2 リポジトリの管理
この章の内容は次のとおりです。
関連項目:
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RCUでのODIリポジトリの作成の詳細は、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』を参照してください。
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ODIリポジトリのアップグレードの詳細は、『Oracle Data Integratorのアップグレード』を参照してください。
Oracle Data Integratorのリポジトリの概要
Oracle Data Integratorのリポジトリには、次の2つのタイプがあります:
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マスター・リポジトリ: 企業のITリソースのトポロジ、セキュリティ、およびプロジェクトやデータ・モデルのバージョン管理に関する情報を保持するデータ構造。このリポジトリは、異なるOracle Data Integratorモジュールからクライアント/サーバー・モードでアクセス可能なリレーショナル・データベースに格納されます。通常、必要なマスター・リポジトリは1つのみです。ただし、次のいずれかの場合は、複数のマスター・リポジトリの作成が必要になる可能性があります:
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高速ネットワークでリンクされていない複数のサイトにわたってプロジェクトを構築する場合(たとえばオフサイト開発)。
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運用環境(開発、テスト、本番)を、マスター・リポジトリを格納するデータベースも含めて明確に区別する必要がある場合。これらの環境が複数のサイトに存在する場合に該当する可能性があります。
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作業リポジトリ: データ・モデル、プロジェクトおよびその使用に関する情報を保持するデータ構造。このリポジトリは、異なるOracle Data Integratorモジュールからクライアント/サーバー・モードでアクセス可能なリレーショナル・データベースに格納されます。必要に応じて、複数のマスター・リポジトリに対して複数の作業リポジトリを指定できます。ただし、バージョン管理上の目的のため、1つの作業リポジトリは1つのマスター・リポジトリにのみリンクできます。
通常、リポジトリを作成するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。RCUによって、記憶領域の管理とリポジトリの作成が自動的に実行されます。ただし、リポジトリを手動で作成する必要がある場合は、ODI Studioを使用してリポジトリを手動で作成および構成できます。
リポジトリの作成と構成に必要なステップについては、次の各項で詳細に説明します:
ノート:
作業リポジトリのサイズ削減を目的とする実行ログのパージと、データベース上のリポジトリのバックアップをメンテナンス作業として定期的に実行することをお薦めします。
リポジトリ管理用の拡張アクションの詳細は、リポジトリ管理用の拡張アクションを参照してください。
リポジトリの記憶領域の作成
Oracle Data Integratorのリポジトリは、Oracle Fusion Middleware 12cでサポートされているデータベース・エンジンにインストールできます。サポートされているデータベースのバージョンと各データベース要件の最新リストは、次を参照してください:
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
リポジトリを格納するデータベースごとに、記憶領域を作成する必要があります。
注意:
メンテナンスおよびバックアップ時の便宜を図るため、リポジトリはアプリケーション・データの保存場所とは別に格納することをお薦めします(たとえば、Oracleデータベースの異なるスキーマに格納するか、Microsoft SQL Serverなどの異なるデータベースに格納します)。
マスター・リポジトリは、作業リポジトリの1つとして同じスキーマに格納できます。ただし、同じスキーマに異なる2つの作業リポジトリを作成することはできません。
次の表に、リポジトリの作成手順の例をガイドとして示します:
テクノロジ | 実行ステップ |
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Oracle |
マスター・リポジトリをホストするスキーマ これらのスキーマは、次のSQLコマンドで作成します。 SQL> create user MY_SCHEMA identified by MY_PASS default tablespace MY_TBS temporary tablespace MY_TEMP; SQL> grant connect, resource to MY_SCHEMA; SQL> grant execute on dbms_lock to MY_SCHEMA; 説明: MY_SCHEMAは、たとえばodimやodiwなど、作成するスキーマの名前に対応します。 MY_PASS: データの格納先となるOracle表領域<MY_TBS>に指定したパスワード。 MY_TEMP: デフォルトの一時表領域。 |
Microsoft SQL Server |
