10 Oracle ADF機能が備わったアプリケーションのデプロイメント
この章の内容は次のとおりです。
Oracle ADF機能が備わったアプリケーションのデプロイメントについて
Oracle ADFを使用して開発したFusion Webアプリケーションのデプロイは、JDeveloperツールでサポートされています。
デプロイは、アプリケーション・ファイルをアーカイブ・ファイルとしてパッケージ化し、ターゲット・アプリケーション・サーバーに転送するプロセスです。JDeveloperを使用して、ADFアプリケーションをアプリケーション・サーバーに直接デプロイするか、またはデプロイ・ターゲットとしてアーカイブ・ファイルに間接的にデプロイし、このアーカイブ・ファイルを対象のサーバーにインストールできます。
ADFアプリケーションのデプロイの主要概念
Oracle ADFを使用して開発したFusion Webアプリケーションのデプロイは、JDeveloperで統合WebLogic Serverを使用してテストできます。検証後は、各種の管理ツールを使用して、ADFアプリケーションを本番環境やその他の環境のスタンドアロン・サーバーにデプロイできます。
この項では、ADFアプリケーションのデプロイの準備から完了までのプロセスについて主要面を概説します。
統合WebLogic Serverでのテスト・デプロイ
開発の際にアプリケーションの実行テストをする場合は、JDeveloperを使用して、統合WebLogic Serverでアプリケーションを実行できます。統合WebLogic Serverでアプリケーションを実行する場合、スタンドアロン・サーバーへのデプロイに必要な多くのステップを手動で完了する必要はありません。たとえば、デプロイメント・プロファイルやEARファイルを作成する必要はなく、ADFランタイム・ライブラリは、自動的に統合WebLogic Serverインスタンスに追加されます。
デプロイメント・ツール
スタンドアロン・サーバーへのデプロイメントの場合、次のツールおよび方法から選択できます。
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Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。
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WebLogic Scripting Tool (WLST)など特定のアプリケーション・サーバーに固有のスクリプト・ツール
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Oracle WebLogic管理コンソールなどの管理コンソール
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コマンド・スクリプトおよびAntスクリプト
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JDeveloper
スタンドアロン・サーバーでのテスト・デプロイメント
アプリケーションを本番サーバーにデプロイする前に、本番環境にはないスタンドアロン・サーバー・インスタンスでアプリケーションをテストする必要がある場合があります。そのテストにより、アプリケーションがリモート環境で想定どおりにデプロイされることを確認できます。統合WebLogic Serverインスタンスでアプリケーションを実行しても明らかにならないような、デプロイメントにおける潜在的な問題を特定して解決するために、このステップをお薦めします。この場合、大半のステップは、開発ワークフローにとってプラスとなるように自動的に実行され、本番のサーバー環境を対象としていません。
ADFアプリケーションのデプロイの主要コンポーネント
Fusion Webアプリケーションのデプロイは、エンタープライズ・アーカイブ(EAR)ファイルを使用して実行できますが、ターゲット・アプリケーション・サーバーにADFランタイム・ライブラリがインストールされている必要があります。
この項では、ADFアプリケーションをアプリケーション・サーバーにデプロイするために必要な主要要素について概説します。
エンタープライズ・アーカイブ(EAR)ファイル
ADFアプリケーションは、通常、EARファイルとしてアプリケーション・サーバーにデプロイされます。EARファイルはコンポジット・アーカイブであり、EARファイルにはWARファイル、JARファイル、MARファイルなど1つまたは複数の他のアーカイブ、および1つまたは複数のデプロイメント・ディスクリプタが含まれています。
ADFアプリケーション・デプロイメント・プロセス・フローの概要
Fusion Webアプリケーションをデプロイする場合、JDeveloperツールでサポートされている段階的なプロセスに従います。
アプリケーションを開発したら、次のステップに従って、そのアプリケーションをスタンドアロン・サーバーにデプロイします。これらのステップには、JDeveloperからのIntegrated WebLogic Serverにおけるアプリケーションの実行が含まれていません。
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デプロイメント・プロファイルを作成して、対象となる環境にデプロイするアーカイブ・ファイルに、アプリケーション・コンテンツをパッケージ化する方法を定義します。アーカイブ・ファイルの形式とコンテンツを指定する以外に、デプロイメント・プロファイルには依存性の情報、プラットフォーム固有の手順などの情報が含まれています。
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対象となるサーバーに必要なデプロイメント・ディスクリプタを作成または編集します。デプロイメント・ディスクリプタは、アプリケーションのデプロイ構成を定義するXMLサーバー構成ファイルで、必要に応じてアプリケーションとともにデプロイされます。
JDeveloperでアプリケーションを開発すると、Oracle WebLogic Serverに必要なデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルが生成されます。JDeveloperには、これらのファイルに対するビジュアル・エディタも用意されていて、プロパティを表示および編集する際に使用できます。
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スタンドアロン・サーバーへの移行には、アプリケーションのセキュリティ・ポリシーと資格証明を準備します。これには、テストの目的で設定したポリシーおよび資格証明がアプリケーション構成ファイルから削除されていることの確認、およびターゲット・サーバーで標準ロールにマップするアプリケーション・ロールの設定があります。
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ユーザー・インタフェース・プロジェクトの
web.xml
ファイルに、使用するADF MBeansを登録します。ADF MBeansは各種構成ファイルに対応します。アプリケーションがデプロイされたら、Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのMBeanブラウザを使用してADF MBeanにアクセスし、構成プロパティを変更することができます。
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JDeveloperで、デプロイメント・プロファイルからEARファイルを生成します。
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テスト・デプロイ用のターゲット・アプリケーション・サーバーのスタンドアロン・インスタンスを設定し、そのインスタンスにADFを実行時にインストールします。
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アプリケーションのポリシー・ストアをスタンドアロン・サーバー・インスタンスのドメイン・レベルに移行します。
通常、移行タスクは、JDeveloperの外部で、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlのようなツールを使用して処理します。JDeveloper外部のツールを使用してポリシー・ストアを本番環境のドメインレベルに移行する方法の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』のテスト環境から本番環境への移行に関する項を参照してください。
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「デプロイメント・ツール」に記載された方法のいずれかを使用してアプリケーションをテスト・デプロイし、発生した問題を解決します。
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ターゲット・サーバーで、ADFランタイム・ライブラリがインストールされていることを確認し、アプリケーションのポリシー・ストアを追加します。
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アプリケーションをターゲット・サーバーにデプロイします。
ADFアプリケーションのデプロイに関する詳細
Oracle ADFに基づくFusion Webアプリケーションをデプロイし、ランタイム環境を構成する準備ができたら、Oracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリのこれらのタスクに対応するドキュメントを参照してください。
デプロイメントに向けたアプリケーションの準備の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のFusion Webアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。
アプリケーションをデプロイするスタンドアロン・サーバーの設定、アプリケーションのデプロイ、およびデプロイしたアプリケーションの構成と管理の詳細は、『Oracle ADFアプリケーションの管理』の「第II部 基本的な管理」を参照してください。
ターゲット・サーバーへのセキュリティ・ポリシーと資格証明の移行の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』のテスト環境から本番環境への移行に関する項を参照してください。
GlassFishへのOracle ADF Essentialsアプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のGlassFishへのADFアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。