この付録では、Oracle VM Agentのアーキテクチャおよび配置オプションの詳細を説明します。 内容は次のとおりです。
Oracle VM AgentはOracle VM Serverとともにインストールされます。 Oracle VM Managerは、Oracle VM Agentを介してOracle VM Serverで実行されている仮想マシンを管理します。 次の3種類のエージェントが実装されます。
Oracle VMの配置アーキテクチャでは、サーバー・プールが使用されます。このサーバー・プール内のOracle VM Server間でストレージへのアクセスが共有されます。 ゲスト仮想マシンは共有ストレージに格納され、サーバー・プールのワークロードを均等に分散する次の2つの方法のいずれかを使用して、いずれかのOracle VM Serverに配置されます。
自動: プール内のOracle VM Serverうち、ゲスト仮想マシンの起動に使用できるリソース(メモリーなど)が最大のものが選択されます。
手動: ユーザーが、ゲスト仮想マシンを起動して実行できる優先サーバーとしてOracle VM Serverのプールを指定できます。
ゲスト仮想マシンはサーバー・プール内の特定の物理的なOracle VM Serverにはバインドされていません。したがって、Oracle VM Managerで優先サーバーが明示的に指定されていないかぎり、個々のOracle VM Serverが偶然メンテナンスのために停止していたり、そのときに使用できない状態になっていることが原因で、ゲスト仮想マシンの起動が妨げられることはありません。 また、ロード・バランシング・アルゴリズムは、最大のリソースを使用できるOracle VM Serverにゲスト仮想マシンを配置するため、サーバー・プールの集計パフォーマンスを最大限に引き出すのにも役立っています。
Oracle VM Managerは、Oracle VM Agentと通信して、サーバー・プール内のゲスト仮想マシンおよびOracle VM Serverを管理します。 Oracle VMの配置時に使用できる構成オプションは多数あります。
サーバー・プール・マスター、ユーティリティ・サーバーおよび仮想マシン・サーバーを同じコンピュータに配置できます。
サーバー・プール・マスターとユーティリティ・サーバーを同じコンピュータに配置し、仮想マシン・サーバーを別のコンピュータに配置できます。
3つのOracle VM Serverのエージェント・コンポーネントのすべてを別々のコンピュータに配置できます。
図D-2「Oracle VMの配置」は、Oracle VM Serverを管理するための配置オプションを示しています。
サーバー・プールは、1つ以上の物理的なOracle VM Serverで構成され、ゲストが格納されているストレージの論理ビューを示します。
図D-2「Oracle VMの配置」のサーバー・プール1では、3つのエージェントのすべてが単一のOracle VM Serverに配置されていますが、サーバー・プール3は個々のOracle VM Serverに配置されています。 サーバー・プール2は、より一般的な配置を示しています。 サーバー・プール・マスターとユーティリティ・サーバーは1台のコンピュータに配置され、仮想マシン・サーバーは他の(1台または複数の)コンピュータに配置されています。 仮想マシン・サーバーで実行されるゲストはリソースのかなりの部分を使用する可能性があるため、一般的に専用コンピュータが別に用意されるからです。このように配置することで、全体のパフォーマンスが向上します。
サーバー・プールに数台以上のゲストが存在する中規模から大規模の環境では、サーバー・プール・マスターとユーティリティ・サーバーの機能をまとめて配置するか、またはサーバー・プール3に示されているように、ゲストをホストしない独立した専用のOracle VM Serverに個別に配置することをお薦めします。これによって、サーバー・プール・マスターおよびユーティリティ・サーバーの使用量が増加しても、ゲストでホストされているワークロードのパフォーマンスに影響が及ばないようにします。
図D-2「Oracle VMの配置」のストレージは、サーバー・プール専用のマウントされたファイル・システムです。サーバー・プールのOracle VM Serverで共有されるゲスト、外部リソースおよびその他のデータ・ファイルを格納します。
Oracle VM Agentコンポーネントの配置方法は、Oracle VM Managerを使用して決定します。 Oracle VM Serverを使用して構成することはできません。 図D-2「Oracle VMの配置」の構成のいずれかで仮想マシンを管理するようにOracle VM Managerを設定できます。 仮想マシンおよびサーバー・プールの管理設定の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。