1 Quick Startディストリビューションの導入
Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management SuiteのQuick Startディストリビューションを使用すると、単一のホスト・コンピュータ上に開発環境や評価環境をすばやくインストールできます。結果は、コンパクト・ドメインで、これは管理対象サーバーを含まない、単一の管理サーバーで構成された開発者用ドメインです。
この章では、インストールを計画できるように、それぞれのQuick Startディストリビューションについて説明し、プロセス全体の概要を示します。
なお、Quick Startインストールを本番環境に展開したり、拡張したりすることはできません。Quick Startsは、開発または評価の目的のみで使用するインストールです。本番環境が必要な場合は、まず『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成』のOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールに関する項を参照し、本番環境に拡張可能な実規模の開発環境をインストールしてください。
- 概要
- インストールの計画
- Quick Startについて
- Oracle SOA Suite Quick Startディストリビューションについて
- Oracle Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションについて
- Quick Startコンポーネントについて
- ドメイン構成について
親トピック: Quick Startをインストールするための準備
概要
これはQuick Startインストールおよび構成ロードマップです。インストールを計画します。
ステップ | 説明 |
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インストールを計画します。 |
この章を使用して、目的を満たすディストリビューションおよび構成パスを決定します。 |
Quick Startディストリビューションをダウンロードしてインストールします |
Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Management Suite用のQuick Startをダウンロードしてインストールします。 |
デフォルトまたはスタンドアロン・ドメインを構成します。 |
開発したアプリケーションのデフォルト・ドメイン、スタンドアロン・ドメインまたはコンパクト・ドメインを構成します。 |
アプリケーションを開発またはテストします。 |
アプリケーションを開発またはテストします。 |
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
インストールの計画
この章では、次の重要な決定を行う必要があります。
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Quick Startのインストールが要件に合っていることを確認します。制限は、「Quick Startについて」で説明されています。
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SOA Suite Quick StartディストリビューションまたはBusiness Process Management Suite Quick Startディストリビューションのいずれかを選択します。これらは、Oracle SOA Suite Quick StartディストリビューションについておよびOracle Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションについてで説明されています。
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デフォルトのQuick Startディストリビューションに含まれていないSOA Suiteコンポーネントを追加するかどうかを決定します。Quick Startでサポートされているコンポーネントについては、「Quick Startコンポーネントについて」で説明されています。
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開発中に使用するドメインのタイプを決定します。Quick Startに使用できる3つのドメイン・タイプは、「ドメインの構成について」の表1-1で説明されています。
この章を読み終えるまでにこれらのことを決定しておくと、インストール作業を簡略化できます。
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
Quick Startについて
Quick Startは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteで使用できます。Quick Startインストールは、設定の速さや使用制限の点で完全なインストールとは異なります。
Quick Startインストーラを使用する場合、単一のホスト上に新しいOracleホームを作成して、開発環境または評価環境に必要なすべてのソフトウェアをその中に含めます。インストール・ウィザードの実行後、OracleホームからOracle JDeveloperを実行することにより、SOAアプリケーションの開発やテストをすばやく開始できます。
ただし、Quick Startのインストールは、1つの管理サーバーのみを使用し、管理対象サーバーは使用しない場合に限定されます。また、Quick Startディストリビューションを本番環境にアップグレードすることはできません。
本番環境で管理対象サーバーやクラスタを追加する必要がある場合は、Quick Startを使用しないでください。かわりに、『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成』のOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールに関する項を参照し、本番環境に拡張できるような実規模の開発環境をインストールしてください。
2つの異なるQuick Startディストリビューションが用意されています。次の説明を読んで、ユースケースに最適なディストリビューションを選択してください。
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
Oracle SOA Suite Quick Startディストリビューションについて
Oracle SOA Suiteは、BPEL Process Managerを中心とした統合および編成のための統合プラットフォームです。Oracle SOA Suiteは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)を構築、デプロイ、管理するための包括的なソフトウェア・スイートです。スイートの各コンポーネントは、一貫性のあるツール、デプロイメントと管理の単一モデル、エンドツーエンドのセキュリティおよび統一メタデータ管理などの共通の機能を利用しています。