マスター・リポジトリをホストするデータベース Oracle Enterprise Managerを使用して、2つのデータベースdb_odimとdb_odiwを作成します。 クエリー・アナライザまたはI-SQLを使用して、次のコマンドを実行します。 CREATE LOGIN mylogin WITH PASSWORD = 'mypass', DEFAULT_DATABASE = defaultbase, DEFAULT_LANGUAGE = us_english; USE defaultbase; CREATE USER dbo FOR LOGIN mylogin; GO 説明: myloginは、odimまたはodiwに対応します。 mypassは、これらのログインのパスワードに対応します。 defaultbaseは、それぞれdb_odimおよびdb_odiwに対応します。 ノート: 大/小文字を照合してリポジトリ情報を格納するMicrosoft SQL Serverデータベースを構成することをお薦めします。これにより、名前が同じで大/小文字が異なる複数のオブジェクトをリバース・エンジニアリングおよび作成できます(たとえば: tablenameとTableNAme)。 |
Sybase ASE |
マスター・リポジトリをホストするデータベース I-SQLを使用して、次のコマンドを起動します。 isql -Usa -P<sa password> -S<Server> use master go disk init name = "<Device Name>", physname = "<Actual path>", size = <Size> go create database <database name> on <Device Name>='<Size>' log on <Device Name>='<Size>' WITH OVERRIDE go use <database name> go sp_addlogin '<DB USERNAME>', '<password>', <database name> go sp_adduser '<DB USERNAME>' go grant CREATE TABLE to <DB USERNAME> ノート: ログおよびデータには別のデバイスを使用してください。また、 |
MySQL |
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DB2/400 |
マスター・リポジトリをホストするライブラリodimと、作業リポジトリをホストするスキーマodiwを作成します。これらのライブラリをデフォルトで保持する2つのユーザーodimおよびodiwを作成します。 ノート: 各ライブラリは、SQLコレクションの形式で作成する必要があります。 |
DB2/UDB |
前提条件:
たとえば: CREATE LARGE TABLESPACE ODI16 PAGESIZE 16 K MANAGED BY AUTOMATIC STORAGE ; GRANT USE OF TABLESPACE ODI16 TO USER ODIREPOS; |
マスター・リポジトリの作成
マスター・リポジトリを作成する作業は、空のリポジトリ構造を作成し、そのリポジトリ構造にメタデータ(テクノロジの定義や組込みのセキュリティ・プロファイル)をシードする作業です。
マスター・リポジトリを作成するには:
マスター・リポジトリの作成が開始されます。表示されるメッセージとログで進行状況を確認できます。作成されたマスター・リポジトリをテストするには、「マスター・リポジトリへの接続」を参照してください。
ノート:
マスター・リポジトリでは、デフォルトで暗号化にAES-128が使用されます。ただし、暗号化アルゴリズムAES-256を使用してマスター・リポジトリを作成する場合は、odi.conf
ファイルに次の行を追加して更新する必要があります。
AddVMOption: Doracle.odi.encryption.algo=AES
AddVMOption: Doracle.odi.encryption.keylen=256
AESの詳細は、「Advanced Encryption Standard」を参照してください。
マスター・リポジトリへの接続
マスター・リポジトリに接続するには、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』のマスター・リポジトリへの接続に関する項に示された手順に従ってください。
作業リポジトリの作成
マスター・リポジトリには1つ以上の作業リポジトリを関連付けることができますが、作業リポジトリは1つのマスター・リポジトリにのみ関連付けることができます。
新しい作業リポジトリを作成するには:
詳細は、作業リポジトリへの接続を参照してください。
作業リポジトリのパスワードの変更
作業リポジトリのパスワードを変更するには:
- トポロジ・ナビゲータの「リポジトリ」ツリーで、作業リポジトリ・ノードを展開します。
- 作業リポジトリをダブルクリックするか、または右クリックして「開く」を選択します。作業リポジトリ・エディタが開きます。
- 作業リポジトリ・エディタの「定義」タブで、「パスワードの変更」をクリックします。
- 現在のパスワードを入力し、新しいパスワードを2回入力します。
- 「OK」をクリックします。
リポジトリ管理用の拡張アクション
リポジトリ管理用の拡張アクションは、リポジトリの作成プロセスには関係しません。この項で説明するアクションは、既存のリポジトリに対して実行する拡張アクションです。リポジトリを作成した後でそのパスワード記憶域を切り替える必要がある場合があります。また、資格証明ストアがクラッシュした場合はそのパスワード記憶域をリカバリする必要があります。パスワード処理に関連するアクションについては、外部パスワード記憶域の設定を参照してください。マスター・リポジトリと作業リポジトリのエクスポートおよびインポートの詳細は、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のエクスポートおよびインポートに関する項を参照してください。
この項では、次の項目について説明します。
作業リポジトリの連結および連結解除(削除)
作業リポジトリの連結とは、既存の作業リポジトリを現在のマスター・リポジトリにリンクする操作です。この既存の作業リポジトリは、データベースにすでに存在し、現在のまたは別のマスター・リポジトリから連結解除されているものです。
