2 Oracle GoldenGate Veridataの前提条件およびシステム要件

インストールを開始する前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件と、最初に完了する必要のあるインストール前タスクを確認してください。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 一般情報

Oracle GoldenGate VeridataではOracle GoldenGateレプリケーション・ソフトウェアのインストールは不要です。そのソフトウェアを使用する場合は、Oracle GoldenGate Veridataを別の場所にインストールします。

Oracle GoldenGate Veridataは、使用可能なすべてのCPUおよびメモリーを利用するために、専用ハードウェア上で実行するように設計されています。Oracleでは、Oracle GoldenGate Veridataサーバーがインストールされているのと同じホスト上で他のアプリケーションを実行しないようにすることをお薦めしています。

2.2 Oracle GoldenGate Veridataをインストールするための前提条件

この項では、Oracle GoldenGate Veridataを正常にインストールおよび構成する前に満たす必要のある前提条件について説明します。次の項では、前提条件について説明します。

2.2.1 動作保証、システムおよび相互運用性の要件の確認

ご使用の環境がインストールの要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントをあわせて使用することをお薦めします。

  1. 環境が動作保証要件を満たしていることの確認:

    サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成上に製品をインストールすることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成に関するページで、リリースに適した動作保証のドキュメントを参照してください。

    Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証要件がリリースされると、それらはすぐに動作保証に関するドキュメントに追加されます。動作保証情報は随時発表されます。そのため、動作保証ドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  2. 動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用:

    Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件が満たされているか確認することをお薦めします。たとえば、ご使用の製品が64ビットのOracle Linux 6.5へのインストールについて動作保証されていることが動作保証ドキュメントに記載されている場合、このドキュメントを使用してシステムが必要最低限の仕様を満たしていることを確認します。その中には、ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチ、およびその他のオペレーティング・システム固有の要件が含まれます。システム要件は、将来的に変更されることがあります。したがって、システム要件のドキュメントはドキュメント・ライブラリとは別に管理され、Oracle Technology Networkで入手可能です。

  3. 複数の製品間での相互運用性の確認:

    複数のFusion Middleware製品を同一リリースから、または異なるリリースが混在した状態でインストールし実行する方法を学習するには、『Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性の理解』Oracle Fusion Middlewareの相互運用性および互換性に関する章を参照してください。

2.2.2 インストール・ユーザーの選択

システムをインストールおよび構成するユーザーは、必要な権限を持っている必要があります。

2.2.2.1 ユーザー権限について

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーには、次の権限があります。

  • 実行可能ファイル以外(.jar.properties.xmlなど)のすべてのファイルに対する読取り権限と書込み権限。その他の同じグループのすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限のみがあります。

  • すべての実行可能ファイル(.exe.shまたは.cmd)に対する読取り、書込みおよび実行権限。同じグループのその他のすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限および実行権限のみがあります。

したがって、ソフトウェアをインストールするユーザー以外のユーザーも、ドメインまたはFusion Middleware製品を構成するためにOracleホームのインストール・バイナリを使用できます。

その他、インストーラを実行する前に次のような考慮事項があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストールの前にumask027に設定することをお薦めします。これにより、インストール時にファイルの権限を適切に設定できます。次のコマンドを使用します。

    umask 027

    このコマンドは、製品のインストーラと同じ端末ウィンドウで実行する必要があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストール・プログラムをrootユーザーで実行しないでください。インストーラの起動検証が失敗し、続行できなくなります。

  • 製品のインストールを管理する際(パッチ適用など)は、初回の製品インストールに使用したものと同じユーザーIDを使用する必要があります。

  • Windowsオペレーティング・システムでは、インストールを実行するユーザーは管理者権限を持っている必要があります。「Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認」を参照してください。

2.2.2.2 UNIXオペレーティング・システムでのデフォルト以外のユーザー権限について

デフォルトの権限の設定を変更すると、インストールおよびシステムのセキュリティが低下します。デフォルトの権限の設定を変更することはお薦めしません。

他のユーザーが特定のファイルまたは実行可能ファイルにアクセスする必要がある場合は、UNIXのsudoコマンド(または他の同様のコマンド)を使用してファイルのアクセス権を変更してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

