3 Oracle Access Managementソフトウェアのインストールおよび構成

この項のステップに従って、Oracle Access Managementソフトウェアをインストールおよび構成します。

Oracle Access Managementソフトウェアのインストール

この項のステップに従って、Oracle Access Managementソフトウェアをインストールします。

インストールを開始する前に、前提条件を確認し、「インストールおよび構成の準備」に示されたすべてのステップを完了しておきます。

Oracle Access Management 12c (12.2.1.4.0)でサポートされているインストール方法は、Oracle Fusion Middleware Infrastructureを個別にインストールしてからOracle Access Managementをインストールするという従来の方法のみです。

Oracle Access Managementの依存ソフトウェア:

  • Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.2.1.4.0)

Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.2.1.4.0)のインストール方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』Infrastructureソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。

サポートされているインストール方法の詳細は、「サポートされているインストール方法について」を参照してください。

インストールおよび構成のチェックリストの確認

インストールおよび構成プロセスでは、特定の情報が必要になります。

表3-1に、Oracle Access Managementのインストールおよび構成前に知っておく必要のある、またはインストールおよび構成中に決定する必要のある重要な項目を示します。

表3-1 インストールおよび構成のチェックリスト

情報 値の例 説明

JAVA_HOME

/home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211

Java JDK ホーム・ディレクトリを指す環境変数。

データベース・ホスト

examplehost.exampledomain

データベースを実行しているホストの名前とドメイン。

データベース・ポート

1521

データベースのリスニング・ポートの番号。デフォルトのOracleデータベースのリスニング・ポートは1521です。

データベース・サービス名

orcl.exampledomain

Oracleデータベースには一意のサービス名が必要です。デフォルトのサービス名は、orclです。

DBAユーザー名

SYS

データベース管理権限を持つユーザーの名前。OracleデータベースのデフォルトのDBAユーザーは、SYSです。

DBAパスワード

myDBApw957

データベース管理権限を持つユーザーのパスワード。

ORACLE_HOME

/home/Oracle/product/ORACLE_HOME

ソフトウェアをインストールするディレクトリ。

必要に応じて、このディレクトリには、Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Access Managementが含まれます。

WebLogic Serverのホスト名

examplehost.exampledomain

Oracle WebLogic ServerコンソールとOracle Access Managementコンソールのホスト名。

コンソール・ポート

7001

Oracle WebLogic ServerコンソールとOracle Access Managementコンソールのポート。

DOMAIN_HOME

/home/Oracle/config/domains/idm_domain

ドメイン・データの格納場所。

APPLICATION_HOME

/home/Oracle/config/applications/idm_domain

アプリケーション・データの格納場所。

WebLogicドメインの管理者のユーザー名

weblogic

Oracle WebLogic Serverの管理権限を持つユーザーの名前。デフォルトの管理者ユーザーは、weblogicです。

管理者ユーザーのパスワード

myADMpw902

Oracle WebLogic Server管理権限を持つユーザーのパスワード。

RCU

ORACLE_HOME/oracle_common/bin

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)へのパス。

RCUスキーマの接頭辞

oam

Oracle Access Managementで使用されるデータベース・スキーマ名の接頭辞。

RCUスキーマのパスワード

myRCUpw674

Oracle Access Managementで使用されるデータベース・スキーマのパスワード。

構成ユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

ドメインの作成と構成のための構成ウィザードへのパス。

インストール・プログラムの起動

インストール・プログラムを実行する前に、JDKおよび前提条件のソフトウェアがインストールされていることを確認する必要があります。

インストール・プログラムを起動するには:

  1. ホスト・システムにログインします。
  2. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに変更します。
  3. Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.2.1.4.0)がインストールされている必要があります。手順については、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成Infrastructureソフトウェアのインストールを参照してください。
  4. JDKディレクトリからjava実行可能ファイルを実行して、インストール・プログラムを起動します。たとえば:
    • (UNIX) /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211/bin/java -jar fmw_12.2.1.4.0_idm.jar

    • (Windows) C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_211\bin\java -jar fmw_12.2.1.4.0_idm.jar

ノート:

インストーラ画面を起動するかわりに、保存されたレスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードでインストーラを起動することもできます。サイレント・インストールまたはコマンド・ライン・インストールの詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』「サイレント・モードでのOracle Universal Installerの使用」を参照してください。

インストール・プログラムが表示されたら、インストールの準備は完了です。

インストール画面への移動

インストーラにより、情報を確認または入力する一連の画面が表示されます。

次の表に、インストーラ画面が表示される順序を示します。インストーラ画面に関して詳細な情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。

表3-2 インストール画面

画面 説明

インストール・インベントリの設定

LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムでは、このホスト上にOracle製品をインストールするのが初めての場合、この画面が開きます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。

『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』Oracle中央インベントリに関する項を参照してください。

Windowsオペレーティング・システムでは、この画面は表示されません。

ようこそ

情報を参照してすべての前提条件が満たされていることを確認し、「終了」をクリックします。

自動更新

自動更新をスキップする選択をするか、パッチを選択するか、My Oracle Supportアカウントを使用して、重要なセキュリティ更新を含む最新のソフトウェア更新を検索します。

インストールの場所

Oracleホーム・ディレクトリの場所を指定します。

このOracleホームには、Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.2.1.4.0)が含まれている必要があります。

「表示」をクリックすると、インストール先のOracleホームが正しいことを確認できます。

ノート:

