D OVAB用Oracle Coherence*Web拡張機能

Coherence*Webでは、インストールしたOracleコンポーネントを仮想化し、これらのコンポーネントを変更して、ご使用の環境にデプロイするためのツール、Oracle Virtual Assembly Builder用のCoherence*Web拡張機能が提供されます。Oracle Virtual Assembly Builderを使用して、ソフトウェア・アプライアンスと呼ばれるアーティファクト内の既存のソフトウェア・コンポーネントの構成を取得します。その後、アプライアンスをグループ化して、その関係をソフトウェア・アセンブリと呼ばれるアーティファクトに定義できます。アセンブリは、完全な複数層アプリケーション・トポロジを記述するブループリントを提供します。

Coherence*Web用のOracle Coherence*Webイントロスペクション拡張機能は、WebLogic Serverイントロスペクタの機能を拡張します。また、WebLogicドメインの一部として構成されたCoherenceキャッシュ・クラスタおよびサーバーの構成を調べます。

この付録の内容は次のとおりです。

サポートされるバージョン

OVAB用Coherence*Web Extensionは、Oracle WebLogic Server 11gR1リリース11.1.1.4.0 (Coherence 3.6を含む)と連携して機能します。

Coherence*Webのイントロスペクション・パラメータ

Coherence*Webには、Oracle WebLogic Serverで必要とするもの以外に、追加のOVABイントロスペクション・パラメータは必要ありません。『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』Oracle Virtual Assembly Builder用のイントロスペクション・プラグインの使用方法に関する項を参照してください。

参照システムの前提条件

Coherence*Webには、Oracle WebLogic Serverで定義されているもの以外に、追加のOVAB前提条件は必要ありません。『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』Oracle Virtual Assembly Builder用のイントロスペクション・プラグインの使用方法に関する項を参照してください。

要件

Oracle Coherence*Webには、WebLogic ServerのOVAB要件に加えてOVAB要件があります。『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』Oracle Virtual Assembly Builder用のイントロスペクション・プラグインの使用方法に関する項を参照してください。

この項には次のトピックが含まれます:

デプロイメント・モデルの要件

このプラグイン拡張機能では、プロセス外デプロイメント・モデルをOracle Coherence*Webに使用する必要があります。Oracle Coherence*Webでは、ストレージ対応のキャッシュ・サーバーがOracle WebLogic Server内で実行されるのではなく、別個のプロセスとして実行されます。「アウトオブプロセス・トポロジ」を参照してください。

カスタム・クラスタ構成ファイルを手動更新するための要件

プラグイン拡張機能は、WebLogic Server管理コンソールおよびWebLogic Server MBean (WLSTを含む)で定義されたOracle Coherence*Web構成を調査します。tangosol-coherence-override.xmlなどのカスタム・クラスタ構成ファイルの調査および変更は実行しません。カスタム・クラスタ構成ファイルはデプロイされる環境に渡されますが、その環境を反映するようにそれらのファイルは構成変更されません。

デプロイ後、必ずカスタム・クラスタ構成ファイルに適切な構成変更を手動で行ってください。

結果のアーティファクト・タイプ

イントロスペクトされたWebLogicドメインに定義されているCoherenceクラスタごとに、OVABプラグイン拡張機能は、新しいアプライアンスをOracle WebLogic Server原子性アセンブリ内に作成します。

接続

Coherenceクラスタ・アプライアンスでは、OVAB接続は使用されません。各クラスタ・アプライアンスには、ドメインの管理サーバーへの固定の事前定義済接続があり、リハイドレーション時にクラスタの構成を変更するために使用されます。

接続プロパティ

OVAB用Coherence*Web Extensionには、接続プロパティは含まれていません。

Coherence*Webアプライアンスのプロパティ

Oracle Coherence*Webクラスタ・アプライアンスには、Coherence構成を定義するシステム・プロパティおよびユーザー・プロパティが含まれます。

表D-1では、Oracle Coherence*Webクラスタ・アプライアンスのシステム・プロパティについて説明します。

表D-1 Oracle Coherence*Webアプライアンスのシステム・プロパティ

名前 必須 デフォルト値 説明

cache-servers

String

いいえ

なし

クラスタに属するキャッシュ・サーバーのリスト。

targets

String

いいえ

なし

クラスタに属するWebLogic Server管理対象サーバーのリスト。

<cacheserver>.node-manager-type

String

いいえ

なし

前述のリストのキャッシュ・サーバーごとに、ノード・マネージャ・タイプを示すプロパティがあります。

well-known-addresses

String

いいえ

なし

クラスタに定義されたwell-known-addressesのリスト。well-known-addressがこのクラスタに定義されていない(つまり、マルチキャストを使用している)場合、このプロパティはありません。

<wellknownaddress>.server

String

いいえ

なし

前述のリストのwell-known-addressesごとに、Well Knownアドレスが(一致するリスニング・アドレスおよびポート情報に基づいて)マップされるキャッシュ・サーバーを示すプロパティがあります。

表D-2では、Oracle Coherence*Webクラスタ・アプライアンスのユーザー・プロパティについて説明します。

表D-2 Oracle Coherence*Webアプライアンスのユーザー・プロパティ

名前 必須 デフォルト値 説明

<cacheserver>.node-manager-port

String

いいえ

なし

クラスタ内のキャッシュ・サーバーごとに、ノード・マネージャ・ポートがリストされ、ユーザーはこれを変更できます。

<cacheserver>.unicast-listen-port

String

いいえ

なし

クラスタ内のキャッシュ・サーバーごとに、そのサーバーのユニキャスト・リスニング・ポートがリストされ、ユーザーはこれを変更できます。

multicast-listen-address

String

いいえ

なし

クラスタ全体のマルチキャスト・リスニング・アドレス。1つ以上のwell-known-addressesがリストされる(つまり、クラスタではクラスタの検出にユニキャストを使用している)場合、このマルチキャスト・プロパティはありません。

multicast-listen-port

String

いいえ

なし

クラスタ全体のマルチキャスト・リスニング・ポート。1つ以上のwell-known-addressesがリストされる(つまり、クラスタではクラスタの検出にユニキャストを使用している)場合、このマルチキャスト・プロパティはありません。

unicast-listen-port

String

いいえ

なし

クラスタのデフォルト・ユニキャスト・リスニング・ポート。この値は、ユニキャスト・リスニング・ポートが定義されていないキャッシュ・サーバーと、クラスタに加わるWebLogic Server管理対象サーバーで使用されます。

<wellknownaddress>.server

String

はい

なし

定義されたWell Knownアドレスのいずれかをキャッシュ・サーバーと(一致するリスニング・アドレスおよびポート情報に基づいて)相互に関連付けることができない場合、そのアドレスがここにリストされ、ユーザーがWell Knownアドレスとして使用されるキャッシュ・サーバー名を指定します。このプロパティは必須です。つまり、アプライアンスのプロパティとして指定するか、デプロイメント・プランを介して指定する必要があります。

サポートされるテンプレート・タイプ

OVAB用Coherence*Web Extensionは、Oracle Enterprise Linux(OEL)テンプレート・タイプをサポートしています。