2.2.2.3 Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認

デフォルトでは、管理者権限を持つグループのユーザーは、一般レベルの権限でシステムにサインインしますが、管理タスクを実行する際には権限レベルの引き上げをリクエストできます。

高い権限が必要なタスクを実行するには:

  1. 左下の「スタート」メニューまたはWindowsアイコンから、「コマンド・プロンプト」アイコンを見つけます。
  2. コマンド・プロンプトを右クリックして、「管理者として実行」を選択します。
    こうするとコマンド・プロンプトのウィンドウが新規に開き、このウィンドウで実行されるすべてのアクションが管理者権限で実行されます。

    ノート:

    システムでユーザーアクセス制御が有効な場合、このアクションの確認を求めるウインドウが表示される場合があります。確認し、この手順を続行します。

    ノート:

    Oracle Internet Directoryの場合は、ユーザー・アカウント制御(UAC)が有効化されていることを確認します。完了していない場合、適切なバージョンのOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ユーザー・アカウント制御(UAC)の有効化に関する項で説明する手順に従い、UACを有効化します。

    ノート:

    Oracle Identity and Access Managementコンポーネントの場合は、ユーザー・アカウント制御(UAC)を有効にしていることを確認します。完了していない場合、適切なバージョンのOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ユーザー・アカウント制御(UAC)の有効化に関する項で説明する手順に従い、UACを有効化します。
  3. 必要なタスクを実行します。

    たとえば、製品のインストーラを起動するには:

    jarファイルの場合は、次のように入力します。

    java —jar distribution_name.jar

    実行可能ファイル(.exe, .bin, or .sh file)の場合、次のように入力します:

    distribution_name.exe

2.2.3 Oracleホーム・ディレクトリについて

オペレーティング・システムに対して動作保証されているJDKをインストールした後、Oracle Fusion Middleware 12.2.1.4.0 Infrastructureインストーラを使用してOracle WebLogic Server 12.2.1.4.0およびOracle Java Required Files (JRF) Infrastructureサービスをインストールします。

Oracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。

このディレクトリは、同じマシンにインストールされた複数のFusion Middleware製品で使用される共通ファイルのリポジトリです。これらのファイルは、Fusion Middlewareが確実にシステムで正しく動作することを保証します。これらによって、インストール時の製品間の依存関係のチェックが容易になります。このためOracleホーム・ディレクトリは、システムにインストールされるすべてのOracle Fusion Middleware製品の中心的なサポート・ディレクトリとみなすことができます。Oracleホーム・ディレクトリは、Fusion MiddlewareドキュメントでORACLE_HOMEと呼ばれています。

Oracleホームに関する考慮事項

  • Oracleホーム・ディレクトリの名前には空白を含めないでください。Oracleホーム・ディレクトリのパスに空白が含まれていると、インストーラによってエラー・メッセージが表示されます。
  • 単一のOracleホーム・ディレクトリには、Oracle Fusion Middlewareの各製品に1つのインスタンスのみインストールできます。異なるバージョンの製品を同じマシンにインストールするには、それぞれのバージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリに格納する必要があります。
単一のOracleホームに複数の異なる製品をインストールすることもできますが、Oracleホームには各製品で1つのバージョンのみをインストールできます。

複数のホーム・ディレクトリ

ほとんどの場合、Oracleホームは1つで十分ですが、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合もあります。たとえば次の場合に、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。
  • それぞれ製品のスタックが別々の開発と本番環境を別々に管理する場合。2つのディレクトリを使用するこのにより、準備ができるまで本番環境を変更せずに、開発環境を更新できるようになります。
  • 2つのバージョンのFusion Middleware製品を同時に保持する場合。たとえば、製品の既存のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールする必要があるとします。この場合、製品の各バージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。
  • Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性の理解を参照してください。

