23 データベースの使用のスタート・ガイド

この章では、JDeveloperを使用してデータベースの使用を開始する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

データベースの使用について

JDeveloperでは、OracleおよびOracle以外のデータベースを直接使用し、オフライン・データベース定義を使用したデータベースの設計、作成および編集を行うことができます。

JDeveloperでのOracleデータベースの迅速な使用開始については、次のドキュメントを参照してください。

データベースへの接続と使用

通常、データベースの使用は、目的のデータベースへの接続を作成するか、既存の接続をインポートして開始します。JDeveloperを使用すると、Oracleデータベースへの接続を迅速に作成できるだけでなく、多くのOracle以外のデータベースに接続して操作することもできます。データベース接続を確立した後は、「データベース」ウィンドウでのデータベース・オブジェクトの検索や、検索ツールを使用した特定のオブジェクトの検索、データベースおよびそのコンテンツの比較が可能になります。また、データの編集やデータのインポート/エクスポートを実行したり、データベースとデータベース内のオブジェクトに関するレポートを作成することもできます。

データベースの設計

SQLワークシートやデータベース・オブジェクト・エディタが含まれるJDeveloper内の統合ツールを使用して、データベース接続経由でデータベースを直接使用できます。また、オフライン・データベースを作成することもできます。「アプリケーション」ウィンドウまたはデータベース・モデラーで作業を行う場合、オフライン・データベース定義を使用してデータベースをモデル化し、その結果をデータベース接続を介してデータベースに生成できます。

データベース接続は「アプリケーション」ウィンドウまたは「データベース」ウィンドウにリストできます。ここで、これらのデータベース接続は、使用しているアプリケーションに対して使用可能になります。また、「リソース」ウィンドウでは、これらのデータベース接続を他のアプリケーションで再利用できます。

データベース接続を作成すると、次の操作が可能になります。

  • 特定のオブジェクトについてデータベースを参照および検索します。

  • データベースとそのコンテンツに関するレポートを作成します。

  • データをインポートおよびエクスポートします。

  • データベースをコピー、比較およびエクスポートします。

オフライン・データベースを使用できます。これらのデータベースは、データベース・モデラーでモデル化したり、「アプリケーション」ウィンドウで使用できます。

データベース内またはオフライン・データベース内でオブジェクトを作成、編集および削除できます。

OracleおよびOracle以外のデータベースにアクセスするJavaプログラムを、JDBCを使用して作成および実行できます。

JDeveloperでデータベースを初めて使用する場合、最も簡単な使用開始方法の1つは、Oracle Database 11g Express Edition (Oracle Database XE)を使用してみることです。

Oracle Database Express Editionのスタート・ガイド

Oracle Database XEは、Oracle Database 11gリリース2コード・ベースに基づく初級レベルの省スペースのデータベースです。これは、自由な開発、デプロイおよび配布、迅速なダウンロード、そして簡単な管理が可能です。これを使用して、JDeveloperでのデータベースの使用方法を学習します。

JDeveloperでデータベースを初めて使用する場合、最も簡単な使用開始方法の1つは、Oracle Database 11g Express Edition (Oracle Database XE)を使用してみることです。これは、スタート・ガイド: Oracle Database Express Edition (XE)(http://www.oracle.com/technetwork/database/express-edition/overview/index.html)からダウンロードできます。

Oracle Database XEをダウンロードしてインストールした後、Oracle Database Express EditionおよびOracle Application Expressのドキュメントを使用して、ユーザーの作成と管理、およびサンプル・ユーザー(HR)のロック解除を行います。たとえば、表やマテリアライズド・ビューを作成するために追加権限を付与することもできます。これで、JDeveloperからサンプル・ユーザーへのデータベース接続を作成できるようになります。方法

「データベース接続の作成」ダイアログで、次の値を使用します。ここで言及されていないフィールドは空白のままにしてください。

表23-1 Oracle Database Express Editionの接続の詳細

フィールド

接続の作成場所

「アプリケーション・リソース」を選択します。接続は、「アプリケーション」ウィンドウの「アプリケーション・リソース」の下に表示されます。

接続名

この接続用にわかりやすい名前を入力します。

接続タイプ

Oracle (JDBC) (デフォルト)。

ユーザー名

HR: サンプル・ユーザーを使用します。新規データベース・ユーザーを作成した場合、このユーザーの名前を入力します。

パスワード

サンプル・ユーザーをロック解除したときか新規ユーザーを作成したときに入力したパスワードを入力します。

パスワードの保存

選択済(デフォルト)。

ドライバ

thin (デフォルト)

ホスト名

Oracle Database XEがローカル・システムにインストールされている場合、デフォルトのlocalhostまたは127.0.0.1を使用します。それ以外の場合は、データベースがインストールされているマシンのIPアドレスまたは解決可能なホスト名を入力します。

JDBCポート

1521 (デフォルト)

SID

XE (デフォルト)