Oracleホームのパスに空白が含まれていないことを確認してください。

インストール・タイプ

コロケート・インストール・タイプを使用します。

コロケート・モードは、WebLogic Serverを使用して管理されるタイプのインストールです。コロケート・モードでインストールするには、必要な従属ソフトウェアをインストールしておく必要があります。

前提条件チェック

この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。

検証済のタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。

インストールの概要

この画面では、選択したインストール・オプションを検証します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

この画面はインストールの進行状況を示します。

進行状況バーが100%完了になったら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。

インストール完了

この画面には、「インストールの場所およびインストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。

インストールの確認

インストールの完了後、一連のタスクを実行して、成功したことを確認します。

インストール・ログ・ファイルの確認

インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、インストーラに何も問題が発生しなかったことを確認します。

デフォルトでは、インストーラによって、Oracle_Inventory_Location/logsディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはOracle_Inventory_Location\logsディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にログ・ファイルが書き込まれます。

ログ・ファイルとその場所の詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』インストール・ログ・ファイルに関する項を参照してください。

ディレクトリ構造のチェック

インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。

Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。

Oracleホームの内容の表示

viewInventoryスクリプトを使用すると、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示することができます。

『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』Oracleホームの内容の表示に関する項を参照してください。

Oracle Access Managementドメインの構成

Oracle Access Managementをインストールした後、ドメインを構成できます。これは、高可用性を実現するように拡張することもできます。

ここで示す構成ステップは、次で説明されているインストール・ステップを完了したことを前提にしています。

次の各項を参照してデータベース・スキーマを作成し、WebLogicドメインを構成して、構成を検証します。

データベース・スキーマの作成

ドメインを構成する前に、このリリースのOracle Fusion Middlewareで使用する動作保証済データベースに、必要なスキーマをインストールする必要があります。

動作保証されたデータベースのインストールと構成

データベース・スキーマを作成する前に、動作保証されたデータベースをインストールおよび構成し、データベースが起動されて稼働していることを確認しておく必要があります。

ノート:

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、Autonomous Transaction Processingデータベースに接続するための設定に関する項の説明に従ってウォレット設定を変更して環境変数を設定し、ORACLE HOMEへのパッチの適用に関する項の説明に従ってORACLE HOMEにパッチを適用する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのインストールのためのデータベース要件についてを参照してください。

リポジトリ作成ユーティリティの起動

動作保証されたJDKがシステムにインストールされていることを確認してから、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動します。

RCUを起動するには:

  1. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。12c (12.2.1.4.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_211以上です。
  2. JAVA_HOME環境変数が、動作保証済JDKの場所に設定されていることを確認します。たとえば:
    • (UNIX) setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_211
  3. 次のディレクトリに変更します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\bin
  4. 次のコマンドを入力します。
    • (UNIX) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat
「リポジトリ作成ユーティリティ」画面をナビゲートしてスキーマを作成

必要な情報をRCU画面に入力して、データベース・スキーマを作成します。

RCUの概要

「ようこそ」画面は、RCUを起動したとき最初に表示される画面です。

「次へ」をクリックします。

スキーマ作成の方法の選択

コンポーネント・スキーマをデータベースに作成およびロードする方法を選択するには、「リポジトリの作成」画面を使用します。

「リポジトリの作成」画面で、次の操作を行います。
  • データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っている場合は、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。この手順は、SYSDBA権限が付与されていることを前提としています。

  • データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っていない場合は、この画面で「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択する必要があります。このオプションによってSQLスクリプトが生成され、それをデータベース管理者が使用します。リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成システム・ロードと製品ロードについてを参照してください。

  • DBAがシステム・ロードに対してすでにSQLスクリプトを実行している場合、「製品ロードの実行」を選択します。

    ノート:

    Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、スキーマをNormalユーザーとして作成する必要がありますが、データベースに対するSYSまたはSYSDBAの完全な権限がない場合は、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択する必要があります。

データベース接続の詳細の提供

「データベース接続の詳細」画面に、RCUがデータベースに接続するためのデータベース接続の詳細を指定します。

ノート:

データベース・サービス名が不明な場合、データベースの初期化パラメータ・ファイル内のSERVICE_NAMESパラメータから取得できます。初期化パラメータ・ファイルにSERVICE_NAMESパラメータが含まれていない場合、サービス名はDB_NAMEDB_DOMAINパラメータに指定されているグローバル・データベース名と同じです。

Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの場合、tnsnames.oraで指定されたデータベース・サービス名<databasename>_tpurgentまたは<databasename>_tpを使用します。サービス名の詳細は、『Oracle Autonomous Database on Shared Exadata Infrastructureの使用』Autonomous Transaction ProcessingおよびAutonomous JSON Databaseのデータベース・サービス名に関する項を参照してください。

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)でスキーマを作成するには、「接続文字列」オプションのみを使用して接続資格証明を指定できます。この画面には、警告メッセージが表示されます。警告を無視して、スキーマの作成を続行できます。詳細は、パッチ適用後のSYS DBA権限の警告を参照してください。

データベース接続の詳細を指定するには:

  1. 「データベース接続の詳細」画面で、データベース接続の詳細を指定します。

    たとえば:

    • データベース・タイプ: Oracle Database
    • 接続文字列の書式: 接続パラメータまたは接続文字列
    • 接続文字列: examplehost.exampledomain.com:1521:Orcl.exampledomain.com
    • ホスト名: examplehost.exampledomain.com
    • ポート: 1521
    • サービス名: Orcl.exampledomain.com
    • ユーザー名: sys
    • パスワード: ******
    • ロール: SYSDBA

    Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、次の形式で接続文字列を入力します:

    jdbc:oracle:thin:@TNS_alias?TNS_ADMIN=<path of the wallet files, ojdbc.properties, and tnsnames.ora>

    接続文字列で、tnsnames.oraにあるデータベース名としてのTNS_aliasと、TNS_ADMINプロパティを、ウォレット・ファイルojdbc.propertiesおよびtnsnames.oraの場所に渡す必要があります。

    ノート:

    Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの場合、tnsnames.oraで指定されたデータベース・サービス名<databasename>_tpurgentまたは<databasename>_tpのうち1つのみを使用する必要があります。データベース・サービス名の詳細は、『Oracle Autonomous Database on Shared Exadata Infrastructureの使用』Autonomous Transaction ProcessingおよびAutonomous JSON Databaseのデータベース・サービス名に関する項を参照してください。

    Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)データベースの接続文字列の例:

    jdbc:oracle:thin:@dbname_medium?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

    Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの接続文字列の例:

    jdbc:oracle:thin:@dbname_tp?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

  2. 「次へ」をクリックして続行し、データベースへの接続が成功したことを通知するダイアログ・ウィンドウで「OK」をクリックします。
カスタム接頭辞の指定とスキーマの選択

「新規接頭辞の作成」を選択し、カスタム接頭辞を指定して、IDMスキーマを展開して、「Oracle Access Manager」スキーマを選択します。依存関係に応じて、次のスキーマが自動的に選択されます。

  • 共通インフラストラクチャ・サービス(STB)

  • OPSS (Oracle Platform Security Services)

  • 監査サービス(IAU)

  • 監査サービス追加(IAU_Append)

  • 監査サービス・ビューア(IAU_Viewer)

  • Metadata Services (MDS)

  • WebLogicサービス(WLS)

スキーマの共通インフラストラクチャ・サービス(STB)が自動的に作成されます。このスキーマはグレー表示され、選択または選択解除することはできません。このスキーマを使用すると、ドメインの構成中にRCUから情報を取得できるようになります。詳細は、リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成サービス表スキーマの理解に関する項を参照してください。

カスタム接頭辞を使用して、そのドメインでのみ使用されるスキーマを論理的にグループ化します。各ドメインに固有のスキーマ・セットを作成する必要があります。ドメイン間でのスキーマの共有はサポートされません。

ヒント:

カスタム接頭辞の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成カスタム接頭辞の理解に関する項を参照してください。

マルチドメイン環境のスキーマを構成する方法の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成スキーマの作成計画に関する項を参照してください。

ヒント:

ここに入力するカスタム接頭辞は、ノートにとっておく必要があります。このカスタム接頭辞は、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

「次へ」をクリックして先に進み、スキーマ作成の前提条件チェックが成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウの「OK」をクリックします。

スキーマ・パスワードの指定

「スキーマ・パスワード」画面で、データベースでのスキーマ・パスワードの設定方法を指定した後、パスワードを入力して確認します。

ノート:

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、スキーマ・パスワードは12文字以上にし、大文字、小文字および数字を少なくとも1つ含める必要があります。

この画面で設定するパスワードは、ノートにとっておく必要があります。このパスワードは、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

「次へ」をクリックします。

スキーマの作成の完了

残りのRCU画面を最後までナビゲートし、スキーマ作成を完了します。

RCUを起動したときに、データベース(OracleまたはOracle EBR)で「透過的データ暗号化」(TDE)を使用可能にした場合のみ、「表領域のマップ」画面に「表領域の暗号化」チェック・ボックスが表示されます。

スキーマの作成を完了するには:
  1. RCUによって作成されるすべての新しい表領域を暗号化する場合は、「表領域のマップ」画面で「表領域の暗号化」を選択します。
  2. 「完了サマリー」画面で、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。

    Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの場合、「表領域のマップ」画面でデフォルトの表領域および一時表領域をオーバーライドし、必要に応じて追加の表領域もオーバーライドする必要があります。表領域のマップに関する項を参照してください。

    Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)でスキーマを作成する際に問題が発生した場合は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』Autonomous Transaction Processingデータベースでのスキーマ作成のトラブルシューティングのヒントに関する項、および『Oracle Fusion Middleware Infrastructureリリース・ノート』Autonomous Databaseでの製品のインストールおよび構成に関連する問題に関する項を参照してください。

ドメインの構成

構成ウィザードを使用して、ドメインを作成および構成します。

ドメインを作成するその他の方法の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』WebLogicドメインの作成、拡張および管理のためのその他のツールに関する項を参照してください。

構成ウィザードの起動

構成ウィザードを起動して、ドメインの構成を開始します。

構成ウィザードを起動するには:

  1. 次のディレクトリに変更します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

    (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin

    ここでORACLE_HOMEは、12c (12.2.1.4.0) Oracleホームになります。

  2. 次のコマンドを入力します。

    (UNIX) ./config.sh

    (Windows) config.cmd

ドメインを作成および構成するための構成ウィザード画面のナビゲート

構成ウィザードの画面に必要な情報を入力して、トポロジのドメインを作成および構成します。

ノート:

この手順を使用して既存のドメインを拡張できます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。

ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面を使用して、ドメイン・ホーム・ディレクトリの場所を選択します。Oracleホーム・ディレクトリの外部が適しています。

