5 アップグレード後に実行するタスク
- アップグレード検証チェックリストの使用
アップグレード後には、基本的な管理タスク(ノード・マネージャ、管理サーバー、Web層、管理コンソールおよびEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを起動できるかどうかの確認など)が正常に完了できることを確認してください。 - ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認
ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにサインインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.4.0であることを確認します。 - setDomainEnvへのカスタム構成設定の再適用
アプリケーション環境の12cへのアップグレードを完了するには、起動スクリプト(setDomainEnv
など)へのカスタム構成設定の再適用が必要な場合があります。これらのスクリプトは、アップグレード時に新しい12cバージョンで上書きされます。前のリリースで作成したカスタム構成設定は手動で再適用する必要があります。 - Oracle Fusion Middleware 12cの監査データ・ストアの構成
11gデプロイメントでファイルベースの監査ストアを使用していた場合は、Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後に、データベースベースの監査データ・ストアへの監査データのロードを有効にする必要があります。 - 古いJava EE Webサービス・アプリケーションのセキュリティ・ステータスの維持
12cにおいて、Java EE Webサービスおよびクライアントに対するグローバル・ポリシー・アタッチメントのサポートを導入すると、既存のJava EE Webサービスおよびクライアント(12.1.2およびそれ以前)の後方互換性に影響する場合があります。ポリシーの不在に依存しているJava EE Webサービスまたはクライアント・エンドポイントが、グローバル・ポリシー・アタッチメントのスコープに含まれる場合、グローバル・ポリシー・アタッチメントの存在によって、そのエンドポイントのセキュリティ動作が変更される場合があります。 - Oracle Fusion Middleware 12cソフトウェアを管理するためのドキュメント・リソース
このトピックでは、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行することが多い一般的な管理タスクおよび関連するドキュメント・リソースのリストを示しています。 - Oracle Fusion Middleware 12cにおける11gアプリケーション・デプロイメントの使用
Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしていたカスタムJavaおよびApplication Development Framework (ADF)は、Oracle Fusion Middleware 11gと同じように動作します。ただし、ADF 12cおよびJDeveloper 12cで利用可能ないくつかの新機能があります。
アップグレードの検証チェックリストの使用
アップグレード後には、基本的な管理タスク(ノード・マネージャ、管理サーバー、Web層、管理コンソールおよびEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを起動できるかどうかの確認など)が正常に完了できることを確認してください。
ノート:
次のサーバーを起動する順序は重要です。それらを正しい順序で起動(停止)しないと、デプロイメントに関する問題が発生する可能性があるからです。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認
ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにサインインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.4.0になっていることを確認します。
管理コンソールにサインインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control Consoleにサインインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em
ノート:
アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホーム・ディレクトリではなく新しい12cのOracleホーム・ディレクトリから必ず実行してください。
アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
カスタム構成設定のsetDomainEnvへの再適用
アプリケーション環境の12cへのアップグレードを完了するには、起動スクリプト(setDomainEnv
など)へのカスタム構成設定の再適用が必要な場合があります。これらのスクリプトは、アップグレード時に新しい12cバージョンで上書きされます。前のリリースで作成したカスタム構成設定は手動で再適用する必要があります。
「起動スクリプトへのカスタマイズの再適用」を参照してください。
ノート:
今後のアップグレードでカスタム構成設定が失われないようにするには、「カスタムsetDomainEnv設定のメンテナンス」を参照してください。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
Oracle Fusion Middleware 12c監査データ・ストアの構成
11gデプロイメントでファイルベースの監査ストアを使用していた場合は、Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後に、データベースベースの監査データ・ストアへの監査データのロードを有効にする必要があります。
