1 OPatchを使用した環境へのパッチ適用
Oracle Fusion Middleware環境でのOPatchコマンドの使用の詳細は、次のトピックを参照してください。
- OPatchについて
OPatchは、Javaベースのユーティリティで、サポート対象のすべてのオペレーティング・システムで実行され、使用するにはOracle Universal Installerをインストールする必要があります。Oracleソフトウェアにパッチを適用するのに使用します。 - OPatchを使用するための準備
パッチを正常に適用するには、OPatchの最新バージョンの取得、My Oracle Supportからの必要なパッチの取得、およびOracleホームのバックアップなど、OPatchの実行に備えて環境を準備するためにこれらの前提条件を完了してください。 - OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareへのパッチ適用
OPatchを使用して、Oracleホームにパッチを適用するために必要なステップを実行します。
OPatchについて
OPatchは、Javaベースのユーティリティで、サポート対象のすべてのオペレーティング・システムで実行され、使用するにはOracle Universal Installerをインストールする必要があります。Oracleソフトウェアにパッチを適用するのに使用します。
次のトピックでは、Oracle Fusion Middlewareに対するOPatchに関する情報を示します。
- OPatchで使用されるパッチのタイプ
Oracleでは、OPatchを使用してOracleソフトウェアにパッチを適用するために使用できるパッチのタイプを複数用意しています。 - Oracle WebLogic ServerのSmart Updateユーザーへの情報
Smart Updateは、メンテナンス・パッチおよびメンテナンス・パックを使用してソフトウェア・インストールを迅速かつ簡単にアップグレードするためためのスタンドアロンのJavaアプリケーションです。Oracle Fusion Middleware 12cでは、Smart Updateはサポートされなくなりました。
親トピック: OPatchを使用した環境へのパッチ適用
OPatchで使用されるパッチのタイプ
Oracleでは、OPatchを使用してOracleソフトウェアにパッチを適用するために使用できるパッチのタイプを複数用意しています。
ノート:
Oracle製品の新しいパッチ命名体系が最近実装されました。新しいパッチ名は、以前のOracle Fusion Middleware 11gの名前と同様、参照用に提供されます。
表1-1 OPatchで使用可能なパッチ
新しい名前 | 以前使用されていた名前 | 説明 |
---|---|---|
個別パッチ |
PSE MLR 例外リリース 個別 xフィックス ホットフィックス セキュリティ個別 |
パッチには1つ以上の修正が含まれており、次のパッチ・セットまたは新規の製品リリースで不具合が修正される前に修正が必要な場合に利用します。 |
バンドル・パッチ |
メンテナンス・パック サービス・パック MLR 累積パッチ 更新リリース バンドル・パッチ |
パッチのセット間に発行された反復累積パッチ。バンドル・パッチには通常、フィックスのみが含まれますが、一部の製品にマイナーな拡張機能が含まれる場合があります。たとえば、DatabaseのWindowsバンドルおよびSOAバンドル・パッチなどがあります。 |
セキュリティ・パッチ更新(SPU) |
クリティカル・パッチ・アップデート(CPU) |
セキュリティ・フィックスで構成される反復累積パッチ。従来の名称はCPUです。 ノート: SPUを提供するプログラム名は、これまで同様、次の定義のようにクリティカル・パッチ・アップデートと呼ばれます。 クリティカル・パッチ・アップデート: 四半期ごとにセキュリティ・フィックスをリリースするOracleのプログラム。このプログラムの一部としてリリースされるパッチは、パッチ・セット更新、セキュリティ・パッチおよびバンドル・パッチになります。パッチはパッチ・タイプに関係なく累積されます。 |
パッチ・セット更新(PSU) |
パッチ・セット更新はOracle WebLogic Serverのパッチ適用にのみ使用されます。パッチ・セット更新は、CPUと同じスケジュールに従って四半期ごとにリリースされます。これらのCPUは、1月、4月、7月、10月の15日に最も近い火曜日にリリースされます。パッチ・セットの更新の内容は、広範なお客様に影響を及ぼす上位50の重大なバグへの対処を目的としています。 |
親トピック: OPatchについて
Oracle WebLogic ServerのSmart Updateユーザーへの情報
Smart Updateは、メンテナンス・パッチおよびメンテナンス・パックを使用してソフトウェア・インストールを迅速かつ簡単にアップグレードするためのスタンドアロンのJavaアプリケーションです。Oracle Fusion Middleware 12cでは、Smart Updateはサポートされなくなりました。
Oracle WebLogic Serverの以前のリリースでは、Smart Updateというユーティリティを使用してOracle WebLogic Serverソフトウェアにパッチを適用できます。Oracle Fusion Middleware 12cでは、Oracle WebLogic Serverユーザーは、OPatchを使用してOracle WebLogic ServerとOracle Fusion Middlewareの両方にパッチを適用できます。