ドメイン・ホームの場所は、Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリのディレクトリ構造に従って、Oracleホーム・ディレクトリの外に配置することをお薦めします。このディレクトリ構造は、ソフトウェアのアップグレードや再インストールが必要になった場合に問題が発生しないようにするのに役立ちます。

ドメイン・タイプおよびドメインのホーム・ディレクトリを指定するには:

  1. 「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択します。
  2. 「ドメインの場所」フィールドで、ドメイン・ホームのディレクトリを指定します。

この画面の詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成タイプに関する項を参照してください。

Oracle Access Managementの構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを作成」が選択されているのを確認してから、Oracle Access Management Suiteテンプレートを選択します。

このテンプレートを選択すると、次の項目が依存関係として自動的に選択されます。

  • Oracle Enterprise Manager

  • Oracle JRF

  • WebLogic Coherenceクラスタ拡張

ノート:

基本のWebLogicドメインが事前に選択されています。

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』テンプレートに関する項を参照してください。

アプリケーション・ホームの場所の選択

「アプリケーションの場所」画面を使用して、ドメインに関連付けられたアプリケーションの格納場所(アプリケーション・ホーム・ディレクトリとも呼ばれる)を選択します。

アプリケーション・ホームの場所は、Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリのディレクトリ構造に従って、Oracleホーム・ディレクトリの外に配置することをお薦めします。このディレクトリ構造は、ソフトウェアのアップグレードや再インストールが必要になった場合に問題が発生しないようにするのに役立ちます。

アプリケーション・ホーム・ディレクトリの詳細は、「アプリケーション・ホーム・ディレクトリについて」を参照してください。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成アプリケーションの場所を参照してください。

管理者アカウントの構成

「管理者アカウント」画面を使用して、ドメインに対するデフォルトのWebLogic管理者アカウントのユーザー名とパスワードを指定します。

この画面に入力するユーザー名とパスワードは、ノートにとっておいてください。これらの資格証明は、このドメインの管理サーバーの起動とそのサーバーへの接続で、後で必要になります。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の管理者アカウントを参照してください。

ドメイン・モードとJDKの指定

「ドメイン・モードおよびJDK」画面を使用して、ドメイン・モードおよびJava Development Kit (JDK)を指定します。

「ドメイン・モードおよびJDK」画面では、次の操作を実行します。

  • 「ドメイン・モード」フィールドで、「本番」を選択します。

  • 「JDK」フィールドで、Oracle HotSpot JDKを選択します。

この画面の詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』ドメイン・モードとJDKに関する項 を参照してください。
データベース構成タイプの指定

「データベース構成タイプ」画面を使用して、データベースとデータベース・スキーマの詳細を指定します。

「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択します。このオプションでは、構成ウィザードに対して、データベースおよびサービス表(STB)スキーマに接続し、ドメインの構成に必要なスキーマのスキーマ情報を自動的に取得するように指示します。

ノート:

この画面で「手動構成」を選択する場合、次の画面で、スキーマのパラメータを手動で指定する必要があります。

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、「RCUデータ」オプションのみを選択する必要があります。

「RCUデータ」を選択したら、次のフィールドに詳細を指定します。

フィールド 説明

DBMS/サービス

データベースのDBMS名(サービス・タイプ・ドライバを選択している場合はサービス名)を入力します。

例: orcl.exampledomain.com

ホスト名

データベースをホストするサーバーの名前を入力します。

例: examplehost.exampledomain.com

ポート

データベースがリスニングするポート番号を入力します。

例: 1521

スキーマ所有者

スキーマ・パスワード

データベースのサービス表スキーマに接続するためのユーザー名とパスワードを入力します。これは、RCUの「スキーマ・パスワード」画面でサービス表コンポーネントに入力したスキーマ・ユーザー名とパスワードです(スキーマのパスワードの指定を参照)。

デフォルトのユーザー名はprefix_STBで、prefixは、RCUで定義したカスタム接頭辞です。

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、「接続URL文字列」オプションのみを使用して接続資格証明を指定し、次の形式で接続文字列を入力します:

jdbc:oracle:thin:@TNS_alias?TNS_ADMIN=<path of the wallet files, ojdbc.properties, and tnsnames.ora>

接続文字列で、tnsnames.oraにあるデータベース名としてのTNS_aliasと、TNS_ADMINプロパティを、ウォレット・ファイルojdbc.propertiesおよびtnsnames.oraの場所に渡す必要があります。

Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)データベースの接続文字列の例:

jdbc:oracle:thin:@dbname_medium?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの接続文字列の例:

jdbc:oracle:thin:@dbname_tp?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

データベース接続情報の指定を完了したら、「RCU構成の取得」をクリックします。「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示しています。

Connecting to the database server...OK
Retrieving schema data from database server...OK
Binding local schema components with retrieved data...OK

Successfully Done.

