3 Oracle ExadataラックのOracle Exadata Storage Serverの保守
Oracle Exadata Storage Serverに含まれているディスクやメモリー・デバイスには保守が必要になることがあります。
注意:
- 読みやすさを考慮して、Oracle Exadata Database MachineとOracle Exadata Storage拡張ラックの両方に言及する場合、「Oracle Exadataラック」という名前を使用します。
- この章のすべての手順は、Oracle Exadata Database MachineおよびOracle Exadata Storage拡張ラックに適用されます。
- Oracle Exadata Storage Serverの保守
この項では、Oracle Exadata Storage Serverの保守を実行する方法について説明します。 - 拡張(XT)ストレージ・サーバーの使用
Oracle Exadata Storage Server X8-2拡張(XT)は、アクセス頻度の低いデータ、古いデータまたは規制データに使用できる低コストのストレージ・オプションを提供します。 - Oracle Exadata Storage Serverのハード・ディスクの保守
- Oracle Exadata Storage Serverのフラッシュ・ディスクの保守
- Oracle Exadata Storage ServerのPMEMデバイスの保守
PMEMデバイスに障害が発生すると、データが自動的にリカバリされます。 - Oracle Exadata Storage ServerのM.2ディスクの保守
Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムには、システム領域を格納する2つの内蔵M.2デバイスが付属しています。 - ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
セルのRAMキャッシュはフラッシュ・キャッシュの直前にあるキャッシュとして、データベース・キャッシュを拡張します。フラッシュ・キャッシュよりも高速ですが、容量が小さくなります。 - グリッド・ディスクのサイズ変更
グリッド・ディスクとOracle ASMディスク・グループのサイズを変更して、空き領域が多すぎるディスクはサイズを減らし、最大容量に近いディスクはサイズを増やすことができます。 - Oracle Exadata System Softwareのレスキュー手順の使用
両方のシステム・ディスクで同時に障害が発生するまれな事例の場合、Oracle Exadata System Software CELLBOOT USBフラッシュ・ドライブで提供されるOracle Exadata Storage Serverレスキュー機能を使用する必要があります。 - ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
エラスティック構成を使用すると、Oracle Exadata Database Machineの容量を変更できます。
3.1 Oracle Exadata Storage Serverの保守
この項では、Oracle Exadata Storage Serverの保守を実行する方法について説明します。
- Exadata Storage Serverのシャットダウン
Exadata Storage Serverの保守を実行する場合、セルの電源切断または再起動が必要になることがあります。 - リバランス操作のステータスのチェック
ディスクの削除時または追加時に、Oracle ASMリバランス操作のステータスを確認できます。 - 診断ISOを使用したネットワーク接続の有効化
ストレージ・サーバーが再起動しない場合は、セルにアクセスして手動で修復できるようにするために、診断ISOが必要になることがあります。
3.1.1 Exadata Storage Serverのシャットダウン
Exadata Storage Serverの保守を実行する場合、セルの電源切断または再起動が必要になることがあります。
1つ以上のデータベースの実行中にExadata Storage Serverを停止する場合、Exadata Storage ServerのオフラインによるOracle ASMディスク・グループおよびデータベース可用性への影響がないことを確認する必要があります。データベースの可用性に影響を及ぼすことなくExadata Storage Serverをオフラインにする機能は、影響を受けるディスク・グループで使用されるOracle ASMの冗長性レベルによって異なります。可用性は、オフラインにするExadata Storage Serverのデータのミラー・コピーを持つ他のExadata Storage Serverのディスクの現在のステータスによっても異なります。
3.1.2 リバランス操作のステータスのチェック
ディスクの削除時または追加時に、Oracle ASMリバランス操作のステータスを確認できます。
-
リバランス操作が正常に完了している可能性があります。Oracle ASMアラート・ログを確認してください。
-
リバランス操作が現在実行されている可能性がある場合。
GV$ASM_OPERATION
ビューを確認して、リバランス操作が実行されているかどうか判別します。 -
リバランス操作が失敗した可能性がある場合。
V$ASM_OPERATION.ERROR
ビューを確認して、リバランス操作が失敗したかどうか判別します。 -
交換される物理ディスクに複数のディスク・グループのOracle ASMディスクが含まれる場合、複数のディスク・グループのリバランス操作を同じクラスタの異なるOracle ASMインスタンスで実行できます。Oracle ASMインスタンスは、一度に1つのリバランス操作を実行できます。すべてのOracle ASMインスタンスがビジー状態の場合、リバランス操作がキューに入れられます。
注意:
BP4のOracle Databaseリリース12.1.0.2と一緒にOracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.0を実行しているOracle Exadata Storage Serverの場合、Oracle ASMはリバランス操作のステータスについての電子メールを送信します。以前のリリースでは、管理者が操作のステータスをチェックする必要がありました。
3.2 拡張(XT)ストレージ・サーバーの使用
Oracle Exadata Storage Server X8-2拡張(XT)は、アクセス頻度の低いデータ、古いデータまたは規制データに使用できる低コストのストレージ・オプションを提供します。
- Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーについて
Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーは、オンライン状態の維持が必要なアクセス頻度の低いデータに向けて、Exadata Database Machineの操作性および管理性の利点を拡張するために利用できます。 - Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーに格納できるデータについて
Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーは、アクセス頻度の低いデータ、古いデータまたは規制データのために低コストのストレージを提供することを目的としています。 - Exadata XTストレージ・サーバーのスマート・スキャンの有効化
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーのOracle Exadata System Softwareライセンスを購入していると、スマート・スキャンやストレージ索引などのパフォーマンスを向上するための機能を有効化できます。
3.2.1 Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーについて
Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーは、オンライン状態の維持が必要なアクセス頻度の低いデータに向けて、Exadata Database Machineの操作性および管理性の利点を拡張するために利用できます。
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーごとに、12台の14TB SASディスク・ドライブ(合計168TBのRAWディスク容量)が組み込まれています。低コストを実現するために、フラッシュは組み込まれていません。また、Oracle Exadata System Softwareのライセンスはオプションです。ハイブリッド列圧縮はデフォルトで組み込まれていますが、ソフトウェア機能の一部はライセンスなしでは無効化されています。
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーは、Oracle Exadataラック内のその他のサーバーと同じRDMAネットワーク・ファブリックを使用します。Oracle Exadata XTストレージ・サーバーにより、アプリケーションに対する透過性、SQLに対する透過性、および同一の操作モデルを維持したまま、ストレージ容量が追加されます。Exadataに使用しているものと同じセキュリティ・モデルと暗号化を使用できます。
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーは、X4以降のエイス・ラック構成を含むOracle Exadataラックに追加できます。最初に少なくとも2台のサーバーを追加する必要があります。最初の2台のサーバーを追加した後は、Oracle Exadata XTストレージ・サーバーを必要に応じて追加できます。高冗長性を実装するには、最小3台のOracle Exadata XTストレージ・サーバーが必要になります。XTストレージ・サーバーは、High Capacity (HC)およびExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーと同じ配置パターンに従います。
Oracle ASMディスク・グループは、ストレージ・サーバー(HC、EFまたはXT)のいずれかのタイプのみが提供するストレージを使用する必要があります。Oracle Exadata XTストレージ・サーバーをラックに追加したら、そのストレージを使用するディスク・グループを作成します。XTストレージ・サーバーのデフォルトのディスク・グループ名はXTNDです。ただし、別の名前を必要に応じて使用することもできます。
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーは、Oracle Databaseに完全統合されるストレージを提供します。Oracleパーティション化、Oracle自動データ最適化、Oracle拡張圧縮などのデータベース機能が備わった新しいディスク・グループを使用できます。
親トピック: 拡張(XT)ストレージ・サーバーの使用
3.2.2 Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーに格納できるデータについて
Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーは、アクセス頻度の低いデータ、古いデータまたは規制データのために低コストのストレージを提供することを目的としています。
Oracle Exadata拡張(XT)ストレージ・サーバーは、必須データのオンライン状態を維持して問合せで利用できるようにするために役立ちます。次のようなデータが挙げられます。
- 履歴データ
- イメージ、BLOB、契約内容などの大きな表ベースのオブジェクト
- コンプライアンスおよび規制データ
- ローカル・バックアップ
XTストレージ・サーバーは、本番データベースと比べてパフォーマンス要件の緩い開発データベースにストレージを提供することもできます。
親トピック: 拡張(XT)ストレージ・サーバーの使用
3.2.3 Exadata XTストレージ・サーバーのスマート・スキャンの有効化
Oracle Exadata XTストレージ・サーバーのOracle Exadata System Softwareライセンスを購入していると、スマート・スキャンやストレージ索引などのパフォーマンスを向上するための機能を有効化できます。
親トピック: 拡張(XT)ストレージ・サーバーの使用
3.3 Oracle Exadata Storage Serverのハード・ディスクの保守
Oracle Exadataラック内のすべてのOracle Exadata Storage Serverにシステム領域があり、その領域にOracle Exadata System Softwareシステム・ソフトウェアが常駐しています。Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムでは、このシステム領域は2つの内蔵M.2デバイスにあります。その他すべてのシステムでは、Oracle Exadata Storage Serverの最初の2つのディスクがシステム・ディスクとなっています。これらのシステム・ディスクの一部はシステム領域と呼ばれています。
Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムでは、セル内のハード・ディスクはすべてデータ・ディスクになっています。Oracle Exadata Database Machine X7より前のシステムでは、システム・ディスクのシステム領域以外の部分(データ・パーティションと呼ばれる)が通常のデータ・ストレージとして使用されます。セル内の他のディスクはすべてデータ・ディスクです。
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.0以降では、ディスク障害が発生すると、Oracle Exadata System Softwareによってディスクが交換可能であることを示すアラートが送信され、そのディスクの外部にすべてのデータがリバランスされた後で予測障害のあるハード・ディスクの青色の取外しOKのLEDが点灯します。リリース11.2.3.2.0より前のOracle Exadata System Softwareでは、ハード・ディスクに予測障害がある場合、青色のLEDではなく黄色の障害サービス必須LEDが点灯していました。このような場合、ディスクの交換を進める前に、すべてのデータがそのディスクの外部にリバランスされたかどうかを手動でチェックする必要があります。
Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0およびOracle Exadata Database Machine X7システム以降では、冗長性が低くなったことを示す白色のサービス不可LEDが追加され、これにより、システム管理者やフィールド・エンジニアは、サービスのためにストレージ・サーバーの電源を切断することは避ける必要があることがわかります。冗長性がリストアされると、Oracle Exadata System Softwareによりサービス不可LEDが自動的に消灯され、サービスのためにセルの電源を切断できることが示されます。
ハード・ディスクで障害が発生すると、ドライブの青色の取外しOKのLEDと黄色の障害サービス必須LEDが両方とも点灯し、ディスク交換作業を実施できることが示されます。動作はすべてのリリースで同じです。Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.0以降ではドライブLEDが点灯しますが、それより前のリリースではドライブLEDが点滅します。
注意:
Oracle Exadata Storage Serverの物理ディスクを交換しているあいだ、Oracle Exadataラックはオンラインであり、使用可能です。この項では、次の項目について説明します。
- ハード・ディスクのステータスの監視
ハード・ディスクのステータスは、CellCLILIST PHYSICALDISK
コマンドを使用して属性をチェックすることで監視できます。 - ハード・ディスク・コントローラのライトスルー・キャッシュ・モードの監視
