4 マスター・リポジトリおよび作業リポジトリ・スキーマの作成

Oracle Data Integratorドメインを構成する前に、このリリースのOracle Fusion Middlewareでの使用について動作保証されているデータベースに、マスター・リポジトリおよび作業リポジトリ(ODI_REPO)スキーマを作成する必要があります。

動作保証されたデータベースのインストールと構成

データベース・スキーマを作成する前に、動作保証されたデータベースをインストールおよび構成し、データベースが起動されて稼働していることを確認しておく必要があります。

リポジトリ作成ユーティリティの起動

動作保証されたJDKがシステムにインストールされていることを確認してから、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動します。

RCUを起動するには:

  1. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。12c (12.2.1.4.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_211以上です。
  2. JAVA_HOME環境変数が、動作保証済JDKの場所に設定されていることを確認します。たとえば:
    • (UNIX) setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_211
  3. 次のディレクトリに変更します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\bin
  4. 次のコマンドを入力します。
    • (UNIX) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat

    ノート:

    Oracle Autonomous Transaction Processing-Shared (ATP-S)データベースの場合、Oracle Data Integratorではスキーマ・ロードにRCUサイレント・モードのみがサポートされます。

    次に、RCUコマンドの例を示します。ただし、データベースの詳細に従って接続情報を変更する必要があります。
    export RCU_SSL_MODE=true
    [opc@fmw-vm-3rdinstance bin]$ export RCU_SKIP_PRE_REQS=ALL
    [opc@fmw-vm-3rdinstance bin]$ ./rcu -silent -createRepository -connectString
    '(description=
    (CONNECT_TIMEOUT=120)(RETRY_COUNT=20)(RETRY_DELAY=3)(TRANSPORT_CONNECT_TIMEOUT
    
    =3)(ADDRESS_LIST=(LOAD_BALANCE=on)(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host-qr7it-scan
    
    .fleetsubnet.adbvcn.oraclevcn.com)(PORT=1521)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=FMW
    
    ATPDEDIC_low.atp.oraclecloud.com)))' -dbUser admin -useSSL -sslArgs
    javax.net.ssl.trustStore=/home/opc/atpd/cwallet.sso,javax.net.ssl.trustStore
    Type=SSO,javax.net.ssl.keyStore=/home/opc/atpd/cwallet.sso,javax.net.ssl.keySt
    
    oreType=SSO,oracle.net.ssl_server_dn_match=true,oracle.net.authentication_serv
    
    ices=TCPS,oracle.net.ssl_version=1.2 -schemaPrefix orcl -component ODI
    -tablespace DATA -tempTablespace TEMP -component STB -tablespace DATA
    -tempTablespace TEMP -component WLS -tablespace DATA -tempTablespace TEMP
    -component IAU_APPEND -tablespace DATA -tempTablespace TEMP -component
    IAU_VIEWER -tablespace DATA -tempTablespace TEMP -component OPSS -tablespace
    DATA -tempTablespace TEMP -component IAU -tablespace DATA -tempTablespace
    TEMP  -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -serverDN
    "CN=adwc.uscom-east-1.oraclecloud.com,OU=Oracle BMCS US,O=Oracle
    Corporation,L=Redwood City,ST=California,C=US"
    
                    RCU Logfile: /tmp/RCU2019-12-23_12-15_787969471/logs/rcu.log
    
    
    RCU-6069:Warning : Database connect string specified is not in recommended
    format.  Refer to RCU help for supported connect string formats. Continuing
    execution.

「リポジトリ作成ユーティリティ」画面をナビゲートしてスキーマを作成

RCU画面に必要な情報を入力して、データベース・スキーマを作成します。

RCUの概要

「ようこそ」画面は、RCUを起動したとき最初に表示される画面です。

「次」をクリックします。

スキーマ作成の方法の選択

コンポーネント・スキーマをデータベースに作成およびロードする方法を選択するには、「リポジトリの作成」画面を使用します。

「リポジトリの作成」画面で、次の操作を行います。
  • データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っている場合は、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。この手順は、SYSDBA権限が付与されていることを前提としています。

  • データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っていない場合は、この画面で「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択する必要があります。このオプションによってSQLスクリプトが生成され、それをデータベース管理者が使用します。リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成システム・ロードと製品ロードについてを参照してください。

