CORBA 要求レベルのインターセプタの概要

要求レベルのインターセプタとは、CORBA アプリケーションのクライアントコンポーネントとサーバコンポーネントの間の呼び出しパスに、セキュリティコンポーネントやモニタコンポーネントなどの機能を挿入する手段となる、ユーザ記述の CORBA オブジェクトです。特定のマシン上でオブジェクトリクエストブローカ (ORB) にインストールおよび登録されたインターセプタは、そのマシン上のすべての CORBA アプリケーションに関与します。インターセプタを使用すると、任意の追加機能をクライアントサイド、サーバサイド、または両方でオブジェクト呼び出しの呼び出しパスに挿入できます。

要求レベルのインターセプタは通常、代表的な CORBA 環境の一部ではありません。これらの実装は、高度なプログラミングタスクと見なされています。

Oracle Tuxedo システムの CORBA 環境でサポートされるインターセプタは、2 種類のカテゴリに分類されます。

1 つはクライアントサイドインターセプタです。これは呼び出しのクライアントサイドで ORB によって呼び出され、要求を行うエンティティのプロセスで実行されます。クライアントサイドインターセプタは、ClientRequestInterceptor クラスから継承されます。
もう 1 つは、ターゲットサイドインターセプタです。これは呼び出しのターゲットサイドで ORB によって呼び出され、ターゲットアプリケーションプロセスで実行されます。呼び出しのターゲットは、CORBA サーバアプリケーションでも CORBA 共同クライアント/サーバアプリケーションでもかまいません。ターゲットサイドインターセプタは、TargetRequestInterceptor クラスから継承されます。

CORBA 環境の Oracle Tuxedo システムは、クライアントオブジェクトおよびターゲットオブジェクトの相対的な場所を基準として、インターセプタをインストールして使用できる場所に関する自由度は非常に高くなっています。クライアントアプリケーションからは、要求のターゲットが同じプロセス内にあるのか別のプロセス内にあるのかは、見えません。

クライアントサイドインターセプタとターゲットサイドインターセプタは別個のインタフェースから継承されていますが、両者を単一のソースファイル内に実装すると都合のよい場合が多くあります。

インターセプタのアーキテクチャ

次の図は、要求レベルのインターセプタと Oracle Tuxedo システムの関係を示します。

CORBA インターセプタの Oracle Tuxedo 実装については、次の事項に留意してください。

インターセプタは管理者によって登録され、アプリケーションの実行中の適切な時点で ORB によって呼び出されます。
クライアントサイドインターセプタが ORB にインストールおよび登録されると、そのインターセプタはマシン上のどの CORBA クライアントアプリケーションから要求を受信しても、毎回呼び出されます。

呼び出しの正常な要求応答サイクル 1 回の間に、クライアントサイドインターセプタは ORB によって 2 回呼び出されます。

要求が最初にクライアントアプリケーションから発行され、ORB に到達した時点 (client_invoke オペレーション)
ターゲット応答が返されてクライアントアプリケーションのプロセスに到達した時点 (client_response オペレーション)

ターゲットサイドインターセプタが ORB にインストールおよび登録されると、そのインターセプタはマシン上のどのターゲットオブジェクトに要求が到達しても、毎回呼び出されます。

呼び出しの要求応答サイクル 1 回の間に、ターゲットサイドインターセプタは ORB によって 2 回呼び出されます。

クライアント要求が最初に ORB に到達した時点 (target_invoke オペレーション)
ターゲットオブジェクト応答が ORB に到達した時点 (target_response オペレーション)

複数のクライアントサイドインターセプタまたはターゲットサイドインターセプタを ORB にインストールおよび登録できます。
インターセプタは、各々独立しており、ほかのインターセプタが存在するかどうかを認識している必要はありません。
インターセプタは、まったくターゲットオブジェクトと関係なく、直接クライアントに応答を返すことによって、呼び出しを短絡できます。
インターセプタを使用すると、各要求が実行されるたびに手順が追加されるため、アプリケーションの全体的なパフォーマンスに影響が生じます。

ORB は、登録されたインターセプタのリストを維持します。インターセプタの登録は、管理タスクとして行う操作です。複数のインターセプタをインストールおよび作成できるので、アプリケーション実行時に、ORB はこのリストを使用して、いつ、どの順番でインターセプタを呼び出すべきかを決定します。複数のインターセプタを登録した場合、ORB は各インターセプタを連続的に実行します。複数のインターセプタの呼び出しの順序を設定するのも、管理タスクの 1 つです。