OPatchにはSmart Updateと類似の機能がいくつか用意されていますが、コマンドおよびコマンド・オプションは異なっています。このガイドを利用して、OPatchを理解してください。
親トピック: OPatchについて
OPatchを使用するための準備
パッチを正常に適用するには、OPatchの最新バージョンの取得、My Oracle Supportからの必要なパッチの取得、およびOracleホームのバックアップなど、OPatchの実行に備えて環境を準備するためにこれらの前提条件を完了してください。
環境の準備の詳細は、次の項を参照してください。
- 最新バージョンのOPatchの検索および取得
OPatchを実行する前に、Oracleホーム内でOPatchユーティリティを検索し、最新のバージョンが使用されていることを検証します。 - インストールに必要なパッチの取得
インストールに必要なパッチをMy Oracle Supportで検索してダウンロードできます。 - Fusion MiddlewareのOPatch環境変数
OPatchを実行する前に、ORACLE_HOME環境変数を必ず設定してください。 - パッチ適用に関するバックアップとリカバリの考慮事項
パッチ操作の前にOracleホームをバックアップすることを強くお薦めします。Oracleホームは、任意の方法でバックアップできます。
親トピック: OPatchを使用した環境へのパッチ適用
最新バージョンのOPatchの検索および取得
OPatchを実行する前に、OracleホームでOPatchを検索し、最新のバージョンであることを検証してください。
- Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームでのOPatchの検索および実行
OPatchユーティリティは、Oracle Fusion Middleware製品をインストールした後、ORACLE_HOME/OPatch
ディレクトリで検索および実行できます。 - Oracle Fusion Middleware 12cに含まれるOPatchのバージョンの識別
Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)には、OPatchバージョン13.9.4.2.1が含まれます。このバージョンには、Oracle Fusion Middleware 12cのOracleホームへのパッチ適用を改善するために設計された新しい機能が含まれています。
親トピック: OPatchを使用するための準備
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームでのOPatchの検索および実行
OPatchユーティリティは、Oracle Fusion Middleware製品をインストールした後、ORACLE_HOME/OPatch
ディレクトリで検索および実行できます。
OPatchを実行するには、このディレクトリのopatch
コマンドを実行します。
たとえば、UnixシステムでOPatchの使用可能なコマンドのリストを表示するには、次のように入力します。
./opatch -help
Windowsシステムでは、次のコマンドを実行します。
opatch.bat -help
親トピック: 最新バージョンのOPatchの検索および取得
Oracle Fusion Middleware 12cに含まれるOPatchのバージョンの識別
Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)には、OPatchバージョン13.9.4.2.1が含まれています。このバージョンには、Oracle Fusion Middleware 12cのOracleホームへのパッチ適用を改善するために設計された新しい機能が含まれています。
ノート:
12.2.1.4でサポートされるより新しいバージョンなど、OPatchに関するリリース後の情報は、MyOracle Supportのドキュメント1587524.1を参照してください。ノート:
Oracle Fusion MiddlewareのカスタマはOracleホームのOPatchバージョンを使用する必要があり、サポート・チームから指示されたときのみ、別のバージョンに移動する必要があります。OPatchのバージョンを識別するには:
親トピック: 最新バージョンのOPatchの検索および取得
インストールに必要なパッチの取得
インストールに必要なパッチをMy Oracle Supportで検索してダウンロードできます。
http://support.oracle.com
My Oracle Supportにサインインした後、Oracleソフトウェア・インストールに重要なパッチを迅速に検索できる様々なツールを提供する「パッチと更新版」タブをクリックします。
ノート:
各パッチに含まれているREADMEファイルを確認してください。READMEファイルには、パッチ適用の要件および手順に関する重要な情報が含まれています。
親トピック: OPatchを使用するための準備
Fusion MiddlewareのOPatch環境変数
OPatchを実行する前に、ORACLE_HOME環境変数を必ず設定してください。
OPatchはORACLE_HOME環境変数を使用して、パッチを適用する予定のOracleホームを識別します。