ノート:

複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合は、各製品の構成段階で重複しないポート範囲を指定する必要があります。

2.2.4 Oracle Fusion MiddlewareのインストールのためのJDK要件について

ほとんどのFusion Middleware製品は、.jar ファイル形式で配布されます。これらのディストリビューションにJDKは含まれていません。.jar配布インストーラを実行するには、動作保証されたJDKがシステムにインストールされている必要があります。

JDKがOracleホームの外部にインストールされていることを確認してください。Oracleホームの下にJDKをインストールすると、将来タスクを実行しようとしたときに、問題が発生する可能性があります。Oracle Universal Installerは、Oracleホーム・ディレクトリが空であるかどうかを検証し、空のディレクトリが指定されるまで、インストールを進めません。JDKのインストールは、/home/oracle/products/jdkディレクトリに行うことをお薦めします。

プラットフォーム固有のディストリビューションには、.bin (UNIXオペレーティング・システム用)または.exe (Windowsオペレーティング・システム用)インストーラが含まれます。その場合は、プラットフォーム固有のJDKがディストリビューションに含まれており、JDKを別途インストールする必要はありません。ただし、認定されたJDKのバージョンによっては、より新しいバージョンにそのJDKをアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を参照し、必要なJDKバージョンを必ず確認してください。12c (12.2.1.4.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_221以上です。

必要なJDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてJava SE JDKをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html.

2.2.5 Oracle Fusion Middlewareのインストールのためのデータベース要件について

多くのOracle Fusion Middleware製品は、構成の前にデータベース・スキーマが必要です。このようなスキーマをインストールできるデータベースがない場合は、動作保証されたデータベースをインストールして構成する必要があります。

ノート:

マルチテナント機能がサポートされており、プラガブル・データベース(PDB)とコンテナ・データベース(CDB)がサポートされています。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Technology Network (OTN)のOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの要件に関する項を参照してください。

データベースを適切に構成したら、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して、データベースに製品スキーマを作成します。このツールは、Oracle Fusion Middleware製品のOracleホームで入手できます。『Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』リポジトリ作成ユーティリティに関する項を参照してください。

ノート:

デプロイメント・トポロジおよびワーク・ロードに基づいて、My Oracle Supportの次のノートを参照し、デプロイメントに対する適切な処理を実行することをお薦めします。

Oracle Identity Manager(OIM)パフォーマンス・チューニング・ガイドラインおよび診断収集(OIM) (ドキュメントID 1539554.1)

2.3 サポートされている比較用データベース

Oracle GoldenGate Veridataでは、比較用に次のデータベースがサポートされています。

  • Oracle、ADW、ATP、DBCS
  • SQL Server
  • MySQL、MariaDB (MySQL JDBC接続文字列およびドライバを使用)
  • Teradata
  • BigData Hive
  • DB2 for i、DB2 LUW、およびDB2 z/OS
  • Informix
  • Non Stop (EnscribeおよびSQL/MP)
  • Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE)
  • PostgreSQL

サポートWebサイトでは、アップグレード前の要件、アップグレード処理、アップグレード後、互換性および相互運用性に関する最新情報、ディスカッションおよびベスト・プラクティスが提供されています。動作保証されたデータベースのバージョンおよびオペレーティング・システムなど、Oracle GoldenGate Veridataのリリースの最新詳細は、My Oracle Support (http://support.oracle.com)を参照してください。

2.4 修理のためにサポートされている/サポートされていないデータベース

Oracle GoldenGate Veridataでは、修理の機能を目的として次のデータベースがサポートされています。

  • Oracle、ADW、ATP、DBCS
  • SQL Server
  • Teradata
  • DB2 for i、DB2 LUW、およびDB2 z/OS
  • Informix
  • Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE)
  • MySQL、MariaDB (MySQL JDBC接続文字列およびドライバを使用)
  • Non Stop (Enscribe、SQL/MP)
  • PostgreSQL

Oracle GoldenGate Veridataでは、修復機能用に次のデータベースはサポートされていませんが、Oracle GoldenGateでサポートされています。