機能と制限事項

要求レベルのインターセプタは、以下のような数種類のサービスアプリケーションを実装する際に、特に有用です。

CORBA インターセプタに対する現在の制限事項は、以下のとおりです。

インターセプタは ORB によってのみ呼び出されます。CORBA クライアントもサーバアプリケーションもインターセプタを直接呼び出すことはできません。
特定のプログラミング言語で実装されたインターセプタは、同じ言語で実装されたエンティティからのみ、呼び出しをインターセプトできます。
インターセプタは DataInputStream オブジェクトへの書き込みはできません。
インターセプタは、サービスコンテキストオブジェクトを渡したり操作したりできません。
インターセプタは、トランザクションカレントオブジェクトを渡したり操作したりできません。
インターセプタは、Tobj_Bootstrap オブジェクトのメソッドを呼び出すことはできません。
REPLY_NO_EXCEPTION の戻りステータス値はサポートされていません。ただしインターセプタクラスのメソッドシグネチャオペレーションでは使用されます。
インターセプタはほかのオブジェクトに呼び出しを行うことができますが、これらの呼び出しもインターセプトの対象となります。インターセプタがオブジェクトを呼び出す際には、そのインターセプタが自身の呼び出しをインターセプトして無限ループを生じることがないように確認してください。この現象は、呼び出されるオブジェクトがインターセプタと同じサーバプロセス内にある場合に起こります。このような状況下では、システムがハングする可能性があります。
RequestLevelInterceptor インタフェースから派生したクラスのオペレーションのためのメソッドシグネチャには、次のインタフェースのパラメータが含まれます。

RequestLevelInterceptor::DataOutputStream
RequestLevelInterceptor::ServiceContextList

これらのインタフェースは Oracle Tuxedo 製品では使用しません。これらのインタフェースが Oracle Tuxedo ソフトウェアで定義されているのは、Oracle Tuxedo 製品の将来のリリースでこれらのインタフェースの実装が提供された場合に、CORBA アプリケーションを再コンパイルする必要性をなくすためです。ORB は常に実際の引数に対する nil オブジェクトを渡します。これらの引数を使用しないでください。プロセスが深刻なエラーにより停止することが予想されます。

実行フロー

以下の節では、インターセプタを使用する CORBA アプリケーションの実行中に行われる処理を説明します。一般に、要求レベルのインターセプタのインスタンス化と初期化は、ORB の初期化時にのみ行われます。それ以外では、要求レベルのインターセプタをインスタンス化できません。

インターセプタの戻りステータスにより、ORB 実行時およびインストールされている可能性があるほかの要求レベルのインターセプタの実行フローが制御されます。

呼び出された後のインターセプタの戻りステータスに応じて、次のイベントのうち 1 つが発生することがあります。

複数の要求レベルのインターセプタを、1 回の呼び出しに関連付けることができます。あるインターセプタが別のインターセプタを認識する必要は、まったくありません。

呼び出しの要求応答サイクル内で起こるイベントは、次の 2 つのカテゴリに分けて提示されます。

クライアントサイドでの実行

呼び出しの要求応答サイクルにおいて、各インターセプタは 2 回呼び出されます。1 回目は要求がクライアントからターゲットに向かうとき、2 回目は応答がクライアントに返るときです。クライアントのインターセプタクラス ClientRequestInterceptor には、これら 2 つの呼び出しに特に対応するオペレーションが 2 つあります。

クライアントサイドインターセプタを使用する CORBA アプリケーションの実行フローを図 1-1 に示します。この図では、基本的かつ正常な要求応答呼び出しサイクルを示します。つまり、このサイクルでは例外は発生しません。

要求がクライアントから出され、ORB に到達します。
ORB がクライアントサイドインターセプタの client_invoke オペレーションを呼び出します (「複数の要求レベルのインターセプタの使用方法」では、複数のクライアントサイドインターセプタがインストールされている場合に生じる現象について説明します)。
クライアントサイドインターセプタは要求を処理し、ORB にステータスコードを返します。
client_invoke オペレーションの結果として返される例外がない場合、要求はターゲットオブジェクトへのパスを再開します。
ターゲットオブジェクトが要求を処理して、応答を発行します。
応答は ORB に戻され、ORB はインターセプタの client_response オペレーションを呼び出します。
インターセプタが応答を処理し、ORB にステータスコードを返します。
応答がクライアントアプリケーションに送信されます。

