15 WebLogic JDBCリソースのモニタリング
実行時の統計を使用すると、WebLogicドメインのデータ・ソースをモニターして、問題があるかどうか確認できます。問題がある場合、プロファイリングを使用して、問題の原因となっているアプリケーションを特定できます。アプリケーションを絞り込んだ後、JDBCデバッグ機能を使用して、そのアプリケーション内の問題点を突き止めることができます。
- 実行時統計の表示
実行時の統計を表示すると、WebLogicドメイン内のデータ・ソースをモニターできます。 - プロファイル・ロギング
WebLogic Serverでは、イベントを記録するためにデータ・ソース・プロファイル・ログが使用されます。 - プロファイル情報の収集
統計でWebLogicドメインに問題があることが示された場合、原因究明の手がかりとなるプロファイル情報を収集することができるようにデータ・ソースを構成できます。収集されたプロファイル情報は、プロファイル・ログのレコードに格納されます。 - JDBCデータ・ソースのデバッグ
問題を特定のアプリケーションに絞り込んだら、WebLogic Serverのデバッグ機能をアクティブにしてアプリケーションの問題を特定します。
実行時統計の表示
データ・ソースの統計
データ・ソースの実行時の統計は、WebLogic Server管理コンソール(Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのJDBCデータ・ソース: モニタリング: 統計を参照)またはJBCDataSourceRuntimeMBean
を使用して表示できます。JDBCDataSourceRuntimeMBean
は、データ・ソースの現在の状態を取得するためのメソッド、およびアクティブな接続の平均数、アクティブな接続の現在の数、アクティブな接続の最大数など、データ・ソースに関する統計を取得するためのメソッドを提供しています。詳細は、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスのJDBCDataSourceRuntimeMBeanを参照してください。
親トピック: 実行時統計の表示
プリコンパイルされた文のキャッシュの統計
プリコンパイルされた文のキャッシュの実行時統計は、WebLogic Server管理コンソールまたはJBCDataSourceRuntimeMBean
を使用して表示できます。詳細は、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスのJDBCDataSourceRuntimeMBeanを参照してください。
親トピック: 実行時統計の表示
プロファイル・ロギング
WebLogic Serverでは、イベントを記録するためにデータ・ソース・プロファイル・ログが使用されます。
プロファイル・ログには次の利点があります。
-
ログ・ローテーション—標準WebLogicロギング実装を使用して、古いデータを構成、ローテーションおよびリタイアできます。『Oracle WebLogic Server MBeanリファレンス』のDataSourceLogFileMBeanに関する項を参照してください。
-
データ・アクセシビリティ—一般的なテキスト・エディタ、WLDF Data AccessorまたはWebLogic Server管理コンソールを使用できます。「診断データへのアクセス」を参照してください
データ・ソース・プロファイリングのログの基本特性を次に示します。
-
すべてのデータ・ソース・プロファイル・タイプに対して単一のログ・ファイルが使用されます。各プロファイル・レコードに、フィルタ処理のためのプロファイル・タイプ名があります。「プロファイル・タイプ」を参照してください。
-
サーバー上のすべてのデータ・ソースに対して単一のログ・ファイルが使用されます。各プロファイル・レコードには、フィルタ処理のための修飾されたデータ・ソース名があります(該当する場合、
application
@
module
@
component
で完全修飾されます)。『Oracle WebLogic Server MBeanリファレンス』のDataSourceLogFileMBeanに関する項を参照してください。
WebLogicのロギング・サービスの詳細は、次を参照してください。
-
Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのデータ・ソース・プロファイル・ログの有効化および構成。
-
Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタリングのWebLogicロギング・サービスの理解。
親トピック: WebLogic JDBCリソースのモニタリング
プロファイル情報の収集
プロファイリングのためにデータ・ソースを構成する場合、プロファイル・データを収集する間隔(収集間隔(秒)
)を指定する必要があります。間隔を0に設定すると、データ収集は無効化されます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのJDBCデータ・ソースの診断プロファイルの構成を参照してください。
フィールドには、プロファイル・タイプごとに異なる情報が格納されます:
プロファイル・タイプ
この項のプロファイル・タイプごとに、「ユーザー」
情報で、接続が割り当てられ、プロファイリング対象の操作に関連するスレッドのスタック・トレースが提供されます。デフォルトでは、この情報の追跡で発生するオーバーヘッドのため、値は設定されません。この情報を取得するには、追跡するプロファイル・タイプに加えて、接続リークのプロファイリングも有効にする必要があります。接続リークのプロファイリングの詳細は、接続リーク(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LEAK)を参照してください。
データ・ソースおよびプリコンパイルされた文のキャッシュについて、次の情報をプロファイリングすることを選択できます:
- 接続使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.USAGE)
- 待機中の接続予約(WEBLOGIC.JDBC.CONN.RESV.WAIT)
- 失敗した接続予約(WEBLOGIC.JDBC.CONN.RESV.FAIL)
- 接続リーク(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LEAK)
- 接続の最終使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LAST_USAGE)
- マルチスレッド接続使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.MT_USAGE)
- 文キャッシュ・エントリ(WEBLOGIC.JDBC.STMT_CACHE.ENTRY)
- 文使用状況(WEBLOGIC.JDBC.STMT.USAGE)
- 接続アンラップ(WEBLOGIC.JDBC.CONN.UNWRAP)
- クローズ済JDBCオブジェクトの使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CLOSED_USAGE)
- ローカル・トランザクション接続リーク(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LOCALTX_LEAK)
- プロファイル情報レコード・ログの例
親トピック: プロファイル情報の収集
接続使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.USAGE)
接続使用状況のプロファイリングを有効にすると、データ・ソース内の接続プールからの接続を現在使用しているスレッドについて情報が収集されます。このプロファイル情報の支援により、アプリケーションがデータ・ソースから接続を取得できない理由を特定できます。
レコードには、次の情報が格納されます。
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PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - 接続ID
-
User - 接続を使用しているスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - 接続がスレッドにいつ割り当てられたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
待機中の接続予約(WEBLOGIC.JDBC.CONN.RESV.WAIT)
待機中の接続予約のプロファイリングを有効にすると、データ・ソースからの接続を予約するのを現在待機しているスレッドついて情報が収集されます。このプロファイル情報の支援により、アプリケーションがデータ・ソースから接続を取得できない理由、または接続を待機できない理由を特定できます。レコードには、次の情報が格納されます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - スレッドID
-
User - 接続を待機しているスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - スレッドが接続をいつ待機し始めたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
失敗した接続予約(WEBLOGIC.JDBC.CONN.RESV.FAIL)
失敗した接続予約のプロファイリングを有効にすると、データ・ソースからの接続を予約しようとしたけれども、その接続を取得できなかったスレッドについて情報が収集されます。このプロファイル情報の支援により、アプリケーションが、接続を予約したにもかかわらず、その接続をデータ・ソースから取得できない理由を特定できます。レコードには、次の情報が格納されます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - スレッドID
-
User - 接続を待機しているスレッド、および予約リクエストが失敗したときに受け取る例外のスタック・トレース
-
Timestamp - 予約リクエストがいつ失敗したか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
接続リーク(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LEAK)
接続リークのプロファイリングを有効にすると、データ・ソースからの接続を予約し、その接続がリークした(接続プールに正常に戻されなかった)スレッドついて情報が収集されます。このプロファイル情報の支援により、JDBC接続を正しく閉じていないアプリケーションを特定できます。いずれかのプロファイル・タイプのユーザー・スタック・トレース情報を取得するには、接続リークのプロファイリングを有効にする必要があります。レコードには、次の情報が格納されます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - 接続ID
-
User - 接続を待機しているスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - 接続リークがいつ検出されたか示すタイム・スタンプ
予約済の接続がリークしているとみなすまでの時間の長さを指定するには、次のいずれかを実行します。
-
Inactive Connection Timeout Seconds
を0 (ゼロ)より大きい値に設定します。WebLogicでは、JDBCプール接続が予約された場所のスタック・トレースが出力されます。Inactive Connection Timeout Seconds
の時間が経過した後、スタック・トレースが出力されます。 -
Connection Leak Timeout Seconds
を0(ゼロ)より大きい値に設定します。この値は、接続リークの診断プロファイリング・レコードをトリガーするまでにアプリケーションでJDBC接続を保持する時間(秒数)を指定します。0に設定されている場合、タイムアウトは無効です。