デフォルトでは、Oracle SOA Suite Quick StartインストールにOracle JDeveloperおよび統合WebLogic Serverが含まれますが、Oracle JDeveloper外部のドメインを設定するためにも使用できます。
このディストリビューションのJDeveloperは、いくつかのJDeveloper IDE拡張機能で事前に構成されているため、各種アプリケーションをすばやく作成できます。たとえば、次のような事前インストール済のIDE拡張機能があります。
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Oracle BPEL Process Manager
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Oracle Human Workflow
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Oracle Business Rules
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Oracle Mediator
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Oracle Service Bus
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Oracle Enterprise Scheduler
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SOA Springコンポーネント・デザインタイム
統合WebLogic Serverは、前述のすべてのコンポーネント(Oracle Enterprise Schedulerは除く)用にJava DBとランタイム・ソフトウェアで事前に構成されています。つまり、Quick Startディストリビューションのインストールを完了すればただちに、統合WebLogic ServerでOracle Enterprise Schedulerを使用しない任意のJDeveloperアプリケーションを実行できます。
Oracle Enterprise Schedulerまたはその他のSOAコンポーネントを使用するようにインストールを構成する場合は、「Quick Startコンポーネントについて」を参照してください。
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
Oracle Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションについて
Oracle Business Process Management Suiteは、Oracle SOA Suiteの上に配置されます。そのため、Oracle SOA Suiteのすべてのコンポーネントおよび人間中心のビジネス・プロセスを重視した追加のコンポーネントが含まれます。エンドユーザーのレスポンスやその他のヒューマン・タスク・フローを伴うアプリケーションを設計する場合は、Oracle Business Process Management Suiteをインストールする必要があります。
デフォルトでは、Oracle Business Process Management Suite Quick StartインストールにOracle JDeveloperおよび統合WebLogic Serverが含まれますが、Oracle JDeveloper外部のドメインを設定するためにも使用できます。
このディストリビューションのJDeveloperは、いくつかのJDeveloper IDE拡張機能で事前に構成されているため、各種アプリケーションをすばやく作成できます。たとえば、次のような事前インストール済のIDE拡張機能があります。
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「Oracle SOA Suite Quick Startディストリビューションについて」にリストされているすべてのOracle SOA Suiteコンポーネント
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Oracle Business Process Management Composer
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Oracle Business Process Management Workspace
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Oracle Case Management
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Oracle BPMN Process Manager
統合WebLogic Serverは、前述のコンポーネント用にJava DBとランタイム・ソフトウェアで事前に構成されているため、これらのコンポーネントを使用して開発環境でアプリケーションをテストしたり実行したりできます。
Oracle Enterprise Schedulerまたはその他のSOAコンポーネントを使用するようにインストールを構成する場合は、「Quick Startコンポーネントについて」を参照してください。
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
Quick Startコンポーネントについて
一部のOracle SOA Suiteコンポーネントは同梱のJava DBデータベースでの実行がサポートされていません。これらのコンポーネントには次が含まれます。
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Oracle Business Activity Monitoring
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Oracle B2B
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Oracle Enterprise Scheduler
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Oracle Managed File Transfer。
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Oracle SOA Suite for Healthcare Integration
ヒント:
インストールに含めるコンポーネントがわからない場合は、『Oracle SOA Suiteの理解』のキー・コンポーネントに関する項に記載されている各コンポーネントの説明を参照してください。
いずれのコンポーネントを追加する場合も、Oracle Databaseをインストールして使用する必要があります。その後、Quick Startインストールに付属のドメイン構成ソフトウェアを使用してコンパクト・ドメインを構成できます。コンパクト・ドメインは管理対象サーバーを含まない、単一の管理サーバーで構成された限定的な開発者用ドメインです。