各Oracle Exadata Storage Serverのハード・ディスク・コントローラは、定期的にコントローラのバッテリの放電と充電を実行します。操作中は、書込みキャッシュ・ポリシーにより、ライトバック・キャッシュからライトスルー・キャッシュに変更されます。 - ディスク障害によるハード・ディスクの交換
- ディスクの問題によるハード・ディスクの交換
ハード・ディスクが警告 - 予測障害
ステータスになったために、ディスクの交換が必要になることがあります。 - 低いパフォーマンスによるハード・ディスクの交換
1つの不良ハード・ディスクが、その他の正常なディスクのパフォーマンスを低下させることがあります。不良ディスクはそのままにしないでシステムから削除する必要があります。 - ハード・ディスクの事前交換
Exadata Storageソフトウェアは、ハード・ディスクで障害が発生した場合や、問題のあるディスクとしてフラグが設定された場合に、ハード・ディスクを保守するための自動化された操作を完備しています。ただし、状況によっては、構成からハード・ディスクを事前に取り外すことが必要になります。 - 別のExadata Storage Serverへのすべてのドライブの移動
Exadata Storage Server間ですべてのドライブの移動が必要になることがあります。 - ハード・ディスクの再利用
ディスクのすべてのデータを削除して、別の目的にディスクを使用できます。 - 同じハード・ディスクの取外しおよび交換
誤って意図しないハード・ディスクを取り外した場合はどうなるでしょうか。 - 拒否されたハード・ディスクの再有効化
不適切なスロットに挿入されたことが原因で物理ディスクが拒否された場合は、ディスクを再び有効にすることができます。
関連トピック
3.3.1 ハード・ディスクのステータスの監視
CellCLI LIST PHYSICALDISK
コマンドを使用して属性をチェックすることによって、ハード・ディスクのステータスを監視できます。
たとえば、ハード・ディスクのステータスが障害
(以前のリリースでは、障害が発生したハード・ディスクのステータスはクリティカル
でした)または警告 - 予測障害
と同等の場合、問題が発生している可能性があり、交換が必要です。内部しきい値を超えると、ディスク・ファームウェアによってエラー・カウンタが保守され、ドライブはPredictive Failure
とマーク付けされます。交換が必要かどうかは、セル・ソフトウェアではなくドライブによって決定されます。
ディスクI/Oエラーが発生すると、Oracle ASMはメディア・エラーによる読取りエラーの障害範囲の修理を実行します。ディスクはオンラインのままで、アラートは送信されません。Oracle ASMが物理的に対処されたメタデータ・ブロックに関する読取りエラーを取得すると、ブロックはミラーリングされず、ディスクはオフラインになります。その後、Oracle ASMはFORCE
オプションを使用してディスクを削除します。
Oracle Exadata Storage Serverのハード・ディスク・ステータスは次のとおりです。
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.3以降:
- 正常
- 正常 - 交換のため切断
- 正常 - 制限されたオンライン
- 正常 - 制限されたオンライン - 交換のため切断
- 存在しない
- 失敗
- 障害 - 交換のため切断
- 障害 - 不適切なディスク・モデルのため拒否
- 障害 - 不適切なディスク・モデルのため拒否 - 交換のため切断
- 障害 - 間違ったスロットのため拒否
- 障害 - 間違ったスロットのため拒否 - 交換のため切断
- 警告 - 制限されたオンライン
- 警告 - 制限されたオンライン - 交換のため切断
- 警告 - ピア障害
- 警告 - 低いパフォーマンス
- 警告 - 低いパフォーマンス - 交換のため切断
- 警告 - 低いパフォーマンス、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - 予測障害、低いパフォーマンス
- 警告 - 予測障害、低いパフォーマンス - 交換のため切断
- 警告 - 予測障害、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - 予測障害
- 警告 - 予測障害 - 交換のため切断
- 警告 - 予測障害、低いパフォーマンス、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - ライトスルー・キャッシュ
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2:
- 正常
- 正常 - 制限されたオンライン
- 存在しない
- 失敗
- 障害 - 不適切なディスク・モデルのため拒否
- 障害 - 間違ったスロットのため拒否
- 警告 - 制限されたオンライン
- 警告 - ピア障害
- 警告 - 低いパフォーマンス
- 警告 - 低いパフォーマンス、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - 予測障害、低いパフォーマンス
- 警告 - 予測障害、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - 予測障害
- 警告 - 予測障害、低いパフォーマンス、ライトスルー・キャッシュ
- 警告 - ライトスルー・キャッシュ
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.1.1以前:
- 正常
- critical
- 低いパフォーマンス
- 予測障害
- 存在しない
3.3.2 ハード・ディスク・コントローラのライトスルー・キャッシュ・モードの監視
各Oracle Exadata Storage Serverのハード・ディスク・コントローラは、定期的にコントローラのバッテリの放電と充電を実行します。操作中は、書込みキャッシュ・ポリシーにより、ライトバック・キャッシュからライトスルー・キャッシュに変更されます。
ライトスルー・キャッシュ・モードはライトバック・キャッシュ・モードより時間を要します。ただし、Oracle Exadata Storage Serverの電源が落ちたり障害が発生したりすると、ライトバック・キャッシュ・モードの場合はデータ損失のリスクがあります。Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.1.3以前の場合は、この処理が毎月発生します。リリース11.2.1.3.0以上のOracle Exadata System Softwareの場合、この処理は3か月ごとに発生します(例: 1月、4月、7月、10月の17日の01:00時)。
3.3.3 ディスク障害によるハード・ディスクの交換
ハード・ディスクの停止により、パフォーマンスおよびデータの冗長性の低下が発生する場合があります。したがって、すぐにディスクを新しいディスクに交換する必要があります。ディスクに障害が発生すると、ハード・ディスクのグリッド・ディスクに関連するOracle ASMディスクがFORCE
オプションで自動的に削除され、Oracle ASMリバランスでデータの冗長性がリストアされます。
ディスクに障害が発生すると、Exadataアラートが生成されます。アラートには、ディスクを交換する特定の手順が含まれます。システムのアラート通知を構成している場合、電子メールでアラートが指定したアドレスに送信されます。
ハード・ディスクを交換すると、そのスロットの前のディスクにあったグリッド・ディスクとセル・ディスクは新しいハード・ディスクに再作成されます。これらのグリッド・ディスクがOracle ASMグループの一部である場合、ディスク・グループの冗長性およびASM_POWER_LIMIT
パラメータに基づいて、ディスクがディスク・グループに追加され、データがリバランスされます。
注意:
BP4のOracle Databaseリリース12.1.0.2と一緒にOracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.0を実行しているストレージ・サーバーの場合、Oracle ASMはリバランス操作のステータスについての電子メールを送信します。以前のリリースでは、管理者が操作のステータスをチェックする必要がありました。
以前のリリースのリバランス操作ステータスについて、「リバランス操作のステータスのチェック」を参照してください
次の手順は、ディスク障害によるハード・ディスクの交換方法を示しています。
まれに、自動ファームウェア更新が機能せず、LUNが再構築されない場合があります。これは、ms-odl.trc
ファイルをチェックして確認できます。
関連項目:
-
V$ASM_OPERATION
ビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 -
リバランス操作の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
3.3.4 ディスクの問題によるハード・ディスクの交換
ハード・ディスクが警告 - 予測障害
ステータスになったために、ディスクの交換が必要になる場合もあります。
予測障害
ステータスは、ハード・ディスクに障害が発生する可能性があり、できるだけすぐに交換する必要があることを示します。ハード・ドライブのグリッド・ディスクに関連するOracle ASMディスクが自動的に削除され、Oracle ASMリバランスで障害が発生する可能性のあるディスクから他のディスクにデータが移動されます。
ハード・ドライブが故障する前に削除を完了できなかった場合は、「ディスク障害によるハード・ディスクの交換」を参照してください
ディスクを削除すると、アラートが送信されます。ハード・ディスクを交換すると、スロットの前のディスクにあったグリッド・ディスクとセル・ディスクは新しいハード・ディスクに再作成されます。これらのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループの一部である場合、ディスク・グループの冗長性およびASM_POWER_LIMIT
パラメータに基づいて、ディスクがディスク・グループに追加され、データがリバランスされます。
注意:
BP4のOracle Databaseリリース12.1.0.2と一緒にOracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.0を実行しているOracle Exadata Storage Serverでは、Oracle ASMはリバランス操作のステータスについての電子メールを送信します。以前のリリースでは、管理者が操作のステータスをチェックする必要がありました。
以前のリリースのリバランス操作ステータスについて、「リバランス操作のステータスのチェック」を参照してください
関連項目:
- Exadata Storage Serverの部品
V$ASM_OPERATION
ビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。- リバランス操作のチューニングの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
V$ASM_DISK_STAT
ビューの問合せの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。- 『Oracle Exadata System Softwareユーザーズ・ガイド』の
ALTER CELL VALIDATE CONFIGURATION
コマンドに関する項
3.3.5 低いパフォーマンスによるハード・ディスクの交換
1つの不良ハード・ディスクが、他の正常なディスクのパフォーマンスを低下させることがあります。不良ディスクはそのままにしないでシステムから削除する必要があります。
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2以降では、パフォーマンスの低いディスクが自動的に識別され、アクティブな構成から削除されます。その後、Oracle Exadata Database Machineにより一連のパフォーマンス・テストが実行されます。CELLSRVでパフォーマンスの低いディスクが検出されると、セル・ディスクのステータスが正常 - 制限されたオンライン
に変更され、ハード・ディスクのステータスが警告 - 制限されたオンライン
に変更されます。
次の状況はディスク制限のトリガーとなります。
-
ディスクの応答停止。ストレージ・アラート・ログ内の原因コードは
CD_PERF_HANG
です。 -
セル・ディスクの速度低下。次に例を示します。
-
サービス時間のしきい値が高い(原因コード
CD_PERF_SLOW_ABS
) -
相対的サービス時間のしきい値が高い(原因コード
CD_PERF_SLOW_RLTV
)
-
-
読取りまたは書込みでの長期待機時間。次に例を示します。
-
書込みでの待機時間が長い(原因コード
CD_PERF_SLOW_LAT_WT
) -
読取りでの待機時間が長い(原因コード
CD_PERF_SLOW_LAT_RD
) -
読取りおよび書込みでの待機時間が長い(原因コード
CD_PERF_SLOW_LAT_RW
) -
頻繁に発生する個々のI/Oでの絶対的待機時間が非常に長い(原因コード
CD_PERF_SLOW_LAT_ERR
)
-
-
I/Oエラーなどのエラー(原因コード
CD_PERF_IOERR
)。
ディスクの問題が一時的なものであり、テストに合格した場合は、そのディスクは構成に戻されます。ディスクがテストに合格しない場合は、poor performance
としてマークされ、Oracle Auto Service Request (ASR)によりディスク交換のためのサービス・リクエストが送信されます。可能な場合は、Oracle ASMによりグリッド・ディスクがテスト用にオフラインに変更されます。Oracle ASMがディスクをオフラインに変更できない場合、セル・ディスクのステータスは、ディスクを安全にオフラインに変更できるようになるまで、normal - confinedOnline
のまま変わりません。
ディスクのステータスの変更は、セルのアラート履歴にある次のエントリに関連付けられています。
MESSAGE ID date_time info "Hard disk entered confinement status. The LUN
n_m changed status to warning - confinedOnline. CellDisk changed status to normal
- confinedOnline. Status: WARNING - CONFINEDONLINE Manufacturer: name Model
Number: model Size: size Serial Number: serial_number Firmware: fw_release
Slot Number: m Cell Disk: cell_disk_name Grid Disk: grid disk 1, grid disk 2
... Reason for confinement: threshold for service time exceeded"
ストレージ・セルのアラート・ログには次の情報が記録されます。
CDHS: Mark cd health state change cell_disk_name with newState HEALTH_BAD_
ONLINE pending HEALTH_BAD_ONLINE ongoing INVALID cur HEALTH_GOOD
Celldisk entering CONFINE ACTIVE state with cause CD_PERF_SLOW_ABS activeForced: 0
inactiveForced: 0 trigger HistoryFail: 0, forceTestOutcome: 0 testFail: 0
global conf related state: numHDsConf: 1 numFDsConf: 0 numHDsHung: 0 numFDsHung: 0
...