親トピック: プロファイル・タイプ
接続の最終使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LAST_USAGE)
接続の最終使用状況のプロファイリングを有効にすると、接続を最後に使用した前スレッドについて情報が収集されます。この情報は、保留中のトランザクションが原因で、接続で後続のXA操作が失敗した場合など、接続の問題をデバッグする場合に役立ちます。レコードには、次の情報が格納されます。
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PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
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ID - スローされたXA例外のスタック・トレース
-
User - 接続を最後に使用したスレッドのスタック・トレース
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Timestamp - 例外がいつスローされたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
マルチスレッド接続使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CONN.MT_USAGE)
マルチスレッド接続使用状況のプロファイリングを有効にすると、異なるスレッドにより以前に取得された接続を不正に使用しているスレッドについて情報が収集されます。アプリケーションが問題を報告し、その問題の原因が、複数のスレッドが1つの接続を同時に使用していることと考えられる場合、この情報が役立ちます。レコードには、次の情報が格納されます。
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PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
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ID - 接続を使用していることが検出された他のスレッドのスタック・トレース
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User - 接続を予約したスレッドのスタック・トレース
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Timestamp - 複数のスレッドによる接続の使用がいつ検出されたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
文キャッシュ・エントリ(WEBLOGIC.JDBC.STMT_CACHE.ENTRY)
文キャッシュ・エントリのプロファイリングを有効にすると、文キャッシュに追加されたプリコンパイルされた文と呼出し可能文について、およびキャッシュされた文から発生したスレッドについて情報が収集されます。この情報の支援により、キャッシュがどのように使用されているか特定できます。レコードには、次の情報が格納されます。
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PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
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ID - 文の文字列表現
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User - 文を使用しているスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - 文がキャッシュにいつ追加されたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
文使用状況(WEBLOGIC.JDBC.STMT.USAGE)
文使用状況のプロファイリングを有効にすると、文キャッシュ内のSQL文を現在実行しているスレッドについて情報が収集されます。この情報の支援により、文がどのように使用されているか特定できます。レコードには、次の情報が格納されます。
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PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - 文を通じて実行されているSQL文
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User - 文を使用しているスレッドのスタック・トレース
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Timestamp - 文の実行期間
親トピック: プロファイル・タイプ
接続アンラップ(WEBLOGIC.JDBC.CONN.UNWRAP)
接続アンラップのプロファイリングを有効にすると、getVendorObject
WebLogic拡張APIまたはJDBC 4.0のunwrap
メソッドを使用して基になるJDBC接続にアクセスするアプリケーション・コンポーネントについてプロファイル情報が収集されます。レコードには、次の情報が格納されます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - オブジェクトがアンラップされた場所のスタック・トレース
-
User - オブジェクトをアンラップしているスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - オブジェクトがいつアンラップされたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