RCUの実行時にインストールされるスキーマの詳細は、リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成サービス表スキーマについてを参照してください。

『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』データベース構成タイプに関する項を参照してください。

JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定

「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面を使用してデータベース・スキーマの詳細を指定します。

「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面に示される値が、すべてのスキーマに対して適切であることを確認します。前の画面で「RCUデータ」を選択した場合、スキーマ表はすでに適切に移入されている必要があります。「データベース構成」画面で「手動で構成」を選択した場合は、続行する前に、この表にリストされたスキーマを手動で構成する必要があります。

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、「接続URL文字列」オプションのみを使用して接続資格証明を指定し、次の形式で接続文字列を入力します:

jdbc:oracle:thin:@TNS_alias?TNS_ADMIN=<path of the wallet files, ojdbc.properties, and tnsnames.ora>

接続文字列で、tnsnames.oraにあるデータベース・サービス名としてのTNS_aliasと、TNS_ADMINプロパティを、ウォレット・ファイルojdbc.propertiesおよびtnsnames.oraの場所に渡す必要があります。

Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)データベースの接続文字列の例:

jdbc:oracle:thin:@dbname_medium?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの接続文字列の例:

jdbc:oracle:thin:@dbname_tp?TNS_ADMIN=/users/test/wallet_dbname/

高可用性環境の場合は、Oracle RACデータベースのデータ・ソース構成に関する追加情報について、『高可用性ガイド』の次の項を参照してください。

この画面の詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』JDBCコンポーネント・スキーマに関する項を参照してください。

JDBC接続のテスト

「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面を使用してデータ・ソース接続をテストします。

「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから接続テストを再試行してください。

デフォルトでは、スキーマの作成時に指定したパスワードが、各スキーマ・コンポーネントのスキーマ・パスワードです。スキーマ・コンポーネントに応じて異なるパスワードを使用する場合は、各行の「スキーマ・パスワード」列に使用するパスワードを入力して、前の画面(JDBCコンポーネント・スキーマ)でそれらを手動で編集します。パスワードを指定した後、パスワードを変更したスキーマに対応するチェック・ボックスを選択し、再度接続をテストします。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成JDBCコンポーネント・スキーマ・テストを参照してください。

拡張構成の選択

「拡張構成」画面を使用して、ドメイン構成を完了します。

「拡張構成」画面で、次を選択します。

  • 管理サーバー

    管理サーバーのリスニング・アドレスを適切に構成するために必要です。

  • ノード・マネージャ

    ノード・マネージャを構成するために必要です。

  • トポロジ

    Oracle Access Management管理対象サーバーを構成する場合に必要になります。

オプションで、目的のインストール環境での必要に応じて、使用可能な他のオプションを選択します。このガイドのステップでは、標準インストール・トポロジを説明していますが、異なるステップに従うこともできます。インストール要件が、このガイドの範囲を超える追加のオプションに及ぶ場合には、そのオプションを構成する追加の画面が表示される場合があります。構成ウィザードのすべての画面の詳細は、構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成構成ウィザードの画面を参照してください。

管理サーバーのリスニング・アドレスの構成

「管理サーバー」画面を使用して、ホストのIPアドレスを選択します。

「リスニング・アドレス」の横のドロップダウン・リストを選択し、管理サーバーが置かれるホストのIPアドレスを選択するか、単一のIPアドレスにマップされたシステム名またはDNS名を使用します。「すべてのローカル・アドレス」を使用しないでください。

管理サーバーにサーバー・グループは指定しないでください。

ノード・マネージャの構成

「ノード・マネージャ」画面を使用して、構成するノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャ資格証明を選択します。

ノード・マネージャのタイプとして「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択して、ノード・マネージャの資格証明を指定します。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成ノード・マネージャを参照してください。

ノード・マネージャ・タイプの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャの概要に関する項を参照してください。

Oracle Access Managementの管理対象サーバーの構成

「管理対象サーバー」画面に、oam_server_1およびoam_policy_mgr1という管理対象サーバーが表示されています。

  1. 「リスニング・アドレス」ドロップダウン・リストで、管理対象サーバーが存在するホストのIPアドレスを選択するか、単一のIPアドレスにマップするシステム名またはDNS名を使用します。「すべてのローカル・アドレス」は使用しないでください。
  2. 「サーバー・グループ」ドロップダウン・リストで、管理対象サーバーのサーバー・グループを選択します。デフォルトでは、oam_server1にOAM-MGD-SVRSおよびoam_policy_mgr1にOAM-POLICY-MANAGED-SERVERが選択されています。

    サーバー・グループは、定義済アプリケーション・サービス・グループを各定義済サーバー・グループにマップすることにより、Fusion Middlewareアプリケーションおよびサービスを1つ以上のサーバーにターゲット指定します。必要に応じて、特定のアプリケーション・サービス・グループを複数のサーバー・グループにマップできます。特定のサーバー・グループにマップされた任意のアプリケーション・サービスは、そのグループに割り当てられたすべてのサーバーに自動的にターゲット指定されます。詳細は、『ドメイン・テンプレート・リファレンス』アプリケーション・サービス・グループ、サーバー・グループおよびアプリケーション・サービス・マッピングに関する項を参照してください。

  3. 2番目の管理対象サーバーの構成は、高可用性の標準トポロジを構成するために必要なステップの1つです。高可用性環境を作成しない場合、このステップはオプションになります。
    「クローン」をクリックし、この手順を繰り返して、oam_policy_mgr2という名前の2番目の管理対象サーバーを作成します。

    ノート:

    追加の管理対象サーバーを構成する場合は、「クローン」オプションを使用して管理対象サーバーを追加します。たとえば、oam_server2を構成する場合は、「クローン」をクリックし、oam_server1を選択してこのサーバーをクローニングします。「追加」オプションを使用して新規管理対象サーバーを追加しないでください。

    2番目の管理対象サーバーの構成は、高可用性の標準トポロジを構成するために必要なステップの1つです。高可用性環境を作成しない場合、このステップはオプションになります。

    高可用性の標準トポロジの詳細は、『高可用性ガイド』Fusion Middleware標準HAトポロジの理解に関する項を参照してください。

    ドメインを構成した後、高可用性の準備のための次のステップの詳細は、「高可用性のための環境の準備」を参照してください。

これらのサーバー名は、このドキュメント全体で引用されるため、別の名前を選択したときには、それらの名前を必要に応じて置換してください。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』管理対象サーバーに関する項を参照してください。