注意:
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2より前のリリースでは、CALIBRATE
コマンドを使用して不良ハード・ディスクを識別し、各ハード・ディスクについてスループットやIOPSが極端に低くないか調べてください。
次の手順は、不良ディスクが確認された場合のハード・ディスクの取外し方法を示しています。
関連項目:
-
ディスク・グループからのディスクの削除の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
3.3.6 ハード・ディスクの事前交換
Exadata Storageソフトウェアでは、ハード・ディスクで障害が発生したり、問題のあるディスクとしてフラグ付けされた場合に、自動化された一連の操作でディスクを保守できます。ただし、状況によっては、構成からハード・ディスクを事前に取り外すことが必要になります。
CellCLIのALTER PHYSICALDISK
コマンドでは、drop for replacement
オプションによって、データ損失のリスクなく安全に、正常に機能しているハード・ディスクを削除できるかどうかが確認されます。ただし、コマンドを実行した後、ストレージ・セルでハード・ディスクのグリッド・ディスクが非アクティブ化され、Oracle ASMディスク・グループでオフラインに設定されます。
ハード・ディスクが交換または再有効化され、後続のリバランスが完了するまで、ディスク・グループの冗長性が損なわれます。このことは、標準冗長性を使用するディスク・グループにおいて特に重要です。
ディスク・グループで十分な冗長性を確保できないリスクを抑えて、事前にハード・ディスクを交換するには、次の手順を実行します。
3.3.7 別のExadata Storage Serverへのすべてのドライブの移動
Exadata Storage Serverから別のExadata Storage Serverへのすべてのドライブの移動が必要になることがあります。
この作業が必要になるのは、マザーボードやILOM障害などのシャーシ・レベルのコンポーネント障害がある場合またはハードウェアの問題のトラブルシューティングを行う場合です。
関連項目:
-
Oracle Exadata Database Machine Oracle Auto Service Requestクイック・インストレーション・ガイド
- CellCLIユーティリティの詳細
-
ディスク修復時間の詳細は、Oracle Automatic Storage Management管理者ガイドを参照してください
3.3.8 ハード・ディスクの再利用
ディスクのすべてのデータを削除し、別の目的でディスクを使用できます。
ハード・ディスクを再利用する前に、ディスクのデータをコピーしてください。
システム・ディスク(ディスク0およびディスク1)に対してこの手順を使用した場合は、データ・パーティションのみが消去され、システム・パーティションは消去されません。
3.3.9 同じハード・ディスクの取外しおよび交換
誤って意図しないハード・ディスクを取り外した場合はどうなるでしょうか。
不注意で間違ったハード・ディスクを取り外した場合、ディスクを元に戻します。Oracle ASMディスク・グループに自動的に追加され、そのデータは再同期化されます。
注意:
ディスク障害またはディスクの問題でディスクを交換すると、ディスク上でLEDが点灯し識別できます。
3.4 Oracle Exadata Storage Serverのフラッシュ・ディスクの保守
データはExadataセル間でミラー化され、書込み操作が少なくとも2つのストレージ・セルに送信されます。Oracle Exadata Storage Serverのフラッシュ・カードに問題が発生すると、別のOracle Exadata Storage Serverのミラー化されたデータによって読取りおよび書込み操作が実行されます。アプリケーションでサービスの中断は発生しません。
ライトバック・モード時にフラッシュ・カードに障害が発生すると、Oracle Exadata System Softwareは、残存ミラーからデータを読み取ってフラッシュ・キャッシュ内のデータを確認します。次に、フラッシュ・カードに障害が発生したセルにデータが書き込まれます。障害が発生したフラッシュ・キャッシュ内での損失データの場所が、Oracle Exadata System Softwareによってフラッシュの障害発生時に保存されます。損失データをミラー・コピーに置き換えることにより、復元が開始されます。復元中、グリッド・ディスクのステータスはACTIVE -- RESILVERING WORKING
になります。PMEMキャッシュがライトスルー・モードになっている場合、障害が発生したPMEMデバイスのデータはデータ・グリッド・ディスクにすでに存在しているため、ミラー復元の必要はありません。
- フラッシュ・ディスク障害によるフラッシュ・ディスクの交換
それぞれのOracle Exadata Storage Serverにフラッシュ・デバイスが装備されています。 - フラッシュ・ディスクの低下したパフォーマンス・ステータスについて
フラッシュ・ディスクのパフォーマンスが低下している場合は、ディスクの交換が必要になることがあります。 - フラッシュ・ディスクの問題によるフラッシュ・ディスクの交換
- フラッシュ・ディスクのホットプラグ交換の実行
Oracle Exadata Database Machine X7以降、Extreme Flash (EF)とHigh Capacity (HC)の両方のストレージ・サーバーはホットプラグに対応しています。 - ソフトウェア・バージョン11.2.3.3.1以上のライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以降では、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュにより、頻繁にアクセスするデータが高速のソリッドステート記憶装置に透過的にキャッシュされ、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。 - 11.2.3.3.1より前のソフトウェア・バージョンでのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以降では、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュにより、頻繁にアクセスするデータが高速のソリッドステート記憶装置に透過的にキャッシュされ、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。 - フラッシュ・キャッシュの圧縮の有効化
- Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュ使用状況統計の監視
- フラッシュ・キャッシュの圧縮の無効化
3.4.1 フラッシュ・ディスク障害によるフラッシュ・ディスクの交換
Oracle Exadata Storage Serverには、それぞれフラッシュ・デバイスが付属しています。
Oracle Exadata Database Machine X7以降では、Oracle Exadata Storage Serverでフラッシュ・デバイスはホットプラグに対応しています。Oracle Exadata Storage Server X7以降でフラッシュ・デバイスのホットプラグ交換を実行する場合は、ディスク・ステータスが交換のため切断
になり、かつフラッシュ・カードの電源LEDが消灯している必要があり、このことは、フラッシュ・ディスクのオンライン交換が可能であることを示します。
注意:
電源LEDが点灯しているカードを取り外すと、システムがクラッシュする可能性があります。障害が発生したディスクのステータスが障害 - 交換のため切断
であるのに電源LEDがまだ点灯している場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。
Oracle Exadata Database Machine X6以前の場合、フラッシュ・デバイスはExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーではホットプラグ対応ですが、High Capacity (HC)ストレージ・サーバーではホットプラグ対応ではありません。HCストレージ・サーバーでは、ストレージ・サーバーを交換する前に電源を切断する必要があります。
障害が発生したフラッシュ・ディスクを確認するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE disktype=flashdisk AND status=failed DETAIL
Extreme Flashストレージ・サーバーからの出力例を次に示します。
name: NVME_10
deviceName: /dev/nvme7n1
diskType: FlashDisk
luns: 0_10
makeModel: "Oracle NVMe SSD"
physicalFirmware: 8DV1RA13
physicalInsertTime: 2016-09-28T11:29:13-07:00
physicalSerial: CVMD426500E21P6LGN
physicalSize: 1.4554837569594383T
slotNumber: 10
status: failed
次に、Oracle Flash Accelerator F160 PCIeカードからの出力例を示します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE DISKTYPE=flashdisk AND STATUS=failed DETAIL
name: FLASH_5_1
deviceName: /dev/nvme1n1
diskType: FlashDisk
luns: 5_1
makeModel: "Oracle Flash Accelerator F160 PCIe Card"
physicalFirmware: 8DV1RA13
physicalInsertTime: 2016-11-30T21:24:45-08:00
physicalSerial: 1030M03UYM
physicalSize: 1.4554837569594383T
slotNumber: "PCI Slot: 5; FDOM: 1"
status: failed
次に、Sun Flash Accelerator F40 PCIeカードからの出力例を示します。
name: FLASH_5_3
diskType: FlashDisk
luns: 5_3
makeModel: "Sun Flash Accelerator F40 PCIe Card"
physicalFirmware: TI35
physicalInsertTime: 2012-07-13T15:40:59-07:00
physicalSerial: 5L002X4P
physicalSize: 93.13225793838501G
slotNumber: "PCI Slot: 5; FDOM: 3"
status: failed
PCIeカードの場合、name
およびslotNumber
属性は、PCIスロットおよびFDOM番号を示します。Extreme Flashストレージ・サーバーの場合、slotNumber
属性は前面パネルのNVMeスロットを示します。
Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムでは、すべてのフラッシュ・ディスクがAdd-in-Card (AIC)方式でマザーボードのPCIeスロットに挿入されます。slotNumber
属性は、EFストレージ・サーバーかHCストレージ・サーバーかを問わず、PCI番号およびFDOM番号を示します。
フラッシュ・ディスクの障害が検出されると、フラッシュ・ディスクとそのLUNで障害が発生したことを示すアラートが生成されます。アラート・メッセージには、PCIスロット番号とFDOM番号か、またはNVMeスロット番号が含まれています。これらの番号により、フィールド交換可能ユニット(FRU)が一意に識別されます。システムのアラート通知を構成している場合は、指定したアドレスにアラートが電子メール・メッセージで送信されます。
フラッシュ・ディスクの停止により、パフォーマンスの低下およびデータの冗長性が発生する場合があります。できるだけすぐに障害が発生したディスクを新しいフラッシュ・ディスクに交換する必要があります。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、ストレージ・サーバーの有効なキャッシュ・サイズが縮小します。フラッシュ・ログにフラッシュ・ディスクを使用する場合、ディスクでフラッシュ・ログが無効になり、有効なフラッシュ・ログ・サイズが縮小します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、FORCE
オプションによってグリッド・ディスクに関連するOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスクがOracle ASMディスク・グループから自動的に削除され、リバランス操作でデータの冗長性のリストアが開始されます。
次の手順は、フラッシュ・ディスクのオンライン交換をサポートしていないHigh Capacityストレージ・サーバーでディスク障害が発生した場合にFDOMを交換する方法を示しています。Extreme Flashストレージ・サーバーでのNVMeドライブの交換は、物理ディスクの交換と同様に、前面パネルからNVMeドライブを取り外して新しいものを挿入するのみです。ストレージ・サーバーを停止する必要はありません。
新しいフラッシュ・ディスクがシステムによって自動的に使用されます。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、有効なキャッシュ・サイズが拡張します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、グリッド・ディスクが新しいフラッシュ・ディスクに再作成されます。これらのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループの一部である場合、ディスク・グループの冗長性およびASM_POWER_LIMIT
パラメータに基づいて、ディスクがディスク・グループに追加され、データがリバランスされます。
関連項目:
- フラッシュ・ディスクのホットプラグ交換の実行
- 交換部品情報およびサービス・ガイドのリンクは、「Exadata Storage Serverの部品」を参照してください
- Oracle DatabaseリファレンスのV$ASM_OPERATION
- 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のASM_POWER_LIMIT
- 「関連ドキュメント」に記載されている、ご使用のシステムに適したPCIeカード・ユーザーズ・ガイド
3.4.2 フラッシュ・ディスクの低下したパフォーマンス・ステータスについて
フラッシュ・ディスクのパフォーマンスが低下している場合は、ディスクを交換する必要があることがあります。
ディスクが次のステータスのいすれかになるため、フラッシュ・ディスクの交換が必要な場合があります。
警告 - 予測障害
警告 - 低いパフォーマンス
警告 - ライトスルー・キャッシュ
警告 - ピア障害
注意:
リリース11.2.3.2.2より前のOracle Exadata System Softwareリリースの場合、ステータスはnot present