クローズ済JDBCオブジェクトの使用状況(WEBLOGIC.JDBC.CLOSED_USAGE)
JDBCオブジェクト使用状況のプロファイリングを有効にすると、close()メソッドが呼び出された後にアクセスされたJDBCオブジェクト(Connection、StatementまたはResultSet)についてプロファイル情報が収集されます。この情報は、最初にオブジェクトをクローズしたスレッドと、クローズ済のオブジェクトにアクセスしようとしたスレッドの両方を特定するために役立ちます。レコードには、次の情報が格納されます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - オブジェクトのクローズを試みている現在のスレッドのスタック・トレース
-
User - オブジェクトをクローズしたスレッドとクローズが実行された場所のスタック・トレース
-
Timestamp - オブジェクトがいつクローズされたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
ローカル・トランザクション接続リーク(WEBLOGIC.JDBC.CONN.LOCALTX_LEAK)
JDBCローカル・トランザクション接続リークのプロファイリングを有効にすると、ローカル・トランザクションのリークが発生するアプリケーション・コンポーネント(起動するがトランザクションをコミットまたはロールバックしない)についてプロファイル情報が収集されます。ログ・レコードには、接続を解放しているスレッドに関するコール・スタックおよび詳細が含まれます。レコードには、次の情報が含まれます。
-
PoolName - この接続が属するデータ・ソースの名前
-
ID - 接続を解放しているスレッドのスタック・トレース
-
User - 予約スレッドのスタック・トレースと、接続がクローズされたときのスレッドのスタック・トレース
-
Timestamp - 接続がいつクローズされたか示すタイム・スタンプ
親トピック: プロファイル・タイプ
プロファイル情報レコード・ログの例
標準的な出力ログからの文使用状況(WEBLOGIC.JDBC.STMT.USAGE)のプロファイル情報レコードの例を、次に示します。
####<JDBC Data Source-0> <WEBLOGIC.JDBC.STMT.USAGE> <0> <java.lang.Exception at . . . weblogic.servlet.provider.ContainerSupportProviderImpl$WlsRequestExecutor.run( ContainerSupportProviderImpl.java:254) at weblogic.work.ExecuteThread.execute(ExecuteThread.java:295) at weblogic.work.ExecuteThread.run(ExecuteThread.java:254) > <select 1 from dual>
プロファイル・ログの各コンポーネントは、カッコ(<および>)で囲まれています。
-
プール名—
JDBC Data Source-0
-
プロファイル・タイプ—
WEBLOGIC.JDBC.STMT.USAGE
-
タイムスタンプ—
0
(ミリ秒) -
ユーザー:
java.lang.Exception at . . . at weblogic.work.ExecuteThread.run(ExecuteThread.java:254
-
ID—
select 1 from dual
親トピック: プロファイル・タイプ
診断データへのアクセス
次の方法のいずれかを使用して、診断データにアクセスできます。
-
WebLogic Server管理コンソール。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのログの表示と構成およびJDBCデータ・ソースの統計をモニターを参照してください。
-
WebLogic診断フレームワーク(WLDF)のData Accessorコンポーネント。Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用のData Accessorによる診断データへのアクセスを参照してください。
-
テキスト・エディタを使用して情報を手動で表示。
-
DataSource
のプロファイリングを使用して実行する場合、デフォルトの収集時間は300秒であるため、データをただちに表示できない場合があります。結果をより適切に視覚化するために、収集時間を小さい値(たとえば、5秒)に設定する必要がある場合があります。すべての接続を参照するには、診断イメージを取得します。スタック・トレースを参照するには、リークのプロファイリングを有効にします。
親トピック: プロファイル情報の収集
ドライバ・レベルの統計をモニタリングするためのコールバック
WebLogic Serverは、JDBCドライバでコールされるメソッドのコールバックを提供しています。これらのコールバックを使用して、実行中のメソッド、スローされた例外、ドライバ・メソッドの実行に使用された時間など、JDBCドライバの使用状況をモニターおよびプロファイリングできます。
コールバック機能を有効にするには、JDBCデータ・ソース記述子(モジュール)内のdriver-interceptor要素のためのコールバック・ハンドラの完全修飾パスを指定します。コールバック・ハンドラには、weblogic.jdbc.extensions.DriverInterceptor
インタフェースが実装されている必要があります。JDBCドライバのコールバックを有効にすると、JDBCドライバ内のメソッドが呼び出される前、および呼び出された後に、WebLogic Serverにより、登録されているコールバック・ハンドラのpreInvokeCallback()
、postInvokeExceptionCallback()
およびpostInvokeCallback()
メソッドがコールされます。
