ファイル・ストア: 高可用性
このページでは、クラスタのターゲットとして指定されたファイル・ストアの高可用性(HA)設定を構成します。
構成オプション
名前 説明 配布ポリシー 構成済JMSアーティファクトのインスタンスをクラスタにターゲット指定する際の名前と配布方法を指定します。JMSアーティファクトは、そのターゲットがクラスタに直接設定されている場合、またはリソース・グループにスコープ指定され、そのリソース・グループがクラスタにターゲット指定されている場合にクラスタをターゲットとします。この設定がストアで構成されると、そのストアを参照するすべてのJMSアーティファクトに適用されます。有効なオプション:
分散
クラスタ内の各サーバーJVMにインスタンスを作成します。すべてのSAFエージェント、およびクラスタのターゲットとして指定されたか、リソース・グループにスコープ指定された、分散宛先をホストするJMSサーバーに必要です。
シングルトン
クラスタ内の単一サーバーJVMに単一インスタンスを作成します。クラスタのターゲットとして指定されたか、リソース・グループにスコープ指定されたスタンドアロン(分散されていない)宛先をホストするJMSサーバー、およびクラスタのターゲットとして指定されたか、リソース・グループにスコープ指定されたパス・サービスに必要です。
「移行ポリシー」
は、このオプションをJMSサーバーと使用する場合は「失敗時」
または「常時」
、メッセージング・ブリッジと使用する場合には「失敗時」
、パス・サービスと使用する場合には「常時」
である必要があります。インスタンスの名前付けに関するノート:
「移行ポリシー」
によって、クラスタのターゲットとして指定されたインスタンス名の接尾辞が決定されます。クラスタのターゲットとして指定された「シングルトン」
の接尾辞は-01
で、クラスタのターゲットとして指定された「分散完了」
の接尾辞は@ClusterMemberName
です。メッセージング・ブリッジに関するノート:
クラスタのターゲットとして指定されたメッセージ・ブリッジに対して、サーバーごとにインスタンスが必要な場合は、ブリッジ
「」分散ポリシー
および「移行ポリシー」
をそれぞれ「分散完了」/「オフ」
(デフォルト)に設定することをお勧めします。クラスタのターゲットとして指定されたブリッジに対して、クラスタごとに単一インスタンスが必要な場合は、ブリッジ
分散ポリシー
および「移行ポリシー」
をそれぞれ「シングルトン」/「失敗時」
に設定することをお勧めします。ブリッジをクラスタのターゲットとして指定できないが、構成済のクラスタでシングルトン動作がまだ必要な場合は、移行可能なターゲットにブリッジをターゲット指定し、移行可能なターゲットの
「移行ポリシー」
を「必ず1回」
に構成できます。移行ポリシー クラスタのターゲットとして指定されたJMSサービス・アーティファクト・インスタンスの移行および再起動の動作を制御します。この設定がクラスタのターゲットとして指定されたストアで構成されると、そのストアを参照するすべてのJMSアーティファクトに適用されます。移行可能ターゲットとして指定されたJMSアーティファクトでの移行と再起動の有効化については、移行可能ターゲット設定を参照してください。
ノート:
オフ
クラスタのターゲットとして指定されたJMSサービス・オブジェクトの移行サポートを無効にし、「再起動準備完了」のデフォルトをfalseに変更します。「移行ポリシー」が「オフ」の場合に再起動を有効にするには、「再起動準備完了」を明示的にtrueに構成する必要があります。このポリシーは
「シングルトン」
移行ポリシーと組み合わせることはできません。失敗時
サブシステム・サービスまたはWebLogic Serverインスタンスの失敗時に、インスタンスの自動フェイルバックおよびロード・バランスを含む、インスタンスの自動移行および再起動を有効にします。
常に
「失敗時」
と同じ動作を提供し、正常な停止または部分クラスタの開始のイベントでも、自動的にインスタンスを移行します。
「失敗時」
と「常時」
では、クラスタのリースを構成しておく必要があります。メッセージング・ブリッジに関するノート:
クラスタのターゲットとして指定されたメッセージ・ブリッジに対して、サーバーごとにインスタンスが必要な場合は、ブリッジ
「」分散ポリシー
および「移行ポリシー」
をそれぞれ「分散完了」/「オフ」
(デフォルト)に設定することをお勧めします。クラスタのターゲットとして指定されたブリッジに対して、クラスタごとに単一インスタンスが必要な場合は、ブリッジ
分散ポリシー
および「移行ポリシー」
をそれぞれ「シングルトン」/「失敗時」
に設定することをお勧めします。
「常に」
の「移行ポリシー」
はブリッジには推奨されません。ブリッジをクラスタのターゲットとして指定できないが、構成済のクラスタでシングルトン動作がまだ必要な場合は、移行可能なターゲットにブリッジをターゲット指定し、移行可能なターゲットの
「移行ポリシー」
を「必ず1回」
に構成できます。MBean属性:
PersistentStoreMBean.MigrationPolicy
初期起動遅延(秒) クラスタのターゲットとして指定されたJMSインスタンスを新しく起動されたWebLogic Serverで開始する前に、遅延させる時間を秒数で指定します。この設定がストアで構成されると、そのストアを参照するすべてのJMSアーティファクトに適用されます。
これにより、システムが安定し、依存サービスが再起動されるまでの時間が確保され、再起動時のシステム障害を予防します。
ノート:
0
より大きな値は、失敗と再起動の後でリソースをロードするまでの遅延時間の長さを秒単位で指定します。値
0
の場合、遅延は指定されません。この設定は、JMSアーティファクトがクラスタのターゲットとして指定され、「移行ポリシー」が
「失敗時」