です。
フラッシュ・ディスクがpredictive failure
、poor performance
、write-through caching
またはpeer failure
ステータスの場合、アラートが生成されます。アラートには、フラッシュ・ディスクを交換する特定の手順が含まれます。システムのアラート通知を構成している場合、電子メール・メッセージでアラートが指定したアドレスに送信されます。
予測障害
フラッシュ・ディスクのpredictive failure
ステータスは、フラッシュ・ディスクに障害が発生する可能性があり、できるだけすぐに交換する必要があることを示します。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、引き続きフラッシュ・キャッシュとして使用されます。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、グリッド・ディスクに関連するOracle ASMディスクが自動的に削除され、Oracle ASMリバランスで障害が発生する可能性のあるディスクから他のディスクにデータが移動されます。
フラッシュ・ディスクが1つのため、フラッシュ・ディスクがpredictive failure
になると、データがコピーされます。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、Oracle ASMと関連パートナが再びパートナになり、リバランスが実行されます。ライトバック・フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、フラッシュ・ディスクからグリッド・ディスクにデータがフラッシュされます。
predictive failure
のフラッシュ・ディスクを確認するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE DISKTYPE=flashdisk AND STATUS= \
'warning - predictive failure' DETAIL
name: FLASH_1_1
deviceName: /dev/nvme3n1
diskType: FlashDisk
luns: 1_1
makeModel: "Oracle Flash Accelerator F160 PCIe Card"
physicalFirmware: 8DV1RA13
physicalInsertTime: 2016-11-30T21:24:45-08:00
physicalSerial: CVMD519000251P6KGN
physicalSize: 1.4554837569594383T
slotNumber: "PCI Slot: 1; FDOM: 1"
status: warning - predictive failure
低いパフォーマンス
フラッシュ・ディスクのpoor performance
ステータスは、フラッシュ・ディスクのパフォーマンスが非常に低く、できるだけすぐに交換する必要があることを示します。Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2以降では、パフォーマンスの低いディスクが自動的に識別され、アクティブな構成から削除されます。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、このディスクからフラッシュ・キャッシュが削除され、ストレージ・サーバーの有効なフラッシュ・キャッシュ・サイズが縮小します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、このフラッシュ・ディスクのグリッド・ディスクに関連するOracle ASMディスクがFORCE
オプションによって可能な場合に自動的に削除されます。オフライン・パートナのためにDROP...FORCE
が失敗した場合、通常グリッド・ディスクが自動的に削除され、Oracle ASMリバランスでパフォーマンスの低いディスクから他のディスクにデータが移動されます。
その後、Oracle Exadata Database Machineにより一連のパフォーマンス・テストが実行されます。CELLSRVでパフォーマンスの低いディスクが検出されると、セル・ディスクのステータスがnormal - confinedOnline
に変更され、物理ディスクのステータスがwarning - confinedOnline
に変更されます。次の状況はディスク制限のトリガーとなります。
- ディスクの応答停止。ストレージ・アラート・ログ内の原因コードはCD_PERF_HANGです。
- セル・ディスクの速度低下。次に例を示します。
- サービス時間のしきい値が高い(原因コードCD_PERF_SLOW_ABS)
- 相対的サービス時間のしきい値が高い(原因コードCD_PERF_SLOW_RLTV)
- 読取りまたは書込みでの長期待機時間。次に例を示します。
- 書込みでの待機時間が長い(原因コードCD_PERF_SLOW_LAT_WT)
- 読取りでの待機時間が長い(原因コードCD_PERF_SLOW_LAT_RD)
- 読取りおよび書込みでの待機時間が長い(原因コードCD_PERF_SLOW_LAT_RW)
- 頻繁に発生する個々のI/Oでの絶対的待機時間が非常に長い(原因コードCD_PERF_SLOW_LAT_ERR)
- I/Oエラーなどのエラー(原因コードCD_PERF_IOERR)。
ディスクの問題が一時的なものであり、テストに合格した場合は、そのディスクは構成に戻されます。ディスクがテストに合格しない場合は、poor performance
としてマークされ、Oracle Auto Service Request (ASR)によりディスク交換のためのサービス・リクエストが送信されます。可能な場合は、Oracle ASMによりグリッド・ディスクがテスト用にオフラインに変更されます。Oracle ASMがディスクをオフラインに変更できない場合、セル・ディスクのステータスは、ディスクを安全にオフラインに変更できるようになるまで、normal - confinedOnline
のまま変わりません。
poor performance
のフラッシュ・ディスクを確認するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE DISKTYPE=flashdisk AND STATUS= \
'warning - poor performance' DETAIL
name: FLASH_1_4
diskType: FlashDisk
luns: 1_4
makeModel: "Sun Flash Accelerator F20 PCIe Card"
physicalFirmware: D20Y
physicalInsertTime: 2012-09-27T13:11:16-07:00
physicalSerial: 508002000092e70FMOD2
physicalSize: 22.8880615234375G
slotNumber: "PCI Slot: 1; FDOM: 3"
status: warning - poor performance
ディスクのステータスの変更は、セルのアラート履歴にある次のエントリに関連付けられています。
MESSAGE ID date_time info "Hard disk entered confinement status. The LUN
n_m changed status to warning - confinedOnline. CellDisk changed status to normal
- confinedOnline. Status: WARNING - CONFINEDONLINE Manufacturer: name Model
Number: model Size: size Serial Number: serial_number Firmware: fw_release
Slot Number: m Cell Disk: cell_disk_name Grid Disk: grid disk 1, grid disk 2
... Reason for confinement: threshold for service time exceeded"
ストレージ・サーバーのアラート・ログには次の情報が記録されます。
CDHS: Mark cd health state change cell_disk_name with newState HEALTH_BAD_
ONLINE pending HEALTH_BAD_ONLINE ongoing INVALID cur HEALTH_GOOD
Celldisk entering CONFINE ACTIVE state with cause CD_PERF_SLOW_ABS activeForced: 0
inactiveForced: 0 trigger HistoryFail: 0, forceTestOutcome: 0 testFail: 0
global conf related state: numHDsConf: 1 numFDsConf: 0 numHDsHung: 0 numFDsHung: 0
...
注意:
11.2.3.2より前のOracle Exadata System Softwareリリースでは、CALIBRATE
コマンドを使用して不良フラッシュ・ディスクを識別し、各フラッシュ・ディスクについてスループットやIOPSが極端に低くないか調べてください。
フラッシュ・ディスクのパフォーマンスが非常に低い場合、poor performance
としてマークされます。該当するフラッシュ・ディスクのフラッシュ・キャッシュが自動的に無効になり、そのフラッシュ・ディスクのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループから自動的に削除されます。
ライトスルー・キャッシュ
フラッシュ・ディスクのwrite-through caching
ステータスは、PCIeカードのデータ・キャッシュのサポートに使用するキャパシタに障害が発生したため、できるだけすぐにカードを交換する必要があることを示します。
peer failure
フラッシュ・ディスクのpeer failure
ステータスは、同じSun Flash Accelerator PCIeカードのいずれかのフラッシュ・ディスクに障害または問題が発生したことを示します。たとえば、FLASH_5_3に障害が発生すると、FLASH_5_0、FLASH_5_1およびFLASH_5_2がpeer failureステータスになります。次に、例を示します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK
36:0 L45F3A normal
36:1 L45WAE normal
36:2 L45WQW normal
...
FLASH_5_0 5L0034XM warning - peer failure
FLASH_5_1 5L0034JE warning - peer failure
FLASH_5_2 5L002WJH warning - peer failure
FLASH_5_3 5L002X4P failed
CellSRVにより、ライトバック・フラッシュ・キャッシュに使用されているフラッシュ・ディスクで予測障害またはピア障害が検出され、不良FDOMが1つのみの場合は、その不良FDOMのデータが復元され、残りの3つのFDOMのデータはフラッシュされます。その後、有効なグリッド・ディスクが存在する場合、CellSRVはディスクに対してOracle ASMリバランスを開始します。不良ディスクは、作業が完了するまで交換できません。ディスク交換が可能になると、MSによりアラートが送信されます。
3.4.3 フラッシュ・ディスクの問題によるフラッシュ・ディスクの交換
Oracle Exadata Storage Serverには、4枚のPCIeカードが付属しています。各カードに4個のフラッシュ・ディスク(FDOM)があり、合計16個のフラッシュ・ディスクが提供されます。4枚のPCIeカードは、PCIスロット番号1、2、4および5にあります。Oracle Exadata Database Machine X7以上では、ストレージ・サーバーの電源を切断しなくてもPCIeカードを交換できます。フラッシュ・ディスクのホットプラグ交換の実行を参照してください。
Oracle Exadata Database Machine X6以前のシステムでは、PCIeカードはホットプラグに対応していません。フラッシュ・ディスクまたはカードを交換する前にOracle Exadata Storage Serverの電源を切断する必要があります。
Oracle Exadata Database Machine X7以降では、High Capacityストレージ・サーバーおよびExtreme Flashストレージ・サーバーの各フラッシュ・カードは、フィールド交換可能ユニット(FRU)です。フラッシュ・カードはホットプラグにも対応しており、ストレージ・サーバーを停止しなくても取り外すことができます。
Oracle Exadata Database Machine X5およびX6システムでは、High Capacity上の各フラッシュ・カードおよびExtreme Flash上の各フラッシュ・ドライブはFRUです。これは、これらのシステムにはピア障害がないことを意味します。
Oracle Exadata Database Machine X3およびX4システムでは、フラッシュ・カード自体がFRUであるため、FDOMで障害が発生した場合、Oracle Exadata System Softwareは、そのカードの残りのFDOMを自動的にピア障害の状態にして、フラッシュ・カード交換の準備のためにデータを移動できるようにします。
Oracle Exadata Database Machine V2およびX2システムでは、各FDOMはFRUです。これらのシステムのフラッシュにはピア障害がありません。
ディスク交換にいつ進むかの決定は、次に示されているように、リリースによって異なります。
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2より前の場合:
フラッシュ・ディスクの交換に進む前に、
V$ASM_DISK_STAT
ビューの問合せを実行してOracle ASMディスクが正常に削除されるまで待機します。フラッシュ・ディスクで障害が発生する前に通常の削除を完了できなかった場合、FORCE
オプションによってOracle ASMディスク・グループからOracle ASMディスクが自動的に削除されます。フラッシュ・ディスクで障害が発生する前にDROP
コマンドが完了しなかった場合は、「フラッシュ・ディスク障害によるフラッシュ・ディスクの交換」を参照してください。 -
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2以降の場合:
Oracle ASMディスクが削除されている場合は、アラートが送信され、フラッシュ・ディスクを安全に交換できます。フラッシュ・ディスクをライトバック・フラッシュ・キャッシュに使用する場合、フラッシュ・ディスクによってキャッシュされるグリッド・ディスクがなくなるまで待機します。すべてのグリッド・ディスクの
cachedBy
属性をチェックするには、次のコマンドを使用します。フラッシュ・ディスクのセル・ディスクは、グリッド・ディスクのcachedBy
属性には表示されません。CellCLI> LIST GRIDDISK ATTRIBUTES name, cachedBy
