1 Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールについて

このガイドで説明するOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementの標準インストールでは、この製品のサンプル開始トポロジに相当する標準トポロジが作成されます。

開発環境のインストールについて

Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのディストリビューションを使用して、本番環境の開始地点としての標準インストール・トポロジをインストールして構成できます。

Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementを開発環境にインストールする場合は、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Quick Startディストリビューションをダウンロードしてインストールするようにしてください。このディストリビューションには、SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアプリケーション作成に向けて、設計時ソフトウェアで事前構成されている統合開発環境(IDE)が付属しています。

Oracle JDeveloperの場合は、統合型のOracle WebLogic Serverを使用してJDeveloperの内側からアプリケーションをテストできます。また、カスタム・アプリケーションの実行時環境として使用するコンパクト・ドメインを作成することもできます。

SOA SuiteおよびBusiness Process ManagementのQuick Start for Developersのインストールを参照してください。

開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、本番環境で開始点として使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドに示す情報は、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementの標準インストール・トポロジを作成する際に役立ちます。必要な場合は、標準インストール・トポロジを拡張して、セキュアで可用性の高い本番環境を作成できます。「ドメイン構成後の次のステップ」を参照してください。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジを表しています。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング標準インストール・トポロジに関する項を参照してください。

Oracle SOA Suiteの標準インストール・トポロジについて

このトポロジは、1つ以上の管理対象サーバーを含む1つ以上のクラスタと管理サーバーが1つの標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Oracle SOA Suiteの標準インストール・トポロジを示しています。

ノート:

ドメイン内のコンポーネント・タイプのすべての管理対象サーバーは、そのクラスタに属している必要があります。たとえば、Oracle SOA Suiteドメインは、各ドメイン内の単一のOracle SOA Suiteクラスタのみをサポートします。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-1 Oracle B2Bの標準トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle B2Bの標準トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle SOA Suiteドメインの構成」を参照してください。

Oracle Business Process Managementの標準インストール・トポロジについて

このトポロジは、2台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

図1-2は、Oracle Business Process Management (BPM)の標準インストール・トポロジを示しています。

ノート:

ドメイン内のコンポーネント・タイプのすべての管理対象サーバーは、そのクラスタに属している必要があります。たとえば、Oracle Business Process Managementドメインでは、各ドメイン内で単一のBPMクラスタのみがサポートされます。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-2 BPMの標準インストール・トポロジ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 BPMの標準インストール・トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle Business Process Managementドメインの構成」を参照してください。

Oracle Business Activity Monitoringの標準インストール・トポロジについて

このトポロジは、それぞれに2台の管理対象サーバーを含む2つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

Oracle Business Activity Monitoring (BAM)は、ビジネス・プロセスをリアルタイムで監視し、情報に基づく戦略的なビジネスの意思決定を支援します。BAMの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle BAMでのビジネス・アクティビティのモニタリング』を参照してください。

本番システムの場合、BAMソフトウェアは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのディストリビューションの一部として含まれており、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Managementのソフトウェアをインストールするときに自動的にインストールされます。

さらに、BAMを含むエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの詳細は、Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイドOracle SOA SuiteおよびOracle Business Activity Monitoringのトポロジの図を参照してください。

図1-3は、Oracle SOA SuiteおよびBAMの標準インストール・トポロジを示しています。このトポロジを使用して、Oracle SOA SuiteドメインにOracle Business Activity Monitoringを実装します。Oracle Business Activity Monitoringソフトウェアは、専用のクラスタに向けてターゲット設定され、これにより、Oracle SOA SuiteOracle Business Activity Monitoringソフトウェアの間でのリソースの競合がなくなります。

ノート:

ドメイン内のコンポーネント・タイプのすべての管理対象サーバーは、そのクラスタに属している必要があります。たとえば、Oracle Business Activity Monitoringドメインでは、各ドメイン内で単一のBAMクラスタのみがサポートされます。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-3 BAMの標準インストール・トポロジ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 BAMの標準インストール・トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle Business Activity Monitoringドメインの構成」を参照してください。

標準インストール・トポロジ図の要素について

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

次の表では、トポロジの図の要素をすべて説明しています。

表1-1 標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と関連ドキュメントへのリンク
APPHOST アプリケーション層をホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
DBHOST データベースをホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle WebLogic Serverドメインに関する項を参照してください。

管理サーバー WebLogicドメインの集中管理エンティティです。ドメインの構成オブジェクトを保持し、構成の変更を管理対象サーバーに分散します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解管理サーバーに関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインの管理に使用する主要なツールです。

