1 Oracle Big Data Applianceの概要
この章では、Oracle Big Data Applianceの機能およびハードウェア・コンポーネントについて説明します。ここには使用方法の情報も含まれます。
この章の内容は次のとおりです。
1.1 Oracle Big Data Applianceについて
Oracle Big Data Applianceは、ソーシャル・メディア・フィード、電子メール、Webログ、写真、スマート・メーター、センサーなどのデバイスによって生成された大量のデータを取得して分析する目的で最適化されたハードウェアおよびソフトウェアのエンジニアド・システムです。
Oracle Big Data Applianceは、Oracle Exadata Database MachineおよびOracle Exalytics In-Memory Machineと連携し、エンタープライズ規模のパフォーマンス、可用性、保守性およびセキュリティを実現しながらすべてのデータ・タイプを最先端の方法で分析するようにエンジニアリングされています。
Oracle Linuxオペレーティング・システムおよびCloudera's Distribution including Apache Hadoop (CDH)は、Oracle Big Data Applianceにインストールされたその他すべてのソフトウェア・コンポーネントの基礎となります。
1.2 Oracle Big Data Applianceラック・コンポーネント
Oracle Big Data Applianceは、1つ以上のサーバー・ラックで構成されます。各ラックには、アプライアンスの内部ネットワークに接続したり、外部データ・センター・ネットワークに接続するためのネットワーク・スイッチが含まれます。各ラックは2台のPDUによってサポートされています。
表1-1 Oracle Big Data Applianceラック・コンポーネント
フルラック | スタータ・ラック | 説明 |
---|---|---|
18 |
6 |
新しいラック上のOracle Server X8–2L X7-2L、X6-2L、X5-2L、Sun Server X4-2L、Sun Server X3-2LおよびSun Fire X4270 M2が既存のラックおよび新しいX8ラックでサポートされています。 |
1 |
1 |
Sun Rack II 1242ベース |
2 |
2 |
Sun Network QDR InfiniBand Gateway NM2-GWスイッチ |
1 |
1 |
Sun Datacenter InfiniBand Switch 36 NM2-36Pスイッチ |
1 |
1 |
Cisco Nexus 9348GC-FXP (すべてのX8-2Lラック。2018年11月以降に購入されたすべてのX7-2Lラック。 Cisco Nexus 93108-1Gイーサネット・スイッチ(その時点以降にスイッチが交換されていないかぎり、2018年11月より前に購入されたすべてのX7-2Lラック。 Catalyst 4948-E-Fイーサネット・スイッチが既存のラックでサポートされています(Sun Fire X4270 M2ベース・ラックでの4948)。 |
2 |
2 |
配電ユニット |
0または1 |
0 |
KVM (Sun Fire X4270 M2ベース・ラックのみ) |
1.3 サーバー・コンポーネント
次の表に、現在サポートされているOracle Big Data Applianceサーバー・モデルの工場出荷時のコンポーネントを示します。
表1-2 Oracle Server X8–2Lコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Oracle Server X8-2Lサーバー・ベース |
2 |
Intel Xeon 8260、24コア、2.4 GHz、165Wプロセッサ |
12 |
14 TB HDD |
2 |
240GB M2のIntel SSDSCKKB240G8 Solid State Drive、FSB認定 |
8 |
32 GBのDDR4 - 2666 MHzメモリー、1.5TBに拡張可能 |
2 |
QDR (40Gb/秒)のインフィニバンド・ポート |
1 |
デュアルポートInfiniBand QDR CX3 (40 GB/秒) PCIe HCA |
1 |
組込みRJ45 1ギガビット・イーサネット・ポート |
表1-3 Oracle Server X7–2Lコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Oracle Server X7-2Lサーバー・ベース |
2 |
24コアIntel ® Xeon ® 8160プロセッサ |
12 |
10TBの7,200 RPM SASドライブ |
2 |
ミラー化M.2 150GB SATA SSDドライブ(X6-2Lに含まれているUSBフラッシュ・ドライブのかわり) |
8 |
32 GBのDDR4 - 2666 MHzメモリー、1.5TBに拡張可能 |
2 |
QDR (40Gb/秒)のインフィニバンド・ポート |
1 |
デュアルポートInfiniBand QDR CX3 (40 GB/秒) PCIe HCA |
1 |
組込みRJ45 1ギガビット・イーサネット・ポート |
次の表に、Oracle Server X6-2Lの工場出荷時のコンポーネントを示します。
表1-4 Oracle Server X6-2Lサーバー・コンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Oracle Server X6-2Lサーバー・ベース |
2 |
22コアIntel® Xeon® E5-2699 v4プロセッサ(2.2GHz) |
8 |
32GB DDR4-2400メモリー(最大768GBまで拡張可能) |
12 |
