い一般的な管理タスクおよび関連するドキュメント・リソースのリストを示しています。

表5-1に、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行する可能性の高い一般的な管理タスクを示します。

表5-1 基本的な管理タスク

タスク 説明 詳細情報

Fusion Middleware管理ツールについての学習

環境の管理に使用できる各種ツールについて習熟します。

Oracle Fusion Middlewareの管理Oracle Fusion Middleware管理ツールの概要

製品およびサーバーの起動と停止

Oracle Fusion Middleware(管理サーバー、管理対象サーバー、コンポーネントを含む)起動と停止の方法について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理Oracle Fusion Middlewareの起動と停止

Secure Sockets Layer (SSL)の構成

Oracle Fusion Middlewareコンポーネント間で、SSLを使用したセキュアな通信を設定する方法について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理Oracle Fusion MiddlewareでのSSLの構成

Oracle Fusion Middlewareのモニタリング

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのステータスを追跡する方法を学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理Oracle Fusion Middlewareの監視

バックアップとリカバリの手順の理解

Oracle Fusion Middlewareのバックアップとリカバリの推奨手順について学習します。

Oracle Fusion Middlewareの管理バックアップとリカバリの概要

Oracle Fusion Middleware 12cでの11gアプリケーション・デプロイメントの使用

Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしていたカスタムJavaおよびApplication Development Framework (ADF)は、Oracle Fusion Middleware 11gと同じように動作します。ただし、ADF 12cおよびJDeveloper 12cで利用可能ないくつかの新機能があります。

次の項では、アプリケーションをJDeveloper 12cに移行する方法についての追加情報を示します。

Oracle Application Development Framework (ADF) 12cについて

Oracle ADFは、エンドツーエンドJava EEフレームワークです。これによって、追加設定なしで使用できるインフラストラクチャ・サービスと、視覚的で宣言的な開発エクスペリエンスが提供され、アプリケーション開発が簡素化されます。

Oracle ADFの詳細は、次のOracle Fusion Middleware 12cのドキュメント・ライブラリを参照してください。

Oracle JDeveloper 12cについて

Oracle JDeveloperは、アプリケーション・ライフサイクルの各段階に対処するJavaベースのアプリケーションの開発を簡素化する統合開発環境です。JDeveloperは、Oracleのプラットフォームおよびアプリケーションに対する完全なエンド・ツー・エンドの開発を提供します。

Oracle JDeveloper 12cのインストール

Oracle JDeveloperは、アプリケーションをローカルでテストするために使用できる埋込みバージョンのOracle WebLogic Serverを提供します。

Oracle JDeveloper 12cをインストールするには、『Oracle JDeveloperのインストール』Oracle JDeveloperソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

JDeveloperを使用したアプリケーションのテストの詳細は、Oracle JDeveloperのインストールOracle JDeveloperで開発したアプリケーションのデプロイとテストを参照してください。

Oracle JDeveloper 12cを使用したアプリケーションの移行

Oracle JDeveloper 12cのインストール後、Oracle JDeveloper 12cでカスタム・アプリケーション・プロジェクトを開いて、Oracle JDeveloper 12cに自動的に移行できます。

『Oracle JDeveloperのインストール』前のバージョンからOracle JDeveloperへの移行に関する項を参照してください。

Oracle JDeveloper 12cを使用した非同期Webサービスの移行について

アプリケーションにApplication Development Framework Business Components (ADF BC)非同期Webサービスが含まれている場合、Oracle JDeveloperまたはojdeployコマンド行ツールを使用してそれを再作成し、必要なデプロイメント・ディスクリプタをデプロイメント・アーカイブに生成します。

非同期Webサービスの開発の詳細は、Oracle Infrastructure Webサービスの開発非同期Webサービスの開発の概要に関する項を参照してください。