包括的なアップグレード処理の一環として、他のOracle Fusion Middlewareスキーマが存在するデータベースにIAUスキーマを作成しておく必要があります。監査データ・ストアの使用の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』の監査データ・ストアの管理に関する項を参照してください。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
古いJava EE Webサービス・アプリケーションのセキュリティ・ステータスのメンテナンス
12cにおいて、Java EE Webサービスおよびクライアントに対するグローバル・ポリシー・アタッチメントのサポートを導入すると、既存のJava EE Webサービスおよびクライアント(12.1.2およびそれ以前)の後方互換性に影響する場合があります。ポリシーの不在に依存しているJava EE Webサービスまたはクライアント・エンドポイントが、グローバル・ポリシー・アタッチメントのスコープに含まれる場合、グローバル・ポリシー・アタッチメントの存在によって、そのエンドポイントのセキュリティ動作が変更される場合があります。
ノート:
Fusion Middleware 12.1.2およびそれ以前では、SOAP WebサービスおよびSOAP Webサービス・クライアントのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Oracle Infrastructure Webサービスおよびクライアントにのみ適用可能であり、Java EE Webサービスおよびクライアントからは無視されていました。12c (12.2.1)へのアップグレード後は、これらのサブジェクト・タイプのために定義されたグローバル・ポリシー・アタッチメントは、Java EE Webサービスおよびクライアントにも適用され、既存のJava EE Webサービスおよびクライアントのセキュリティ動作に影響を与える場合があります。
後方互換性を維持するには、特定のサービスまたはクライアントにOWSM動作無効ポリシー(no_authentication_service_policy
、no_authorization_service_policy
またはno_messageprotection_service_policy
など)をアタッチすることにより、それらのエンドポイントへのグローバル・ポリシー・アタッチメントを無効化できます。Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理のグローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください。
ノート:
WebLogic Wssp1.5-No-Op.xml
動作無効ポリシーを使用できます。ただし、WebLogicセキュリティ・ポリシーは、プログラムでのみWebサービス・クライアントにアタッチできるため、コードの変更が必要です。Oracle WebLogic ServerのWebサービスの保護に関するマニュアルのグローバルにアタッチされたポリシーの無効化に関する項を参照してください。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
Oracle Fusion Middleware 12cソフトウェアの管理のためのドキュメント・リソース
このトピックでは、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行することが多い一般的な管理タスクおよび関連するドキュメント・リソースのリストを示しています。
表5-1に、Infrastructure 12cへのアップグレード後に実行する可能性の高い一般的な管理タスクを示します。
表5-1 基本的な管理タスク
タスク | 説明 | 詳細情報 |
---|---|---|
Fusion Middleware管理ツールについての学習 |
環境の管理に使用できる各種ツールについて習熟します。 |
Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middleware管理ツールの概要。 |
製品およびサーバーの起動と停止 |
Oracle Fusion Middleware(管理サーバー、管理対象サーバー、コンポーネントを含む)起動と停止の方法について学習します。 |
Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middlewareの起動と停止。 |
Secure Sockets Layer (SSL)の構成 |
Oracle Fusion Middlewareコンポーネント間で、SSLを使用したセキュアな通信を設定する方法について学習します。 |
Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion MiddlewareでのSSLの構成。 |
Oracle Fusion Middlewareのモニタリング |
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのステータスを追跡する方法を学習します。 |
Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Fusion Middlewareの監視。 |
バックアップとリカバリの手順の理解 |
Oracle Fusion Middlewareのバックアップとリカバリの推奨手順について学習します。 |
Oracle Fusion Middlewareの管理のバックアップとリカバリの概要。 |
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