  • BigData Hive

アップグレード前の要件、アップグレード処理、アップグレード後、互換性、修理および相互運用性に関する最新情報、ディスカッションおよびベスト・プラクティスが提供されています。動作保証されたデータベースのバージョンおよびオペレーティング・システムなど、Oracle GoldenGate Veridataの最新リリースの詳細は、My Oracle Support (http://support.oracle.com)を参照してください。サポートされているバージョンのサポート/動作保証に関するマトリックスは、Oracle SupportのWebサイト(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html)を参照してください。

2.5 修理SQLのダウンロードのためにサポートされている/サポートされていないデータベース

Oracle GoldenGate Veridataでは、修復SQL機能のダウンロードのために、次のターゲット・データベースがサポートされています。

  • Oracle
  • SQL Server

2.6 Oracle GoldenGate Veridataエージェントのシステム要件

比較対象のデータが含まれるデータベース・インスタンスごとに1つのOracle GoldenGate Veridataエージェントをインストールする必要があります。したがって、少なくとも2つ(ソース行の取得用とターゲット行の取得用)のエージェントをインストールします(同じデータベース・インスタント内のデータの比較ではない場合)。1つのエージェントで指定したデータベース・インスタンス内の複数のデータベースまたはスキーマから行を取得できます。ただし、1つのエージェントで異なるデータベース・インスタンスから行は取得できません。

マルチバイト・データの比較

マルチバイト・データを含む表を比較する場合、次のような考慮が必要です。

  • CエージェントのみのNonStop以外は、すべてのプラットフォームでJavaエージェントを使用します。

  • Javaエージェントでは、文字データの比較にUTF-8文字を使用します。同期していないデータはUTF-8文字セットを使用してレポート・ファイルに書き込まれます。

  • Oracle GoldenGate Veridata Oracle Cエージェントは、ソースとターゲットが同じ文字セットを使用し、ホスト・システムが同じバイト順序を使用するOracleデータベース間の比較に使用できます。Oracle CエージェントはJavaエージェントとの比較には使用できません。有効なUTF-8文字以外の文字を含む文字フィールドは、非同期レポートで16進数で表示されます。

2.6.1 Oracle GoldenGate Veridata Javaエージェント

Oracle GoldenGate Veridataは、次のデータベースにJavaベースのエージェントを提供します。

  • DB2 for i、DB2 LUW、およびDB2 z/OS

  • Oracle

  • SQL Server

  • Sybase ASE

  • Teradata

  • Informix

  • BigData Hive

JavaエージェントはJDBC(Java Database Connectivity)を使用してデータベースに接続します。Javaエージェントを使用すると、Oracle GoldenGate Veridataは類似はしているが同じではないデータ型が含まれる異種環境での比較をサポートできます。Javaエージェントを使用すると、1つの実行可能ファイルで多くのオペレーティング・システムおよびデータベースがサポートされます。

Javaエージェントは、データベースを実行中のシステムと同じシステム、または別のシステム(Oracle GoldenGate Veridataサーバーをインストールしたシステムなど)にインストールできます。エージェントのインストール場所を検討する際は、エージェントがデータベースからリモートにある場合は、発生するネットワーク帯域幅の追加および大幅な使用とエージェントを実行中でない場合のデータベース・ホスト上のリソース処理の節約を比較検討します。

2.6.1.1 Javaエージェントを使用する際の環境要件

Windows、UNIXおよびLinux、サポートされているすべてのデータベース

すべてのプラットフォームでJava環境が必要です。Oracle Webサイトから、Java Developer Kit (JDK)またはJava Runtime Environment (JRE)のいずれかをダウンロードしてインストールします。

DB2

TCP/IPポートを構成し、アクティブにしておく必要があります。

Oracle

リスナーが構成され、実行されている必要があります。

SQL Server

静的TCP/IPポートを構成し、有効化しておく必要があります。

Sybase

ASEリスニング・ポートを認識します。

Teradata

  • データベースのホスト名とポート番号を調べておきます。
  • 適切なJDBCドライバをデータベースのベンダーのWebサイトからダウンロードしてから、Javaエージェントをインストールします。このガイドのインストール・ステップ中の場所が要求されます。