フラッシュ・ディスクをグリッド・ディスクとフラッシュ・キャッシュの両方に使用する場合は、アラートを受信し、セル・ディスクがグリッド・ディスクの
cachedBy
属性に表示されなくなるまで待機します。
次の手順では、ディスクの問題により、Oracle Exadata Database Machine X6以前のHigh Capacityストレージ・サーバーのフラッシュ・ディスクを交換する方法について説明します。
注意:
Oracle Exadata Database Machine X6のExtreme Flashストレージ・サーバーおよびOracle Exadata Database Machine X7以降のすべてのストレージ・サーバーでは、前面パネルからフラッシュ・ディスクを取り外し、新しいフラッシュ・ディスクを挿入するだけです。ストレージ・サーバーを停止する必要はありません。新しいフラッシュ・ディスクがシステムによって自動的に使用されます。フラッシュ・キャッシュにフラッシュ・ディスクを使用する場合、有効なキャッシュ・サイズが拡張します。グリッド・ディスクにフラッシュ・ディスクを使用する場合、グリッド・ディスクが新しいフラッシュ・ディスクに再作成されます。これらのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループの一部である場合、ディスク・グループの冗長性およびASM_POWER_LIMIT
パラメータに基づいて、ディスクがディスク・グループに追加され、データがリバランスされます。
関連トピック
関連項目:
ASM_POWER_LIMIT
パラメータの詳細は、Oracle Automatic Storage Management管理者ガイドを参照してください- 「関連ドキュメント」に記載されている、ご使用のシステムに適したPCIeカード・ユーザーズ・ガイド
3.4.4 フラッシュ・ディスクのホットプラグ交換の実行
Oracle Exadata Database Machine X7以上では、フラッシュ・ディスクはExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーとHigh Capacity (HC)ストレージ・サーバーの両方でホットプラグに対応しています。
Oracle Exadata Database Machine X6以前の場合、フラッシュ・デバイスはEFストレージ・サーバーではホットプラグ対応ですが、HCストレージ・サーバーではホットプラグ対応ではありません。Oracle Exadata Database Machine X6以前のシステムのHCストレージ・サーバーの場合、フラッシュ・ディスクを交換する前にストレージ・サーバーの電源を切断する必要があります。
3.4.5 ソフトウェア・バージョン11.2.3.3.1以上のライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以上では、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュにより、頻繁にアクセスするデータを高速のソリッド状態の記憶装置に透過的にキャッシュして、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。
ディスクではなくフラッシュによって処理される書込み操作は、ライトバック・フラッシュ・キャッシュと呼ばれます。この機能は必要に応じて有効または無効にできます。フラッシュ・キャッシュ・モードを変更する場合は、次の点に注意してください。
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.3.1以上では、セル・サービスを停止したり、グリッド・ディスクを非アクティブ化する必要はありません。
-
ライトバック・フラッシュ・キャッシュを使用するには、Oracle Grid InfrastructureホームおよびOracle Databaseホームをリリース11.2.0.3 BP9以上にする必要があります。
注意:
フラッシュ・キャッシュを削除して再作成すると、データベース操作のパフォーマンスに影響します。フラッシュ・キャッシュが再移入される間に、データベース・パフォーマンスに影響するキャッシュ・ミスがあります。- 11.2.3.3.1以降でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
ストレージ・サーバーのライトバック・フラッシュ・キャッシュを有効にして、問合せの応答時間とスループットを向上させます。 - 11.2.3.3.1以降でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの無効化
ストレージ・サーバーのライトバック・フラッシュ・キャッシュを無効にする必要がある場合は、次のステップを使用します。
3.4.5.1 11.2.3.3.1以上でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
ストレージ・サーバーでのライトバック・フラッシュ・キャッシュを有効にして、問合せの応答時間とスループットを向上させます。
注意:
-
リリース11.2.3.3.1以上では、cellsrvプロセスを停止する必要も、グリッド・ディスクを非アクティブ化する必要もありません。
-
アプリケーションのパフォーマンスへの影響を抑えるには、ワークロードが低い期間にライトバック・フラッシュ・キャッシュを有効化します。
3.4.6 11.2.3.3.1より前のソフトウェア・バージョンでのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1以降では、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュにより、頻繁にアクセスするデータが高速のソリッドステート記憶装置に透過的にキャッシュされ、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。
ディスクではなくフラッシュによって処理される書込み操作は、「ライトバック・フラッシュ・キャッシュ」と呼ばれます。この機能は必要に応じて有効または無効にできます。フラッシュ・キャッシュ・モードを変更する場合は、次の点に注意してください。
-
flashCacheMode
属性を変更する前に、セル・サービスをシャットダウンする必要があります。セル・サービスは、ローリング形式または全体シャットダウンとしてシャットダウンできます。 -
変更をローリング形式で行う場合は、セル・サービスの再同期が完了していることを確認してから、次のセルを変更してください。
-
フラッシュ・キャッシュ・モードをローリング形式で変更する場合は、次のセルに移る前に、現在のセルのすべてのグリッド・ディスクで
asmDeactivationOutcome
属性がyes
に、asmModeStatus
属性がonline
になっている必要があります。グリッド・ディスクの属性をチェックするには、次のコマンドを使用します。LIST GRIDDISK ATTRIBUTES asmDeactivationOutcome, asmModeStatus
-
変更を非ローリング形式で行う場合は、クラスタ全体を停止してから、変更を開始してください。
-
フラッシュ・キャッシュ・モードを非ローリング形式で変更する場合は、クラスタ全体(Oracle Clusterwareスタックとすべてのデータベースを)含むを停止してください。
-
ライトバック・フラッシュ・キャッシュを使用する場合は、Oracle Grid InfrastructureホームとOracle Databaseホームが、Oracle Database 11g リリース11.2.0.3 BP9以降になっている必要があります。
注意:
フラッシュ・キャッシュを削除し、再作成すると、キャッシュがウォームアップするまで、データベースの再起動の際にパフォーマンスに影響を与える可能性があります。- ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
フラッシュ・キャッシュの属性をwritethrough
からwriteback
に変更するには、まず、そのフラッシュ・キャッシュを削除しておく必要があります。 - 非ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
- ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの無効化
- 非ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの無効化
3.4.6.1 ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
フラッシュ・キャッシュの属性をwritethrough
からwriteback
に変更するには、まず、そのフラッシュ・キャッシュを削除しておく必要があります。
ライトバック・フラッシュ・キャッシュは、ローリング形式で有効化できます。
注意:
ライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化と無効化を自動化するためのシェル・スクリプトが用意されています。スクリプトおよび詳細は、My Oracle Supportノート1500257.1を参照してください。
関連項目:
My Oracle Supportノート888828.1には、Oracle Exadata System Software、Oracle Grid InfrastructureホームおよびOracle Databaseホームの最小リリース要件がまとめられています。
3.4.6.2 非ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化
属性をwritethrough
からwriteback
に変更する場合は、属性を変更する前にフラッシュ・キャッシュを削除する必要があります。次の手順では、ライトバック・フラッシュ・キャッシュを非ローリング形式で有効にするステップについて説明します。
注意:
ライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化と無効化を自動化するためのシェル・スクリプトが用意されています。スクリプトおよび詳細は、My Oracle Supportノート1500257.1を参照してください。
関連項目:
My Oracle Supportノート888828.1には、Oracle Exadata System Software、Oracle Grid InfrastructureホームおよびOracle Databaseホームの最小リリース要件がまとめられています。
3.4.6.3 ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの無効化
flashCacheMode
属性をwriteback
からwritethrough
に変更したときに、既存のフラッシュ・キャッシュが存在していると、エラーが表示されます。属性をwritethrough
に変更する前に、フラッシュ・キャッシュをフラッシュして削除する必要があります。フラッシュ操作が開始されると、フラッシュ・キャッシュへのすべてのキャッシュが停止されます。次の手順では、ライトバック・フラッシュ・キャッシュをローリング形式で無効にするステップについて説明します。
注意:
ライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化と無効化を自動化するためのシェル・スクリプトが用意されています。スクリプトおよび詳細は、My Oracle Supportノート1500257.1を参照してください。
-
ライトバック・フラッシュ・キャッシュを無効にする最初のセルに
root
ユーザーとしてログインします。 -
次のコマンドを使用して、セルのすべてのグリッド・ディスクの
asmDeactivationOutcome
属性がyes
になっていることを確認します。# dcli -g cell_group -l root cellcli -e "LIST GRIDDISK WHERE \ asmdeactivationoutcome != 'Yes' attributes name, asmdeactivationoutcome, \ asmmodestatus"
グリッド・ディスクが返された場合は、手順を進める前にこの問題を解決する必要があります。
-
次のコマンドを使用して、フラッシュ・キャッシュ内のダーティ・データの量をチェックします。
# dcli -g cell_group -l root cellcli -e "LIST METRICCURRENT ATTRIBUTES \ name,metricvalue WHERE name LIKE \'FC_BY_DIRTY.*\'"
-
次のコマンドを使用して、フラッシュ・キャッシュをフラッシュします。
# dcli -g cell_group -l root cellcli -e ALTER FLASHCACHE ALL FLUSH
-
次のコマンドを使用して、フラッシュ・キャッシュのステータスをチェックします。
# dcli -g cell_group -l root cellcli -e LIST CELLDISK ATTRIBUTES name, \ flushstatus, flusherror | grep FD
フラッシュが完了すると、ステータスが
completed
になります。 -
1セルずつ、すべてのセルに次の一連のステップを実行します。つまり、すべてのセルが完了するまで、1つのセルにステップ(a)から(i)を実行した後、別のセルにそれらを実行します。
-
次のコマンドを使用して、フラッシュ・キャッシュを削除します。
# cellcli -e DROP FLASHCACHE
-
次のコマンドを使用して、セルのグリッド・ディスクをすべて非アクティブ化します。
# cellcli -e ALTER GRIDDISK ALL INACTIVE
-
次のコマンドを使用して、CELLSRVサービスを停止します。
# cellcli -e ALTER CELL SHUTDOWN SERVICES CELLSRV
-
次のコマンドを使用して、
flashCacheMode
属性をwritethrough
に設定します。# cellcli -e "ALTER CELL FLASHCACHEMODE=writethrough"
-
次のコマンド使用して、セル・サービスを再起動します。
# cellcli -e ALTER CELL STARTUP SERVICES CELLSRV
-
次のコマンドを使用して、セルのグリッド・ディスクを再アクティブ化します。
# cellcli -e ALTER GRIDDISK ALL ACTIVE
-
次のコマンドを使用して、フラッシュ・キャッシュを再作成します。
# cellcli -e CREATE FLASHCACHE ALL
-
次のコマンドを使用して、セルのステータスをチェックします。
# cellcli -e LIST CELL DETAIL | grep flashCacheMode
-
次のコマンドを使用して、グリッド・ディスクの
asmDeactivationOutcome
属性とasmModeStatus
属性をチェックします。# cellcli -e LIST GRIDDISK ATTRIBUTES name,status,asmdeactivationoutcome,asmmodestatus
asmDeactivationOutcome
属性がyes
に、asmModeStatus
属性がonline
になっている必要があります。ディスク・ステータスが
SYNCING
の場合は、続行せずにACTIVE