作業リポジトリの削除とは、マスター・リポジトリへのリンクを削除して連結解除することです。連結とは逆の操作です。この操作によって作業リポジトリの内容が破棄されることはありません。
作業リポジトリの連結
作業リポジトリをマスター・リポジトリに連結するには:
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トポロジ・ナビゲータで、「リポジトリ」パネルに移動します。
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「作業リポジトリ」ノードを右クリックして「新規作業リポジトリ」を選択します。
作業リポジトリ作成ウィザードが開きます。
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Oracle Data Integrator作業リポジトリ接続の詳細を次のように指定します。
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テクノロジ: リストから、作業リポジトリをホストするテクノロジを選択します。デフォルトは「Oracle」です。
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JDBCドライバ: リポジトリをホストするテクノロジへのアクセスに使用するドライバ。
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JDBC URL: 作業リポジトリをホストするデータ・サーバーの完全なパス。
「JDBCドライバ」パラメータと「JDBC URL」パラメータは同期化され、デフォルト値はテクノロジによって異なります。
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ユーザー: 作業リポジトリに対して作成およびホストする表の所有者のユーザーIDまたはログイン。
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パスワード: このユーザーのパスワード。
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「テスト接続」をクリックして、接続が有効であることを確認します。
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「次へ」をクリックします。
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連結するOracle Data Integrator作業リポジトリの「パスワード」を指定します。
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「次へ」をクリックします。
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連結するOracle Data Integrator作業リポジトリの「名前」を指定します。
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「終了」をクリックします。
作業リポジトリの削除
リポジトリを連結解除するには、次の手順に従って、マスター・リポジトリからリンクを削除します。
- トポロジ・ナビゲータで、「リポジトリ」パネルを展開します。
- 作業リポジトリ・ノードを展開し、削除する作業リポジトリを右クリックします。
- 「削除」を選択します。
- 確認ダイアログで、「はい」をクリックします。
- 作業リポジトリがマスター・リポジトリから連結解除され、トポロジ・ナビゲータの「リポジトリ」パネルから削除されます。
作業リポジトリの消去
作業リポジトリの削除とは、作業リポジトリをマスター・リポジトリから連結解除する操作です。詳細は、「作業リポジトリの連結および連結解除(削除)」を参照してください。
作業リポジトリの消去とは、作業リポジトリをデータベースから削除する操作です。
警告:
消去した作業リポジトリは元に戻すことができません。作業リポジトリに保存されているすべての情報(モデルのメタデータ、プロジェクト、およびシナリオ、スケジュール、ログなどのランタイム情報を含む)が完全に削除されます。
作業リポジトリの消去
作業リポジトリをデータベースから消去するには:
- トポロジ・ナビゲータで、「リポジトリ」パネルを展開します。
- 作業リポジトリ・ノードを展開し、削除する作業リポジトリを右クリックします。
- 「データベースから消去」を選択します。
- 作業リポジトリをデータベースから完全に消去する場合は、確認ダイアログで「はい」をクリックします。
- 作業リポジトリがデータベースから消去され、トポロジ・ナビゲータの「リポジトリ」パネルから削除されます。
リポジトリ接続の構成
リポジトリ・データベースへの同時接続数は、リポジトリが格納されるデータベース・エンジンによって制御および制限される可能性があります。Oracleでの接続数を制限する初期化パラメータはprocessesです。多数のパラレル実行を実行する場合、リポジトリ・データベースに許可される最大接続数を増やすようにデータベースを調整することが必要な場合があります。
必要な接続数は、実行中のODI Studioインスタンスおよびロード・プラン・ステップの数によって次のように異なります。
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各ODI Studioセッションには、セッションの期間中に2つのデータベース接続(マスターへの接続と作業リポジトリへの接続)が必要です。セッションの開始後、短期間のセキュリティ・チェックを実行するために3番目のデータベース接続も必要です。
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Oracle以外のデータベースの場合、各ロード・プラン・ステップでは、ロード・プランの実行中に追加接続がロックとして使用されます。