INFORMIX

TCP/IPポートを構成し、アクティブにしておく必要があります。

Hive

TCP/IPポートを構成し、アクティブにしておく必要があります。

ADW/ATP

詳細は、ADW/ATPへのVeridataエージェントの接続を参照してください。

2.6.2 Oracle GoldenGate Veridata Cエージェント

Oracle GoldenGate Veridataには、次のデータベースに対するCコード・ベースのエージェントも用意されています。

  • Cエージェントは、NonStopプラットフォーム上で実行中のNonStop SQL/MPおよびEnscribeデータベースに必要です。このエージェントはGuardian環境にインストールできます。

  • CエージェントはOracleデータベースに対してサポートされていますが、リリース11.2.1.0.0以降は機能の拡張は行われません。

  • Cエージェントはデータベースをホストするシステムと同じシステム上にインストールする必要があります。

  • Oracleの場合は、動的にリンクしたCエージェントを使用できます。このエージェントを使用する場合は、次の環境変数を設定する必要があります。

動的にリンクしたCエージェントの環境変数

変数 オペレーティング・システム

PATH=Oracle_libraries

Windows

SHLIB_PATH=Oracle_libraries

HP-UX

LIBPATH=Oracle_libraries

IBM AIX

LD_LIBRARY_PATH=Oracle_libraries

その他のすべてのサポートされているUNIXプラットフォーム

2.6.3 エージェント・コンポーネントのディスクおよびメモリー要件

  • エージェントには少なくとも1GBのRAMが必要です。

  • Oracle GoldenGate Veridataエージェントのディスク領域要件はプラットフォームによって異なりますが、最大200 MBが必要です。UNIXおよびLinuxの場合は、Java環境にインストールするには追加領域が必要です(インストールされていない場合)。

  • 処理リソースの主なコンシューマは比較中に必要な行ソート操作です。パフォーマンスを改善するには、キーとして使用する列がネイティブな一意の索引または主キーでない場合は、データベース内の一時メモリー領域を増やす必要があります。Oracle GoldenGate Veridataを構成する際にキーとして使用する列を指定します。

  • データベース・ソートではなくサーバー側ソートを使用すると、行、定義済み索引、使用するキーの数およびデータベースのチューニング方法に応じて、データベース・サーバーの負荷が減り比較パフォーマンスが改善されます。「サーバー・コンポーネントのディスクおよびメモリー要件」を参照してください。

2.6.4 エージェント・コンポーネントのデータベース権限

Oracle GoldenGate Veridataエージェントはデータベース・ログインを使用するため、比較を実行する前に作成しておく必要があります。Oracle GoldenGate Veridata Webインタフェースに接続オブジェクトを作成する際は、ログインとパスワードを入力します。データベース・ユーザーに必要なデータベース権限は、次のとおりです。

Oracle GoldenGate Veridataエージェントに必要なデータベース権限

DB2

  • 比較する表上でのSELECT権限。

Oracle

  • GRANT CONNECT

  • 比較する表上でのGRANT SELECTGRANT SELECT ANY TABLEが推奨されますが、必須ではありません。

  • SELECT_CATALOG_ROLE

  • EXECUTE_CATALOG_ROLE (GET_TAGおよびSET_TAGの手順)

NonStop SQL/MPおよびEnscribe

  • SQL/MPシステム・カタログへの読取りアクセス(CATALOGS表への問合せ用)。

  • Oracle GoldenGate Veridataで使用するSQL/MPカタログへの読取りアクセス。

  • Oracle GoldenGate Veridataで使用するDDLディクショナリへの読取りアクセス。

  • 比較するEnscribeおよびSQL/MP表への読取りアクセス。

  • Oracle GoldenGate Veridataレポート・ファイルおよびトレース・ファイルの読取り、書込み、作成、パージ権限およびインストールされているサブ・ボリュームへのアクセス権限。