になるまで待ちます。
-
3.4.6.4 非ローリング形式でのライトバック・フラッシュ・キャッシュの無効化
flashCacheMode
属性をwriteback
からwritethrough
に変更したときに、既存のフラッシュ・キャッシュが存在していると、エラーが表示されます。属性をwritethrough
に変更する前に、フラッシュ・キャッシュをフラッシュして削除する必要があります。フラッシュ操作が開始されると、フラッシュ・キャッシュへのすべてのキャッシュが停止されます。次の手順では、ライトバック・フラッシュ・キャッシュを非ローリング形式で無効にするステップについて説明します。
注意:
-
ライトバック・フラッシュ・キャッシュの有効化と無効化を自動化するためのシェル・スクリプトが用意されています。スクリプトおよび詳細は、My Oracle Supportノート1500257.1を参照してください。
-
フラッシュ・キャッシュのフラッシュ操作は、クラスタ全体を停止する前に実行できます。
3.4.7 フラッシュ・キャッシュの圧縮の有効化
Oracle Exadata Database Machine X4-2、Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックの各システムでは、フラッシュ・キャッシュの圧縮を有効にできます。Oracle Exadata Database Machine X5-2およびX5-8以降のシステムにフラッシュ・キャッシュの圧縮機能はありません。フラッシュ・キャッシュの圧縮では、ユーザー・データがフラッシュ・キャッシュにロードされる際にデータを透過的に圧縮することによって、フラッシュ・キャッシュの論理容量が大幅に増加します。
注意:
-
フラッシュ・キャッシュ圧縮を有効化するには、Oracle拡張圧縮オプションが必要です。
-
フラッシュ・キャッシュの圧縮を有効にした場合、ユーザー・データは保持されません。
次の手順では、フラッシュ・キャッシュの圧縮を有効にする方法について説明します。
3.4.9 フラッシュ・キャッシュの圧縮の無効化
Oracle Exadata Database Machine X4-2、Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックの各システムでは、フラッシュ・キャッシュの圧縮を無効にできます。Oracle Exadata Database Machine X5-2、X5-8およびそれ以上のシステムにフラッシュ・キャッシュの圧縮機能はありません。
注意:
-
フラッシュ・キャッシュの圧縮を無効にした場合、ユーザー・データは保持されません。
次の手順では、フラッシュ・キャッシュの圧縮を無効にする方法について説明します。
3.5 Oracle Exadata Storage ServerのPMEMデバイスの保守
PMEMデバイスに障害が発生した場合、データは自動的にリカバリされます。
PMEMデバイスに障害が発生すると、Oracle Exadata System Softwareは、残存ミラーからデータを読み取ってPMEMキャッシュ内のデータを確認します。障害が発生したPMEMキャッシュ内での損失データの場所が、Oracle Exadata System SoftwareによってPMEMの障害発生時に保存されます。
PMEMキャッシュがライトバック・モードの場合は、損失データをミラー・コピーで置き換えることでミラー復元が開始されます。復元中、グリッド・ディスクのステータスはACTIVE -- RESILVERING WORKING
になります。PMEMキャッシュがライトスルー・モードになっている場合、障害が発生したPMEMデバイスのデータはデータ・グリッド・ディスクにすでに存在しているため、ミラー復元の必要はありません。
- デバイス障害によるPMEMデバイスの交換
PMEMデバイスのステータスがFailed
の場合は、Oracle Exadata Storage ServerのPMEMデバイスを交換する必要があります。 - PMEMデバイスの低下したパフォーマンス・ステータスについて
PMEMデバイスのパフォーマンスが低下している場合は、モジュールの交換が必要になることがあります。 - パフォーマンスの低下によるPMEMデバイスの交換
PMEMデバイスは、サーバーの電源をオフにして、サーバーの電源装置から電源コードを取り外してから交換してください。 - ライトバックPMEMキャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3以降では、PMEMキャッシュにより、頻繁にアクセスするデータが高速のソリッドステート記憶装置に透過的にキャッシュされ、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。
3.5.1 デバイス障害によるPMEMデバイスの交換
PMEMデバイスのステータスがFailed
の場合は、Oracle Exadata Storage ServerのPMEMデバイスを交換する必要があります。
Oracle Exadata Storage ServerモデルX8以降に装備したPMEMデバイスの交換を実行する場合は、サーバーの電源をオフにして、サーバーの電源装置から電源コードを取り外す必要があります。
障害が発生したPMEMデバイスを確認するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE disktype=PMEM AND status=failed DETAIL
name: PMEM_0_1
diskType: PMEM
luns: P0_D1
makeModel: "Intel NMA1XBD128GQS"
physicalFirmware: 1.02.00.5365
physicalInsertTime: 2019-09-28T11:29:13-07:00
physicalSerial: 8089-A2-1838-00001234
physicalSize: 126.375G
slotNumber: "CPU: 0; DIMM: 1"
status: failed
前述の出力で、slotNumber
にソケット番号とDIMMスロット番号が表示されます。
PMEMデバイスの障害発生が検出されると、アラートが生成されます。アラート・メッセージには、スロット番号とセル・ディスク名が含まれています。システムのアラート通知を構成している場合は、指定したアドレスにアラートが電子メール・メッセージで送信されます。
PMEMの障害は、サーバーの再起動の原因になることがあります。障害が発生したデバイスは、できるだけすぐに新しいPMEMデバイスに交換する必要があります。デバイスを交換するまでは、ストレージ・サーバーの有効なPMEMキャッシュ・サイズが減少します。PMEMデバイスがPMEMログに使用されている場合、ディスク上のPMEMログは無効になり、有効なPMEMログ・サイズが減少します。
新しいPMEMデバイスがシステムによって自動的に使用されています。PMEMキャッシュにPMEMデバイスを使用している場合は、有効なPMEMキャッシュ・サイズが増加します。PMEMデバイスがPMEMログに使用される場合、PMEMログがそのデバイスで有効になり、PMEMログのステータスが低下することはありません。
3.5.2 PMEMデバイスの低下したパフォーマンス・ステータスについて
PMEMデバイスのパフォーマンスが低下している場合は、モジュールの交換が必要になることがあります。
PMEMデバイスは、モジュールが次のステータスになっているために交換が必要になることがあります。
警告 - 予測障害
PMEMデバイスのステータスがpredictive failure
(予測障害)のときに、アラートが生成されます。このアラートには、PMEMデバイスの交換に関する特定の手順が含まれています。システムのアラート通知を構成している場合、電子メール・メッセージでアラートが指定したアドレスに送信されます。
PMEMデバイスのpredictive failure
(予測障害)ステータスは、PMEMデバイスに障害が発生する可能性があり、できるだけすぐに交換する必要があることを示しています。障害が予測されたPMEMデバイスが交換されるまで、新しいデータはキャッシュされません。
1台の不良PMEMデバイスのためにディスクがpredictive failure
(予測障害)になっているときには、データがコピーされます。PMEMデバイスがライトバックPMEMキャッシュに使用されている場合、データはPMEMデバイスからフラッシュ・キャッシュにフラッシュされます。
ステータスがpredictive failure
(予測障害)のPMEMデバイスを特定するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> LIST PHYSICALDISK WHERE disktype=PMEM AND status= \
'warning - predictive failure' DETAIL
name: PMEM_0_1
diskType: PMEM
luns: P0_D1
makeModel: "Intel NMA1XBD128GQS"
physicalFirmware: 1.02.00.5365
physicalInsertTime: 2019-11-30T21:24:45-08:00
physicalSerial: 8089-A2-1838-00001234
physicalSize: 126.375G
slotNumber: "CPU: 0; DIMM: 1"
status: warning - predictive failure
3.5.3 パフォーマンスの低下によるPMEMデバイスの交換
PMEMデバイスは、サーバーの電源をオフにして、サーバーの電源装置から電源コードを取り外してから交換してください。
PMEMデバイスが安全に交換できるようになると、アラートが送信されます。PMEMデバイスがライトバックPMEMキャッシュに使用されている場合は、そのPMEMデバイスでキャッシュされているグリッド・ディスクがなくなるまで待機します。すべてのグリッド・ディスクのcachedBy
属性をチェックするには、次のコマンドを使用します。そのPMEMデバイスは、どのグリッド・ディスクのcachedBy
属性にも表示されなくなっている必要があります。たとえば、PMEMデバイスのPM_06
を交換すると、次のような出力が表示されます。
CellCLI> LIST GRIDDISK ATTRIBUTES name, cachingPolicy, cachedBy
DATA_CD_00_cel01 default FD_00_cel01, PM_00_cel01
DATA_CD_01_cel01 default FD_01_cel01, PM_01_cel01
DATA_CD_02_cel01 default FD_02_cel01, PM_02_cel01
DATA_CD_03_cel01 default FD_03_cel01, PM_03_cel01
DATA_CD_04_cel01 default FD_00_cel01, PM_04_cel01
DATA_CD_05_cel01 default FD_01_cel01, PM_05_cel01
DATA_CD_06_cel01 default FD_02_cel01
DATA_CD_07_cel01 default FD_03_cel01, PM_07_cel01
DATA_CD_08_cel01 default FD_00_cel01, PM_08_cel01
DATA_CD_09_cel01 default FD_01_cel01, PM_09_cel01
DATA_CD_10_cel01 default FD_02_cel01, PM_10_cel01
DATA_CD_11_cel01 default FD_03_cel01, PM_11_cel01
新しいPMEMデバイスがシステムによって自動的に使用されています。PMEMキャッシュの有効サイズが増加します。
3.5.4 ライトバックPMEMキャッシュの有効化および無効化
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3以降では、PMEMキャッシュにより、頻繁にアクセスするデータが高速のソリッドステート記憶装置に透過的にキャッシュされ、問合せの応答時間とスループットを向上させることができます。
ディスクではなくPMEMキャッシュによって処理される書込み操作は、ライトバックPMEMキャッシュと呼ばれます。この機能は必要に応じて有効または無効にできます。
注意:
PMEMキャッシュを削除して再作成すると、データベース操作のパフォーマンスに影響します。PMEMキャッシュの再移入中には、データベースのパフォーマンスに影響するキャッシュ・ミスが増加します。- ライトバックPMEMキャッシュの有効化
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3以降、PMEMキャッシュでは、リモート・データ・メモリー・アクセス(RDMA)を使用して頻繁にアクセスするデータを透過的にキャッシュできるようになり、問合せの応答時間とスループットが向上します。 - ライトバックPMEMキャッシュの無効化
ストレージ・サーバーのライトバックPMEMキャッシュを無効化する必要がある場合は、次のステップを使用します。
3.5.4.1 ライトバックPMEMキャッシュの有効化
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3以降、PMEMキャッシュでは、リモート・データ・メモリー・アクセス(RDMA)を使用して頻繁にアクセスするデータを透過的にキャッシュできるようになり、問合せの応答時間とスループットが向上します。
アプリケーションのパフォーマンスへの影響を抑えるには、ワークロードが低い期間にライトバックPMEMキャッシュを有効化します。
親トピック: ライトバックPMEMキャッシュの有効化および無効化
3.5.4.2 ライトバックPMEMキャッシュの無効化
ストレージ・サーバーのライトバックPMEMキャッシュを無効化する必要がある場合は、次のステップを使用します。
ライトバックPMEMキャッシュを無効化するときには、cellsrvプロセスを停止する必要も、グリッド・ディスクを非アクティブ化する必要もありません。ただし、アプリケーションのパフォーマンスへの影響を抑えるために、ライトバックPMEMキャッシュはワークロードが低い期間に無効化してください。
親トピック: ライトバックPMEMキャッシュの有効化および無効化
3.6 Oracle Exadata Storage ServerのM.2ディスクの保守
Oracle Exadata Database Machine X7以降のシステムには、システム領域を含む2つの内蔵M.2デバイスが付属しています。
以前のすべてのシステムでは、Oracle Exadata Storage Serverの最初の2つのディスクがシステム・ディスクで、これらのシステム・ディスクの一部がシステム領域と呼ばれています。
注意:
Oracle ExadataラックおよびOracle Exadata Storage Serverは、M.2ディスクの交換中もオンライン状態で使用可能です。- M.2ディスクのステータスの監視
M.2ディスクのステータスは、CellCLILIST PHYSICALDISK
コマンドを使用して属性をチェックすることで監視できます。 - 障害またはその他の問題によるM.2ディスクの交換
3.6.1 M.2ディスクのステータスの監視
CellCLI LIST PHYSICALDISK
コマンドを使用して属性をチェックすることによって、M.2ディスクのステータスを監視できます。