クライアントサイドでの例外処理

client_invoke および client_response オペレーションは各々、クライアントインターセプタの処理を続行するかどうかを示すステータス値を返します。インターセプタは、例外処理を引き起こす例外ステータス値を返すことがあります。表 1-1 は、これらのオペレーションから返されるステータス値に応じて生じる現象、およびインターセプタが ORB と共に例外を処理する方法を示します。

表 1-1 クライアントインターセプタの戻りステータス値
オペレーション	戻りステータス値	生じる現象
`client_invoke()`	`INVOKE_NO_EXCEPTION`	ORB はターゲットに送られた要求の通常処理を続行し、ほかにインターセプタが存在する場合は、それを呼び出します。
	`REPLY_NO_EXCEPTION` (Oracle Tuxedo 製品のバージョン 8.0 では、ORB はこの戻り値を処理できないため、これをインターセプタの戻り値として実装することは避けてください。)	インターセプタは要求を処理しました。ターゲットに対してこれ以上の処理は必要ありません。要求は、ターゲットによって処理された場合のように、処理済みと見なされます。したがって、ORB は呼び出しを短絡し、クライアント方向のインターセプタの呼び出しを開始します。同じインターセプタの `client_response` オペレーションは呼び出されませんが、それ以前に呼び出されたインターセプタの client_response オペレーションは呼び出されます。
	`REPLY_EXCEPTION`	インターセプタは ORB へ例外を返します。次に、ORB はこれより前のクライアントサイドインターセプタの各 `exception_occurred` オペレーションを呼び出します。`exception_occurred` メソッドは、ORB がクライアントアプリケーションに例外を返す前に状態をクリーンアップする機会を、これより前のインターセプタに提供します。これにより、ORB は呼び出しを短絡し、呼び出しは完了します。`exception_occurred` メソッドの詳細については、「exception_occurred メソッド」を参照してください。
`client_response()`	`RESPONSE_NO_EXCEPTION`	ORB はクライアントに送られた要求の通常処理を続行し、ほかにインターセプタが存在する場合は、それを呼び出します。
`client_response()`	`RESPONSE_EXCEPTION`	インターセプタは ORB に例外を返し、それ以前の要求の結果はすべてオーバーライドします。ORB は、クライアント方向に、それ以前の各インターセプタの `exception_occurred` メソッドを呼び出し、次にクライアントアプリケーションに例外を返します。

ターゲットサイドでの実行

クライアントサイドと同じく、ターゲットサイドインターセプタは要求応答サイクル中に 2 回呼び出されます。ターゲットサイドインターセプタは TargetRequestInterceptor クラスから継承されます。このクラスには、次のオペレーションが含まれます。

ターゲットサイドインターセプタを使用する CORBA アプリケーションの実行フローを図 1-2 に示します。この図では、基本的かつ正常な要求応答呼び出しサイクルを示します。つまり、このサイクルでは例外は発生しません。

クライアント要求が ORB に到達します。
ORB がターゲットサイドインターセプタの target_invoke オペレーションを呼び出します (複数のターゲットサイドインターセプタがインストールされている場合に生じる現象については「複数の要求レベルのインターセプタの使用方法」の節で説明します)。
ターゲットサイドインターセプタが要求を処理し、ORB にステータスコードを返します。
target_invoke オペレーションの実行中に発生する例外がない場合、要求がターゲットオブジェクトへのパスを再開します。
ターゲットオブジェクトが要求を処理して、応答を発行します。
ターゲットサイド ORB がインターセプタの target_response オペレーションを呼び出します。
インターセプタが応答を処理し、ORB にステータスコードを返します。
応答がクライアントアプリケーションに送信されます。

ターゲットサイドでの例外処理

表 1-2 は、target_invoke および target_response オペレーションによって返されるステータス値に応じて、ターゲットサイドの呼び出しに生じる現象を示し、例外が送出された場合の動作を説明します。