8TB 3.5インチ7200RPMドライブ高容量SAS (ホット・スワップ可能) |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager v3.1 (リモート管理用のイーサネット・ポート付属) |
2 |
4X QDR (40Gbps)インフィニバンド・ポート(デュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ・ネットワーク・インタフェース・カード1つ) |
4 |
組込みの10ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
8つの内部ポートおよび512MBのバッテリ・バックアップ付き書込みキャッシュを搭載したホスト・バス・アダプタ(ディスク・コントローラ)。12 Gbps SAS III PCIe 8P RAID-INT |
2 |
ホット・スワップ可能な冗長電源およびファン |
1 |
USB-2 4GBフラッシュ・ドライブ |
次の表に、Oracle Server X5-2の工場出荷時のコンポーネントを示します。
表1-5 Oracle Server X5-2 サーバー・コンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Oracle Server X5-2Lサーバー・ベース |
2 |
18コアIntel Xeon E5-2699 v3プロセッサ(2.3GHz) |
8 |
16GBのDDR4メモリー |
12 |
8TB 3.5インチ7200RPMドライブ高容量SAS (ホット・スワップ可能) |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager v3.1 (リモート管理用のイーサネット・ポート付属) |
2 |
4X QDR (40Gbps)インフィニバンド・ポート(デュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ・ネットワーク・インタフェース・カード1つ) |
4 |
組込みの10ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
8つの内部ポートおよび512MBのバッテリ・バックアップ付き書込みキャッシュを搭載したホスト・バス・アダプタ(ディスク・コントローラ)。12 Gbps SAS III PCIe 8P RAID-INT |
2 |
ホット・スワップ可能な冗長電源およびファン |
1 |
USB-2 4GBフラッシュ・ドライブ |
次の表に、Sun Server X4-2Lのコンポーネントを示します。
表1-6 Sun Server X4-2Lサーバー・コンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Sun Server X4-2Lサーバー・ベース |
2 |
8コアIntel Xeon E5-2650 v2プロセッサ(2.6GHz) |
8 |
8GB DDR3 2RX4 1600 MHz DIMM (64GB RAM、最大512GBまで拡張可能) |
12 |
8TB 3.5インチ7200RPMドライブ高容量SAS (ホット・スワップ可能) |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager v3.1 (リモート管理用のイーサネット・ポート付属) |
2 |
4X QDR (40Gbps)インフィニバンド・ポート(デュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ・ネットワーク・インタフェース・カード1つ) |
4 |
組込みの10ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
8つの内部ポートおよび512MBのバッテリ・バックアップ付き書込みキャッシュを搭載したホスト・バス・アダプタ(ディスク・コントローラ)。SAS III 6Gbps |
2 |
ホット・スワップ可能な冗長電源およびファン |
1 |
USB-2 4GBフラッシュ・ドライブ |
次の表に、Sun Server X3-2Lのコンポーネントを示します。
表1-7 Sun Server X3-2Lサーバー・コンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Sun Server X3-2Lサーバー・ベース |
2 |
8コアIntel Xeon E5-2660プロセッサ(2.2GHz) |
8 |
8GB DDR3 2RX4 1600 MHz DIMM (64GB RAM、最大512GBまで拡張可能) |
12 |
3TB 3.5インチ7200RPMドライブ高容量SAS (ホット・スワップ) |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager v3.1 (リモート管理用のイーサネット・ポート付属) |
2 |
4X QDR (4 Gbps)インフィニバンド・ポート(デュアル・ポートPCIe 2.0ホスト・チャネル・アダプタ・ネットワーク・インタフェース・カード1つ) |
4 |
組込みの10ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
8つの内部ポートおよび512MBのバッテリ・バックアップ付き書込みキャッシュを搭載したホスト・バス・アダプタ(ディスク・コントローラ)。SAS III 6 GBPS |
2 |
ホット・スワップ可能な冗長電源およびファン |
1 |
USB-2 4GBフラッシュ・ドライブ |
次の表に、Sun Fire X4270 M2のコンポーネントを示します。
表1-8 Sun Fire X4270 M2サーバー・コンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
1 |
Sun Fire X4270 M2サーバー・ベース |
2 |
6コアIntel Xeon X5675プロセッサ(3.06GHz) |
6 |
8GB DDR3 2RX4 1333MHz DIMM (48GB RAM) |