ドメイン構成プロセスを開始する前に、どのランタイム・コンポーネントが必要か判断します。このプロセスは、前述のほとんどのコンポーネントで同じですが、次のコンポーネントには追加の手順が必要になります。
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要
Oracle B2Bについて
Oracle B2Bは、企業と取引パートナ間における安全で信頼性の高いビジネス・ドキュメントの交信を可能にするE-Commerceゲートウェイです。Oracle B2Bでサポートされている業界標準のE-Commerceプロトコルのリストについては、『B2Bのユーザーズ・ガイド』のB2Bでサポートされているプロトコルに関する項を参照してください。
カスタム・ドキュメントを交換するための機能は、Quick Startの標準インストールにあらかじめ含まれています。Oracle B2Bのこの制限付きバージョンをアクティブ化するには、「完全なインストールなしの限定的なOracle B2Bインタフェースをアクティブ化する方法」に記載されているアクティブ化ステップに従ってください。
さらに多くのドキュメント管理機能を使用するために完全なB2Bユーザー・インタフェースを取得するには、Quick Start Oracleホームで標準のOracle B2Bインストーラを使用して、standalone32ewrコンパクト・ドメインを構成する必要があります。完全インストールを実行することにより、Oracle B2Bユーザー・インタフェースとOracle B2B JDeveloperアダプタを入手できます。このプロセスの順を追った説明は、「Quick StartへのOracle B2Bのインストール」を参照してください。
親トピック: Quick Startのコンポーネントについて
Oracle Managed File Transferについて
Oracle Managed File Transferは、Oracle SOA SuiteやOracle Business Process Management Suiteを使用せずに構成可能な製品です。Oracle Managed File Transferのコンパクト・ドメインのみを構成する場合は、このガイドの説明に従ってドメイン構成ウィザードを起動し、プロンプトが表示されたらOracle Managed File Transferのテンプレートのみを選択します。
親トピック: Quick Startのコンポーネントについて
Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationについて
Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでは、Oracle SOA Suiteの複数の機能を使用して、医療データを処理するアプリケーションの設計、作成、管理ができます。2つのユースケースに使用できる2つの構成があります。
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X12 HIPAAユーザーは、Healthcare Integrationで構成された完全なOracle B2Bをインストールする必要があります。
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HL7ドキュメントを使用するHealthcareプロバイダは、完全なOracle SOA Suite for Healthcare Integrationソフトウェアをインストールする必要があります。
Oracle SOA Suite for healthcare integrationをOracleホームにインストールすると、Oracle B2Bユーザー・インタフェースがデフォルトになります。Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースを使用する場合は、次に示すインストール後の2つの構成を実行する必要があります。
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ドメイン構成ウィザードを実行する前に、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してカスタム変数を設定します。
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ドメインの構成時に、Oracle SOA Suite for healthcare integration固有のテンプレートを選択します。
この2つのタスクを実行しないと、Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースは正しく機能しません。これらの構成は、「Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースのアクティブ化」で詳細が説明されています。
親トピック: Quick Startのコンポーネントについて
ドメイン構成について
Quick Startディストリビューションをインストールしたら、開発中にアプリケーションをテストするためのドメインを構成する必要があります。インストールと構成を簡略化するために、この時点でドメイン・タイプを決定する必要があります。
使用可能な3つのドメイン・タイプの説明と比較を表1-1に示します。「Quick Startコンポーネントについて」にリストされているOracle SOA Suiteコンポーネントのいずれかをインストールする予定がある場合、選択できるのはコンパクト・ドメインのみであることに注意してください。
これらのドメイン・オプションのすべてで、SOAおよびB2BはMDSファイル・システムを使用します。つまり、Quick StartではSOAコンポーザの編集機能はサポートされないということです。
表1-1 ドメイン・タイプ
JDeveloperのデフォルト・ドメイン | スタンドアロン・ドメイン | コンパクト・ドメイン |
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JDeveloperセッションが終了すると統合WebLogic Serverも必ず停止するため、このドメイン・オプションは、デモ用または評価用として最適です。ドメインにアクセスするたびにサーバーを再起動する必要があります。 |
このオプションは開発者、特にJDeveloperではなくOracle Service Busデザイン・タイム・コンソールを使用する開発者に最適です。このドメイン・タイプでは、アプリケーションをテストするたびにサーバーをJDeveloperから再起動する必要はありません。 |
このドメイン・タイプは、JavaDBと互換性のないSOAコンポーネントを追加する場合にのみ使用してください。これらのコンポーネントには、Oracle Business Activity Monitoring、Oracle B2B、Oracle Enterprise Scheduler、Oracle Managed File TransferおよびSOA Suite for Healthcare Integrationがあります。 |
親トピック: Quick Startディストリビューションの概要