ディスク・ファームウェアによってエラー・カウンタが保守され、ディスクで障害が発生しそうになると、ドライブに予測障害というマークが付けられます。交換が必要かどうかは、セル・ソフトウェアではなくドライブによって決定されます。
3.6.2 障害またはその他の問題によるM.2ディスクの交換
M.2ディスクで障害が発生すると、システム領域の冗長性が低くなり、パッチ適用、イメージ化およびシステムのレスキューに影響を及ぼす場合があります。したがって、すぐにディスクを新しいディスクに交換する必要があります。M.2ディスクで障害が発生すると、非アクティブなシステム・ディスクに格納されているソフトウェアを使用するようにストレージ・サーバーが自動的かつ透過的に切り替わり、そのシステム・ディスクがアクティブになります。
M.2ディスクに障害が発生すると、Exadataアラートが生成されます。アラートには、ディスクを交換する特定の手順が含まれます。システムのアラート通知を構成している場合、電子メールでアラートが指定したアドレスに送信されます。
M.2ディスクはホットプラグ対応で、電源の投入時に交換できます。
M.2ディスクの交換後、Oracle Exadata System Softwareによって新しいデバイスが自動的にシステム・パーティションに追加され、再構築プロセスが開始されます。
3.7 ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
セルのRAMキャッシュはフラッシュ・キャッシュの直前にあるキャッシュとして、データベース・キャッシュを拡張します。フラッシュ・キャッシュよりも高速ですが、容量が小さくなります。
セルのRAMキャッシュ機能は、Oracle Exadata System Softwareリリース18c (18.1.0.0.0)で導入されました。セルのRAMキャッシュはデフォルトでは無効になっています(ramCacheMode
がauto
に設定されています)。
- セルのRAMキャッシュについて
セルのRAMキャッシュは、オンライン・トランザクション処理(OLTP)読取りのIO待機時間を大幅に短縮します。 - セルのRAMキャッシュのサイズ指定に関する推奨事項
ピークのOLTPワークロード時の自動ワークロード・リポジトリ(AWR)レポートのバッファ・プール・アドバイザ・セクションを使用して、セルのRAMキャッシュの推奨サイズを決定します。 - セルのRAMキャッシュの有効化
セルのRAMキャッシュ機能を有効にするには、各Oracle Exadata Storage ServerでramCacheMode
セル属性をon
に設定します。 - セルのRAMキャッシュのサイズの表示
ramCacheMode
属性をon
に設定すると、ストレージ・サーバーは自動的に利用可能な空きメモリーを最大限に使用してセルのRAMキャッシュを作成します。 - セルのRAMキャッシュのサイズ変更
ストレージ・サーバーは自動的に利用可能な空きメモリーを最大限に使用してセルのRAMキャッシュを作成します。 - セルのRAMキャッシュ使用状況統計の監視
- セルのRAMキャッシュの無効化
セルのRAMキャッシュ機能を無効にするには、各Oracle Exadata Storage ServerでramCacheMode
セル属性をoff
に設定します。
3.7.1 セルのRAMキャッシュについて
セルのRAMキャッシュは、オンライン・トランザクション処理(OLTP)読取りのIO待機時間を大幅に短縮します。
OLTPワークロードでは通常、cell single block physical read
の待機統計がデータベース処理時間の上位コンシューマとして表示されます。これらの読取りをセルのRAMキャッシュから調達できる場合、待機時間を大幅に短縮し、これらの読取りのIO待機時間を短縮し、OLTPアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
または、データベース・バッファ・キャッシュの拡張機能としてセルのRAMキャッシュを参照することもできます。バッファ・キャッシュ・ミスはセルのRAMキャッシュとなり、バッファ・キャッシュとセルのRAMキャッシュの能力の組合せによってより多くのキャッシュ・ヒットを取得できるため、OLTPのパフォーマンスが向上します。
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.7.2 セルのRAMキャッシュのサイズ指定に関する推奨事項
ピークのOLTPワークロード時の自動ワークロード・リポジトリ(AWR)レポートのバッファ・プール・アドバイザ・セクションを使用して、セルのRAMキャッシュの推奨サイズを決定します。
メモリー拡張キットのないExadata Storage Server上のセルのRAMキャッシュのデフォルト・サイズは制限されるため、この機能はデフォルトで有効になっていません。アクセラレーションの利点を得るには、まずストレージ・サーバーにメモリー拡張キットをインストールする必要があります。その後、セルのRAMキャッシュを有効にでき、Oracle Exadata System SoftwareはExadata Storage Serverの空きメモリーに基づいてセルのRAMキャッシュを自動的にサイズ設定します。
ピークのOLTPワークロード中にAWRレポートのバッファ・プール・アドバイザ・セクションを使用すると、セルのRAMキャッシュをどのように構成するかを決定するのに役立ちます。次に例を示します。

図awr-buffer-pool-advisory-report-cell-ram-cache-sizing.pngの説明
前述のレポートでは、現在のバッファ・キャッシュ・サイズ(1.00のサイズ係数)を使用すると、データベースでは約338,000,000回の物理読取りが実行されます。バッファ・キャッシュを87% (1.87のサイズ係数)増やすと、物理読取りが約12,000,000回に減少します。
バッファ・キャッシュ・サイズの87%であるセルのRAMキャッシュを作成した場合、338,431,000回の読取り - 11,971,000回の読取り、つまり、約326,000,000回の読取りがセルのRAMキャッシュによって満たされることになります。セルのRAMキャッシュは、セルのRAMキャッシュを活用するOLTP読取りの回数に基づいてサイズ設定できます。セルのRAMキャッシュの合計サイズを使用可能なストレージ・サーバーの数で除算して、ストレージ・サーバーごとに使用するターゲットRAMサイズを取得する必要があります。
Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースが複数のデータベース・インスタンスを使用して設定されている場合、各データベース・インスタンスにはそれぞれのAWRレポート内に独立したバッファ・プール・アドバイザを持ちます。物理読取りの削減回数は、インスタンスによって異なる場合があります。このレポートでは、バッファ・キャッシュ・ミスが別のインスタンスからのキャッシュ・フュージョン・ブロック転送によって満たされる場合がすでに考慮されています。そのため、バッファ・プール・アドバイザ・レポートでは、キャッシュ・フュージョン・ブロックの転送回数をあらかじめ計算に入れた後の実際のストレージの読取り回数のみ推定されます。Oracle RACのセルのRAMキャッシュのサイズ設定方法は非常に簡潔です。各インスタンスに必要な追加領域がどのくらいであるかを確認し、それらの値を加算します。その合計は、プロビジョニングする必要のあるセルのRAMキャッシュの量です。
同様に、複数のデータベースが同じセルセットを共有している場合は、データベースごとに追加のバッファ・キャッシュ・サイズを合計できます。その合計は、セルでプロビジョニングする必要があるセルのRAMキャッシュの合計量です。
必要なセルのRAMキャッシュのサイズがわかったら、どのメモリー拡張キットがニーズに対して最適であるかを決定できます。データベース・サーバーとストレージ・サーバーの両方に追加メモリーを追加することにより、サーバーを任意の順序でアップグレードできます。
-
データベース・サーバー・メモリーを展開すると、指定されたサーバー上でより多くのメモリーが提供され、より大容量のSGAやPGAなどに加えて、より大きいバッファ・キャッシュを潜在的に持つことが可能になります。
-
ストレージ・サーバー・メモリーを展開すると、セルのRAMキャッシュはすべてのデータベース・サーバーで共有されます。追加のメモリーは、すべてのOracle Virtual Machine (Oracle VM)およびデータベース・インスタンス全体にわたって利用できます。
様々なデータベース・サーバーまたはOracle VMで異なるタイミングで様々なワークロードを実行する場合、または複数のデータベースを持つ統合環境を実行している場合、ストレージ・サーバー・メモリーを展開すると、メモリーをすべてのデータベースで共有できるため、追加メモリーの使用量をより柔軟に最大化できる可能性があります。
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.7.3 セルのRAMキャッシュの有効化
セルのRAMキャッシュ機能を有効にするには、各Oracle Exadata Storage ServerでramCacheMode
セル属性をon
に設定します。
ramCacheMode
がauto
に設定されています)。ストレージ・サーバーのramCacheMode
をon
に変更すると、ストレージ・サーバー上でセルのRAMキャッシュを作成するために可能なかぎり使用可能な空きメモリーが自動的に使用されます。
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.7.4 セルのRAMキャッシュのサイズの表示
ramCacheMode
属性をon
に設定した後、ストレージ・サーバーでセルのRAMキャッシュを作成するために可能なかぎり使用可能な空きメモリーが自動的に使用されます。
alert.log
を監視すると、セルのRAMキャッシュの作成の進行状況を追跡できます。
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.7.5 セルのRAMキャッシュのサイズ変更
ストレージ・サーバーでセルのRAMキャッシュを作成するために可能なかぎり使用可能な空きメモリーが自動的に使用されます。
セルのRAMキャッシュ機能を有効にしても、Oracle Exadata Storage ServerでセルのRAMキャッシュを作成するために可能なかぎり使用可能な空きメモリーが自動的に使用されます。セルのRAMキャッシュのサイズは、CellCLI LIST CELL ramCacheSize
コマンドを使用することで判別できます。
ramCacheMaxSize
属性により、セルのRAMキャッシュに使用できるメモリーの最大量が決まります。
セルのRAMキャッシュのサイズを制限するには、各ストレージ・サーバーでramCacheMaxSize
属性の値を変更します。
exadcli
を使用して単一のコマンドで複数のストレージ・サーバーを変更したり、各Oracle Exadata Storage Serverで次のコマンドを実行したりできます。
CellCLI> ALTER CELL ramCacheMaxSize=1G
Cell host03celadm10 successfully altered
例3-1 セルのRAMキャッシュのサイズ制限
セルのRAMキャッシュの最大サイズを1GBに制限するには、次のコマンドを使用して、複数のOracle Exadata Storage Serverを変更します。
exadcli -c cell01,cell02,cell03 -l celladministrator alter cell ramCacheMaxSize=1G
関連トピック
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.7.7 セルのRAMキャッシュの無効化
セルのRAMキャッシュ機能を無効にするには、各Oracle Exadata Storage ServerでramCacheMode
属性をoff
に設定します。
注意:
セルのRAMキャッシュ機能はデフォルトでは無効になっています(ramCacheMode
がauto
に設定されています)。
親トピック: ストレージ・サーバーのRAMキャッシュの管理
3.8 グリッド・ディスクのサイズ変更
グリッド・ディスクおよびOracle ASMディスク・グループのサイズを変更して、空き領域があるものを縮小し、いっぱいに近いもののサイズを増やすことができます。
-
内部バックアップの場合: 使用可能な領域の割当ては、DATAディスク・グループで40%、RECOディスク・グループで60%です。
-
外部バックアップの場合: 使用可能な領域の割当ては、DATAディスク・グループで80%、RECOディスク・グループで20%です。
システムで、セル・ディスクに空き領域がないが、1つのディスク・グループ(たとえばRECO)には十分な空き領域がある場合、RECOディスク・グループのサイズを小さくして、空き領域をDATAディスク・グループに再割当てすることができます。RECOディスク・グループを縮小した後で得られる空き領域は、DATAディスク・グループの既存の領域割当てとは連続しないオフセットにあります。グリッド・ディスクは、セル・ディスク上のどこにある領域でも使用することができ、連続している必要はありません。
グリッド・ディスクを拡張しようとするとき、十分な領域がセル・ディスクにすでにあり、既存のグリッド・ディスクを拡張できる場合には、最初に既存のディスク・グループをサイズ変更する必要はありません。RECOディスク・グループとグリッド・ディスクの縮小について説明しているステップ2と3は省略することもできます(ただし、DATAグリッド・ディスクを拡張する前に十分な空き領域があることを確認する必要はあります)。管理者が確保する必要がある空き領域の量は、障害時の補償範囲のレベルによって異なります。
グリッド・ディスクのサイズを縮小する場合は、ミラー化のために領域を確保する方法を理解する必要があります。データは、標準または高冗長性を使用してOracle ASMによって保護され、ファイル・エクステントとして保存される1つまたは2つのデータのコピーが作成されます。これらのコピーは、個別の障害グループに保存されます。1つの障害グループで障害が発生しても、ミラー・コピーには影響がないため、データにはまだアクセスできます。
障害が発生すると、アクセスできないエクステントがOracle ASMによって再ミラー化(またはリバランス)されるため、冗長性が再確立されます。プロセスの再ミラー化を成功するには、新しいファイル・エクステントのミラー・コピーの作成に十分な空き領域がディスク・グループに存在する必要があります。十分な空き領域がないと、一部のエクステントが再ミラー化されず、他のデータ・コピーで後で障害が発生した場合に、ディスク・グループをバックアップからリストアする必要があります。領域の不足により再ミラー化プロセスが失敗すると、Oracle ASMはエラーを送信します。
Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.1.0以上を使用しているか、バグ19695225用のパッチがソフトウェアに適用されている必要があります。
グリッド・ディスクのサイズを変更するこの手順は、ベア・メタルおよび仮想マシン(VM)デプロイメントに適用されます。
- 使用可能な領域の容量の判別
ディスク・グループ内のディスクのサイズを増やすには、未割当てのディスク領域があることが必要です。または、別のディスク・グループが現在使用している領域を再割当てすることが必要になります。 - ドナー・ディスク・グループのOracle ASMディスクの縮小
