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ユーザーズ ガイド

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変更管理とリソース編成

BEA AquaLogic Service Bus には、変更を管理し、大量のリソースをリポジトリに編成する機能があります。AquaLogic Service Bus リポジトリ内のリソースには、WSDL、スキーマ、XQuery、XSLT、MFL、WS-Policy、ビジネス サービス、プロキシ サービスなどがあります。

この節の内容は以下のとおりです。

 


リポジトリのユーザ

AquaLogic Service Bus は、リポジトリ内のリソースやサービスの管理を担当する信頼ある IT 部門スペシャリストを支援することに重点を置いています。このようなユーザはすべて Integration Administrator または Integration Deployer として定義され、リポジトリ内のすべてのリソースを変更するための完全なパーミッションが与えられます。

Integration Monitor ユーザには完全な読み取りアクセス権が与えられますが、リソースの変更はできません。通常、Integration Monitor ユーザはリソースやサービスの検索や参照を行います。

Integration Operator ユーザには、リポジトリに対する完全な読み取りアクセス権が与えられ、サービスの動作特性だけを変更できます。

AquaLogic Service Bus は、共有エンタープライズ リポジトリやサービス ディレクトリ、またはトレーディング パートナの管理システムに必要とされる、セキュリティが細かく設定された多数のエンド ユーザによるリソース管理のサポートには重点を置いていません。

AquaLogic Service Bus のユーザとロールの詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプで「セキュリティ コンフィグレーション」を参照してください。

 


プロジェクトとフォルダ

AquaLogic Service Bus リポジトリのリソースを個別のプロジェクトに編成することができます。プロジェクトにフォルダを含めたり、フォルダにさらに別のフォルダを含めることが可能です。一般的な使用例としては、全社的に使用する標準リソース (スキーマや抽象 WSDL など) を 1 つのプロジェクトに配置し、部門レベルのリソース (ローカル リソース) を部門ごとに個別のプロジェクトに配置する方法があります。また、プロジェクト内でリソースの種類ごとにフォルダを分ける方法もあります。通常は、小規模のチームまたは個人がプロジェクト内のリソースを管理します。

リソースをプロジェクト間またはフォルダ間で移動したり、リソースの名前を変更することができます。プロジェクト内のリソースから、別のプロジェクトで定義されたリソースを参照および使用することができます。リソースの名前を変更したり、リソースを移動したりしても、依存関係は維持されます。名前を変更されたリソースまたは移動されたリソースに対するすべての参照は自動調整されます。参照されるリソースの詳細については、「依存関係の追跡」を参照してください。

詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプで「プロジェクト エクスプローラ」を参照してください。

 


セッション

AquaLogic Service Bus でリソースを変更する前に、セッションを作成する必要があります。AquaLogic Service Bus Console でのすべての変更は、特定のセッション内で行います。セッションは、変更を行っているユーザ以外にはその変更内容が公開されないサンドボックス環境と考えることができます。つまり、変更内容は、変更を行っている他の同時ユーザからは見えません。セッションがアクティブ化されない限り、セッション内の変更はサーバにデプロイされないため、セッションでの変更が適用されたサーバを実行するには、まずセッションをアクティブ化する必要があります。一度にアクティブ化できるセッションは 1 つのみであるため、AquaLogic Service Bus Console へのログインは 1 つのブラウザのみで行ってください。

特定のセッションで変更されたリソースとランタイムにデプロイされているリソースを比較するには、一度セッションを終了し、デプロイされているリソースを参照してからセッションを再開し、変更されたリソースを参照します。セッション内のすべてのリソースを見ることができます。セッション内のすべてのリソースを表示するビューをセッション ビューと呼びます。セッション ビューは、デプロイされている未変更のリソースのビューと現在のセッションで変更されたリソースのビューを結合したビューです。セッションがアクティブ化されていれば、セッション ビューには常にコンフィグレーションの状態が示されます。セッションの外部のリソースのビューは、デプロイされているリソースのビューです。

セッションの個々の変更、アクティブ化、およびセッションの取り消し操作はトランザクションとして行われ、障害時のデータ消失を防ぎます。セッションは永続的で長時間継続でき、サーバを再起動してもアクティブなセッションは失われません。そのため、必要に応じて、1 つのセッションでのコンフィグレーションの変更を、数日間にわたって継続できます。その間、サーバを停止および再起動してもかまいません。ユーザごとに固有のセッションを持ち、他のユーザをシステムからロックアウトする必要もなく、独立して操作を行うことができます。別のユーザがセッションのアクティブ化を実行しているときにセッションをアクティブ化することはできません。別のユーザがセッションのアクティブ化を実行していると、[アクティブ化] ボタンが無効になり、そのセッションのアクティブ化が完了するまでは、セッションをアクティブ化できません。ページを更新していない場合や直接 MBean を使用している場合には、[アクティブ化] ボタンが無効にならないことがあります。この場合はやがてタイムアウトします。