Oracle Access Managementのクラスタの構成

「クラスタ」画面を使用して、新規クラスタを作成します。

ノート:

単一ノード上に非クラスタ設定を構成する場合、この画面はスキップしてください。

「クラスタ」画面で、次のように操作します。

  1. 「追加」をクリックします。
  2. 「クラスタ名」フィールドで、oam_serveroam_cluster_1を指定します。oam_policy_mgrサーバーに、oam_policy_clusterなどの別のクラスタを作成する必要があります。
  3. 「クラスタ・アドレス」フィールドに、ipaddress/hostname:portを指定します。たとえば:
    ip_address_machine1:portnumber,ip_address_machine2:portnumber

デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』ユニキャストまたはマルチキャストを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。

また、Fusion Middleware Controlを使用してクラスタを作成することもできます。この場合、新しいクラスタを作成するときに、クラスタ通信(ユニキャストまたはマルチキャスト)を構成できます。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプクラスタの作成と構成に関する項を参照してください。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成クラスタを参照してください。

サーバー・テンプレートの定義

高可用性設定のために動的クラスタを作成する場合は、「サーバー・テンプレート」画面を使用して1つ以上のサーバー・テンプレートをドメイン用に定義します。

ドメインの構成を続行するには、「次へ」をクリックします。

高可用性設定用の動的クラスタを作成するステップは、高可用性ガイド動的クラスタの使用を参照してください。

動的サーバーの構成

Oracle Access Management構成の場合、この画面はスキップできます。

「次へ」をクリックして続行します。
クラスタへのOracle Access Management管理対象サーバーの割当て

非クラスタ設定を構成する場合は、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。 「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、管理対象サーバーを新しい構成済クラスタに割り当てます。構成済クラスタとは、手動で構成したクラスタのことです。動的クラスタ(1つのサーバー・テンプレートに基づく1つ以上の生成済サーバー・インスタンスを含むクラスタ)を構成する場合は、この画面を使用しません。

構成済クラスタおよび動的クラスタの用語の詳細は、Oracle WebLogic Serverの理解動的クラスタについてを参照してください。

「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次の操作を実行します。

  1. 「クラスタ」ペインで、管理対象サーバーを割り当てるクラスタを選択します。この場合、oam_cluster_1になります。
  2. 「サーバー」ペインで、次のいずれかを実行して、oam_server_1oam_cluster_1に割り当てます。
    • シングルクリックでoam_server_1を選択し、右矢印をクリックすることで、「クラスタ」ペインで選択済のクラスタ(oam_cluster_1)の下に移動します。

    • oam_server_1をダブルクリックして、「クラスタ」ペインで選択済のクラスタ(oam_cluster_1)の下に移動します。

  3. oam_policy_mgrからoam_policy_clusterへの割当てを繰り返します。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成クラスタへのサーバーの割当を参照してください。

Coherenceクラスタの構成

「Coherenceクラスタ」画面を使用してCoherenceクラスタを構成します。

Coherenceクラスタのリスニング・ポートとして、デフォルトのポート番号のをそのまま使用します。構成後、Coherenceクラスタがドメインに自動的に追加されます。

ノート:

ユニキャスト・リスニング・ポートを0に設定すると、管理対象サーバー・ポート番号のオフセットが作成されます。オフセットは5000で、管理対象サーバーのポート番号として割当て可能な最大許容値は65535ではなく、60535です。

Coherence構成の詳細と次のステップについては、表5-2を参照してください。

Coherenceライセンス情報については、ライセンス情報Oracle Coherence製品を参照してください。

Oracle Access Managementマシンの新規作成

「マシン」画面を使用して、ドメイン内に新規マシンを作成します。ノード・マネージャがサーバーを起動および停止するには、マシンが必要です。

高可用性環境を作成する際に目的のトポロジで必要になるマシンのリストがわかっているときには、この項の手順を実行して、この時点ですべてのマシンを作成できます。スケール・アウトのステップの詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』オプションのスケール・アウト・ステップに関する項を参照してください。

ノード・マネージャがサーバーを起動および停止できるように新しいOracle Access Managementマシンを作成するには:
  1. 「マシン」タブ(Windows)または「UNIXマシン」タブ(UNIX)を選択し、「追加」をクリックして新しいマシンを作成します。
  2. 「名前」フィールドで、マシン名を指定します(oam_machine_1など)。
  3. 「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」フィールドで、管理対象サーバーを構成しているマシンのIPアドレスを選択します。

    localhostではなく、特定のインタフェースを選択する必要があります。これにより、Coherenceクラスタのアドレスが動的に計算されます。

  4. 「ノード・マネージャ・リスニング・ポート」フィールドのポート番号を確認します。
  5. 必要に応じて、これらのステップを繰り返してさらにマシンを追加します。

ノート:

既存のドメインを拡張している場合は、既存のマシンにサーバーを割り当てることもできます。新しいマシンが不要な場合は、マシンを作成する必要はありません。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成マシンを参照してください。

Oracle Access Managementマシンへのサーバーの割当て

「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、作成したばかりの新しいマシンに管理サーバーと管理対象サーバーを割り当てます。