Oracle Fusion Middleware 12cでの11gアプリケーション・デプロイメントの使用
Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレード後、Oracle Fusion Middleware 11gにデプロイしていたカスタムJavaおよびApplication Development Framework (ADF)は、Oracle Fusion Middleware 11gと同じように動作します。ただし、ADF 12cおよびJDeveloper 12cで利用可能ないくつかの新機能があります。
次の項では、アプリケーションをJDeveloper 12cに移行する方法についての追加情報を示します。
- Oracle Application Development Framework (ADF) 12cについて
Oracle ADFは、エンドツーエンドJava EEフレームワークです。これによって、追加設定なしで使用できるインフラストラクチャ・サービスと、視覚的で宣言的な開発エクスペリエンスが提供され、アプリケーション開発が簡素化されます。 - Oracle JDeveloper 12cについて
Oracle JDeveloperは、アプリケーション・ライフサイクルの各ステップに対処するJavaベースのアプリケーションの開発を簡素化する統合開発環境です。JDeveloperは、Oracleのプラットフォームおよびアプリケーションに対する完全なエンド・ツー・エンドの開発を提供します。
親トピック: アップグレード後に実行するタスク
Oracle Application Development Framework (ADF) 12cについて
Oracle ADFは、エンドツーエンドJava EEフレームワークです。これによって、追加設定なしで使用できるインフラストラクチャ・サービスと、視覚的で宣言的な開発エクスペリエンスが提供され、アプリケーション開発が簡素化されます。
Oracle ADFの詳細は、次のOracle Fusion Middleware 12cのドキュメント・ライブラリを参照してください。
-
『Oracle Application Development Frameworkの理解』のOracle ADFの概要に関する項
Oracle JDeveloper 12cについて
Oracle JDeveloperは、アプリケーション・ライフサイクルの各段階に対処するJavaベースのアプリケーションの開発を簡素化する統合開発環境です。JDeveloperは、Oracleのプラットフォームおよびアプリケーションに対する完全なエンド・ツー・エンドの開発を提供します。
- Oracle JDeveloper 12cのインストール
Oracle JDeveloperは、アプリケーションをローカルでテストするために使用できる埋込みバージョンのOracle WebLogic Serverを提供します。 - Oracle JDeveloper 12cを使用したアプリケーションの移行
Oracle JDeveloper 12cのインストール後、Oracle JDeveloper 12cでカスタム・アプリケーション・プロジェクトを開いて、Oracle JDeveloper 12cに自動的に移行できます。 - Oracle JDeveloper 12cを使用した非同期Webサービスの移行について
アプリケーションにApplication Development Framework Business Components (ADF BC)非同期Webサービスが含まれている場合、Oracle JDeveloperまたはojdeploy
コマンド行ツールを使用してそれを再作成し、必要なデプロイメント・ディスクリプタをデプロイメント・アーカイブに生成します。
Oracle JDeveloper 12cのインストール
Oracle JDeveloperは、アプリケーションをローカルでテストするために使用できる埋込みバージョンのOracle WebLogic Serverを提供します。
Oracle JDeveloper 12cをインストールするには、『Oracle JDeveloperのインストール』のOracle JDeveloperソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。
JDeveloperを使用したアプリケーションのテストの詳細は、Oracle JDeveloperのインストールのOracle JDeveloperで開発したアプリケーションのデプロイとテストを参照してください。
親トピック: Oracle JDeveloper 12cについて
Oracle JDeveloper 12cを使用したアプリケーションの移行
Oracle JDeveloper 12cのインストール後、Oracle JDeveloper 12cでカスタム・アプリケーション・プロジェクトを開いて、Oracle JDeveloper 12cに自動的に移行できます。
『Oracle JDeveloperのインストール』の前のバージョンからOracle JDeveloperへの移行に関する項を参照してください。
親トピック: Oracle JDeveloper 12cについて
Oracle JDeveloper 12cを使用した非同期Webサービスの移行について
アプリケーションにApplication Development Framework Business Components (ADF BC)非同期Webサービスが含まれている場合、Oracle JDeveloperまたはojdeploy
コマンド行ツールを使用してそれを再作成し、必要なデプロイメント・ディスクリプタをデプロイメント・アーカイブに生成します。
非同期Webサービスの開発の詳細は、Oracle Infrastructure Webサービスの開発の非同期Webサービスの開発の概要に関する項を参照してください。
親トピック: Oracle JDeveloper 12cについて