表 1-2 ターゲットインターセプタの戻りステータス値
オペレーション	戻りステータス値	生じる現象
`target_invoke()`	`INVOKE_NO_EXCEPTION`	ORB はターゲット (オブジェクト実装) への要求の通常処理を続行し、ほかにインターセプタが存在する場合は、それを呼び出します。
	`REPLY_NO_EXCEPTION` (Oracle Tuxedo 製品のバージョン 8.0 では、ORB はこの戻り値を処理できないため、これをインターセプタの戻り値として実装することは避けてください。)	インターセプタは要求を処理しました。ターゲットに対してこれ以上の処理は必要ありません。要求は、ターゲットによって処理された場合のように、処理済みと見なされます。したがって、ORB は呼び出しを短絡し、クライアント方向のインターセプタの呼び出しを開始します。同じインターセプタの `target_response` オペレーションは呼び出されませんが、それ以前に呼び出されたインターセプタの target_response オペレーションは呼び出されます。
	`REPLY_EXCEPTION`	インターセプタは ORB へ例外を返します。次に、ORB はこれより前のターゲットサイドインターセプタの各 `exception_occurred` オペレーションを呼び出します。`exception_occurred` メソッドは、ORB がクライアント ORB に例外を返す前に状態をクリーンアップする機会を、これより前のインターセプタに提供します。これにより、ターゲット ORB は呼び出しを短絡し、呼び出しは完了します。`exception_occurred` メソッドの詳細については、「exception_occurred メソッド」を参照してください。
`target_response()`	`RESPONSE_NO_EXCEPTION`	ORB はクライアントに送られた要求の通常処理を続行し、ほかにインターセプタが存在する場合は、それを呼び出します。
`target_response()`	`RESPONSE_EXCEPTION`	インターセプタは ORB に新しい例外を返し、それ以前の要求の結果はすべてオーバーライドします。クライアントに戻る過程でインターセプタの `target_response` オペレーションを呼び出す代わりに、ORB はこれらのインターセプタの `exception_occurred` オペレーションを呼び出します。

exception_occurred メソッド

すべてのインターセプタに exception_occurred メソッドが存在します。ORB はこのメソッドを、次の状況下で呼び出します。

ORB 内部に問題が見つかった場合。たとえば、オペレーティングシステムのリソースエラーや通信障害など。
例外が ORB またはメソッドで生成されたのではなく、別のインターセプタによって設定された場合。これはたとえば、ORB がインターセプタ A およびインターセプタ B をそれぞれ呼び出している場合です。インターセプタ A で例外が設定されているため、ORB がインターセプタ B に呼び出すのは client_response または target_response メソッドではなく、exception_occurred メソッドとなります。インターセプタはこの振る舞いを利用して、例外を含む応答が処理されるコンテキストと、例外の実際の値を、DataInputStream 構造体からの例外を読み取ることなく検査できます。
クライアントアプリケーションは Request オブジェクトに対する遅延同期 DII 呼び出しを使用し、その後 Request オブジェクトを解放します。この場合、クライアントに送信される応答はありません。

前述の状況の 1 つが生じた場合、exception_occurred メソッドが client_response または target_response メソッドの代わりに呼び出されますが、クライアントの呼び出しを完了させる効果は本質的に同じです。

短絡動作について

前述のように、インターセプタは自身で要求を処理したり、例外を返したりすることによって、クライアント要求を短絡できます。どちらの場合でも、クライアント要求が実際にターゲットオブジェクトによって処理されることはありません。

短絡動作は、client_invoke または target_invoke メソッドでのみ機能します。client_response または target_response メソッドには適用されません。

複数の要求レベルのインターセプタの使用方法

複数の要求レベルのインターセプタは、ORB が 1 つずつ逐次的に実行できるように、キューにインストールされます。ORB は、キューに残っている要求レベルのインターセプタがなくなるまで、各要求レベルのインターセプタに連続的に要求を供給します。すべてのインターセプタで正常な状態が示されると要求が処理されます。ORB は得られた応答をクライアントの場合はトランスポートに、ターゲットの場合はオブジェクト実装に送信します。ORB は要求の処理とは逆の順番で応答を処理するインターセプタを実行します。