親トピック: OPatchを使用するための準備
パッチ適用に関するバックアップとリカバリの考慮事項
パッチ操作を実行する前に、Oracleホームをバックアップすることを強くお薦めします。Oracleホームは、任意の方法でバックアップできます。
Oracleホームの圧縮には、zip
、cp -r
、tar
、cpio
などの任意の方法を使用できます。
opatch lsinventory -detail
コマンドの実行時にOracleホームが表示されない場合は、セントラル・インベントリにOracleホームがないか、セントラル・インベントリ自体が失われたか破損している可能性があります。
opatch lsinventory -detail
コマンドの実行時にOracleホームがリストされても、Oracleホーム内の製品およびコンポーネントがリストされない場合は、Oracleホーム内のインベントリ(ローカル・インベントリ)が失われたか破損している可能性があります。
Oracleホームがバックアップされていて、ローカル・インベントリがなんらかの理由で破損または消失した場合は、Oracleホーム全体をリストアする必要があります。バックアップが存在しない場合は、ソフトウェアの再インストールが必要になることもあります。
親トピック: OPatchを使用するための準備
OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareへのパッチ適用
OPatchを使用して、Oracleホームにパッチを適用するために必要なステップを実行します。
次の各トピックでは、OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareへのパッチの適用方法について説明します。
- Fusion Middleware環境におけるOPatch使用のステップのサマリー
OPatchを使用したパッチ適用には、パッチを正常に適用するために実行する必要がある一連のステップが含まれます。 - Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームへのパッチ適用時の一般的なOPatchコマンド
OPatchには、Oracleホームでパッチを適用、ロール・バック、および検証するために使用できるコマンドが複数用意されています。OPatchを使用して、単一のパッチまたは複数のパッチを適用およびロールバックできます。 - OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
インストールに必要なパッチを取得した後、適切なOPatchコマンドを使用して、パッチの前提条件を検証し、Oracleホームにパッチを適用し、必要に応じてパッチの適用をロールバックします。 - OPatchログ・ファイルの表示によるパッチのトラブルシューティング
パッチの適用方法およびパッチ適用に関する問題のトラブルシューティング方法を理解するには、OPatchセッションのログ・ファイルを確認する必要があります。 - OPatch lsinventoryコマンドを使用したOracleホームへの適用済パッチの検証
Oracleホームに適用されたパッチを検証するには、またはOracleホームに関する追加情報を確認するには、opatch lsinventory
コマンドを使用します。 - パッチ適用後のインストールの検証
1つ以上のパッチを正常に適用した後、WebLogic管理コンソール、Fusion Middleware Controlおよび自社の適用テストを使用して、システムが正常に動作していることを検証します。
親トピック: OPatchを使用した環境へのパッチ適用
Fusion Middleware環境におけるOPatch使用のステップのサマリー
OPatchAutoを使用したパッチ適用には、パッチを正常に適用するために実行する必要がある一連のステップが含まれます。
次の表に、OPatchAutoを使用した既存のFusion Middleware環境へのパッチ適用に必要な通常ステップを示します。
表1-2 Oracle Fusion MiddlewareでのOPatchの使用
タスク | 説明 | ドキュメント |
---|---|---|
インストールに必要なパッチを取得します。 |
ログインし、特定のインストールに必要なパッチを検索してダウンロードします。 |
|
パッチの |
各パッチ・アーカイブには、重要な情報およびパッチの適用前に従う必要がある手順が記載されているREADMEファイルが含まれています。READMEファイルには、パッチ固有のステップやその他の情報が記載されているため、このファイルを確認することは重要です。 |
パッチ・アーカイブにパッケージされている |
パッチ前提条件を確認します。 |
Opatchの |
|
パッチを適用します。 |
パッチの適用が必要なOracleホームを確定して、READMEファイルを読んだ後に、 |
|
パッチがOracleホームに正しく適用されたことを検証します。 |
OPatch lsinventoryコマンドは、Oracleホームに適用されたパッチを表示します。このコマンドを使用して、パッチの適用を検証します。 |
|
パッチの適用後、ソフトウェアが正しく実行されていることを検証します。 |
パッチの適用が完了し、サーバーの再起動が完了したら、製品ソフトウェアで問題が解決しているかどうかを検証します。 |
|
パッチ適用のトラブルシューティングを行います。 |
パッチ適用に問題がある場合、最初のトラブルシューティング・タスクはOPatchセッションのログ・ファイルを確認することです。 |