SQL Server

  • 比較する表上のdb_datareader または同等のもの。

  • 比較するデータベース内のVIEW DEFINITION

  • データベースではSQL Server認証を使用できる必要があります。

Sybase ASE

  • 比較するデータベースへのアクセス権。

  • 比較する表上でのSELECT権限。

  • サーバーで使用可能なデータベースのリストを表示するためのマスター・データベース内のsysdatabasesシステム表上でのSELECT権限。

Teradata

  • 比較する表上でのSELECT権限。

Informix

比較する表上でのSELECT権限。

BigData Hive

比較する表上でのSELECT権限。

修復機能を使用するのに必要なデータベース権限

すべてのデータベースで、データベース・ユーザーには、修復する表のUPDATEINSERTDELETE権限が必要です。

Sybaseデータベースでは、表でトリガーとトリガーの抑制が有効になっている場合、データベース・ユーザーにはreplication_role権限が必要です。

SQL Serverデータベースでは、修復する表にIDENTITY列がある場合、指定した修復ユーザーは、表所有者である必要があるか、修復する表のALTER権限が必要です。

2.7 Oracle GoldenGate Veridataサーバーのシステム要件

この項では、Oracle GoldenGate Veridataサーバーのインストール場所、追加プログラム、ディスク、メモリーおよびリポジトリの要件について説明します。

2.7.1 サーバー・コンポーネントの場所

サーバー・コンポーネントおよびWebユーザー・インタフェース・コンポーネントは、1つのインストール・プログラムからWindows、UNIXおよびLinuxシステムにインストールされます。インストーラにはこれらのプログラムの実行に必要なファイルがすべて含まれています。1つのインストールをサポートされているすべてのデータベース間の比較に使用できますが、必要に応じて複数のインストールを使用できます。

NonStopシステム上にはサーバー・コンポーネントまたはWebユーザー・インタフェース・コンポーネントをインストールしないでください。NonStopデータベース用Oracle GoldenGate Veridataを使用するには、次のようにします。

  • サーバー・コンポーネントおよびWebユーザー・インタフェース・コンポーネントを、サポートされているWindows、UNIX、またはLinuxシステムにインストールします。

  • このシステムで高速ネットワーク接続を使用してNonStopシステムへアクセスできることを確認します。

2.7.2 サーバー・コンポーネントのディスクおよびメモリー要件

サーバー・コンポーネントは基本タスクに約200MBの固定仮想メモリーを使用します。残りの仮想メモリーは比較に使用されます。Oracle GoldenGate Veridataマシン上の処理リソースの主なコンシューマは、サーバー側ソートを使用する際の初回比較ステップの行ソート操作です。

ソース・システムおよびターゲット・システムから比較用に送信されるすべての行を格納するには、十分なディスク領域と仮想メモリーの組合せが必要です。行ごとのメモリー量を見積するには:

((number of cols in key + 1) * 4) + 16 + (comparison width of a key col)

変数の意味は次のとおりです。

comparison width of a key colは、Oracle GoldenGate Veridata(またはユーザー上書き)が比較で使用するために選択する比較形式によって異なります。

比較形式データ・サイズ:

比較形式 データ・サイズ

数値

有効桁ごとに1バイト。先頭のゼロおよび小数点以下の末尾のゼロ(1234.500の右端のゼロ)は数えません。

タイムスタンプ

端数の精度に応じて19バイトから32バイト。

日付

10バイト。

時間

端数の精度に応じて8バイトから18バイト。

文字列

JavaエージェントのUTF-8エンコーディングの場合、1文字当たり1バイトから4バイト。NonStopエージェントとOracle Cエージェントはネイティブ文字セットを使用します。

バイナリ

データベースに格納されているバイト。

たとえば、浮動小数点として比較する場合、数109998877に必要なバイト数は次のようになります。

この行のメモリー: ((1 + 1) * 4) + 16 + 9 = 33 バイト

ノート:

ここでは、すべての非キー列はリテラルではなくハッシュを使用して比較されることが前提となります。リテラル比較の場合、必要なメモリー量は増えます。

Oracle GoldenGate Veridataでは、データのソートに外部マージ・ソートを使用します。エージェントからデータを受け取ると、行がインメモリーでソートされます。メモリー・バッファが一杯になると、行はディスクに書き込まれます。

データをソートするために、ソート・プロセスは、初期データ・セット・サイズを一時記憶領域に合せます。必要な一時領域のサイズは、行の数、行サイズおよび使用可能なソート・メモリーの量によって決まります。次に、使用可能なリソースに応じたソートの各種モードを示します。

  • インメモリー・ソート: データを完全にインメモリーでソートします。最も速い方法ですが、メモリー要件が使用可能なメモリーの量を超える可能性があります。ソート・メモリーは、データ・セットのサイズの約2.5倍必要です。

  • 1ディスク・パス: データをソートし、ディスクに1回のみ書き込みます。データ・セットのサイズと同じソート・ディスク領域が必要です。このプロセスはインメモリー・ソートと同程度の速さで、メモリー要件は低くなります。Oracle GoldenGate Veridataサーバーは、通常エージェントがデータベースから行を読み取るよりも速く行をディスクに書き込むことができます。

  • 2ディスク・パス: 2回ソートし、ディスクに書き込みます。データ・セットの2倍のソート・ディスク領域が必要です。ディスク要件は高くなりますが、非常に大規模なデータ・セットを適度なメモリー量でソートできます。

  • 3回以上のディスク・パス: エージェントから行をすべて受け取った後、最終的なディスクへの書込みの準備のために追加のソートが必要な場合があります。ディスクへのアクセスが3回以上必要な場合、必要なソート領域はデータ・セット・サイズの3倍以上になります。これは遅いため、使用しないようにします。

この割当てを超える場合は、処理の第2のステップである確認ステップ中に行を格納するメモリーが必要です。レプリケーション・レイテンシが非常に長い場合と同じように、確認が必要な行数が非常に多い場合は最大20MBになります。これらの行は確認前にメイン・メモリーでステージングされます。

64ビット・システムの場合は、より多くのメモリーを処理できるため、より多くのデータを遅いディスク・デバイスではなくメイン・メモリーに格納できます。必ずしも初回の比較ステップで使用されるメモリーが一度ですべてリリースされ、比較ステップで使用できるわけではありません。したがって、メモリーの一部はプロセス間で共有されます。ソートがメモリーにすべての行を格納できない場合は、ディスク・ストレージが使用されます。

割り当てるメモリー量を決定する際は、Oracle GoldenGate Veridataアプリケーション内のパラメータ設定で管理できるような次の方法を認識しておいてください。

  • 一時領域は比較的速いファイル・システムに配置します。リモート・サーバー上のネットワーク・ファイル・システムでは比較処理が遅くなる可能性があります。

  • プロファイル設定で複数の一時ディレクトリを指定すると、ディスクのI/Oパフォーマンスを上げることができます。メリットを最大にするには、ディレクトリを別の物理ディスクに格納します。

  • プロファイル設定を使用して、指定の非同期行数後確認ステップを終了させてリソース制限に対処できます。

  • 追加メモリーのプロパティはサーバー・パラメータで制御できます。Oracle GoldenGate Veridataの管理Oracle GoldenGate Veridataサーバー構成パラメータを参照してください。

2.7.3 サーバー・コンポーネントのリポジトリ要件

Oracle GoldenGate Veridataサーバーには、ユーザーがOracle GoldenGate Veridata Webインタフェースを使用する際に作成する情報プリファレンスおよび環境プリファレンスを格納するオブジェクトのリポジトリとしての役目を果たすデータベースが必要です。

リポジトリを作成するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。「Oracle GoldenGate Veridataリポジトリ・スキーマの作成」を参照してください。