アプリケーションによりJDBCドライバがコールされると、必ずそのドライバを実装したクラスにコールバックが送信されます。
親トピック: プロファイル情報の収集
JDBCデータ・ソースのデバッグ
問題を特定のアプリケーションに絞り込んだら、WebLogic Serverのデバッグ機能をアクティブにしてアプリケーションの問題を特定します。
デバッグの有効化
適切なServerDebug
構成属性をtrue
に設定することで、デバッグを有効化できます。必要に応じて、サーバーのStdoutSeverity
を「Debug
」に設定することもできます。
構成属性は、以下のいずれかの方法で変更できます:
- コマンド行を使用したデバッグの有効化
- WebLogic Server管理コンソールを使用してデバッグを有効化
- WebLogic Scripting Toolを使用してデバッグを有効化
- config.xmlファイルへの変更
親トピック: JDBCデータ・ソースのデバッグ
コマンド行を使用したデバッグの有効化
コマンド行で適切なプロパティを設定します。たとえば、
-Dweblogic.debug.DebugJDBCSQL=true -Dweblogic.log.StdoutSeverity="Debug"
この方法は静的であり、サーバーの起動時にのみ使用できます。
親トピック: デバッグの有効化
WebLogic Server管理コンソールを使用してデバッグを有効化
デバッグを有効にするには、次の手順を実行します:
- 管理コンソールの左上部にある「チェンジ・センター」をみつけます。
- 「ロックして編集」をクリックして、ドメインの構成の編集可能な階層をロックします。
- コンソールの左ペインで、「環境」→「サーバー」を選択します。
- コンソールの関連ページのデバッグを有効または無効にします。
- 変更を行った各ページで「保存」をクリックします
- 必要な変更がすべて完了したら、チェンジ・センターの「変更のアクティブ化」をクリックします。
親トピック: デバッグの有効化
WebLogic Scripting Toolを使用してデバッグを有効化
WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、デバッグ値を設定します。たとえば、次のコマンドでは、debug.py
というデバッグ値を設定するためのプログラムが実行されます。
java weblogic.WLST debug.py
debug.pyプログラムには、次のコードが含まれています。
user='user1' password='password' url='t3://localhost:7001' connect(user, password, url) edit() cd('Servers/myserver/ServerDebug/myserver') startEdit() set('DebugJDBCSQL','true') save() activate()
JavaからもWLSTを使用できます。次の例では、デバッグ値の設定に使用されるJavaファイルを示します。
import weblogic.management.scripting.utils.WLSTInterpreter; import java.io.*; import weblogic.jndi.Environment; import javax.naming.Context; import javax.naming.InitialContext; import javax.naming.NamingException; public class test { public static void main(String args[]) { try { WLSTInterpreter interpreter = null; String user="user1"; String pass="pw12ab"; String url ="t3://localhost:7001"; Environment env = new Environment(); env.setProviderUrl(url); env.setSecurityPrincipal(user); env.setSecurityCredentials(pass); Context ctx = env.getInitialContext(); interpreter = new WLSTInterpreter(); interpreter.exec ("connect('"+user+"','"+pass+"','"+url+"')"); interpreter.exec("edit()"); interpreter.exec("startEdit()"); interpreter.exec ("cd('Servers/myserver/ServerDebug/myserver')"); interpreter.exec("set('DebugJDBCSQL','true')"); interpreter.exec("save()"); interpreter.exec("activate()"); } catch (Exception e) { System.out.println("Exception "+e); } } }
WLSTの使用は動的な手法で、サーバーの実行中にデバッグを有効化するために使用できます。
親トピック: デバッグの有効化
config.xmlファイルへの変更
コンソール、WLSTまたはコマンド行でデバッグ特性を変更すると、その内容がconfig.xml
ファイルに反映されます。「例15-1」を参照してください:
例15-1 JDBCのデバッグ・スタンザの例
. . . <server> <name>myserver</name> <server-debug> <debug-scope> <name>weblogic.transaction</name> <enabled>true</enabled> </debug-scope> <debug-jdbcsql>true</debug-jdbcsql> </server-debug> </server> . . .