12 |
3TB 3.5インチ7200RPMドライブ |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager v3.0のイーサネット・ポート(リモート管理用) |
1 |
デュアル・ポート4X QDR (40Gbps)インフィニバンド・ホスト・チャネル・アダプタ・ネットワーク・インタフェース・カード |
1 |
8つの内部ポートおよび512MBのバッテリ・バックアップ付き書込みキャッシュを搭載したホスト・バス・アダプタ(ディスク・コントローラ)。 |
2 |
冗長電源およびファン |
4 |
組込みの1ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
USB-2 4GBフラッシュ・ドライブ |
1.4 予備部品キット・コンポーネント
X7-2L予備部品キット
Oracle Big Data Appliance予備部品キットには、アクセサリ・キット、ケーブルおよびドキュメントが含まれます。表1-9および表1-10に、同梱の予備品を示します。
このキットには、予備のディスク・ドライブは含まれていません。
表1-9 同梱のコンポーネントおよびアクセサリ
部品番号 | 数量 | 説明 |
---|---|---|
590-896-501B |
1 |
LCDアクセサリ・キット(Sun Fire X4270 M2ベース・ラックのみ) |
- |
1 |
Oracleストレージ・サーバーのドキュメント・キット |
- |
1 |
ラック・アクセサリ・キット |
53-2332-xx |
1 |
表1-10 同梱のケーブル
部品番号 | 長さ | 数量 | 説明 |
---|---|---|---|
530-4446-01 | 5m | 10 | QSFPパッシブ銅線予備(マルチラック用) |
530-4445-01 |
3m |
7 |
QSFPパッシブ銅線ケーブルこのうち6個はマルチラック用です。7個目は追加の予備です。 |
350-1519-01 |
- |
1 |
NM2シリアル・ケーブル・キット(USB-シリアル・アダプタおよびヌルモデム・ケーブルを含む)。 |
表1-11に、Oracle Big Data Applianceラックの中央部に固定されている予備ケーブルを示します。
表1-11 ラック内予備ケーブル
部品番号 | 長さ | 数量 | 説明 |
---|---|---|---|
530-4445-01 |
3m |
1 |
|
530-4435-01 |
10フィート |
1 |
黒カテゴリ5 |
530-4433-01 |
10フィート |
1 |
赤カテゴリ5 |
表1-12 インフィニバンド・スイッチ間ケーブルと付属の予備
ケーブル | スイッチ間 | 予備 | 合計 |
---|---|---|---|
インフィニバンド2mケーブル |
7 |
0 |
7 |
インフィニバンド3mケーブル |
2 |
6 |
8 |
インフィニバンド5mケーブル |
0 |
10 |
10 |
表1-13 様々なマルチラック・システムに必要なケーブルの合計数
ラックの数 | 必要な3mケーブル | 必要な5mケーブル | 必要な10mケーブル |
---|---|---|---|
2 |
16 |
16 |
0 |
3 |
18 |
30 |
0 |
4 |
16 |
40 |
8 |
5 |
20 |
42 |
18 |
6 |
24 |
46 |
26 |
7 |
28 |
44 |
40 |
8 |
16 |
52 |
60 |
1.5 Oracle Big Data Appliance管理ソフトウェア
ソフトウェア・コンポーネントは、Oracle Big Data Applianceラックのすべてのサーバーにインストールされています。Oracle Linux、必要なドライバ、ファームウェアおよびハードウェア検証ユーティリティは、工場出荷時にインストール済です。次のツールが含まれます。
ノート:
特に指示されていないかぎり、「Oracle Big Data Applianceユーティリティ」を参照してください。
-
Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)は、Oracle Big Data Applianceラックのサーバーとスイッチを管理および監視するために使用できる、事前インストールされた専用のハードウェアおよびソフトウェアで構成されます
-
setup-root-ssh
ユーティリティは、Oracle Big Data Applianceラックのすべてのサーバーでroot
ユーザーに対してパスワードなしSSHを設定します。パスワードなしSSHの設定を参照してください。 -
dcli
ユーティリティは、Oracle Big Data Appliance上のサーバー・グループ全体でコマンドを実行して出力を返します。「クラスタ全体でのdcliユーティリティを使用したコマンドの実行」を参照してください。 -
様々なユーティリティによって、クラスタおよびネットワークの健全性がチェックされます。
エンド・ユーザー・ソフトウェアは、すべてMammothユーティリティを使用してサイトにインストールします
関連項目:
-
Oracle Enterprise Manager Cloud ControlとCloudera Managerを使用してOracle Big Data Applianceを監視する方法の詳細は、『Oracle Big Data Applianceソフトウェア・ユーザーズ・ガイド』を参照してください
1.6 サポートのガイドライン
オラクル社では、Oracle Big Data Applianceのハードウェアおよびソフトウェアに対する顧客の変更のサポートについてガイドラインを定めています。オラクル社のサポートは、これらのガイドラインに対する顧客のコンプライアンスによって異なります。
『Oracle Big Data Applianceライセンス情報ユーザー・マニュアル』のサポートを受けるための条件としての使用制限に関する項を参照してください