10 スタンドアロン・クライアントからのWebサービスの起動

スタンドアロン・クライアントからOracle Infrastructure Webサービスを起動する方法を、この章で詳細に説明します。

内容は次のとおりです。

10.1 スタンドアロン・クライアントJARを使用したWebサービスの呼出し

Oracle Fusion Middlewareがローカルでインストールされていない環境から、CLASSPATHにOracle Fusion Middlewareクラスのセット全体を設定してOracle Infrastructure Webサービスを起動するときは、そのWebサービスの起動にスタンドアロン・クライアントのJARファイルを使用できます。

スタンドアロン・クライアントのJARは、Oracle Infrastructure Webサービスの基本的なクライアント側機能と、OWSMセキュリティ・ポリシーをサポートします。

クライアント・アプリケーションでスタンドアロン・クライアントJARファイルを使用するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle JDeveloperなど任意のIDEを使用して、Java SEクライアントを作成します。
  2. ファイルORACLE_HOME/oracle_common/modules/clients/com.oracle.webservices.fmw.client_12.1.3.jarを、Oracle Fusion Middlewareをホストするコンピュータからクライアント・コンピュータにコピーします。ORACLE_HOMEは、Oracle Fusion Middlewareのインストール時にOracleホームに指定したディレクトリです。

    たとえば、クライアント・アプリケーションで使用している他のクラスが格納されているディレクトリにファイルをコピーします。

  3. JARファイルをCLASSPATHに追加します。
  4. Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシーの環境を構成します。このステップはオプションです。OWSMセキュリティ・ポリシーをWebサービス・クライアントにアタッチしている場合にのみ必須となります。

    必要な構成ステップは、アタッチするポリシーのタイプによって異なります。次の例を参照してください。

    注意:

    その他の構成要件については、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』OPSSを使用するためのJava SEアプリケーションの構成に関する項を参照してください。

10.2 基本認証のサポート

スタンドアロン・クライアントからOracle Infrastructure Webサービスを起動する場合は、特定のステップを実行して基本認証をサポートする必要があります。

oracle/wss_http_token_client_policyセキュリティ・ポリシーを使用して基本認証をサポートするには、次のステップを実行します。

  1. jps-config-jse.xmlおよびaudit-store.xmlファイルを、domain_home/config/fmwconfigディレクトリからWebサービス・クライアントにアクセス可能な場所にコピーします。domain_homeは、ドメインの名前および位置です。
  2. ステップaでファイルのコピー先にした場所にウォレット(cwallet.sso)を作成します。このウォレットで、oracle.wsm.securityというマップと、クライアント・アプリケーションが使用する資格証明のキー名(weblogic-csf-keyなど)を定義します。

    ファイルcwallet.ssoの場所は、構成ファイルjps-config-jse.xmlに、要素<serviceInstance>を使用して指定します。詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』ウォレットベースの資格証明ストアの使用に関する項を参照してください。

  3. Javaコマンド・ラインで、ステップ1でコピーしたJPS構成ファイルを定義する次のプロパティを渡します。
    -Doracle.security.jps.config=<pathToConfigFile>
    

    詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』シナリオ3: Java SEアプリケーションの保護に関する項を参照してください。

10.3 SSLポリシーのサポート

スタンドアロン・クライアントからOracle Infrastructure Webサービスを起動する場合は、特定のステップを実行してSSLポリシーをサポートする必要があります。

SSLポリシーをサポートするには、次のステップを実行します。

  1. jps-config-jse.xmlおよびaudit-store.xmlファイルを、domain_home/config/fmwconfigディレクトリからWebサービス・クライアントにアクセス可能な場所にコピーします。domain_homeは、ドメインの名前および位置です。
  2. Javaコマンドラインで、ステップ1でコピーしたJPS構成ファイルを定義する次のプロパティを渡します。

    ステップ1でコピーしたJPS構成ファイルを定義します。

    -Doracle.security.jps.config=<pathToConfigFile>
    

    詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』シナリオ3: Java SEアプリケーションの保護に関する項を参照してください。

    信頼済証明書が格納される信頼ストアを定義します。

    -Djavax.net.ssl.trustStore=<trustStore>
    

    詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』LDAPへの一方向SSL接続の設定に関する項にある、Java SEアプリケーションの場合のWebLogic Serverの設定を参照してください。

    信頼ストアのパスワードを定義します。

    -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<password>