この例のconfig.xml
の断片は、トランザクション・デバッグのスコープ(複数のデバッグ属性)および1つのJDBC属性を示しています。
親トピック: デバッグの有効化
JDBCのデバッグ範囲
JDBCの登録済デバッグ範囲は、次のとおりです。
-
DebugJDBCSQL (scope weblogic.jdbc.sql)
- 引数と戻り値、スローされた例外など、呼び出されたすべてのJDBCメソッドに関する情報を出力します。 -
DebugJDBCConn(スコープweblogic.jdbc.connection)
- データ・ソースのすべての接続予約および解放操作、および接続を取得または閉じるためのすべてのアプリケーション・リクエストを追跡します。 -
DebugJDBCONS(スコープweblogic.jdbc.rac)
- 低レベルのONSデバッグを追跡します。 -
DebugJDBCRAC(スコープweblogic.jdbc.rac)
- RACデバッグを追跡します。 -
DebugJDBCUCP(スコープweblogic.jdbc.rac)
- 低レベルのUCPデバッグを追跡します。 -
DebugJDBCReplay(スコープweblogic.jdbc.rac)
- リプレイ・デバッグを追跡します。 -
DebugJDBCRMI(スコープweblogic.jdbc.rmi)
- JDBCSQLと同様ですが、RMIレベルです。これとJDBCSQL
を有効にすると、クライアントからコールされる操作ごとに、2セットのデバッグ・メッセージが取得されます。 -
DebugJDBCInternal(スコープweblogic.jdbc.internal)
- データ・ソース、接続環境およびデータ・ソース・マネージャに関連するweblogic/jdbc/common/internal
の低レベル・デバッグ。 -
DebugJDBCDriverLogging(スコープweblogic.jdbc.driverlogging)
- JDBCドライバ・レベルのロギングを有効化します(ServerMBean JDBCLoggingEnabled
およびgetJDBCLogFileName
のかわりに、これを使用します)。ノート:
Oracleのドライバ・レベル・トレースを取得するには、ojdbc6.jar
のかわりにojdbc6_g.jar
を使用する必要があります。このデバッグ・スコープでは、ロギングを、サーバー起動時にコマンド行または構成を通じて一度有効化できますが、(DriverManagerインタフェースがあるため)動的に有効化または無効化できません。 -
DebugJTAJDBC(スコープweblogic.jdbc.transaction)
- トランザクション・デバッグを追跡します。
親トピック: JDBCデータ・ソースのデバッグ
UCPまたはONSのデバッグの設定
UCPのデバッグ
oracle.ucp.level = FINEST;
oracle.ucp.jdbc.PoolDataSource = WARNING;
ONSのデバッグ
ONSのデバッグを有効化するには、java.util.logging
を構成する必要があります。
-Djava.util.logging.config.file=configfile
-Doracle.ons.debug=true
このコマンドで、configfile
は、ログ出力のフォーマットとロギング・レベルを制御するために標準のJDKロギングで使用される構成プロパティ・ファイル・プロパティのパスとファイル名です。configfile
に次の行を含める必要があります。
oracle.ons.level=FINEST
詳細は、Java Platform Standard Edition API仕様のjava.util.loggingを参照してください。
親トピック: JDBCデータ・ソースのデバッグ
リクエストのDye処理
デバッグのもう1つのオプションは、JDBCサブシステムを通じて個々の(通常、dye処理された)アプリケーション・リクエストのフローを追跡することです。詳細は、Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用のDyeInjectionモニターによるDye Vectorの構成を参照してください。
親トピック: JDBCデータ・ソースのデバッグ