  • DBAがシステム・ロードに対してすでにSQLスクリプトを実行している場合、「製品ロードの実行」を選択します。

データベース接続の詳細の指定

「データベース接続の詳細」画面に、RCUがデータベースに接続するためのデータベース接続の詳細を指定します。

データベースのサービス名が不明な場合は、データベースの初期化パラメータ・ファイル内のSERVICE_NAMESパラメータから取得できます。初期化パラメータ・ファイルにSERVICE_NAMESパラメータが含まれていない場合、サービス名はDB_NAMEDB_DOMAINパラメータに指定されているグローバル・データベース名と同じです。

データベース接続の詳細を指定するには:

  1. 「データベース接続の詳細」画面で、データベース接続の詳細を指定します。

    たとえば:

    • データベース・タイプ: Oracle Database
    • 接続文字列の書式: 接続パラメータまたは接続文字列
    • 接続文字列: examplehost.exampledomain.com:1521:Orcl.exampledomain.com
    • ホスト名: examplehost.exampledomain.com
    • ポート: 1521
    • サービス名: Orcl.exampledomain.com
    • ユーザー名: sys
    • パスワード: ******
    • ロール: SYSDBA
  2. 「次へ」をクリックして続行し、データベースへの接続が成功したことを通知するダイアログ・ウィンドウで「OK」をクリックします。

Oracleデータベースへの接続時に接続資格証明を指定する方法の詳細は、「Oracleデータベースと、エディションベースで再定義されるOracleデータベースに対する接続資格証明」を参照してください。

カスタム接頭辞の指定とスキーマの選択

「データベース接続の詳細」画面を使用して、製品データベース・スキーマをカスタム接頭辞付きで指定します。

カスタム接頭辞は、これらのスキーマをこのドメイン内でのみ使用するように論理的にグループ化するものであり、複数のドメイン間でのスキーマの共有はサポートされていないため、ドメインごとに固有のスキーマ・セットを作成する必要があります。『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』カスタム接頭辞の理解スキーマ作成の計画に関する項を参照してください。

スキーマにカスタム接頭辞を指定するには:

  1. 「コンポーネントの選択」画面で、カスタム接頭辞を指定して、製品データベース・スキーマを選択します。
  2. 「新規接頭辞の作成」を選択し、カスタム接頭辞を指定してから、Oracle Data Integratorスキーマを選択します。
    • 共通インフラストラクチャ・サービス(PREFIX_STB)
    • マスター・リポジトリと作業リポジトリ(PREFIX_ODI_REPO)
    • Oracle Platform Security Services (PREFIX_OPSS)
    • WebLogicサービス(PREFIX_WLS)
    • WebLogicサービス・ランタイム(PREFIX_WLS_RUNTIME)
    • 監査サービス(PREFIX_IAU)
    • 監査サービス追加(PREFIX_IAU_APPEND)
    • 監査サービス・ビューア(PREFIX_IAU_VIEWER)

    ここで入力したカスタム接頭辞は、後でドメイン作成プロセスで必要になるため、ノートにとっておいてください。

    ノート:

    すでにODI Studioを使用してODIリポジトリを作成した場合は、ここでODIエントリの選択を解除し、依存スキーマのみを作成します。構成ウィザードで、STBスキーマから依存スキーマ接続を取得した後、手動でODIリポジトリ詳細を入力します

  3. 「次へ」をクリックして先に進み、スキーマ作成の前提条件チェックが成功したことを確認するには「OK」をクリックします。

スキーマ・パスワードの指定

「スキーマ・パスワード」画面で、データベースでのスキーマ・パスワードの設定方法を指定した後、パスワードを入力して確認します。

この画面で設定するパスワードは、ノートにとっておく必要があります。このパスワードは、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

カスタム変数の指定

「カスタム変数」画面でマスター・リポジトリおよび作業リポジトリのカスタム変数を指定します。

この画面に示されるオプションの詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成』カスタム変数に関する項を参照してください。

スキーマの作成の完了

残りのRCU画面を最後までナビゲートし、スキーマ作成を完了します。

RCUを起動したときに、データベース(OracleまたはOracle EBR)で「透過的データ暗号化」(TDE)を使用可能にした場合のみ、「表領域のマップ」画面に「表領域の暗号化」チェック・ボックスが表示されます。RCUによって作成されるすべての新しい表領域を暗号化する場合は、「表領域の暗号化」チェック・ボックスを選択します。

「完了サマリー」画面が表示されたら、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。