Oracle Fusion Middlewareの理解Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

Oracle Fusion Middlewareの理解管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの概要を参照してください。

マシン 1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータの論理的な表現。マシンは、管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するために、管理対象サーバーとマシンを関連付けます。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースのホスト。

Oracle Fusion Middlewareの理解管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの概要を参照してください。

インフラストラクチャ 次を含むサービスの集合。
  • メタデータ・リポジトリ(MDS)には、Oracle Application Developer FrameworkなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解メタデータ・リポジトリに関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

セカンダリ・トポロジについて

セカンダリ・トポロジには、追加のインストール・ステップや構成ステップを必要とするコンポーネントを標準トポロジの上に配置した構成が含まれます。

このガイドのメイン・セクションでは、標準インストール・トポロジのインストールおよび構成方法を説明しています。セカンダリ・トポロジには、標準インストール・トポロジでは識別されない、または含まれない製品がいくつか含まれます。

セカンダリ・トポロジのインストールと構成のガイドラインについては、「Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのセカンダリ・トポロジ」を参照してください。

Oracle UMSアダプタのインストールについて

Oracle UMSアダプタ(UMS)は、ユーザーとデプロイ済アプリケーションとの双方向通信を可能にするソフトウェア・テクノロジです。

Oracle User Messaging Serviceの管理Oracle UMSアダプタの概要に関する項を参照してください。

UMSは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのディストリビューションに含まれます。『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』Oracle User Messaging Service (UMS)のインストールについてに記載されているように、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの標準インストール・トポロジの一部としてインストールされます。

UMSランタイム・コンポーネントは、Oracle Fusion Middleware構成ウィザード・テンプレートと、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)によりサポートされるデータベースにインストールされるOracle Fusion Middlewareスキーマで構成されています。

開発では、Oracle JDeveloper 12cをインストールして使用することで、UMS機能を利用したアプリケーションを開発できます。『Oracle JDeveloperのインストール』Oracle JDeveloperの導入に関する項を参照してください。

Oracle Business Process Managementスタンドアロンのインストールについて

Oracle Business Process Management (BPM)ソフトウェアの機能のみを備えた簡単なドメインが必要でクラスタが不要な場合、BPMスタンドアロンをインストールできます。

BPMが含まれるセカンダリ・トポロジについては、「Oracle Business Process Managementスタンドアロンのトポロジ」で説明します。

Oracle Enterprise Schedulerのインストールについて

Oracle Enterprise Schedulerにより、Oracle WebLogic Serverクラスタのノード全体に分散された様々なジョブ・タイプ(Java、PL/SQL、バイナリ・スクリプト、Webサービス、EJBなど)を実行できるようになります。

『Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションの開発』Oracle Enterprise Schedulerに関する項を参照してください。

本番システムの場合、Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ソフトウェアは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのディストリビューションの一部として含まれていて、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Managementのソフトウェアをインストールすると自動的にインストールされます。

Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ソフトウェアをインストールして構成する場合は、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのセカンダリ・トポロジOracle Enterprise Schedulerが含まれるセカンダリ・トポロジを参照してください。

さらに、Oracle Enterprise Schedulerを含むエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの詳細は、Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイドOracle SOA SuiteおよびOracle Service Busのトポロジの図を参照してください。

Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを開発する場合は、SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストールコンパクト・ドメインの構成を参照してください。

Oracle Business Process ManagementおよびOracle Application Development Frameworkのインストールについて

Oracle Business Process Management (BPM)と、Oracle Application Development Framework (ADF)を使用して開発されたカスタム・ユーザー・インタフェースの両方を活用するアプリケーションをデプロイする場合、セカンダリ・トポロジを使用できます。これを使用すると、あるクラスタにOracle Business Process Managementソフトウェアをターゲット設定して、別のクラスタにOracle Application Development Frameworkソフトウェアをターゲット設定できるため、2つの製品間でリソースの競合がなくなります。

BPMとADFが含まれるセカンダリ・トポロジについては、「Oracle Business Process ManagementおよびApplication Development Framework (ADF)のトポロジ」で説明します。

このドキュメントを使用した既存のドメインの拡張

このガイドの手順では、新しいドメインの作成方法を説明しています。他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールされていないことを前提としています。

他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールおよび構成されている場合(たとえば、Fusion Middleware Infrastructureでドメインが稼働している場合)に、同じドメインを拡張してOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementを含める場合は、同じドメインへの複数の製品のインストールを参照してください。