インターセプタで正常な状態が示されない場合は、短絡応答が生じます。短絡は client_invoke または target_invoke オペレーションによって実行されます。インターセプタから返されたステータスにより、例外を伴う要求をターゲットオブジェクトに処理させるのではなく、インターセプタ自体で応答することが、ORB に通知されます (インターセプタの client_response または target_response オペレーションでは、短絡動作を行うことはできませんが、ターゲット応答の代わりとなることはできます)。

各インターセプタは通常、明示的に情報を共有していない限り、ほかのインターセプタを認識していません。この独立したプログラミングモデルは、短絡に関する実行セマンティクスによって維持されます。応答を短絡して、送信先 (クライアントサイドのトランスポート、およびターゲットサイドのオブジェクト実装) に届かないようにする必要があるとインターセプタが示した場合、応答は正常に通過したインターセプタを経由して元に戻ります。たとえば、インターセプタ A が client_invoke オペレーションの処理後に、要求が送信されるようにステータス値 INVOKE_NO_EXCEPTION を返し、次のインターセプタ B が要求を拒否して例外を生成すると、その例外は応答に加えられ、インターセプタ A の exception_occurred オペレーションに送信されます。ターゲットサイドの類似の実行モデルも有効です。

図 1-3 は複数のクライアントサイドインターセプタが ORB にインストールされている場合の実行シーケンスを示します (同様の一連のオペレーションは、複数のターゲットサイドインターセプタでも発生します)。

複数のクライアントサイドインターセプタ

ORB は要求を受け取ると、各クライアントサイドインターセプタの client_invoke オペレーションを呼び出します。戻り値 INVOKE_NO_EXCEPTION が各 client_invoke オペレーションから返された場合 (通常の場合)、結果として生じた要求は ORB によってメッセージにマーシャリングされ、ターゲットオブジェクトに送られます。

次の状況では、ORB は、クライアント方向で残りのインターセプタの client_response オペレーションを呼び出すのではなく、これらのインターセプタの exception_occurred を呼び出し、次に例外をクライアントアプリケーションに返します。

どの client_invoke オペレーションからの戻り値も、REPLY_EXCEPTION となります。

この場合、ORB は要求を残りのインターセプタまたはトランスポートに伝播することを中止します。したがって、要求は ORB によって短絡されます。

どの client_response オペレーションからの戻り値も、RESPONSE_EXCEPTION となります。

この場合、インターセプタは ORB に例外を返し、それ以前の要求の結果はすべて上書きします。

複数のターゲットサイドインターセプタ

クライアントサイドインターセプタの処理の場合と同じく、ORB は各ターゲットサイドインターセプタの target_invoke オペレーションを連続的に呼び出します。各 target_invoke オペレーションから戻り値 INVOKE_NO_EXCEPTION が返されると、要求はターゲットオブジェクトに渡されます。

次の状況では、ORB は、クライアント方向で残りのインターセプタの target_response オペレーションを呼び出すのではなく、これらのインターセプタの exception_occurred を呼び出し、次に例外をクライアントアプリケーションに返します。

どの target_invoke オペレーションからの戻り値も、REPLY_EXCEPTION となります。

この場合、ORB は要求を残りのインターセプタおよびトランスポートに伝播することを中止します。この時点で、ORB はクライアント ORB に応答を返し、ターゲット ORB は要求を短絡します。

どの target_response オペレーションからの戻り値も、RESPONSE_EXCEPTION となります。

この場合、インターセプタは ORB に例外を返し、それ以前の要求の結果はすべて上書きします。

インターセプタおよびメタオペレーション

メタオペレーションとは、CORBA Object インタフェースをサポートする is_a、get_interface、および non_existent などのオペレーションです。一部のメタオペレーションは、呼び出しを発行することなく ORB によって実行されますが、それ以外のオペレーション (is_a、get_interface、および non_existent メソッド) ではオブジェクトの呼び出しを必要とする場合あります。したがって、これらのオペレーションはインターセプタを開始できます。

オペレーションを CORBA 固有の言語でバインディングすると、オペレーション名を IDL で定義した名前から、次の名前に変換できます。

セキュリティベースのインターセプタを実装している場合は、ORB がこれらのオペレーションをクライアント要求の一部として呼び出す可能性があるため、この振る舞いには注意してください。通常、インターセプタが特定のクライアント要求にだけターゲットオブジェクトへの送信を許可し、これらのメタオペレーションを考慮できないような状況は避けてください。

Tuxedo CORBA 要求レベルのインターセプタ