5 WebLogic JMSシン・クライアント(非推奨)
この章の内容は次のとおりです。
JMSシン・クライアントの概要
JMSシン・クライアント(wlclient.jar
とともにデプロイされたwljmsclient.jar
)を使用すると、WebLogicインストール・クライアントまたはフル・クライアントよりもはるかに小さく、シンT3クライアントよりもいくぶん小さいクライアント・サイズで、Java EEおよびWebLogic JMSの機能を提供できます。
クライアント・サイズの小ささは、次のものを使用することで実現されています。
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クライアント側プログラムで必要なサポート・ファイルのセットのみを含んだクライアント側ライブラリ。
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JREで使用可能なRMI-IIOPプロトコル・スタック。RMIリクエストはJREによって処理されるため、非常に小さいクライアントを実現できます。
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標準Java EE API。WebLogic Server APIは使用しません。
T3クライアントの選択肢のうち、高速なもの(シンT3クライアントなど)を使用することを検討できます。WebLogic Serverのシン・クライアント・アプリケーションの開発の詳細は、シン・クライアントの開発に関する項を参照してください
JMSシン・クライアントの機能
JMSシン・クライアント(wljmsclient.jar
およびwlclient.jar
)は、WebLogicフル・クライアントやWebLogicインストールよりもはるかに小さいサイズでありながら、クライアント・アプリケーションおよびアプレットにいくつかの機能を提供します。
JMSシン・クライアント(wljmsclient.jar
およびwlclient.jar
)は、クライアント・アプリケーションおよびアプレットに次の機能を提供します。
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完全なWebLogic JMSの機能、つまり標準JMSおよびWebLogic拡張機能の両方(マルチキャスト・セッションでのクライアント側XMLの選択とJMSHelperクラス・メソッドを除く)
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EJB (Enterprise JavaBeans)へのアクセス
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JNDIへのアクセス
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RMIへのアクセス(JMSによる間接的な使用)
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SSLアクセス(JREのJSSEを使用)
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トランザクション機能
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クラスタリング機能
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HTTP/HTTPSトンネリング
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完全な国際化
JMSシン・クライアントの使用に関する制限
JMSシン・クライアントに適用される制限について学習します。
JMSシン・クライアントには以下の制限が適用されます。
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wlfullclient.jar
ファイルのJDBCまたはJMXの機能は提供されません。 -
クライアント側のストア・アンド・フォワード(クライアントSAF)はサポートしていません。JMS SAFを使用したメッセージの確実な送信に関する項を参照してください
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クライアントに
java.sql.ResultSet
を戻すことのできるWebLogic Server CMP 2.x拡張がサポートされていません。 -
JDK ORBでのみサポートされます。
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T3プロトコル対応のクライアント(インストール・クライアント、シンT3クライアント、フル・クライアント)に比べて、特に非永続メッセージングでのパフォーマンスが劣ります。
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WebLogic Server 9.2より前のリリースでは自動クライアント再接続はサポートされていません。
JMSシン・クライアントのデプロイ
wljmsclient.jarとwlclient.jarは、WebLogic Serverインストール・ディレクトリのWL_HOME
\server\lib
サブディレクトリにあります。WL_HOME
は、最上位のWebLogic Serverインストール・ディレクトリ(たとえば、c:\Oracle\Middleware\Oracle_Home\wlserver\server\lib
)です。
JMSシン・クライアントのデプロイメントには以下の要件があります。
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JMSシン・クライアントでは、クラスタリング、セキュリティ、およびトランザクションのための基本クライアント・サポートを含む標準シン・クライアントが必要になります。このため、
wljmsclient.jar
とwlclient.jar
がクライアント・ファイル・システムのどこかにインストールされている必要があります。ただし、wljmsclient.jar
はwlclient.jar
を参照するので、クライアントのCLASSPATHにはどちらか一方のJarを指定するだけでかまいません。 -
クライアント - サーバー通信にRMI-IIOPが必要になります。
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t3
またはt3s
を使用するURLでは、透過的にiiop
またはiiops
が使用されます。 -
http
またはhttps
を使用するURLでは、透過的にiiop
トンネリングが使用されます。
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IIOPを容易に使用できるようにするには、リスニング・アドレス属性に常に有効なIPアドレスまたはDNS名を指定して、接続をリスニングできるようにしておきます。
ノート:
リスニング・アドレスがデフォルト値の null である場合は、構成されたネットワーク・インタフェースのすべてをリスニングできます。ただし、この機能を使用できるのはT3プロトコルのみです。IIOPプロトコルで使用するために複数のリスニング・アドレスを構成する必要がある場合は、ネットワーク・チャネル機能を使用します(『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』のネットワーク・リソースの構成に関する項を参照)。
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各クライアントにJRE 1.4.x以降がインストールされている必要があります。
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アプリケーションは、Java EEプログラミングのガイドラインに準拠している必要があります。特に、キャストではなく、
PortableRemoteObject.narrow()
を使用する必要があります。
WebLogic Serverのシン・クライアント・アプリケーションの開発の詳細は、シン・クライアントの開発に関する項を参照してください