「サーバーのマシンへの割当」画面で次の操作を実行します。

  1. 「マシン」ペインで、サーバーを割り当てるマシンを選択します。この場合、oam_machine_1になります。
  2. 「サーバー」ペインで、次のいずれかを実行して、AdminServeroam_machine_1に割り当てます。
    • 「AdminServer」をクリックして選択し、右矢印をクリックして、「マシン」ペインで選択したマシン(oam_machine_1)の下に移動します。

    • AdminServerをダブルクリックして、「マシン」ペインで選択したマシン(oam_machine_1)の下に移動します。

  3. これらのステップを繰り返して、すべての管理対象サーバーをそれぞれのマシンに割り当てます。

この画面の詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成マシンへのサーバーの割当を参照してください。

仮想ターゲット

Oracle Access Management構成の場合、この画面はスキップできます。

「次へ」をクリックして続行します。

パーティション

「パーティション」画面は、WebLogic Server Multitenant (MT)環境での仮想ターゲットのパーティションの構成に使用します。オプションは選択せずに、「次へ」を選択します。

この画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』パーティションに関する項を参照してください。

ノート:

WebLogic Server Multitenantドメイン・パーティションは、WebLogic Server 12.2.1.4.0で非推奨になっており、次のリリースで削除されます。
ドメイン・フロントエンド・ホストの構成

「ドメイン・フロントエンド・ホスト」画面では、ドメインのフロントエンド・ホストを構成できます。

「プレーン」または「SSL」を選択し、それぞれのホストの値を指定します。

「次へ」をクリックします。

デプロイメントのターゲット指定

「デプロイメント・ターゲット指定」画面では、使用可能なデプロイメントをサーバーにターゲット指定できます。

必要な変更を行って、「次へ」をクリックします。
サービスのターゲット指定

「サービス・ターゲット指定」画面では、使用可能なサービスをサーバーにターゲット指定できます。

必要な変更を行って、「次へ」をクリックします。
構成の指定内容の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面に、これから作成するドメインの詳細な構成情報が表示されます。

画面上の各項目を検討し、情報が正しいことを確認します。変更するには、「戻る」ボタンをクリックするか、ナビゲーション・ペインの画面を選択していずれかの画面に戻ります。ドメインの作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。

この画面上のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成サマリーに関する項を参照してください。

ドメイン・ホームと管理サーバーURLの記録

「構成の終了」画面には、構成したばかりのドメインについての情報が表示されます。

後で必要になるので、次の項目を書きとめます。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

ドメインの場所はノード・マネージャおよび管理サーバーを起動するスクリプトにアクセスするため、URLは管理サーバーにアクセスするために必要です。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

SSL有効サーバーのシステム・プロパティの更新

SSL有効サーバーの場合、ドメイン・ホームのsetDomainEnvファイルで必要なプロパティを設定する必要があります。

サーバーを起動する前に、DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh (UNIXの場合)またはDOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd (Windowsの場合)ファイルで次のプロパティを設定します。
  • -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true

  • -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust

サーバーの起動

構成が正常に完了したら、すべてのプロセスと管理サーバーや管理対象サーバーを含むすべてのサーバーを再起動します。

コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。

ノート:

この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を起動するには、次に示すステップを実行します。

ステップ1: ノード・マネージャを起動する

ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

  • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

  • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

ステップ2: 管理サーバーの起動

管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。

管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

  • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

ドメインを作成した場合、「ドメイン・モードおよびJDK」画面で「本番モード」を選択すると、管理者ユーザーのログイン資格証明を求めるプロンプトが表示されます。「管理者アカウント」画面で入力した資格証明と同じものを入力します。

ノート:

Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)の場合、管理サーバー・ログに無害なエラー・メッセージが表示されることがあります。

メッセージの例:

<AdminServer> <[ACTIVE] ExecuteThread: '63' for queue: 'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'> <weblogic> <> 
<16023522-e47f-40f4-a66f-7ea3729188d1-00000064> <1628079696204> 
<[severity-value: 8] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] > 
<BEA-240003> <Administration Console encountered the following error: 
java.lang.NoSuchMethodError: 
org.glassfish.jersey.internal.LocalizationMessages.WARNING_PROPERTIES()Ljava/l ang/String; at
org.glassfish.jersey.internal.config.SystemPropertiesConfigurationModel.getProperties(SystemPropertiesConfigurationModel.java:122) at
org.glassfish.jersey.internal.config.SystemPropertiesConfigurationProvider.getProperties(SystemPropertiesConfigurationProvider.java:29) at
org.glassfish.jersey.internal.config.ExternalPropertiesConfigurationFactory.readExternalPropertiesMap(ExternalPropertiesConfigurationFactory.java:55) at
org.glassfish.jersey.internal.config.ExternalPropertiesConfigurationFactory.configure(ExternalPropertiesConfigurationFactory.java:72) at
org.glassfish.jersey.internal.config.ExternalPropertiesConfigurationFeature.configure(ExternalPropertiesConfigurationFeature.java:26) at
org.glassfish.jersey.model.internal.CommonConfig.configureFeatures(CommonConfig.java:730)

このエラー・メッセージは機能的な影響がないため、無視してかまいません。

ステップ3: 管理対象サーバーを起動する

  • ノード・マネージャが構成されていない場合、次の手順を使用して管理対象サーバーを起動します:

    WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

    • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

    • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

    プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。これは、ドメインの作成時に管理者アカウント画面で入力したユーザー名およびパスワードと同じものです。

    ノート:

    通常、管理対象サーバーを起動すると、そのサーバーにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。
  • ノード・マネージャが構成されている場合、次の手順を使用して管理対象サーバーを起動します:
    1. 管理コンソールを起動します:
      1. Webブラウザを使用して、次のURLを開きます:
        http://hostname:port/console
        内容は次のとおりです。
        • hostnameは、管理サーバー・ホストです。
        • portは、ホスト・サーバーがリクエストをリスニングする管理サーバー・ポートです(デフォルトは7001)
      2. ログイン・ページが表示されたら、管理サーバーの起動に使用したユーザー名とパスワードを入力します。
    2. 管理コンソールからの管理対象サーバーの起動手順については、「管理コンソールからの管理対象サーバーの起動」を参照してください。

構成の確認

すべての構成ステップが完了したら、追加のステップを実行して、ドメインが適切に構成されていることを検証できます。

構成が正常に完了したら、Oracle Access Managementの機能の使用を開始できます。Oracle Access Management管理者ガイドOracle Access Managementのスタート・ガイドに関する項を参照してください。

Oracle Access Managementと他のIdentity Managementコンポーネントとの統合の詳細は、Oracle Identity Management Suite統合ガイドIdM Suiteコンポーネントの統合の概要に関する項を参照してください。

追加のドメイン構成タスクの実行の詳細は、「追加ドメイン構成タスクの実行」を参照してください。

OAMドメインのメモリー・パラメータの設定(オプション)

メモリー使用量を定義するOracle Access Managementドメインの初期起動パラメータが不十分な場合、このパラメータの値を引き上げることができます。

メモリー割当てを変更するには、次のことを行います。
  1. Domain_home/bin/setUserOverrides.shファイルを編集して、次の行を追加します。
    MEM_ARGS="-Xms1024m -Xmx3072m"
  2. ファイルを保存して閉じます。
  3. 次のメモリー割当てを、Java最大メモリー割当プール(Xmx)を3072MB、および初期メモリー割当プール(Xms)を1024MBに更新して変更します。たとえば、次の行を次のように変更します。
    WLS_MEM_ARGS_64BIT="-Xms1024m -Xmx3072m"
  4. ファイルを保存して閉じます。

java.securityファイルの更新(オプション)

Oracle Access Management 12c (12.2.1.4.0) をOracle Adaptive Access Manager (OAAM) 11gリリース2 (11.1.2.3.0)と統合する場合は、アップグレード後に次の変更内容でjava.securityファイルを更新する必要があります。

これを行うには:
  1. JAVA_HOME/jre/lib/security/にあるjava.securityファイルをテキスト・エディタで開きます。
  2. TLSv1TLSv1.1MD5withRSAを次のキーから削除します。
    キー - jdk.tls.disabledAlgorithms
  3. MD5を次のキーから削除します。
    キー - jdk.certpath.disabledAlgorithms

トラブルシューティング

この項では、Oracle Access Managementの構成時に発生した一般的な問題とその回避策をリストします。

トピック

WADL生成で説明が表示されない

問題

WADL生成が失敗し、java.lang.IllegalStateException: ServiceLocatorImplが返されます。
Exception thrown when provider 
class org.glassfish.jersey.server.internal.monitoring.MonitoringFeature$StatisticsListener 
was processing MonitoringStatistics. Removing provider from further processing.
java.lang.IllegalStateException: ServiceLocatorImpl(__HK2_Generated_6,9,221656053) has been shut down 
at org.jvnet.hk2.internal.ServiceLocatorImpl.checkState(ServiceLocatorImpl.java:2393)
また、WADL生成が失敗した場合、次のURLで適切に説明するかわりに、説明フィールドにルート・リソースが表示されます。

http://<Host>:<AdminServerPort>/oam/services/rest/11.1.2.0.0/ssa/policyadmin/application.wadl
http://<Host>:<ManagedServerPort>/iam/access/api/v1/health/application.wadl

解決策

管理サーバーと管理対象サーバーを再起動して、WADLの問題を解決してください。

OAMポリシー・マネージャ診断ログのMDS ReadOnlyStoreException

Oracle Access Management (OAM)12c (12.2.1.4.0)の構成後、サーバーを起動すると、管理サーバーおよびOAMポリシー・マネージャの診断ログに次の例外が表示されます。

oracle.mds.exception.ReadOnlyStoreException: MDS-01273: 
The operation on the  resource /oracle/oam/ui/adfm/DataBindings.cpx 
failed because source metadata  store mapped to the namespace / DEFAULT 
is read only.

この例外は、管理コンソールの機能に影響することはないため、安全に無視できます。

管理サーバー・ログの無視できる警告

Oracle Access Management 12c (12.2.1.4.0)の構成後、管理サーバーを起動すると、管理サーバー・ログに次の警告が表示されます。

<Warning> <oracle.adfinternal.view.faces.renderkit.rich.NavigationPaneRenderer> 
<adc2140146> <AdminServer> <[ACTIVE] ExecuteThread: '42' for queue: 
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'> <weblogic> <> <b6ba191d-9c3f-44ce-ad9d-64bd7123baf5-000000e3> 
<1502889425767> <[severity-value: 16] [rid: 0] [partition-id: 0] [partition-name: DOMAIN] > 
<BEA-000000> <Warning: There are no items to render for this level> 
####<Aug 16, 2017 6:17:06,241 AM PDT> <Warning> <org.apache.myfaces.trinidad.component.UIXFacesBeanImpl>

機能に影響を及ぼさないため、このエラーは無視できます。

Oracle Access Managementをインストールした後は、第5章「ドメイン構成後の次のステップ」に進みます。