次のデータベースは、リポジトリとして使用できます。

  • Oracle

  • SQL Server

2.7.3.1 Oracle GoldenGate Veridataサーバーに必要なデータベース権限

Oracle

  1. ユーザーおよびパスワードを作成します。

  2. ユーザーのデフォルト表領域にQUOTA UNLIMITEDを指定します。

SQL Server

  1. リポジトリをインストール中のデータベースのユーザーであるデータベースおよびログインを作成します。
  2. このログインに、次の操作を実行するための十分な権限を付与します。
    • データベースへのCONNECT

    • データベース内でのCREATEALTERDROP TABLE

    • データベース内でのCREATEおよびDROP INDEX

    • データベース内の表からのINSERTUPDATEDELETE

    • データベース内の表からのSELECT

    • ログインのデフォルト・スキーマのALTER SCHEMA

2.7.3.2 Oracle GoldenGate Veridataサーバーに必要な環境コンポーネント

Oracle

  1. データベース・インスタンス名

  2. ORACLE_HOME (TNSNAMES接続メソッドを使用する場合)

  3. リポジトリのデフォルトおよび一時表領域(インストール中にサーバー・コンポーネントに新規ユーザーを作成する場合)

  4. リポジトリの既存のデータベース・ユーザーを使用する場合は、ログインおよびパスワード。

SQL Server

  1. 静的ポート番号を使用するようSQL Serverインスタンスを構成する必要があります。このポートは構成ファイルに格納されるため、データベースへJDBC接続する際に参照できます。
  2. リポジトリの既存のデータベース・ユーザーを使用する場合は、ログインおよびパスワード(または統合認証)。

2.8 Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースの要件

この項では、Oracle GoldenGate Webユーザー・インタフェースに推奨される(あるいは必要な)Javaパッケージ、ブラウザ、画面の解像度、セキュリティおよびポートについて説明します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を参照してください。

2.8.1 Webコンポーネントの場所

「サーバー・コンポーネントの場所」を参照してください。1つのインストール・プログラムでOracle GoldenGate Veridata Webサーバー・コンポーネントとOracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースの両方がインストールされます。

2.8.2 Webユーザー・インタフェースのJava環境

Veridata Webユーザー・インタフェースのインストールには、JDK 1.8.0_221以上が必要です。

2.8.3 Webユーザー・インタフェースに対してサポートされているブラウザ

2.8.4 Webユーザー・インタフェースに推奨される画面の解像度

最低1024 x 768

2.8.5 Webユーザー・インタフェースのポート番号

  • Oracle GoldenGate Veridata WebアプリケーションはOracle WebLogic Serverと対話します。Oracle WebLogic Serverはデフォルト・ポート上にOracle GoldenGate Veridataサーバーとともにインストールされます。このポート番号は、必要に応じて変更できます。

  • Oracle GoldenGate Veridata Webでは、デフォルトのポート8830を使用します。

2.8.6 Webユーザー・インタフェースのセキュリティ

Webサーバーには、Oracle GoldenGate Veridata Webインタフェースの特定のページへのアクセスを制御するユーザー・セキュリティ・ロールが用意されています。ユーザーを作成してユーザー・ロールを定義するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用します。詳細は、Oracle GoldenGate Veridataの管理ユーザー・ロールの定義によるOracle GoldenGate Veridataへのアクセスの保護に関する項を参照してください。

2.9 SQL/MPデータ除外

クラスタ化されたキーがあるSQL/MP表の、主キーの一番右の部分はファイル・システムによって追加されたタイムスタンプです。そのような表で構成された比較ペアの場合、タイムスタンプはソース・システムとターゲット・システムで異なります。そのため、比較から除外する必要があります。Oracle GoldenGate Veridataはキーを比較して正しい行が比較されるようにするからです。

キーのタイムスタンプ部分を除外後、残りのキー列が一意のキー値を生成しない場合は、それらの表に一意値の作成を指定できる一意の索引またはその他の列を含める必要があります。そうしないと、Oracle GoldenGate Veridataで比較できません。