|
パッチ適用をロールバックします。 |
なんらかの原因で満足のいく結果が得られなかった場合は、 追加の支援が必要な場合は、My Oracle Support (以前のOracleMetaLink)を参照してください。 |
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームへのパッチ適用時の一般的なOPatchコマンド
OPatchには、Oracleホームでパッチを適用、ロール・バック、および検証するために使用できるコマンドが複数用意されています。OPatchを使用して、単一のパッチまたは複数のパッチを適用およびロールバックできます。
表1-3 Oracle Fusion Middleware環境へのパッチ適用時に使用される一般的なOPatchコマンド
コマンド | 説明 | 例 |
---|---|---|
|
このコマンドは、現在のディレクトリのOracleホームに個別パッチを適用します。環境変数ORACLE_HOMEは、パッチを適用するOracleホームに設定する必要があります。 |
|
|
このコマンドは複数のパッチを適用します。 |
|
|
このコマンドは、特定のOracleホームのインベントリを示すか、または検出できるすべてのインストールを表示します。このコマンドに必要なオプションはありません。 |
|
|
このコマンドは、参照IDで示された適切なOracleホーム・ディレクトリから既存の個別パッチを削除します。 |
|
|
このコマンドは、複数の個別パッチを同時にロールバックします。 |
OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
インストールに必要なパッチを取得した後、適切なOPatchコマンドを使用して、パッチの前提条件を検証し、Oracleホームにパッチを適用し、必要に応じてパッチの適用をロールバックします。
このトピックでは、OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareインストールへのパッチ適用の例をいくつか示します。
- パッチの前提条件の検証
- applyコマンドを使用した単一のパッチの適用
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに単一のパッチを適用するには、opatch apply
コマンドを使用します。 - opatch napplyコマンドを使用した複数のパッチの適用
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに複数のパッチを適用するには、opatch napply
コマンドを使用します。 - 複数のホストに適用したパッチのロールバック
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに適用したパッチをロールバックするには、opatch rollback
コマンドを使用します。 - 適用した複数のパッチのロールバック
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに以前に適用した複数のパッチをロールバックするには、opatch nrollback
コマンドを使用します。
パッチの前提条件の検証
パッチを適用する前に、前提条件チェックとしてcheckApplicable
コマンドを使用できます。このコマンドは、指定されたパッチを1つ以上のOracleホームに適用できるかどうかを確認します。
Fusion Middlewareインストールの場合、OPatchは、Oracleホーム内にあって単一の定義済セントラル・インベントリに登録された製品ディレクトリを検索します。
環境変数MW_HOME (または) 'mw_home'オプションが定義されておらず、ORACLE_HOME環境変数または'oh'オプションも定義されていない場合、OPatchは適用可能なOracleホームにcheckApplicable
コマンドを実行します。
ORACLE_HOME環境変数が定義されているか、'oh'オプションが指定されている場合、OPatchは、参照されているOracleホームにコマンドを実行します('oh'オプションが優先されます)。
次に、適用できないパッチの例を示します:
- Oracleホームにインストールされていないコンポーネント、(または)インストールされていてもそれと異なるバージョンのコンポーネントを必要とするパッチ。
- パッチを適用できないパッチ・メタデータによって指定されているファイル。
checkApplicable
コマンドの構文は次のとおりです。opatch checkApplicable [-ph patch_location]
[-allhomes ]
[-invPtrLoc <Path to oraInst.loc file> ]
[-mw_home <Path of the Oracle home> ]
[-oh <Path of the reference Oracle home> ]
表1-4 OPatchのcheckApplicable
コマンドのオプション:
オプション | 説明 |
---|---|
|
このオプションは、'checkApplicable'のテストでホームを取得するロジックに含まれる他のすべてのオプションをオーバーライドします。 このオプションにより、セントラル・インベントリに登録されているすべてのホームにのみチェックが適用されることが保証されます。 |