管理者には、他のユーザのセッションにアクセスし、変更中の内容を参照して、セッションを更新または破棄するパーミッションがあります。

詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「Change Center の使用」を参照してください。

 


同時変更

セッションでは、衝突にオプティミスティック方式を使用します。セッションをアクティブ化すると、そのセッションで行ったリソースの変更が他のセッションにすぐに表示されます。別のユーザのアクティブなセッションで開いている、変更されたリソースをデプロイすると、そのユーザのセッションでは、変更の開始以降にデプロイされているリソースがランタイムで変更されたことを示すメッセージを Change Center で受信します。ここで、アクティブなセッションのユーザは次の操作を実行できます。

詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「Change Center の使用」を参照してください。

 


コンフィグレーションの変更の追跡

セッションをアクティブ化したすべてのユーザ、およびセッションで変更されたリソースと変更日時のログがシステムで保持されます。このログは、特定のリソースまたはプロジェクトの変更履歴となるだけでなく、企業における監査および追跡にも使用できます。ログは、AquaLogic Service Bus Console の Change Center で参照できます。

 


依存関係の追跡

大量のリソースを管理するうえで重要な要素として、リソース間の依存関係の設定と調査があります。たとえば、サービスが実装する WSDL や、メッセージ フローのコンフィグレーションで使用される XQuery が識別されると便利です。AquaLogic Service Bus にはリソース間の参照を自動追跡し、依存関係のグラフを作成する機能があります。AquaLogic Service Bus Console のセッション ビューおよびデプロイされたビューでは、特定のリソースに関する次の情報が表示されます。

また、AquaLogic Service Bus Console では、プロジェクトおよびフォルダごとに、選択されたプロジェクトまたはフォルダ内のリソースを参照する外部リソースが表示されます。特定のプロジェクトまたはフォルダが参照するリソースも表示されます。これらの情報が依存関係の追跡に役立ちます。参照されているリソースの名前をクリックするだけで依存関係のグラフを簡単に辿ることができます。

この機能を使用して、リポジトリ内の部門プロジェクト間の依存関係や、部門プロジェクトと全社的な共有プロジェクトとの依存関係を識別することができます。

リソースの名前を変更したり、リソースを移動したりしても、依存関係は維持されます。名前を変更されたリソースまたは移動されたリソースに対するすべての参照は自動調整されます。

 


セマンティクスの整合性

AquaLogic Service Bus では、セッション ビュー内のすべてのリソースの整合性が保護されます。セッション ビュー内のすべてのリソースの現在の検証エラーのすべてを一覧表示するには、Change Center で [衝突の表示] リンクをクリックします。参照先リソースを変更すると、参照元のリソースで検証エラーが発生する可能性があります。

AquaLogic Service Bus では、多くの場合セマンティクス エラーがあるリソースを作成できますが、これらのエラーをすべて修正するまでセッションをコミットできません。

検証エラーの一部のクラスは一切許容されません。許容されない検証エラーがあるリソースを更新しようとすると、更新は失敗します。たとえば、コンフィグレーションで XQuery の使用が指定されている箇所で、XQuery の代わりに任意のテキストを入力することはできません。任意のテキストを入力すると、更新は失敗します。AquaLogic Service Bus Console の XQuery エディタおよび XPath エディタには、式を検証する機能があります。設計時に XQuery 式および XPath 式を検証するには、[検証] をクリックします。検証により、無効なコンフィグレーションが原因となる実行時エラーが発生する可能性が低くなります。

 


リソースの変更およびセッションのアクティブ化の取り消し

現在のセッションの AquaLogic Service Bus コンフィグレーションで実行したタスクを取り消したり、セッションの外部で行った、セッションのアクティブ化を取り消すことができます。

リソース変更の取り消し

セッションでの作業時に、そのセッションで行った変更のリストを表示するには、Change Center で [変更の表示] をクリックします。特定のタスクを Change Center で取り消すことができます。取り消し操作を実行すると、オブジェクトのセマンティクスが無効になる場合があります。たとえば、WSDL のオペレーション名の変更を取り消すと、その WSDL を使用するサービスの該当オペレーションにルーティングするプロキシ サービスのセマンティクスは無効になります。これらの検証エラーは、Change Center で [衝突の表示] リンクをクリックすると、すぐに表示されます。