または「常時」
に設定されている場合にのみ適用されます。フェイルバック遅延(秒) 優先サーバーに障害が発生して再起動した後で、クラスタのターゲットとして指定されたJMSアーティファクト・インスタンスを優先サーバーにフェイルバックする前に、遅延させる時間を秒数で指定します。
この遅延により、システムが安定し、依存サービスが再起動されるまでの時間が確保され、再起動時のシステム障害を予防します。
ノート:
0
より大きな値は、JMSアーティファクトを、ユーザー指定の優先サーバーにフェイルバックするまでの遅延時間を秒単位で指定します。値に
0
を指定した場合、インスタンスはフェイルバックしません。値に
-1
を指定した場合、遅延は発生せず、インスタンスはただちにフェイルバックします。この設定は、JMSアーティファクトがクラスタのターゲットとして指定され、「移行ポリシー」が
「失敗時」
または「常時」
に設定されている場合にのみ適用されます。部分的なクラスタの安定性遅延秒数 部分的に起動されたクラスタが、
「常時」
または「失敗時」
の移行ポリシーで構成された、クラスタのターゲットとして指定されたすべてのJMSアーティファクト・インスタンスを開始する前に、遅延させる時間を秒数で指定します。このタイムアウトが期限切れになるか、すべてのサーバーが稼働中になるまで、クラスタは稼働しているサーバーの合計数と構成済のクラスタ・サイズに基づいて、このようなインスタンスのサブセットを開始します。タイムアウト期限に達するか、すべてのサーバーが起動すると、システムはクラスタが安定しているとみなし、残りのサービスをすべて起動します。
この遅延により、サーバーが順次起動される場合も、クラスタ全体でサービスのバランスが確実に維持されます。クラスタが完全に開始される(安定化)か、個別のサーバーが開始されると、これは無視されます。
0
より大きな値は、部分的に起動されたクラスタが動的に構成されたサービスを開始するまでの遅延時間の長さを秒単位で指定します。値
0
の場合、遅延は指定されません。MBean属性:
PersistentStoreMBean.PartialClusterStabilityDelaySeconds
再起動準備完了 正常なWebLogic Serverインスタンスで実行されている、クラスタまたはスタンドアロン・サーバーのターゲットとして指定されたJMSアーティファクト・インスタンスが失敗した場合に定期的な自動インプレース再起動を有効にします。移行可能なターゲットとして指定されたJMSアーティファクトのインプレース再起動については、移行可能なターゲットの設定を参照してください。「再起動準備完了」設定がストアで構成されると、そのストアを参照するすべてのJMSアーティファクトに適用されます。
JMSアーティファクトの「移行ポリシー」が
「オフ」
に設定されている場合、「再起動準備完了」はデフォルトで無効になります。JMSアーティファクトの「移行ポリシー」が
「失敗時」
または「常時」
に設定されている場合、「再起動準備完了」はデフォルトで有効になります。この属性は必要に応じて内部接続を自動的に再起動するWebLogic Messaging Bridgesでは使用されません。
クラスタのターゲットとして指定されたJMSアーティファクトで、「移行ポリシー」が
「失敗時」
または「常時」
に設定されている場合、構成された最大再試行回数を超えて再起動が失敗すると、クラスタ内の別のサーバーに移行します。MBean属性:
PersistentStoreMBean.RestartInPlace
再起動間隔 障害が発生したサービス・インスタンスの再起動を試行する間隔を秒数で指定します。
MBean属性:
PersistentStoreMBean.SecondsBetweenRestarts
最小値:
1
再起動回数 再起動の最大試行回数を指定します。
0
より大きい値で、再起動の最大試行回数を指定します。値
0
は、RestartInPlaceをfalse
に設定するのと同じ動作を指定することになります。
-1
の値を指定すると、起動するか、またはサーバー・インスタンスが停止するまで、再起動の試行を続けます。MBean属性:
PersistentStoreMBean.NumberOfRestartAttempts
最小値:
-1
フェイル・オーバー制限 特定のJVMにフェイルオーバーできる、クラスタのターゲットとして指定されたJMSアーティファクト・インスタンス数の制限を指定します。
これを使用して非常に多くのインスタンスがサーバー上で開始することを防ぎ、以前は大きかったクラスタの非常に少数のサーバーを開始するときのシステム障害を回避できます。
通常の制限値では、希望する最小のクラスタ・サイズですべてのインスタンスを実行できるようにする必要があります。これは、(smallest-cluster-size * (limit + 1))がインスタンスの総数以上である必要があることを意味します。
ノート:
-1
の値は、フェイルオーバー制限がないこと(無制限)を意味します。
0
の値は、クラスタのターゲットとして指定されたJMSアーティファクト・インスタンスのフェイルオーバーを阻止するため、実行されるインスタンスはサーバー当たり1個以下です(これはフェイルオーバーされていないインスタンスです)。
1
の値では、各サーバーで1つのフェイルオーバー・インスタンスが許可されるため、実行されるインスタンスはサーバー当たり2個以下です(1つのフェイルオーバーされたインスタンスと、フェイルオーバーされていないインスタンス)。この設定は、JMSアーティファクトがクラスタのターゲットとして指定され、「移行ポリシー」が
「失敗時」
または「常時」
に設定されている場合にのみ適用されます。MBean属性:
PersistentStoreMBean.FailOverLimit
最小値:
-1