|
このオプションは、インストール中に インストール時にこのオプションを使用する場合は、OPatchアップグレード(パッチ28186730)など、他のインストーラ・アクションでもこのオプションを使用する必要があります。OPatchで個別パッチを適用する場合(opatch applyなど)、セントラル・インベントリの場所は |
|
Oracleホームのパスを示します。この値は、MW_HOME環境変数に優先します。 |
|
作業対象のOracleホームを示します。この値は、環境変数ORACLE_HOMEに優先します。このオプションにより、コマンドがこのOracleホームにのみ実行されることも保証されます。 |
|
|
-report
オプションの使用
特定のOracleホームにパッチを適用できることを検証する場合、opatch apply
コマンドで-report
オプションを使用できます。このオプションにより、checkApplicable
を含むすべての前提条件チェックが実行されます。
たとえば:
opatch apply path_to_patch_directory -report
このコマンドは、パッチによって実行される処理を表示しますが、実際にパッチを適用することはありません。これにより、パッチの前提条件が満たされていることを検証できます。
親トピック: OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
applyコマンドを使用した単一のパッチの適用
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに単一のパッチを適用するには、opatch apply
コマンドを使用します。
例1-1に、opatch apply
コマンドを使用してOracle Fusion MiddlewareのOracleホームに単一のパッチを適用する方法を示します。
この例では、次の内容が想定されています。
-
ダウンロードしたパッチは、My Oracle Supportでのパッチ番号の名前が付けられたディレクトリに保存されます。この場合、パッチ番号は15941858です。
-
ディレクトリをパッチ・ディレクトリに変更し、opatch applyコマンドを実行します。または、
ORACLE_HOME/OPatch
ディレクトリからOPatchコマンドを実行し、コマンドへの引数としてパッチの場所を含めることができます。たとえば:opatch apply /opt/patches/15941858/
-
OPatchディレクトリは、すでにホスト・コンピュータのPATH変数に含まれています。
例1-1 Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームにパッチを適用するためのopatch applyコマンドの使用
> cd /opt/patches/100006 > opatch apply Oracle Interim Patch Installer version 13.9.4.2.1 Copyright (c) 2019, Oracle Corporation. All rights reserved. Oracle Home : /opt/Oracle/products/fmw12c Central Inventory : /opt/Oracle/oraInventory from : /var/opt/Oracle/oraInst.loc OPatch version : 13.9.4.2.1 OUI version : 13.9.4.0.0 Log file location : /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47AM.log OPatch detects the Middleware Home as "/opt/Oracle/products/fmw12c" Verifying environment and performing prerequisite checks... OPatch continues with these patches: 100006 Do you want to proceed? [y|n] y User Responded with: Y All checks passed. Please shutdown Oracle instances running out of this ORACLE_HOME on the local system. (Oracle Home = '/opt/Oracle/products/fmw12c') Is the local system ready for patching? [y|n] y User Responded with: Y Backing up files... Applying interim patch '100006' to OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server12.2.1.4.0
... Patching component oracle.wls.core.app.server12.2.1.4.0
... Patch 100006 successfully applied Log file location: /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47AM.log OPatch succeeded.