タスクの取り消しはどのような順序でも (個々の取り消し操作を行った結果のデータが有効である限り) 実行できますが、取り消す順序によって最終的なコンフィグレーションが異なる場合があります。取り消し操作によって、リソースの値が、そのリソースを変更する前の値に設定されます。取り消そうとしているタスクがオブジェクトを作成したタスクである場合、そのオブジェクトには戻すことができる前の状態がありません。つまり、このタスクを実行する前は、オブジェクトが存在しませんでした。実際には、取り消し操作により、セッションから作成したオブジェクトが削除されます。この場合、削除されるオブジェクトを参照するオブジェクトにエラーが発生します。このようなエラーは、Change Center の [衝突の表示] ページで確認できます。

セッションのアクティブ化の取り消し

セッションで作業していないときに、セッションのアクティブ化のリストを表示するには、Change Center で [変更の表示] をクリックします。セッションのアクティブ化を Change Center で取り消すことができます。セッションを取り消すと、そのセッションのアクティブ化が取り消され、そのセッションで実行された操作がすべて取り消されます。セッションのアクティブ化を取り消す操作によって実行時コンフィグレーションにエラーが発生する場合は、セッションのアクティブ化を取り消すことはできません。たとえば、デプロイメントを取り消すと他のオブジェクトによって参照されているオブジェクトが削除される場合は、このデプロイメントの取り消し操作は実行できません。詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「Change Center の使用」で「タスクの取り消し」を参照してください。

注意 : 取り消し操作が成功したら、それをやり直すことはできません。

詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「Change Center の使用」を参照してください。

 


コンフィグレーションのインポートとエクスポート

大規模な開発では、リソースの開発、テスト、ステージング、およびプロダクション システムへのデプロイを行う機能が重要です。AquaLogic Service Bus にはインポートおよびエクスポート機能があり、環境固有のリソース属性のグローバルな変更をサポートします。この機能により、さまざまなデプロイメント シナリオの実現に必要な専門技術、時間、およびリソースが最小限で済みます。

単純なシナリオとして、AquaLogic Service Bus の別のインスタンスにコンフィグレーションを伝播する場合が挙げられます。この場合、AquaLogic Service Bus ドメインに現在デプロイされているリソースのすべてまたは一部をエクスポートします。エクスポートするコンフィグレーションは JAR ファイルに保存され、この JAR ファイルを別の AquaLogic Service Bus ドメインのセッションにインポートすることができます。

エクスポート可能なデータに制限はありません。エクスポート対象として、1 つまたは複数のプロジェクトを選択することも、1 つまたは複数のプロジェクトのリソースを選択することもできます。AquaLogic Service Bus Console では、依存関係の追跡機能により、特定のリソースとそのリソースが依存している他のすべてのリソースをエクスポートすることもできます。コンフィグレーションのエクスポートはセッションの外で行う必要があります。アクティブ化されている (ランタイムにデプロイされている) コンフィグレーションのみがエクスポート可能です。

コンフィグレーション JAR ファイルのインポートはセッション内で行う必要があります。エクスポートされたデータの一部だけをインポートすることも、特定のコンフィグレーション データの値を変更することもできます。まず、JAR ファイルを開き、そのうえでコンフィグレーション データを操作してカスタマイズします。

1 つのセッションで、多数の更新を行ったり、複数の JAR ファイルをインポートすることができます。この方法により、インポートしたリソースをアクティブ化する前に新しいドメインに合わせて調整できます。

環境値のサポートは、インポートおよびエクスポート機能に関連する重要な機能です。AquaLogic Service Bus では、リソースの特定の値をグローバルに検索および置換できます。AquaLogic Service Bus では、次の 2 種類の環境値が事前に定義されています。

インポート機能と検索置換機能を使用して、JAR ファイルをインポートし、特定の文字列 (例 : localhost:7001) を含むすべての URI を検索し、別の値 (例 : productionhost:7002) に変更することができます。検索置換機能を使用すると、数多くある同様の値を簡単に変更できます。この機能による置換は、複雑なデプロイメント シナリオでコンフィグレーションを慎重に調整する必要がある場合には適しません。

詳細については、AquaLogic Service Bus Console のオンライン ヘルプの「システム管理」を参照してください。

 


スクリプトのサポート

AquaLogic Service Bus のすべてのコンフィグレーションおよびデプロイメントを AquaLogic Service Bus Console で行うことができます。WebLogic Server Scripting Tool (WLST) でデプロイメント タスクを自動化することもできます。

詳細については、『BEA AquaLogic Service Bus デプロイメント ガイド』の「AquaLogic Service Bus デプロイメント API の使用」を参照してください。

WLST の詳細については、『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「WLST コマンドおよび変数リファレンス」を参照してください。

 

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