ダイアログの下部にある「接続のテスト」をクリックします。「成功」は、データベースへの接続が確立されたことを示します。他のメッセージが表示された場合は、前述の値が正しく入力されているかどうかを確認し、Oracle Database XEが起動したかどうかを確認してください。

データベースのプリファレンスおよびプロパティの管理方法

JDeveloperでデータベース機能を使用する方法を制御できるプリファレンスは多数用意されています。

プリファレンスは「ツール」メニューにある「プリファレンス」ダイアログから使用できます。

表23-2

「プリファレンス」ダイアログのノード 設定可能な値

データベース

日時のデフォルト値が検証されないように選択します。

エクスポートDDLファイルのデフォルト・パスを設定します。

データベース: 拡張

SQL配列のフェッチ・サイズやNULL値の表示オプションなどのオプションを設定します。

データベース: 自動トレース/実行計画

SQLワークシートの「自動トレース」ページおよび「実行計画」ページに表示する情報を指定します。

データベース: ドラッグ・アンド・ドロップ

オブジェクトを「データベース」ウィンドウからSQLワークシートにドラッグするときにSQLワークシートに作成されるSQL文のタイプを指定します。

データベース: ライセンス

一部のJDeveloper機能では、その機能を使用するデータベース接続に対して特定のOracle Databaseオプションのライセンスが有効になっている必要があります。このページでは、定義済の接続ごとに、データベースにOracle Change Management Pack、Oracle Tuning PackおよびOracle Diagnostics Packが含まれているかどうかを指定できます。

この表示(ライセンスと接続の組合せ)の各セルの値は、true(ボックスがチェック済)、false(ボックスがクリア済)または無指定(塗りつぶし)にできます。

このペインで、接続に対してオプションにtrueと指定すると、そのオプションを必要とする機能にこの接続を使用した場合に、必要なオプションに関するメッセージは表示されません。

データベース: ナビゲーション・フィルタ

オブジェクトを「データベース」ウィンドウからSQLワークシートにドラッグするときにSQLワークシートに作成されるSQL文のタイプを指定します。

「データベース」ウィンドウに表示される、Oracleおよびサード・パーティ・データベースへの接続用オブジェクトのタイプを制御します。

必要なデータベース・タイプのタブを選択するには、「ナビゲーション・ツリー・フィルタの有効化」を選択します。タイプごとに、階層に表示される、該当タイプのデータベースへの接続用オブジェクトのタイプを選択できます。

データベース: JDBCドライバ・オプション

BI JDBCドライバ用としてJDBCドライバ、およびDB2、Informix、SQL ServerおよびSybase用としてWebLogic JDBCドライバを登録および管理します。

データベース: NLS

言語、地域、ソート・プリファレンス、日付書式などのグローバリゼーション・サポート・パラメータを指定します。

データベース: ObjectViewer

オブジェクト・ビューア・ウィンドウを固定するかどうか、および出力の表示オプションを指定します。

データベース: PL/SQLコンパイラ

PL/SQLサブプログラムのコンパイル用のオプションを指定します。

データベース: レポート

データベースが接続されていないときにJDeveloperでデータベース・レポートを閉じるかどうかを選択します。

チャートの行数の制限を選択します。デフォルトは1,000です。

データベース: SQL*Plus

SQL*Plusコマンド行ツールのパスを設定します。

データベース: SQLエディタ・コード・テンプレート

SQLおよびPL/SQLコードを編集するためのテンプレートを表示、追加および削除します。コード・テンプレートは、一般的によく使用される文のテキストを挿入することで、より迅速かつ効率的にコードを記述するのに役立ちます。

データベース: SQLフォーマッタ

SQLワークシートで文の書式を整える際の方法を制御できます。

データベース: ユーザー定義の拡張

(JDeveloperでは使用されません。)

データベース: ユーティリティ

ユーティリティのウィザードとエディタのデフォルト値を指定します。

データベース: ワークシート

SQLワークシートのオプションを指定します。

ダイアグラム: データベース

ダイアグラムの表示方法を制御するプリファレンスを設定します。

「プリファレンス」ダイアログでデータベース・プリファレンスを管理するには:

  1. 「ツール」→「プリファレンス」を選択します。

  2. 「プリファレンス」ページで、目的のページを選択します。作業中に詳細を参照するには、[F1]を押すか、ダイアログ内から「ヘルプ」をクリックします。

「プロジェクト・プロパティ」ダイアログでプロパティを管理するには:

  1. 「アプリケーション」→「プロジェクト・プロパティ」(現在のプロジェクトのみのプロパティを変更または指定する)または「デフォルト・プロジェクト・プロパティ」(デフォルト・プロパティを設定する)を選択します。
  2. ダイアログで、目的のページを選択します。作業中に詳細を参照するには、[F1]を押すか、ダイアログ内から「ヘルプ」をクリックします。

これらのプリファレンスおよびプロパティを管理するだけでなく、データベース接続内のスキーマまたはオブジェクトをフィルタして必要なもののみを表示することもできます。