親トピック: OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
opatch napplyコマンドを使用した複数のパッチの適用
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに複数のパッチを適用するには、opatch napply
コマンドを使用します。
例1-2に、opatch napply
コマンドを使用してOracle Fusion MiddlewareのOracleホームに複数のパッチを適用する方法を示します。
この例では、ダウンロードしたパッチが次のようなステージング・ディレクトリに保存されていることが想定されています。
/opt/patches
また、ディレクトリがステージング・ディレクトリに変更され、ステージング・ディレクトリには各パッチのディレクトリが含まれていることも想定されています。たとえば:
/opt/patches/100006 /opt/patches/100007
例1-2 Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに複数のパッチを適用するためのopatch napply
コマンドの使用
> /opt/Oracle/products/fmw12c/OPatch/opatch napply -id 100006,100007 Oracle Interim Patch Installer version 13.9.4.2.1 Copyright (c) 2019, Oracle Corporation. All rights reserved. Oracle Home : /opt/Oracle/products/fmw12c Central Inventory : /opt/Oracle/oraInventory from : /var/opt/Oracle/oraInst.loc OPatch version : 13.9.4.2.1 OUI version : 13.9.4.0.0 Log file location : /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47PM.log OPatch detects the Middleware Home as "/opt/Oracle/products/fmw12c" Verifying environment and performing prerequisite checks... OPatch continues with these patches: 100006 100007 Do you want to proceed? [y|n] y User Responded with: Y All checks passed. Please shutdown Oracle instances running out of this ORACLE_HOME on the local system. (Oracle Home = '/opt/Oracle/products/fmw12c') Is the local system ready for patching? [y|n] y User Responded with: Y Backing up files... Applying interim patch '100006' to OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Applying interim patch '100007' to OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Patches 100006,100007 successfully applied. Log file location: /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47AM.log OPatch succeeded.
親トピック: OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
適用したパッチのロールバック
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに適用したパッチをロールバックするには、opatch rollback
コマンドを使用します。
例1-3に、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに適用した単一のパッチをロールバックするためのopatch rollback
コマンドの使用方法を示します。
この例では、OPatchディレクトリは、すでにホスト・コンピュータのPATH変数に含まれていることが想定されています。
例1-3 パッチをロールバックするためのopatch rollback
コマンドの使用
> opatch rollback -id 100006 Oracle Interim Patch Installer version 13.9.4.2.1 Copyright (c) 2019, Oracle Corporation. All rights reserved. Oracle Home : /opt/Oracle/products/fmw12c Central Inventory : /opt/Oracle/oraInventory from : /var/opt/Oracle/oraInst.loc OPatch version : 13.9.4.2.1 OUI version : 13.9.4.0.0 Log file location : /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47.log OPatch detects the Middleware Home as "/opt/Oracle/products/fmw12c" Patches will be rolled back in the following order: 100006 The following patch(es) will be rolled back: 100006 Please shutdown Oracle instances running out of this ORACLE_HOME on the local system. (Oracle Home = '/opt/Oracle/products/fmw12c') Is the local system ready for patching? [y|n] y User Responded with: Y Rolling back patch 100006... RollbackSession rolling back interim patch '100006' from OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... RollbackSession removing interim patch '100006' from inventory Log file location: /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47AM.log OPatch succeeded.