セル・ディスク上に使用可能な空き領域がない場合は、あるディスク・グループが使用する領域を減らして、別のディスク・グループに追加のディスク領域を提供することができます。 - ドナー・ディスク・グループのグリッド・ディスクの縮小
Oracle ASMディスク・グループのディスクを縮小した後、各セルのグリッド・ディスクのサイズを縮小します。 - 使用可能な領域によるグリッド・ディスクのサイズの拡張
未割当てのディスク領域(すでに使用可能な領域、または別のOracle ASMディスク・グループで使用されている領域を縮小することで使用可能になった領域)がある場合は、グリッド・ディスクで使用されるサイズを増やすことができます。 - Oracle ASMディスクのサイズの拡張
関連するグリッド・ディスクに割り当てられた領域を増やした後で、Oracle ASMディスクに使用されるサイズを増やすことができます。
関連トピック
3.8.1 使用可能な領域の容量の判別
ディスク・グループ内のディスクのサイズを増やすには、未割当てのディスク領域があるか、別のディスク・グループが現在使用している領域を再割当てする必要があります。
また、Exadataの新規グリッド・ディスクおよびディスク・グループのサイズを計算するためのスクリプト(My Oracle Supportのドキュメント ID 1464809.1)で使用可能なスクリプトを使用すると、ディスク・グループを縮小するために使用可能な空き領域の量の判別に役立ちます。
親トピック: グリッド・ディスクのサイズ変更
3.8.2 ドナー・ディスク・グループのOracle ASMディスクの縮小
セル・ディスク上に使用可能な空き領域がない場合は、あるディスク・グループが使用する領域を減らして、別のディスク・グループに追加のディスク領域を提供することができます。
親トピック: グリッド・ディスクのサイズ変更
3.8.3 ドナー・ディスク・グループのグリッド・ディスクの縮小
Oracle ASMディスク・グループのディスクを縮小した後、各セルのグリッド・ディスクのサイズを縮小します。
親トピック: グリッド・ディスクのサイズ変更
3.8.4 使用可能な領域によるグリッド・ディスクのサイズの拡張
割り当てられていないディスク領域がすでに使用可能か、異なるOracle ASMディスク・グループが使用する領域を縮小して使用可能にした場合、グリッド・ディスクが使用するサイズを増やすことができます。
このタスクは、RECOC1ディスク・グループの領域をDATAC1ディスク・グループに再割当てする例の続きです。既存のディスク・グループを拡張するために十分な領域がすでにある場合は、別のディスク・グループの領域を再割当てする必要はありません。
DATAディスク・グループのサイズを増やすかわりに、新しい空き領域を使用して新しいディスク・グループを作成することや、将来使用するために空き領域のままにしておくこともできます。一般的には、必要な最小限の数のディスク・グループ(通常はDATA、RECOおよびDBFS_DG)を使用して、高い柔軟性と管理のしやすさを実現することをお薦めします。ただし、場合によっては、仮想マシンを使用するとき、または多数のデータベースを統合するときなど、追加のディスク・グループや将来のための使用可能な空き領域が必要になる可能性があります。
将来のためにグリッド・ディスクに空き領域を残しておく場合は、後から既存のディスク・グループに空き領域を割り当てるステップについて「My Oracle Support Note 1684112.1」を参照してください。
3.8.5 Oracle ASMディスクのサイズの拡張
関連するグリッド・ディスクに割り当てられる領域を増やした後、Oracle ASMディスクが使用するサイズを増やすことができます。
関連トピック
親トピック: グリッド・ディスクのサイズ変更
3.9 Oracle Exadata System Softwareのレスキュー手順の使用
両方のシステム・ディスクで同時に障害が発生するまれな事例の場合、Oracle Exadata System Software CELLBOOT USBフラッシュ・ドライブで提供されるOracle Exadata Storage Serverレスキュー機能を使用する必要があります。
- Oracle Exadata System Softwareのレスキュー手順について
システム・ディスクで障害が発生した場合や、オペレーティング・システムに破損したファイル・システムがある場合、ブート領域が損傷している場合にはレスキュー手順が必要です。 - CELLBOOT USBフラッシュ・ドライブを使用したレスキューの実行
レスキュー手順の実行には、CELLBOOT USBフラッシュ・ドライブを使用できます。 - Oracle Exadata Database Machineストレージ・サーバーのレスキュー後の構成
レスキューが成功したら、セルを構成する必要があります。データ・パーティションを維持した場合は、レスキュー手順の実行時にセル・ディスクが自動的にインポートされています。 - Oracle Exadata Database Machineエイス・ラックのストレージ・サーバーのレスキュー後の構成
エイス・ラック・システムに含まれるストレージ・サーバーの場合は、レスキューの成功後に次のステップを使用して、セルを構成する必要があります。 - 損傷したCELLBOOT USBフラッシュ・ドライブの再作成
3.9.1 Oracle Exadata System Softwareのレスキュー手順について
システム・ディスクで障害が発生した場合、オペレーティング・システムに破損したファイル・システムがある場合またはブート領域が損傷している場合、レスキュー手順が必要です。
1つのシステム・ディスクのみで障害が発生した場合、リカバリにCellCLIコマンドを使用します。
通常の冗長性を使用している場合、レスキューされるセルのミラー・コピーは1つだけです。レスキュー手順の実行中にこのミラーでも障害が発生すると、リカバリできないデータの損失が発生する可能性があります。ミラー・コピーのデータの完全なバックアップを作成し、すぐにミラー・コピー・セルをオフラインにしてレスキュー前の新しいデータ変更を防止することをお薦めします。これにより、レスキュー・プロセス中は、障害が発生したセルのグリッド・ディスクのすべてのデータおよびそのミラー・コピーにアクセスできなくなります。
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク修復タイマーのデフォルトの修復時間は、3.6時間です。この時間内にレスキュー手順を実行できないことがわかった場合、レスキュー手順を実行できるまで、Oracle ASMリバランス手順を使用してディスクをリバランスする必要があります。
高冗長性ディスク・グループを使用している場合(たとえば、障害が発生したセルのすべてのグリッド・ディスクにOracle ASMの複数のミラー・コピーがある場合)は、障害が発生したセルをオフラインにします。構成したOracle ASMのタイムアウト後に、障害が発生したセルのグリッド・ディスクはOracle ASMによって自動的に削除され、ミラー・コピーを使用したデータのリバランスが開始されます。デフォルトのタイムアウトは2時間です。セルのレスキューに2時間以上かかる場合は、Oracle ASMでレスキューしたセルにグリッド・ディスクを再作成する必要があります。
注意:
十分に注意してレスキュー手順を使用してください。誤って手順を使用すると、データの損失が発生する可能性があります。レスキュー手順を使用する場合、次の点に注意してください。
-
レスキュー手順により、セルの一部またはすべてのディスクが書き換えられる可能性があります。この場合、リカバリできずにそれらのディスクのすべての内容を失う可能性があります。
この手順を使用する場合は十分に注意し、プロンプトを確認してください。レスキュー手順は、Oracleサポート・サービスの支援を受ける場合や、一部または全部のディスクのデータを失っても問題がない場合にのみ使用してください。
-
レスキュー手順の実行中に明示的に選択しないかぎり、レスキュー手順により、データ・ディスクの内容またはシステム・ディスクのデータ・パーティションの内容は破棄されません。
-
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2以降では、レスキュー手順によりOracle Exadata System Softwareが同じリリースにリストアされます。これには、最後に正常にブートしたときのセルのパッチが含まれます。レスキュー手順の使用に関して、次の点に注意してください。
-
セル構成情報(アラート構成、SMTP情報、管理者の電子メール・アドレスなど)はリストアされません。
-
/usr/local/bin/ipconf
ユーティリティの実行が最後に成功したときに存在したネットワーク構成はリストアされます。 -
セルのSSH IDと、
root
、celladmin
およびcellmonitor
ユーザーは復元されます。 -
Oracle Exadata Storage Serverに対するIntegrated Lights Out Manager (ILOM)の構成はリストアされません。通常、ILOM構成は、Oracle Exadata System Softwareに障害が発生しても損なわれません。
-
-
レスキュー手順により、データ・ディスクまたはシステム・ディスクのデータ・パーティションの確認または再構築は行われません。グリッド・ディスクにデータの破損がある場合、レスキュー手順は使用しないでください。かわりに、Oracle DatabaseおよびOracle ASMのレスキュー手順を使用してください。
正常なレスキューの実行後、セルを再構成し、データを保存する場合はセル・ディスクをインポートする必要があります。データを保存しない場合は、新しいセル・ディスクおよびグリッド・ディスクを作成する必要があります。
3.9.3 Oracle Exadata Database Machineストレージ・サーバーのレスキュー後の構成
レスキューが成功した後、セルを構成する必要があります。データ・パーティションを維持した場合は、レスキュー手順の実行時にセル・ディスクが自動的にインポートされています。
3.9.4 Oracle Exadata Database Machineエイス・ラックのストレージ・サーバーのレスキュー後の構成
エイス・ラック・システムに含まれるストレージ・サーバーの場合は、レスキューの成功後に次のステップを使用してセルを構成する必要があります。
Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.3以降では、セル・レスキュー後に追加のステップは必要ありません。
3.10 「ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更」
エラスティック構成を使用すると、Oracle Exadata Database Machineの容量を変更できます。
- セル・ノードの追加
このシナリオでは、ディスク・グループを含む既存のOracle Exadata Database Machineに新しいストレージ・サーバー(またはセル)を追加する必要があります。 - エイス・ラック・クラスタへの新しいストレージ・サーバーの追加
既存のOracle Exadata Database Machine X7以降のエイス・ラックに新しいOracle Exadata Database Machine X7以降のストレージ・サーバーを追加するには、次のステップを実行します。 - OEDACLIを使用したストレージ・セルの追加
OEDACLIには、様々な構成のエラスティック・ストレージ拡張(ベアメタル、単一のOracle VMまたは複数のOracle VMなど)を実行するためのインタフェースがあります。 - 既存のExadataストレージ・グリッドの拡張
- 既存のディスク・グループまたはストレージ・グリッドからのストレージ・サーバーの削除
既存のOracle Exadataラックからストレージ・サーバーを削除できます。 - OEDACLIを使用したストレージ・サーバーの削除
OEDACLIには、様々な構成のストレージ・サーバー(ベアメタル、単一のOracle VMまたは複数のOracle VMなど)を削除するためのインタフェースがあります。
関連トピック
3.10.1 セル・ノードの追加
このシナリオでは、ディスク・グループを含む既存のOracle Exadata Database Machineに新しいストレージ・サーバー(またはセル)を追加する必要があります。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
3.10.2 エイス・ラック・クラスタへの新しいストレージ・サーバーの追加
既存のOracle Exadata Database Machine X7以降のエイス・ラックに新しいOracle Exadata Database Machine X7以降のストレージ・サーバーを追加するには、次のステップを実行します。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
3.10.3 OEDACLIを使用したストレージ・セルの追加
OEDACLIには、様々な構成のエラスティック・ストレージ拡張(ベアメタル、単一のOracle VMまたは複数のOracle VMなど)を実行するためのインタフェースがあります。
前提条件
- すべての新しいストレージ・サーバーは物理ラックに設置されていて接続されている必要があります。
- すべての新しいストレージ・サーバーは、管理およびRDMAネットワーク・ファブリックの構成が実行されている必要があります。
- OEDACLIは、データベース・サーバー(ベアメタルまたはゲスト・ドメイン)およびストレージ・サーバーにネットワーク・アクセスできるマシンから実行する必要があります。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
3.10.4 既存のExadataストレージ・グリッドの拡張
このシナリオでは、Exadataラック内にExadataストレージ・セルが存在し、最も拡張の必要なExadataストレージ・グリッドにストレージ・セルを追加します。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
3.10.5 既存のディスク・グループまたはストレージ・グリッドからのストレージ・サーバーの削除
既存のOracle Exadataラックからストレージ・サーバーを削除できます。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更
3.10.6 OEDACLIを使用したストレージ・サーバーの削除
OEDACLIには、様々な構成(ベアメタル、単一のOracle VMまたは複数のOracle VMなど)のストレージ・サーバーを削除するためのインタフェースがあります。
ディスク・グループからディスクを削除して、ストレージ・サーバーのオブジェクトを削除する手順は、わずかな数のコマンドで実施します。トリガーされるリバランス操作は、削除するストレージ・セルの数に関係なく1つのみです。
前提条件
- 有効なOEDA XML構成ファイル(拡張する環境内で使用している計算ノードとストレージ・セルの完全リストを反映しているもの)。この作業の最初のステップでは、新しいOEDA XML構成ファイルを生成することで、現在の構成が確実に使用されるようにしています。
- OEDACLIは、データベース・サーバー(ベアメタルまたはゲスト・ドメイン)およびストレージ・サーバーにネットワーク・アクセスできるマシンから実行する必要があります。
親トピック: ストレージ・セルの既存のエラスティック構成の変更