親トピック: OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
適用した複数のパッチのロールバック
Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに以前に適用した複数のパッチをロールバックするには、opatch nrollback
コマンドを使用します。
例1-4に、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームに以前に適用した複数のパッチをロールバックするためのopatch nrollback
コマンドの使用方法を示します。
この例では、適用したパッチは、パッチ番号100006および100007であることが想定されています。
例1-4 複数のパッチをロールバックするためのopatch nrollbackコマンドの使用
> /opt/Oracle/products/fmw12c/OPatch/opatch nrollback -id 100006,100007 Oracle Interim Patch Installer version 13.9.4.2.1 Copyright (c) 2019, Oracle Corporation. All rights reserved. Oracle Home : /opt/Oracle/products/fmw12c Central Inventory : /opt/Oracle/oraInventory from : /var/opt/Oracle/oraInst.loc OPatch version : 13.9.4.2.1 OUI version : 13.9.4.0.0 Log file location : /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47PM.log OPatch detects the Middleware Home as "/opt/Oracle/products/fmw12c" Patches will be rolled back in the following order: 100006 100007 The following patch(es) will be rolled back: 100006 100007 Please shutdown Oracle instances running out of this ORACLE_HOME on the local system. (Oracle Home = '/opt/Oracle/products/fmw12c') Is the local system ready for patching? [y|n] y User Responded with: Y Rolling back patch 100006... RollbackSession rolling back interim patch '100006' from OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
.. Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
.. RollbackSession removing interim patch '100006' from inventory Rolling back patch 100007... RollbackSession rolling back interim patch '100007' from OH '/opt/Oracle/products/fmw12c' Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... Patching component oracle.wls.core.app.server,12.2.1.4.0
... RollbackSession removing interim patch '100007' from inventory Log file location: /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47PM.log OPatch succeeded.
親トピック: OPatchを使用したパッチの適用およびロールバックの例
OPatchログ・ファイルの表示によるパッチのトラブルシューティング
パッチの適用方法およびパッチ適用に関する問題のトラブルシューティング方法を理解するには、OPatchセッションのログ・ファイルを確認します。
ログ・ファイルの場所は、通常、次のディレクトリまたはこの場所のサブディレクトリに保存されます。
ORACLE_HOME/cfgtoollogs/opatch/
この場所のサブディレクトリは、パッチ番号または実行したコマンド(lsinv
など)によって特定されます。
各ログ・ファイルのファイル名は、実行された日時を示します。たとえば:
opatch2013-06-10_14-24-54PM_1.log
ログ・ファイルは、opatchコマンドの出力を表示することによっても検索できます。ログ・ファイルの名前および場所は、コマンドの出力に含まれます。たとえば:
Log file location: /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2013-06-10_14-24-54PM_1.log
Oracleホームに適用されたパッチを検証するためのOPatch lsinventoryコマンドの使用
Oracleホームに適用されたパッチを検証するには、またはOracleホームに関する追加情報を確認するには、opatch lsinventory
コマンドを使用します。
次の例に、特定の個別パッチが適用されていることを示す、lsinventory
コマンドのサンプル出力を示します。
例1-5 Oracleホーム情報を取得するためのopatch lsinventoryコマンドの実行
> opatch lsinventory
Oracle Interim Patch Installer version 13.9.4.2.1
Copyright (c) 2019, Oracle Corporation. All rights reserved.
Oracle Home : /opt/Oracle/products/fmw12c
Central Inventory : /opt/Oracle/oraInventory
from : /var/opt/Oracle/oraInst.loc
OPatch version : 13.9.4.2.1
OUI version : 13.9.4.0.0
Log file location : /opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/opatch2019-10-13_23-11-47PM.log
OPatch detects the Middleware Home as "/opt/Oracle/products/fmw12c"
Lsinventory Output file location :
/opt/Oracle/products/fmw12c/cfgtoollogs/opatch/lsinv/lsinventory2019-10-13_23-11-47PM.txt
--------------------------------------------------------------------------------
Local Machine Information::
Hostname:
ARU platform id: 226
ARU platform description:: Linux x86-64
Interim patches (1) :
Patch 100006 : applied on Mon Jun 10 12:39:07 PDT 2019
Unique Patch ID: 150220
Patch description: "TEST PATCH FOR WLS 12.2.1.4.0 - JAVA CLASSES PATCH"
Created on 17 May 2019, 11:54:20 hrs PST8PDT
Bugs fixed:
783169, 15941850
--------------------------------------------------------------------------------
OPatch succeeded.
パッチ適用後のインストールの検証
1つ以上のパッチを正常に適用した後、WebLogic管理コンソール、Fusion Middleware Controlおよび自社の適用テストを使用して、システムが正常に動作していることを検証します。
Oracle Fusion Middleware 12c環境でのインストールを検証するには: