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ユーザーズ ガイド

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AquaLogic Service Bus でのメッセージ フローの作成

BEA AquaLogic Service Bus におけるメッセージ フローは、プロキシ サービスの実装を定義します。この節では、AquaLogic Service Bus でメッセージ フローを作成するときのガイドラインを示します。AquaLogic Service Bus のコンフィグレーションは AquaLogic Service Bus Console で行います。AquaLogic Service Bus Console の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』を参照してください。

この節の内容は以下のとおりです。

 


AquaLogic Service Bus のメッセージ フローについて

メッセージ フローは、AquaLogic Service Bus プロキシ サービスの定義です。パイプライン、ブランチ ノード、およびルート ノードは、AquaLogic Service Bus プロキシ サービスの実装を定義します。AquaLogic Service Bus Console を使用して、プロキシ サービスのメッセージ フローの定義におけるメッセージ処理ロジックをコンフィグレーションします。このロジックには、トランスフォーメーション、パブリッシュ、レポートなどのアクティビティがあります。ロジックはメッセージ フロー内の個々のアクションにコンフィグレーションされます。

次の図は、メッセージ フロー定義のコンポーネントの概要です。

図 2-1 メッセージ フローのコンポーネント

メッセージ フローのコンポーネント


 

このトピックには、以下の節があります。

メッセージ フローの構築

メッセージ フローのルートには任意の要素を使用できます。最も単純なメッセージ フロー設計の 1 つに、ルート ノードのみでフロー全体を表す方法があります。任意の 2 つの要素を連鎖できます。たとえば、間にブランチ ノードを置かずに、2 つのパイプライン ペア ノードを連鎖させることもできます。分岐を構成する場合、各ブランチを異なる要素で開始することができます。たとえば、1 つのブランチがルート ノードで終了し、もう 1 つのブランチにはパイプライン ペアが続き、さらにもう 1 つのブランチでは子孫を持たないようにできます。この最後の例のように子孫のないブランチは、ブランチの実行時に、すぐに応答処理が開始されます。ただし、一般的には、メッセージ フローは次の 2 つの形式になります。

メッセージ フローは、次の表に示す最上位コンポーネントのインスタンスを連鎖させた構造になっています。このトピックのこの後の節では、ノード タイプについてさらに詳しく説明します。

表 2-1 メッセージ フローのコンポーネント

ノード タイプ

まとめ

パイプライン ペア

パイプライン」を参照

パイプライン ペアは、単一の要求パイプラインと単一の応答パイプラインを 1 つの最上位要素に結び付けたものである。メッセージ フローでは、1 つのパイプライン ペア ノードに対して設定できる直接の子孫は 1 つだけである。要求処理中にパイプライン ペア ノードに達すると、要求パイプラインだけが実行される。応答処理のためにパスを逆に辿るときは、応答パイプラインだけが実行される。

単純なパイプライン ペア ノードについては、図 2-3 を参照。

パイプライン ペア ノードのコンフィグレーションの方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」で「パイプライン ペア ノードの追加」を参照。

ブランチ

メッセージ フローの分岐」を参照

ブランチ ノードを使用すると、可能ないくつかのパスのうちの 1 つに限定して処理を進ませることができる。分岐は、XPath ベースの切り替えテーブルに基づいて実行される。テーブルの各ブランチは条件 (たとえば、<500) を指定し、これが単一の XPath 式 (たとえば、$body./ns:PurchaseOrder/ns:totalCost) に対して順に評価される。最初に満たされた条件によって、次に進むべきブランチが決定される。満たされる条件がない場合、常に存在するデフォルトのブランチに進む。ブランチ ノードでは、メッセージ フロー内にいくつかの子孫を持つことができる (デフォルトのブランチを含め各ブランチに 1 つずつ)。

ブランチ ノードの追加方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」で「条件付きブランチ ノードの追加」を参照。

条件を設定するためのメッセージ コンテキスト変数の使用方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」を参照。

ルート

ルート ノードは他のサービスとの要求/応答通信に使用される。ルート ノードはプロキシ サービスの要求処理と応答処理の境界を表す。ルート ノードが要求メッセージをディスパッチすると、要求処理が終了したと見なされる。ルート ノードが応答メッセージを受信したときに、応答処理が始まる。ルート ノードは、要求トランスフォーメーション、応答トランスフォーメーション、および条件付きルーティングに対応する。

ルート ノードは要求処理と応答処理の境界を表すので、メッセージ フロー内に子孫を持つことはできない。

ルート ノードの追加方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」で「ルート ノードの追加」を参照。

メッセージ フローの作成方法の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「メッセージ フローの表示と変更」を参照してください。

メッセージの実行

以下の表に、一般的なメッセージ フローでのメッセージのパスを示します。

表 2-2 メッセージ フローでのメッセージのパス

メッセージ フロー ノード

メッセージ処理の内容

要求処理

要求処理はメッセージ フローの起点で始まる。

パイプライン ペア

要求パイプラインだけが実行される。

ブランチ

ブランチ テーブルで評価し、関連するブランチに進む。

ルート

必要な要求トランスフォーメーションとルート アクションが実行される。

注意 : ルート ノードは、ルーティングが実行されたかどうかに関係なく、要求処理から応答処理への切り替えの役割をする。応答を受信すると、メッセージ処理は、要求時の実行されたパスを逆方向に進む。ルート ノードなしで終了するすべての要求パスで同じようになります。つまり、この場合は応答を待機せずに応答処理が開始される。

応答処理


ルート

応答トランスフォーメーションが実行される。要求処理の「ルート」を参照。

ブランチ

ブランチ ノードをスキップして、ブランチの前にあるノードに進む。

パイプライン ペア

応答パイプラインが実行される。

メッセージ フローの起点

クライアントに応答を返す。

 


パイプライン

「パイプライン」は、プロキシ サービスの実装の基準となるコンポーネントです。パイプラインとは、分岐のない一方向の処理の流れを表す名前付きのステージ シーケンスです。

パイプラインは以下の 3 種類です。

要求パスと応答パスを作成するには、要求パイプラインと応答パイプラインをペアにして、「パイプライン ペア ノード」と呼ばれる単一のノードに編成します。

次の図は、単純なメッセージ フローの例を示しています。loanGateway3 という名前のプロキシ サービスが定義されています。

図 2-2 プロキシ サービスのメッセージ フロー定義

プロキシ サービスのメッセージ フロー定義


 

この図のメッセージ フローの内容は次のとおりです。

前の図に示したメッセージ フロー ビューに加えて、AquaLogic Service Bus Console にはメッセージ フローに対応するツリー ビュー マップが表示されます。これにより、設計時に、メッセージ フローのコンポーネント間での移動が容易になります。

図 2-3 プロキシ サービスのメッセージ フロー定義

プロキシ サービスのメッセージ フロー定義


 

メッセージ フローのコンポーネントを表示または編集するには、グラフィック表示のメッセージ フロー ビューまたはマップ (ツリー) ビューでコンポーネントをクリックします。

フロー構造になっているため、設計時にメッセージ フローの明瞭な動作概要を把握することができ、ルートとブランチ条件の両方を、パイプライン ステージまたはルート ノード内部の見えない場所に配置するのではなく、全体的な設計に明示的に含めることができます。ブランチ ノードを使用すると、これらのパイプライン ペアを条件付きで実行して、ブランチ末尾のルート ノードで要求と応答のディスパッチを実行できます。ブランチ ノードの詳細については、「メッセージ フローの分岐」を参照してください。

 


メッセージ フローの分岐

メッセージ フローでは、オペレーション ブランチと条件付きブランチという 2 つの分岐がサポートされています。この節では、オペレーション ブランチを使用する状況、および条件付きブランチが使用可能な状況について説明します。

オペレーション ブランチ

メッセージ フローで Web Services Description Language (WSDL) ベースのプロキシ サービスが定義される場合、操作固有の処理が必要になることがよくあります。AquaLogic Service Bus では、操作に基づくブランチ ノードを手動でコンフィグレーションする必要はなく、操作に基づいて自動的に分岐するようにコンフィグレーションされた、最小限のブランチ ノードが用意されています。つまり、図 2-4 のようにオペレーション ブランチをメッセージ フローに作成すると、AquaLogic Service Bus Console では、ブランチ ノード コンフィグレーション ページでこれらの操作が表示されるため、WSDL に定義された操作に基づいて分岐ロジックをすぐに構築できます (図 2-5)。

図 2-4 ブランチの追加

ブランチの追加


 

図 2-5 オペレーション ブランチの定義

オペレーション ブランチの定義


 

オペレーション ブランチ ノードのコンフィグレーション方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「オペレーション ブランチ ノードの追加」と「オペレーション ブランチの詳細の表示と変更」を参照してください。

複数の操作を行うプロキシ サービスが WSDL に基づいている場合は、オペレーション ブランチを使用して、操作ごとに個別にメッセージを処理します。ただし、複数のドキュメント タイプを受信するプロキシ サービスが WSDL に基づいていない場合は、代わりに条件付きブランチ ノードを使用することを検討してください。

条件付きブランチ

条件付きブランチ処理は、単純でありながらユニークな文字列値のタグが付いたブランチをまとめたルックアップ テーブルを基準に行われます。メッセージ コンテキストの変数をそのノードのルックアップ変数として指定し、実行時に、この値を使用してどのブランチに進むかが判断されます。ルックアップ変数に一致するブランチがない場合は、デフォルトのブランチに進みます。ルックアップ変数の値は、ブランチ ノードに到達する前に設定する必要があります。

たとえば、プロキシ サービスのタイプが任意の SOAP または任意の XML で、条件付きブランチを実行できるようにメッセージ タイプを判別する必要があるというシナリオについて考えます。ステージ アクションを使用してメッセージ タイプを判別し、条件付きブランチ ノードをフローで使用して、受信したメッセージ タイプに応じて処理を分けることができます。

この場合、メッセージ フローで条件付きブランチ ノードを作成するときは、前のステージで入力された変数の値の評価に基づく分岐ロジックを構築します。

オペレーション ブランチ ノードのコンフィグレーション方法の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「条件付きブランチ ノードの追加」を参照してください。

また、条件付きブランチを使用して、フロー全体のビューでルーティングのオプションを明示できます。たとえば、ある条件に基づいてサービス A またはサービス B が呼び出される場合、ルート ノード内にルーティング テーブルを使用する条件付きブランチをコンフィグレーションする代わりに、メッセージ フロー自体にこのブランチを明示して、各ブランチのサブフローとして単純なルート ノードを使用することができます。

次の図は、最上位のブランチ ノード (BranchNode1) と 2 つの下位ルート ノードを含む単純なメッセージ フローです。実行時には 1 つのブランチが実行され、メッセージはサービス A とサービス B のどちらかにルーティングされます。

図 2-6 最上位のブランチ ノード

最上位のブランチ ノード


 

ルート ノードでの条件付きブランチのコンフィグレーション方法の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「ルート ノード アクションの追加」を参照してください。

メッセージ フロー、ステージ、またはルート ノードのどの場所にブランチをコンフィグレーションするかを決定する前に、ビジネス シナリオを検討してください。メッセージ フローにブランチをコンフィグレーションする場合、ブランチ ノードからさらに分岐してブランチの数が多くなると、設計インタフェースが煩雑になる可能性があることに注意してください。

詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「メッセージ フローの概要」を参照してください。

 


トランスフォーメーションの実行

この節では、トランスフォーメーション設計に関するガイドラインを示します。トランスフォーメーション マップには 2 つのデータ型の間のマッピングが記述されます。AquaLogic Service Bus は、XQuery および eXtensible Stylesheet Language Transformation (XSLT) 標準を使用したデータ マッピングに対応しています。XSLT マップは、XML から XML へのマッピングを記述するのに対して、XQuery マップでは、XML から XML、XML から非 XML、非 XML から XML へのマッピングを記述できます。詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「XQuery トランスフォーメーション」および「XSL トランスフォーメーション」を参照してください。BEA XQuery Mapper を使用して XQuery を作成する方法については、『XQuery Mapper を使用したデータの変換』の「XQuery Mapper を使用したデータの変換」を参照してください。

メッセージ フロー内にトランスフォーメーションを指定する位置は、次の条件によって異なります。

変換前または変換後のメッセージ フォーマットがターゲット サービスに依存する場合、ルート アクションまたはパブリッシュ アクションでトランスフォーメーションを実行する必要があります。パブリッシュ アクション内に設計されるトランスフォーメーションの場合、トランスフォーメーションで $outbound 変数およびメッセージ関連の変数 ($header$body、および $attachments) のローカル コピーを保持します。パブリッシュ アクションで発信メッセージに行った変更は、パブリッシュされるメッセージにのみ反映されます。つまり、パブリッシュ アクションで行った変更は、メッセージ フローがその次のアクションに進む前にロールバックされます。パブリッシュ アクションおよびルート ノードのメッセージ コンテキスト情報のスコープを理解することが重要です。詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」および「メッセージ コンテキスト」を参照してください。

たとえば、メッセージ フローで大口の発注書を処理するときに、発注書の要約を電子メールで管理者宛てに送信する必要があるというシナリオについて考えます。このような場合、要求パイプラインにパブリッシュ アクションを含めることで、着信メッセージの SOAP 本体に含まれる発注書の主要部分を含む要約を作成できます。パブリッシュ アクションでは、発注書データを注文要約に変換することができます。たとえば、注文要約では添付ファイルは必要ないため、$attachments のすべての添付ファイルを削除できます。

もう 1 つの例は、WS-addressing ヘッダに基づいてメッセージを 2 つの送り先の 1 つにルーティングする場合 (コンテンツ ベース ルーティング) です。このとき、2 つ目の送り先では、SOAP 本体のドキュメントが新しいバージョンに変換されている必要があります。このような場合、条件に基づいて 2 つの送り先の一方にルーティングされるように、ルート ノードをコンフィグレーションできます。2 つ目の送り先のためにドキュメントを変換するように、ルート ノードでトランスフォーメーションをコンフィグレーションします。

発信コンテキスト変数 ($outbound) の制御要素を設定して、発信メッセージに関するシステムの動作を調整できます (たとえば、サービスの品質を設定できます)。inbound 変数および outbound 変数の下位要素について、およびメッセージのコンテンツを作成するのにメッセージ コンテキスト変数の値がどのように使われるかについては、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」で「inbound 変数と outbound 変数」および「送信するメッセージの作成」を参照してください。

詳細については、以下を参照してください。

 


パイプラインでの単一または複数のステージのコンフィグレーション

AquaLogic Service Bus メッセージ フローでは、メッセージ フローのロジックを定義するアクションはステージに格納されます。ほとんどの場合、1 つのパイプラインに 1 つのステージを使用するだけで十分ですが、複数のステージを使用する必要がある場合もあります。この節では、パイプラインで複数のステージを使用する場合とその理由について説明します。ステージのコンフィグレーションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」の「ステージの追加」を参照してください。

メッセージ フローのアクションで実行されるタスクを次に示します (メッセージ フローでのアクションの作成とコンフィグレーションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」の情報を参照してください)。

複数のステージの使用

複数のステージを設計するか、複数のアクションを持つ単一のステージをコンフィグレーションするかを決定する際には、ステージに関する以下の特徴を考慮して役立てます。

詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : メッセージ フロー」で「ステージの追加」および「ステージ コンフィグレーションの詳細の表示と変更」を参照してください。

 


エラー処理

この節では、エラーの処理方法の概要について説明し、エラー処理オプションをコンフィグレーションするときのガイドラインを示します。

各ステージは、ステージでエラーが発生した場合に実行される一連の手順を持つことができます。この一連の手順がそのステージのエラー パイプラインを構成しています。また、エラー パイプラインは、パイプライン (要求または応答) またはプロキシ サービス全体に対して定義することができます。最も小さいスコープで指定されたエラー パイプラインがエラー時に呼び出されます。

図 2-7 ステージ、ノード、およびサービスレベルのエラー ハンドラ

ステージ、ノード、およびサービスレベルのエラー ハンドラ


 

エラー メッセージと処理の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : エラー ハンドラ」の「エラー メッセージと処理」を参照してください。

エラー処理は、次のようにして行うことができます。

メッセージ処理中に発生したエラーに関する情報はすべて、事前定義されたコンテキスト変数 (fault 変数) に保持されます。エラーが発生すると、この変数に情報が格納されてから、適切なエラー ハンドラが呼び出されます。この fault 変数はエラー ハンドラ パイプラインでのみ定義され、要求パイプラインや応答パイプライン、ルート ノードやブランチ ノードでは設定されません。$fault の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」で「事前定義されたコンテキスト変数」を参照してください。

通常、メッセージ フローの最下位レベルで特定のエラーを処理し、下位レベルでは処理されないエラーのデフォルト処理を上位レベルで行うほうが簡単です。予期されるエラーをパイプラインで明示的に処理し、予期されないエラーをサービスレベルのハンドラで処理することをお勧めします。ただし、予期されるエラーをパイプラインで処理する場合、サービス レベルで処理できるのは WS-Security 関連のエラーのみです。

エラー メッセージの生成、レポート、および返信

要求/応答型の着信メッセージで発生するエラーについては、多くの場合、エラーが発生した理由を説明するメッセージを生成して送信元に送り返す必要があります。そのためには、送信する応答に対してメッセージ コンテキスト変数をコンフィグレーションした後、失敗時の返信アクションを使用します。たとえば、HTTP メッセージが失敗した場合は、失敗時の返信アクションで HTTP 500 ステータスが生成されます。JMS メッセージが失敗した場合は、失敗時の返信アクションで JMS_BEA_Error プロパティが true に設定されます。AquaLogic Service Bus のエラー アクションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : エラー ハンドラ」で「エラー メッセージと処理」を参照してください。

プロキシ サービスが呼び出したサービスが SOAP エラーまたは転送エラーを返すと、エラー処理パイプラインが呼び出されます。受信した SOAP エラーはすべて $body に格納されるため、$body を変更せずに失敗時の返信アクションを実行すると、サービスの呼び出し元のクライアントには元の SOAP エラーが返されます。返信アクションがコンフィグレーションされていない場合、システム エラー ハンドラによって新しい SOAP エラー メッセージが生成されます。プロキシ サービスでは、HTTP エラー ステータスが設定されたか、JMS プロパティ SERVER_Error が true に設定されているために SOAP エラーが返されたと認識されます。

用途によっては、エラー レポートが必要な場合があります。このような場合は、レポート アクションを使用します。たとえば、要求パイプラインで追跡用にメッセージをレポートするレポート アクションを実行した後、ルート ノードによって呼び出されたサービスが失敗するというシナリオを想定します。このような場合、メッセージはレポート システムによってログに記録されますが、メッセージが正常に処理されたという保証はありません。メッセージが正常に受信されたことを示すだけです。

AquaLogic Service Bus Console では、メッセージを追跡することによって、メッセージ フローの正確な流れを把握することができます。したがって、元のレポート メッセージで、メッセージが処理用に送信されたことを確認でき、後続のエラー レポートで、メッセージが正常に処理されなかったことを確認できます。レポート アクションのコンフィグレーション方法や実行時にレポートされるデータの使用方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」を参照してください。

この例では、エラー ハンドラにレポート アクションと返信アクションをコンフィグレーションする方法を示します。図 2-2 のメッセージ フローでは、validate loan application ステージにエラー ハンドラがあります。このエラー ハンドラは、1 つのステージがコンフィグレーションされた単純なメッセージ フローです。AquaLogic Service Bus Console には次のように表示されます。

図 2-8 エラー ハンドラのメッセージ フロー

エラー ハンドラのメッセージ フロー


 

ステージは次の図に示すように、アクション (置換、レポート、および返信) でコンフィグレーションされています。

図 2-9 ステージ エラー ハンドラのアクション

ステージ エラー ハンドラのアクション


 

アクションによってステージ エラー ハンドラの動作が次のように指定されます。

コンフィグレーションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : エラー ハンドラ」の「エラー メッセージと処理」を参照してください。

 


サービス タイプの選択

AquaLogic Service Bus は、従来の Web サービス (WSDL で XML または SOAP バインディングを使用) から非 XML サービスや汎用サービスまで、多くのサービス タイプに対応しています。この節では、サービス タイプを選択する際のガイドラインを示します。

AquaLogic Service Bus に含まれるサービス タイプは以下のとおりです。

注意 : すべてのサービス タイプで、MIME を使用した添付ファイルの送受信が可能です。

次の表に、AquaLogic Service Bus でサポートされているサービス タイプと転送方式を示します。

表 2-3 サポートされるサービス タイプと転送方式

サービス タイプ

転送プロトコル

SOAP または XML WSDL

JMS

HTTP(S)

SOAP (WSDL なし)

JMS

HTTP(S)

XML (WSDL なし)1

HTTP(S)

JMS

電子メール

ファイル

FTP

メッセージ タイプ (バイナリ、テキスト、MFL、XML)

HTTP(S)

JMS

電子メール

ファイル

FTP


1. HTTP GET は、WSDL がない XML でのみサポートされます。


 

サービスを定義する WSDL の使用

サービスに Web Services Description Language (WSDL) インタフェースが明確に定義されている場合、WSDL を使用してサービスを定義することをお勧めします。これは必須ではありません。WSDL の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「WSDL」を参照してください。

上記の場合に WSDL を使用するメリットは以下のとおりです。

WSDL ポートまたはバインディングの選択

サービス タイプとして WSDL を使用する場合、バインディングではなく、WSDL ポートにサービスをバインドするのが便利です。理由は次のとおりです。

サービスの URL に?WSDL を追加したものをブラウザのアドレス フィールドに入力することで、HTTP(S) ベースのプロキシ サービスの WSDL を取得できます。

プロキシ サービスが WSDL のポートにバインドされていて、プロキシ サービスの URL が WSDL の URL に正確に反映されている場合、?WSDL 構文で生成される WSDL ではそのポート名が保持されます。一部のクライアント生成ツールにとっては、このことが重要になります。ビジネス サービスのデフォルト URL として WSDL ポートの URL を作成する場合を除いて、サービスにバインドされる WSDL ポートの URL はサービスの定義時には使用されません。サービス定義を行う際に、転送コンフィグレーション画面で転送方式と転送 URL を上書きできます。

ポート レベルのすべての WS-Security ポリシーに適用されます。詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」の「プロキシ サービスの概要」を参照してください。

サービス タイプ : 任意の SOAP と任意の XML

1 つのポートだけをエクスポーズしてクライアントにさまざまなエンタープライズ アプリケーションを提供する場合は、サービス タイプとして任意の SOAP または任意の XML を使用します。

サービス タイプ : メッセージング

要求または応答メッセージの 1 つが非 XML の場合、サービス タイプとしてメッセージングを使用する必要があります。

AquaLogic Service Bus では、"mustunderstand" SOAP ヘッダのチェックは自動では行われません。ただし、XQuery 条件式および検証アクションを使用してこのようなチェックを明示的に行うことができます。検証アクションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」の「検証」を参照してください。XQuery 条件式の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : エディタ」の「XQuery 条件エディタの使用」を参照してください。

AquaLogic Service Bus では、WSDL 定義であるかメッセージング インタフェース定義であるかにかかわらず、サービス インタフェース定義に対して送信または受信されたメッセージの検証は自動では行われません。ただし、メッセージ フローで検証アクションをコンフィグレーションして XQuery 条件式を使用することで、明示的に検証チェックを行うことができます。

サービス タイプの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」の「プロキシ サービスの概要」を参照してください。

 


動的なルーティング

プロキシ サービスの設計時に、そのサービスから呼び出す具象サービスがわからなくてもインタフェースの形式さえわかっていれば、応答メッセージで呼び出すサービスを直接的または間接的に指定できます。

注意 : サービスの形式は、具象インタフェースではなく、抽象インタフェース (メッセージ タイプ、ポート タイプ、およびバインディング) を示します。具象インタフェースは、サービスが配置されている転送 URL です。

このような場合、正しい形式のビジネス サービスを登録します。転送 URL は任意です。サービス URL は、$outbound をコンフィグレーションすることで、呼び出すサービスの URL に置き換えることができます。この方法では、実行時に URL を指定でき、サービスの設計やコンフィグレーション時に URL を把握する必要がなくなります。

 


メッセージ コンテキスト

メッセージ コンテキストは、メッセージが AquaLogic Service Bus を介してルーティングされるときにメッセージ コンテキストとメッセージに関する情報を保持する一連の変数です。header 変数、body 変数、および attachments 変数 (XQuery 文ではそれぞれ $header$body$attachments として参照される) は、AquaLogic Service Bus を介して送受信されるメッセージを表します。メッセージの標準書式は SOAP です。サービス タイプが SOAP でなくても、メッセージは AquaLogic Service Bus のメッセージ コンテキスト内で SOAP として表示されます。

$header には SOAP Header 要素が含まれ、$body には SOAP Body 要素が含まれます。$attachments には attachments というラッパー要素が含まれ、1 つの添付ファイルにつき 1 つの attachment 子要素を持ちます。attachment 要素には、body 要素と実際の添付ファイルが含まれます。

プロキシ サービスでメッセージを受信すると、メッセージのコンテンツを使用して header 変数、body 変数、および attachments 変数が初期化されます。SOAP サービスの場合、受信した SOAP メッセージのエンベロープから Header 要素および Body 要素が直接取得され、それぞれ $header および $body に割り当てられます。非 SOAP サービスの場合、通常はメッセージのコンテンツが Body 要素でラップされて $body に割り当てられ、空の Header 要素が $header に割り当てられます。

バイナリ メッセージと MFL メッセージは別の方法で初期化されます。MFL メッセージの場合、$body に割り当てられる Body 要素には、MFL と同等の XML ドキュメントが挿入されます。バイナリ メッセージの場合、メッセージ データは内部的に格納され、$body に割り当てられる Body 要素には参照 XML だけが挿入されます。参照 XML は <binary-content ref="..."/> のような形式になります。"..." には、プロキシによって割り当てられるユニークな識別子が入ります。

メッセージ コンテキストは、XML スキーマで定義されます。通常は、XQuery 式を使用して、プロキシ サービスを定義するメッセージ フローのコンテキスト変数を操作します。

AquaLogic Service Bus で事前定義されているコンテキスト変数は、以下のように分類されます。

事前定義されているコンテキスト変数の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」で「事前定義されたコンテキスト変数」を参照してください。

メッセージのペイロードは body 変数に含まれています。送信メッセージにどの変数のコンテンツを含めるかについては、メッセージが AquaLogic Service Bus から送信されるときに決定されます。この決定は、ターゲット エンドポイントが SOAP メッセージを受信するか非 SOAP メッセージを受信するかによって異なります。

非 SOAP サービスの場合、$body の Body 要素に binary-content 要素が格納されると、ターゲット サービスのタイプに関係なく、内部的に格納された参照先コンテンツが現状のまま送信されます。

詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」を参照してください。

メッセージ コンテキスト変数の型は、メッセージ コンテキスト スキーマ (MessageContext.xsd) によって定義されます。BEA XQuery Mapper でメッセージ コンテキスト変数を使用して作業を行う場合は、MessageContext.xsd と適切な転送固有スキーマを参照する必要があります。このスキーマは、AquaLogic Service Bus インストールの以下の場所の JAR ファイル内にあります。

BEA_HOME\weblogic90\servicebus\lib\sb-schemas.jar

ここで、BEA_HOME は AquaLogic Service Bus をインストールしたディレクトリを表します。

メッセージ コンテキスト スキーマおよび転送固有スキーマの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」で「メッセージ コンテキスト スキーマ」を参照してください。

コンテキスト操作に関する主要な事実

メッセージ コンテキストを検査または変更する際には、以下のガイドラインを考慮してください。

inbound から outbound への JMS プロパティのコピー

AquaLogic Service Bus では、プロキシ サービスとそれによって呼び出されるビジネス サービスのインタフェースが異なると想定されています。そのため、inbound 変数から outbound 変数への情報 (転送ヘッダや JMS プロパティなど) の伝播は行われません。

プロキシ サービスの要求メッセージおよび応答メッセージの転送ヘッダは $inbound にあり、呼び出されるビジネス サービスの要求および応答の転送ヘッダは $outbound にあります。

たとえば、一方向メッセージ (応答を伴わない呼び出し) でユーザ定義の JMS プロパティが inbound から outbound にコピーされる必要がある場合、次の XQuery 式を使用します。

転送ヘッダ アクションを使用して、outbound 変数に次のように設定します。

$inbound/ctx:transport/ctx:request/tp:headers/tp:user-header 

これを

./ctx:transport/ctx:request/tp:headers 

の最初の子として設定します。

AquaLogic Service Bus Console での転送ヘッダ アクションのコンフィグレーション方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」の「転送ヘッダ」を参照してください。

 


RPC 型 SOAP およびドキュメント型 SOAP

AquaLogic Service Bus は、Remote Procedure Calls (RPC) 型 SOAP およびドキュメント型 SOAP に対応しています。詳細については、以下を参照してください。

RPC Web サービス

プロキシ サービスは RPC 型プロキシ サービスとして、ビジネス サービスは RPC 型ビジネス サービスとしてそれぞれコンフィグレーション可能です。

次のコード リストに、RPC 型 Web サービスの WSDL の例を示します。

コード リスト 2-1 RPC 型 Web サービスの WSDL

<definitions name="Lookup"
targetNamespace="http://example.com/lookup/service/defs"
xmlns:tns="http://example.com/lookup/service/defs"
xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
xmlns:docs="http://example.com/lookup/docs"
xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/soap/"
xmlns="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/">
  <types>
    <xs:schema targetNamespace="http://example.com/lookup/docs" elementFormDefault="qualified">
      <xs:complexType name="RequestDoc">
        <xs:sequence>
          <xs:element name="PurchaseOrg" type="xs:string"/>
        </xs:sequence>
      </xs:complexType>
      <xs:complexType name="ResponseDoc">
        <xs:sequence>
          <xs:element name="LegacyBoolean" type="xs:boolean"/>
        </xs:sequence>
      </xs:complexType>
    </xs:schema>
  </types>
  <message name="lookupReq">
    <part name="request" type="docs:RequestDoc"/>
  </message>
  <message name="lookupResp">
    <part name="result" type="docs:ResponseDoc"/>
  </message>
  <portType name="LookupPortType">
    <operation name="lookup">
      <input message="tns:lookupReq"/>
      <output message="tns:lookupResp"/>
    </operation>
  </portType>
  <binding name="LookupBinding" type="tns:LookupPortType">
    <soap:binding style="rpc" transport="http://schemas.xmlsoap.org/soap/http"/>
    <operation name="lookup">
      <soap:operation/>
      <input>
        <soap:body use="literal" namespace="http://example.com/lookup/service"/>
      </input>
      <output>
        <soap:body use="literal" namespace="http://example.com/lookup/service"/>
      </output>
    </operation>
  </binding>
</definitions>

前のコード リストのサービスには lookup という操作 (java クラスのメソッドと同等) が含まれています。バインディングは、これが SOAP RPC Web サービスであることを示しています。つまり、この Web サービスの操作は、一連の要求パラメータを受信して一連の応答パラメータを返します。この lookup 操作には、request というパラメータと result という戻りパラメータがあります。バインディングでの操作のネームスペースは次のようになります。

http://example.com/lookup/service

コード リスト 2-2 の WSDL を要求で使用した場合に、SOAP RPC プロキシ サービスによって取得される body 変数 ($body) の値を次のコード リストに示します。

注意 : 次のコードでは、わかりやすくするために XML からネームスペース定義が除外されています。

コード リスト 2-2 Body 変数の値

<soap-env:Body>
  <ns:lookup>
    <request>
      <req:PurchaseOrg>BEA Systems</req:PurchaseOrg>
    </request>
  </ns:lookup>
<soap-env:Body>

上記の例では、soap-env は事前定義された SOAP ネームスペース、ns は操作のネームスペース (<http://example.com/lookup/service>)、reqPurchaseOrg 要素のネームスペース (<http://example.com/lookup/docs>) です。

プロキシ サービスでのメッセージのルーティング先のビジネス サービスがコード リスト 2-2 の WSDL を使用している場合、コード リスト 2-3 のbody 変数 ($body) の値は、プロキシ サービスの body 変数 ($body) の値です。

この WSDL を要求で使用した場合にプロキシ サービスが受信する、呼び出されたビジネス サービスからの応答の body 変数 ($body) の値を、次のコード リストに示します。

コード リスト 2-3 Body 変数の値

<soap-env:Body>
  <ns:lookupResponse>
    <result>
      <req:LegacyBoolean>true</req:LegacyBoolean>
    </result>
  </ns:lookupResponse>
<soap-env:Body>

これは、この WSDL を使用するプロキシ サービスによって返される応答の body 変数 ($body) の値でもあります。

BEA WebLogic Workshop ツールをはじめとする多くのツールでは、プロキシ サービスの WSDL (ブラウザで、プロキシの URL に ?WSDL サフィックスを追加することで取得可能) を受け取り、適切な要求パラメータと応答パラメータを持つ java クラスを生成して、サービスの操作を呼び出します。このような Java クラスを使用して、この WSDL を使用するプロキシ サービスを呼び出します。

ドキュメント型 SOAP

プロキシ サービスは SOAP 型プロキシ サービスとして、ビジネス サービスは SOAP 型ビジネス サービスとしてそれぞれコンフィグレーション可能です。

次のコード リストに、ドキュメント型 Web サービスの WSDL の例を示します。

コード リスト 2-4 ドキュメント型 Web サービスの WSDL

<definitions name="Lookup"
targetNamespace="http://example.com/lookup/service/defs"
xmlns:tns="http://example.com/lookup/service/defs"
xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
xmlns:docs="http://example.com/lookup/docs"
xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/soap/"
xmlns="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/">
  <types>
    <xs:schema targetNamespace="http://example.com/lookup/docs" elementFormDefault="qualified">
      <xs:element name="PurchaseOrg" type="xs:string"/>
      <xs:element name="LegacyBoolean" type="xs:boolean"/>
    </xs:schema>
  </types>
  <message name="lookupReq">
    <part name="request" element="docs:PurchaseOrg"/>
  </message>
  <message name="lookupResp">
    <part name="result" element="docs:LegacyBoolean"/>
  </message>
  <portType name="LookupPortType">
    <operation name="lookup">
      <input message="tns:lookupReq"/>
      <output message="tns:lookupResp"/>
    </operation>
  </portType>
  <binding name="LookupBinding" type="tns:LookupPortType">
    <soap:binding style="document" transport="http://schemas.xmlsoap.org/soap/http"/>
    <operation name="lookup">
      <soap:operation/>
      <input>
        <soap:body use="literal" />
      </input>
      <output>
        <soap:body use="literal"/>
      </output>
    </operation>
  </binding>
</definitions>

このサービスには lookup という操作 (Java クラスのメソッドと同等) が含まれています。バインディングは、これが SOAP ドキュメント型 Web サービスであることを示しています。

前のコード リストの WSDL を要求で使用した場合に、ドキュメント型プロキシ サービスによって取得される body 変数 ($body) の値を次のコード リストに示します。

コード リスト 2-5 Body 変数の値

<soap-env:Body>
  <req:PurchaseOrg>BEA Systems</req:PurchaseOrg>
<soap-env:Body>

soap-env は事前定義された SOAP ネームスペース、reqPurchaseOrg 要素のネームスペース (<http://example.com/lookup/docs>) です。

プロキシ サービスからルーティングされるビジネス サービスで上記の WSDL を使用した場合、上記の body 変数 ($body) はプロキシ サービスの body 変数 ($body) の値です。

プロキシ サービスが受信する、呼び出されたビジネス サービスからの応答の body 変数 ($body) の値を、次のコード リストに示します。

コード リスト 2-6 Body 変数の値

<soap-env:Body>
  <req:LegacyBoolean>true</req:LegacyBoolean>
<soap-env:Body>

これは、この WSDL を使用するプロキシ サービスによって返される応答の body 変数 ($body) の値でもあります。

BEA WebLogic Workshop ツールをはじめとする多くのツールでは、プロキシ サービスの WSDL (ブラウザで、プロキシ サービスの URL に ?WSDL サフィックスを追加することで取得可能) を受け取り、適切な要求パラメータと応答パラメータを持つ Java クラスを生成して、サービスの操作を呼び出します。この Java クラスで、この WSDL を使用するプロキシ サービスを呼び出すことができます。

 


変数の構造

この節の内容は以下のとおりです。

インライン XQuery 式エディタの使用

AquaLogic Service Bus では、BEA XQuery Mapper などの外部ツールで作成された XQuery をインポートできます。これらの XQuery は、プロキシ サービスのメッセージ フローのどの場所にも使用できます。XQuery リソースの入力をインライン XQuery にバインドし、XQuery リソースの出力をアクションにバインドすることで、その結果が割り当てアクション、置換アクション、挿入アクションなどのアクション入力として使用されます。

ただし、XQuery をリソースとして入力するのではなく、アクションの定義の一部としてインラインで入力することができます。If...Then... アクションの条件にインライン XQuery を使用することもできます。

インライン XQuery 式エディタは一般に、以下で構成される簡単な XQuery を入力するときに使用します。

注意 : より複雑な XQuery については、XQuery に慣れていない場合は特に、XQuery Mapper を使用することをお勧めします。

インライン XQuery は、次のような使用例に適しています。

注意 : インライン XQuery 式エディタを使用すると、変数の構造を作成することができます。詳細については、「変数の構造の使用」を参照してください。

変数の構造の使用

インライン XQuery 式エディタを使用すると、変数の構造を作成することができます。これにより、設計の目的 (たとえば、簡単に作成できる XPath、変数の用途の理解、XML スキーマを表示せずにコンソールで構造を確認できるなど) で、変数の構造を添付したり定義したりできます。

注意 : ランタイムを作動させるために変数の構造を作成する必要はありません。

一般的なプログラミング言語において、変数のスコープ (有効範囲) は静的に定義され、変数の名前と型は明示的に宣言されます。定義された静的なスコープ内の任意の場所から変数にアクセスできます。

AquaLogic Service Bus では、事前定義された変数が存在しますが、変数に値を割り当てることによって動的に変数を作成することもできます。変数に値を割り当てると、プロキシ サービスのメッセージ フローの任意の場所から変数にアクセスできるようになります。変数の型は宣言されませんが、原則として、任意の時点で変数に格納されている基礎になる値の型が変数の型になります。

インライン XQuery 式エディタを使用すると、XQuery には 0 以上の入力と 1 つの出力が含まれます。式エディタそのもので入力と出力の構造を表示できるため、インライン XQuery を作成するときに、XML スキーマまたは WSDL リソースを開いて構造を確認する必要はありません。構造が視覚的に表示されるため、作成中の XQuery に述部を指定せずに、child 軸に沿って単純な変数パスをドラッグ アンド ドロップすることができます。

変数の構造のマッピングでは、各エントリはラベルを持ち、変数または変数パスを 1 つまたは複数の構造にマップします。これらのマッピングのスコープはステージまたはルート ノードです。変数は静的に型指定されないので、1 つの変数がステージまたはルート ノードのさまざまな位置 (または同じ位置) で複数の異なる構造を持つことができます。つまり、1 つの変数を複数の構造にマップし、それぞれに異なるラベルを使用することができます。構造を表示するには、ドロップダウン リストで対応するラベルを選択します。

注意 : インライン XPath 式エディタでも変数の構造のマッピングを作成できます。ただし、変数は構造にマップされますが、構造から選択したときに生成される XPath は、変数を基準にした相対 XPath です。./ctx:attachment/ctx:body は相対 XPath の例です。ただし、この XPath を生成するために使用されたマッピングでは $attachments がマップされます。

変数の構造のマッピングの使用

この節の内容は以下のとおりです。

サンプル WSDL

このサンプル WSDL は、この節のほとんどの例で使用します。この WSDL をリソースとしてコンフィグレーションに保存してください。詳細については、「例で必要なリソースの作成」を参照してください。

コード リスト 2-7 サンプル WSDL

<definitions 
    name="samplewsdl"
    targetNamespace="http://example.org"
    xmlns="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/"
    xmlns:s0="http://www.bea.com"
    xmlns:s1="http://example.org"
    xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/soap/">
<types>
  <xs:schema
    attributeFormDefault="unqualified"
    elementFormDefault="qualified"
    targetNamespace="http://www.bea.com"
    xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
    <xs:element name="PO" type="s0:POType"/>
    <xs:complexType name="POType">
      <xs:all>
        <xs:element name="id" type="xs:string"/>
        <xs:element name="name" type="xs:string"/>
      </xs:all>
    </xs:complexType>
    <xs:element name="Invoice" type="s0:InvoiceType"/>
    <xs:complexType name="InvoiceType">
      <xs:all>
        <xs:element name="id" type="xs:string"/>
        <xs:element name="name" type="xs:string"/>
      </xs:all>
    </xs:complexType>
</xs:schema>
</types>
<message name="POTypeMsg">
    <part name="PO" type="s0:POType"/>
</message>
<message name="InvoiceTypeMsg">
    <part name="InvReturn" type="s0:InvoiceType"/>
</message>

<portType name="POPortType">
    <operation name="GetInvoiceType">
      <input message="s1:POTypeMsg"/>
      <output message="s1:InvoiceTypeMsg"/>
    </operation>
</portType>
<binding name="POBinding" type="s1:POPortType">
<soap:binding style="rpc" transport="http://schemas.xmlsoap.org/soap/http"/>
    <operation name="GetInvoiceType">
      <soap:operation soapAction="http://example.com/GetInvoiceType"/>
      <input>
        <soap:body use="literal"/>
      </input>
      <output>
        <soap:body use="literal"/>
    </output>
  </operation>
</binding>
</definitions>

例で必要なリソースの作成

この後の例を利用するには、サンプル WSDL をリソースとしてコンフィグレーションに保存する必要があります。また、サンプル WSDL を使用するサンプルのビジネス サービスとプロキシ サービスを作成することも必要です。

この手順には以下のタスクが含まれます。

WSDL をリソースとして保存する

  1. まだセッションを作成していない場合は、AquaLogic Service Bus Console の左側のナビゲーション ペインで、[Change Center] の下にある [作成] をクリックして、現在のコンフィグレーションに変更を加えるための新しいセッションを作成します。
  2. 左側のナビゲーション ペインで、[プロジェクト エクスプローラ] を選択します。プロジェクト ビュー ページが表示されます。
  3. WSDL の追加先となるプロジェクトを選択します。
  4. プロジェクト ビュー ページの [リソースの作成] フィールドで、[インタフェース] の下にある [WSDL] を選択します。[新しい WSDL リソースの作成] ページが表示されます。
  5. [リソース名] フィールドに SampleWSDL と入力します。このフィールドは必須です。
  6. サンプル WSDL のテキストをコピーして [WSDL] フィールドに貼り付けます。
  7. 注意 : このフィールドは必須です。

  8. WSDL を保存する場合は、[保存] をクリックします。新しい WSDL SampleWSDL がリソースのリストに追加され、現在のセッションで保存されます。次は、この WSDL を使用するプロキシ サービスを作成する必要があります。「サンプル WSDL を使用するプロキシ サービスを作成する」に進みます。

サンプル WSDL を使用するプロキシ サービスを作成する

  1. 左側のナビゲーション ペインで、[プロジェクト エクスプローラ] を選択します。プロジェクト ビュー ページが表示されます。
  2. プロキシ サービスの追加先となるプロジェクトを選択します。
  3. プロジェクト ビュー ページの [リソースの作成] フィールドで、[サービス] の下にある [プロキシ サービス] を選択します。[プロキシ サービスの編集 - 全般的なコンフィグレーション] ページが表示されます。
  4. [サービス名] フィールドに ProxywithSampleWSDL と入力します。このフィールドは必須です。
  5. サービスが交換するメッセージのタイプやパッケージングを定義する [サービスの種類] フィールドで、以下の操作を実行します。
    1. [新しいサービスの作成] の下にある [WSDL バインディング] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. SampleWSDL を選択し、[WSDL 定義の選択] ペインで POBinding を選択します。
    4. [送信] をクリックします。
  6. 全般的なコンフィグレーション ページのその他のフィールドではデフォルトを使用し、[次へ] をクリックします。
  7. 転送コンフィグレーション ページのすべてのフィールドでデフォルトを使用し、[次へ] をクリックします。
  8. 操作選択コンフィグレーション ページでは、[選択アルゴリズム] フィールドで [SOAP 本体の種類] が選択されていることを確認して、[次へ] をクリックします。
  9. このプロキシ サービスについて入力したコンフィグレーション データを確認してから、[保存] をクリックします。新しいプロキシ サービス ProxywithSampleWSDL がリソースのリストに追加され、現在のセッションで保存されます。次は、このプロキシ サービスのメッセージ フローを構築する必要があります。「サンプル プロキシ サービスのメッセージ フローを構築する」に進みます。

サンプル プロキシ サービスのメッセージ フローを構築する

  1. プロジェクト ビュー ページの [アクション] カラムで、ProxywithSampleWSDL プロキシ サービスの [メッセージ フローの編集] アイコンをクリックします。[メッセージ フローの編集] ページが表示されます。
  2. ProxywithSampleWSDL アイコンをクリックし、[パイプライン ペアの追加] をクリックします。[PipelinePairNode1] が表示されます。これには、要求パイプラインと応答パイプラインが含まれます。
  3. 要求パイプラインをクリックし、[ステージの追加] をクリックします。ステージ [stage1] が表示されます。
  4. [保存] をクリックします。ProxywithSampleWSDL プロキシ サービスの基本のメッセージ フローが作成されます。
  5. 例を使用するときは、ステージの編集で [ステージ コンフィグレーションの編集] ページにアクセスし、式を使用するアクションを追加して [XQuery 式エディタ] ページにアクセスする必要があります。まず、SampleWSDL を使用するビジネス サービスを作成する必要があります。「サンプル WSDL を使用するビジネス サービスを作成する」に進みます。

サンプル WSDL を使用するビジネス サービスを作成する

  1. 左側のナビゲーション ペインで、[プロジェクト エクスプローラ] を選択します。プロジェクト ビュー ページが表示されます。
  2. ビジネス サービスを追加するプロジェクトを選択します。
  3. プロジェクト ビュー ページの [リソースの作成] フィールドで、[サービス] の下にある [ビジネス サービス] を選択します。[ビジネス サービスの編集 - 全般的なコンフィグレーション] ページが表示されます。
  4. [サービス名] フィールドに BusinesswithSampleWSDL と入力します。このフィールドは必須です。
  5. サービスが交換するメッセージのタイプやパッケージングを定義する [サービスの種類] フィールドで、以下の操作を実行します。
    1. [新しいサービスの作成] の下にある [WSDL バインディング] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. SampleWSDL を選択し、[WSDL 定義の選択] ペインで POBinding を選択します。
    4. [送信] をクリックします。
  6. 全般的なコンフィグレーション ページのその他のフィールドではデフォルトを使用し、[次へ] をクリックします。
  7. 転送コンフィグレーション ページと SOAP バインディング コンフィグレーション ページのすべてのフィールドでデフォルトを使用し、[次へ] をクリックします。
  8. このビジネス サービスについて入力したコンフィグレーション データを確認してから、[保存] をクリックします。新しいビジネス サービス BusinesswithSampleWSDL がリソースのリストに追加され、現在のセッションで保存されます。
  9. 左側のナビゲーション ペインで、[Change Center] の下にある [アクティブ化] をクリックします。セッションが終了し、コンフィグレーションがランタイムにデプロイされます。これで例を使用できるようになりました。「例 1 : 事前定義された変数の構造の選択」に進みます。

例 1 : 事前定義された変数の構造の選択

プロキシ サービス ProxyWithSampleWSDL のサービス タイプは、SampleWSDL のバインディング POBinding を使用する WSDL バインディングです。

この例では、プロキシ サービス メッセージ フローが、処理するメッセージの構造を認識する必要があります。このために、AquaLogic Service Bus では事前定義された構造が自動的に提供されます。この構造は、インタフェースのすべてのメッセージで body 変数を SOAP 本体にマップします。事前定義されたこの構造のマッピングのラベルは body です。

注意 : この事前定義された構造は、型付きインタフェースを備えたメッセージング サービスのためにもサポートされています。

事前定義された変数の構造を選択する

例 2 : 変数を型にマップする変数の構造の作成

プロキシ サービス ProxyWithSampleWSDL が、ビジネス サービス BusinessWithSampleWSDL へのサービス コールアウトを呼び出すとします。このビジネス サービスも、サービス タイプは、SampleWSDL のバインディング POBinding を使用する WSDL バインディング です。操作 GetInvoiceType が呼び出されます。

この例では、メッセージ フローが、処理する応答パラメータの構造を認識する必要があります。このためには、応答パラメータ変数を型 InvoiceType にマップする新しい変数の構造を作成します。

変数を型にマップする

  1. [変数の構造] パネルで [新しい構造の追加] をクリックします。次のように追加のフィールドが表示されます。
  2. 図 2-11 [変数の構造] - [新しい構造の追加]

    [変数の構造] - [新しい構造の追加]


     
  3. 必ず [XML の種類] を選択します。
  4. [構造ラベル] フィールドに、作成する変数の表示名 InvoiceType を入力します。この表示名を使用すると、実行時には影響を及ぼさず設計時に構造を認識できるように、構造に意味のある名前を付けることができます。
  5. [構造パス] フィールドに、実行時の変数の構造のパス $InvoiceType を入力します。
  6. InvoiceType を選択するには、以下の操作を実行します。
    1. [種類] フィールドで、該当するラジオ ボタンを選択してから、[WSDL の種類] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. WSDL ブラウザSampleWSDL を選択してから、[WSDL 定義の選択] ペインの [種類] の下で InvoiceType を選択します。
    4. [送信] をクリックします。InvoiceType が、選択した [WSDL の種類] の下に表示されます。
  7. [追加] をクリックします。新しい変数の構造として InvoiceType が、変数の構造のドロップダウン リストの [XML の種類] の下に表示されます。
  8. 変数の構造 InvoiceType は次のように表示されます。

    図 2-12 [変数の構造] - InvoiceType

    [変数の構造] - InvoiceType


     

例 3 : 変数を要素にマップする変数の構造の作成

一時変数には、SampleWSDL WSDL で記述された要素 Invoice が含まれているとします。この例では、ProxyWithSampleWSDL メッセージ フローは、この変数にアクセスする必要があります。このために、変数を要素 Invoice にマップする新しい変数の構造を作成します。

変数を要素にマップする

  1. [変数の構造] パネルで [新しい構造の追加] をクリックします。
  2. 必ず [XML の種類] を選択します。
  3. [構造ラベル] フィールドに、作成する変数の構造の名前として、表示されたときに意味がわかるように Invoice と入力します。
  4. [構造パス] フィールドに、実行時の変数の構造のパス $Invoice を入力します。
  5. 要素 Invoice を選択するには、以下の操作を実行します。
    1. [種類] フィールドで、該当するラジオ ボタンが選択されていることを確認してから、[WSDL 要素] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. WSDL ブラウザSampleWSDL を選択してから、[WSDL 定義の選択] ペインの [要素 ] の下で Invoice を選択します。
    4. [送信] をクリックします。Invoice が、選択した [WSDL 要素] の下に表示されます。
  6. [追加] をクリックします。新しい変数の構造として Invoice が、変数の構造のドロップダウン リストの [XML の種類] の下に表示されます。
  7. 変数の構造 Invoice は次のように表示されます。

    図 2-13 [変数の構造] - Invoice

    [変数の構造] - Invoice


     

例 4 : 変数を子要素にマップする変数の構造の作成

ProxyWithSampleWSDL プロキシ サービスは、ドキュメント型が任意の SOAP であるビジネス サービスにルーティングします。このビジネス サービスは発注書を SOAP 本体に格納して返します。この例では、ProxyWithSampleWSDL プロキシ サービスのメッセージ フローが、その応答を処理する必要があります。このためには、body 変数を PO 要素にマップする新しい構造を作成し、PO 要素を変数の子要素として指定します。body 変数には SOAP Body 要素が含まれ、PO 要素は Body 要素の子であるため、子要素として指定する必要があります。

変数を子要素にマップする

  1. [変数の構造] パネルで [新しい構造の追加] をクリックします。
  2. 必ず [XML の種類] を選択します。
  3. [構造ラベル] フィールドに、作成する変数の構造の名前として、表示されたときに意味がわかるように body to PO と入力します。
  4. [構造パス] フィールドに、実行時の変数の構造のパス $body を入力します。
  5. PO 要素を選択するには、以下の操作を実行します。
    1. [種類] フィールドで、該当するラジオ ボタンが選択されていることを確認してから、[WSDL 要素] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. WSDL ブラウザSampleWSDL を選択してから、[WSDL 定義の選択] ペインの [要素] の下で PO を選択します。
    4. [送信] をクリックします。
  6. [子として設定] チェックボックスを選択して、PO 要素を body to PO 変数の構造の子として設定します。
  7. [追加] をクリックします。新しい変数の構造として body to PO が、変数の構造のドロップダウン リストの [XML の種類] の下に表示されます。
  8. 変数の構造 body to PO は次のように表示されます。

    図 2-14 [変数の構造] - body to PO

    [変数の構造] - body to PO


     

例 5 : 変数をビジネス サービスにマップする変数の構造の作成

ProxyWithSampleWSDL プロキシ サービスは、BusinessWithSampleWSDL ビジネス サービスにルーティングします。このビジネス サービスのサービス タイプは、SampleWSDL のバインディング POBinding を使用する WSDL バインディングです。この例では、メッセージ フローが応答を処理する必要があります。このためには、body 変数を BusinessWithSampleWSDL ビジネス サービスにマップする新しい構造を定義します。これにより、インタフェースのすべてのメッセージについて body 変数が SOAP 本体にマップされます。

注意 : このマッピングは、型付きインタフェースを備えたメッセージング サービスのためにもサポートされています。

変数をビジネス サービスにマップする

  1. [変数の構造] パネルで [新しい構造の追加] をクリックします。
  2. [サービス インタフェース] を選択します。
  3. [構造ラベル] フィールドに、変数の構造の名前として、表示されたときに意味がわかるように BusinessService と入力します。
  4. [構造パス] フィールドにはデフォルトですでに $body と設定されています。これは、実行時の変数の構造のパスになります。
  5. このビジネス サービスを選択するには、以下の操作を実行します。
    1. [サービス] フィールドの下で [参照] をクリックします。サービス ブラウザが表示されます。
    2. サービス ブラウザで、BusinessWithSampleWSDL ビジネス サービスを選択し、[送信] をクリックします。このビジネス サービスが [サービス] フィールドの下に表示されます。
    3. [操作] フィールドで [すべて] を選択します。
  6. [追加] をクリックします。新しい変数の構造として BusinessService が、変数の構造のドロップダウン リストの [サービス インタフェース] の下に表示されます。
  7. 変数の構造 BusinessService は次のように表示されます。

    図 2-15 [変数の構造] - BusinessService

    [変数の構造] - BusinessService


     

例 6 : 子要素と子要素をマップする変数の構造の作成

SampleWSDL を変更して、ProxyWithSampleWSDL プロキシ サービスが 1 つの添付ファイルを受け取るようにします。添付ファイルは発注書です。この例では、プロキシ サービスのメッセージ フローが発注書を処理する必要があります。このためには、$attachmentsbody 要素を PO 要素 (子要素として指定されている) にマップする新しい構造を定義します。body 要素は、変数パスとして次の形式で指定されます。

$attachments/ctx:attachment/ctx:body

事前定義されている attachments 構造の body 要素を選択してコピーし、新しいマッピング定義でマップされる変数パスとしてこの要素を貼り付け、貼り付けた値を変更して述部を追加します。

子要素と子要素をマップする

  1. [変数の構造] パネルで、組み込みの構造のドロップダウン リストから attachments を選択します。
  2. 変数の構造 attachments は次のように表示されます。

    図 2-16 [変数の構造] - attachments

    [変数の構造] - attachments


     
  3. attachments 構造の body 子要素を選択します。body のコンテンツが、ページの右側の [プロパティ インスペクタ] に次のように表示されます。
  4. $attachments/ctx:attachment/ctx:body
  5. body 要素のコンテンツをコピーします。
  6. [変数の構造] パネルで [新しい構造の追加] をクリックします。
  7. 必ず [XML の種類] を選択します。
  8. [構造ラベル] フィールドに、変数の構造の名前として、表示されたときに意味がわかるように PO attachment と入力します。
  9. [構造パス] フィールドに、次の body 要素のコンテンツを貼り付けます。
  10. $attachments/ctx:attachment/ctx:body

    これは、実行時の変数の構造のパスになります。

  11. PO 要素を選択するには、以下の操作を実行します。
    1. [種類] フィールドで、該当するラジオ ボタンが選択されていることを確認してから、[WSDL 要素] を選択します。
    2. [参照] をクリックします。WSDL ブラウザが表示されます。
    3. WSDL ブラウザSampleWSDL を選択してから、[WSDL 定義の選択] ペインの [要素] の下で PO を選択します。
    4. [送信] をクリックします。
  12. body 要素の子として PO 要素を設定するために、[子として設定] チェックボックスを選択します。
  13. [追加] をクリックします。新しい変数の構造として 2 つ目の attachment が、変数の構造のドロップダウン リストの [XML の種類] の下に表示されます。
  14. 複数の添付ファイルを使用する場合は、この構造化変数のフィールドを XQuery で使用するときに、インデックスを参照に追加する必要があります。たとえば、PO フィールドを XQuery のテキスト ボックスにドラッグすると、次の値が挿入されます。
  15. $attachments/ctx:attachment/ctx:body/bea:PO/bea:id

    しかし、PO は 2 つ目の添付ファイルであるため、この値を次のように変更します。

    $attachments/ctx:attachment[2]/ctx:body/bea:PO/bea:id

 


サービスの品質

この節の内容は以下のとおりです。

配信の保証

BEA AquaLogic Service Bus は、信頼性の高いメッセージ機能を備えています。メッセージがルート ノードから別のサービスにルーティングされるときの $outbound のデフォルトのサービスの品質 (QoS) 要素は、exactly-once または best-effort です。outbound コンテキスト変数の qualityOfService 要素の値により、望ましい配信動作のヒントが AquaLogic Service Bus に提供されます。qualityOfService 要素の値が使用されるのは、HTTP、HTTPS、または JMS 転送でのプロキシ サービスの発信転送のみです。

次に、配信の保証の種類を示します。

表 2-4 配信の保証の種類


 

配信の信頼性

説明

exactly once

exactly once は、信頼性が最適化されることを意味する。exactly once の配信の信頼性は提案に過ぎず、必ず実現されるわけではない。exactly once を指定すると、可能であれば exactly once の信頼性が提供される。

プロキシ サービスの着信転送が次の場合、ルート ノード アクションでの qualityOfService 要素のデフォルト値は exactly-once である。

  • 電子メール

  • FTP

  • ファイル

  • JMS/XA

at least once

at least once 配信セマンティクスが試行されるのは、qualityOfService 要素が exactly-once になっているが、exactly once が不可能な場合である。

best effort

best effort 配信が実行されるのは、qualityOfService 要素が exactly-once になっているが、exactly once と at least once 配信セマンティクスが不可能な場合である。best effort は、パフォーマンスまたは可用性が最適化されることを意味する。

qualityOfService 要素のデフォルト値は、次の着信転送では best-effort である。

  • JMS/非 XA

  • HTTP

  • HTTPS

qualityOfService 要素のデフォルト値は、次の場合は best-effort である。

  • サービス コールアウト アクション - 常に best-effort、変更不可

  • パブリッシュ アクション - デフォルトが best effort、変更可能

  • ルート アクション - デフォルトが $inbound QoS、変更可能

  • プロキシ サービス応答メッセージ - 該当する場合は常に exactly once、変更不可

注意 : パブリッシュ アクションで qualityOfService 要素の値が best-effort のとき、すべてのエラーが無視される。ただし、ルート ノード アクションまたはサービス コールアウト アクションで qualityOfService 要素の値が best-effort の場合は、すべてのエラーで例外が発生する。


 

デフォルト要素属性のオーバーライド

次のアクションについてデフォルトの qualityOfService 要素属性をオーバーライドできます。

注意 : サービス コールアウト アクションの qualityOfService 要素属性はオーバーライドできません。

qualityOfService 要素属性をオーバーライドするには、発信メッセージ コンテキスト変数 ($outbound) に qualityOfService を設定する必要があります。詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」の「メッセージ コンテキスト スキーマ」を参照してください。

配信の保証のルール

プロキシ サービスがメッセージをパブリッシュするか、要求をビジネス サービスにルーティングするとき、次の条件に応じて配信の保証がサポートされます。

ただし、着信プロキシ サービスが JMS ではなく、呼び出し元が別のプロキシ サービスである場合、呼び出し元のプロキシ サービスの着信転送が配信の保証を行います。呼び出されたプロキシ サービスの転送が JMS でない場合、呼び出し元のプロキシ サービスが最適化されて、直接呼び出しになるためです。転送プロトコルの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」で「プロキシ サービスの追加」および「ビジネス サービスの追加」を参照してください。

注意 : プロキシ サービスからの応答には配信の保証はありません。

配信の保証のルールを次に示します。

表 2-5 配信の保証のルール

提供される配信の保証

ルール

exactly once

プロキシ サービスの着信転送が JMS/XA であり、発信 JMS/XA 転送への qualityOfService 要素の値が exactly-once

at least once

プロキシ サービスの着信転送が、ファイル、FTP、または電子メール、qualityOfService 要素の値が exactly-once

At least once

プロキシ サービスの着信転送が JMS/XA であり、JMS/XA ではない発信転送への qualityOfService 要素の値が exactly once (該当する場合)

配信の保証なし

その他の場合 (すべての応答処理を含む)


 

注意 : 配信の保証として at least once および exactly once をサポートするには、JMS トランザクションを利用し、サーバのクラッシュまたは、返信アクションや再開アクションのエラー ハンドラで処理できないエラーの際に、メッセージを再配信するように JMS キューの再試行回数と再試行間隔をコンフィグレーションする必要があります。ファイル、FTP、および電子メール転送でも、内部では JMS/XA キューが使用されます。JMS/XA 転送を使用するプロキシ サービスのデフォルトの再試行回数は 1 です。AquaLogic Service Bus で作成されるデフォルトの JMS キューのリストについては、BEA AquaLogic Service Bus の『デプロイメント ガイド』を参照してください。

配信の保証のその他のルールを次に示します。

HTTP および HTTPS における at least once のメッセージ配信の保証について、以下に詳細を説明します。ターゲット サービスがエラーまたは HTTP ステータスを伴う応答を返す場合でも、配信は完了したと想定されます。つまり、ターゲット サービスが認証エラーや「ページが見つからない」エラーなどを返すような場合でも、サーバは利用可能であり、サービスによってメッセージが処理されたと見なされます。ただし、次の場合、メッセージは再配信されます。

フェイルオーバ URL が指定されている場合は、少なくとも 1 つの URL について at least once のセマンティクスが提供されます。

スレッディング モデル

BEA AquaLogic Service Bus のスレッディング モデルは次のように作動します。

注意 : 要求フローまたは応答フローのパブリッシュ アクションでは、応答は必ず破棄されます。パブリッシュ メッセージは本質的に一方向送信メッセージであるためです。

プロキシ サービスの分割

次の場合にはプロキシ サービスの分割を検討してください。

発信メッセージの再試行

メッセージの着信の再試行をコンフィグレーションするだけでなく、発信の再試行およびロード バランシングもコンフィグレーションできます。ロード バランシング、フェイルオーバ、および再試行の組み合わせによって、パフォーマンスと高可用性を実現できます。各メッセージのフェイルオーバ URL として指定した URL のリストは、ロード バランシング アルゴリズムに基づいて自動的に並べ替えられ、フェイルオーバのシーケンスが形成されます。再試行回数が N の場合、シーケンス全体が N 回再試行されてから終了します。システムは指定された再試行間隔の時間だけ待機してから、シーケンスの次のループを開始します。再試行回数が完了してもまだエラーがある場合、ルート ノードのエラー処理パイプラインが呼び出されます。エラー処理パイプラインの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」で「パイプラインへのエラー処理の追加」を参照してください。

AquaLogic Service Bus では、HTTP および HTTPS 転送方式の 200 または 202 以外の HTTP ステータスはエラーとして扱われ、再試行する必要があります。このアルゴリズムにより、AquaLogic Service Bus では、解決することのできない認証エラーなどのエラーを、その URL で一定期間再試行することが可能です。これに対して、AquaLogic Service Bus で任意のメッセージの送信を再試行するときに別の URL にフェイルオーバする場合は、新しい URL ではエラーにならない可能性があります。

 


コンテンツ タイプ、JMS タイプ、およびエンコーディング

AquaLogic Service Bus では、異種のエンドポイント間での相互運用性を確保するため、使用されるコンテンツ タイプ、JMS タイプ、およびエンコーディングをそれぞれ制御できます。

AquaLogic Service Bus では外部のクライアントまたはサービスに必要な情報は想定されず、サービス定義でコンフィグレーション済みの情報が使用されます。発信メッセージのコンテンツ タイプは、サービス タイプとインタフェースから派生します。コンテンツ タイプは、電子メールおよび HTTP(S) プロトコルの一部です。

サービス タイプごとのコンテンツ タイプを以下に示します。

サービスを呼び出すプロキシ サービスの発信コンテキスト変数 ($outbound) のコンテンツ タイプ、およびプロキシ サービス応答の着信コンテキスト変数 ($inbound) のコンテンツ タイプはオーバーライドできます。コンテキスト変数 $outbound および $inbound の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「メッセージ コンテキスト」を参照してください。

また、JMS タイプにはバイトまたはテキストを指定できます。AquaLogic Service Bus Console でサービスを定義するときに、使用する JMS タイプをコンフィグレーションします。

すべての発信メッセージのエンコーディングも、サービス定義で明示的にコンフィグレーションします。サービスの定義の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」で「プロキシ サービスの追加」および「ビジネス サービスの追加」を参照してください。

 


非同期の要求/応答

この節では、非同期の要求/応答メッセージングを使用する利点について説明し、その利点を活用した簡単な例を示します。

非同期の要求/応答メッセージを使用する利点は次のとおりです。

WebSphere MQ を使用している場合、特定のメインフレームとの対話においては一般に非同期の要求/応答メッセージを使用する必要があります。非同期サービスでは、相関 ID を返す必要があります。AquaLogic Service Bus で内部的に使用される相関 ID の形式は WebSphere MQ の形式と互換性があり、ターゲット サービスで MQ ネイティブのインタフェースが使用されている場合でも動作します。詳細については、「JMS 相関 ID」を参照してください。

非同期の要求/応答メッセージは、発信転送によって処理されます。つまり、転送方式固有のデータである $outbound を除き、JMS 要求/応答と HTTP 要求/応答のメッセージ フローに違いはありません。

一般的に、非同期の要求および応答を使用する必要があるのは、クライアントが HTTP 経由でプロキシ Web サービスを呼び出し、プロキシ サービスによって呼び出されたバックエンドのシステムが JMS 要求/応答を使用しているような場合です。

JMS 相関 ID

この項では、JMS 相関 ID を使用して要求メッセージと応答メッセージをリンクする方法について説明します。

JMS を使用して AquaLogic Service Bus と通信するビジネス サービスの要求メッセージと応答メッセージをリンクするには、JMS 相関 ID を使用する必要があります。Java でビジネス サービスを設計するときは、キューまたはトピックに JMS 応答を送信する前に、着信メッセージに対して getJMCCorrelationID を、発信メッセージに対して setJMSCorrelationID を使用する必要があります。ビジネス サービス のコンフィグレーションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「ビジネス サービス」を参照してください。

メッセージの受信時に JMSCorrelationID を取得するには、次のようにします。

String getJMSCorrelationID()

上記のメソッドは、特定のメッセージ ID またはアプリケーション固有の文字列値を表す相関 ID の値を返します。

メッセージの送信時に JMSCorrelationID() を設定するには、次のようにします。

void setJMSCorrelationID(String correlationID)

 


WS-I への準拠

BEA AquaLogic Service Bus は、実行時環境で WS-I (Web サービス相互運用性) 準拠を提供します。WS-I の基本プロファイルの目標を以下に示します。

WS-I 基本プロファイルは、次の URL で入手できます。

http://www.ws-i.org/Profiles/BasicProfile-1.1.html

プロキシ サービスまたはビジネス サービスをコンフィグレーションするとき、AquaLogic Service Bus Console を使用すると、AquaLogic Service Bus で WS-I 準拠をそれらのサービスに適用するかどうかを指定できます。この方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」の「プロキシ サービスの追加」を参照してください。

プロキシ サービスについて WS-I 準拠をコンフィグレーションすると、そのプロキシ サービスが受信する着信要求メッセージでチェックが実行されます。呼び出されたサービスについて WS-I 準拠をコンフィグレーションすると、その呼び出されたサービスからの応答メッセージを任意のプロキシが受信したときに、チェックが実行されます。デフォルトではプロキシ サービスの SOAP クライアントはシステム エラー ハンドラ定義のエラーを受け取るため、このようなエラーのためにエラー ハンドラを作成することを強くお勧めします。エラー ハンドラの作成方法の詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス」の「エラー メッセージと処理」を参照してください。

プロキシ サービスから送信されるメッセージについては、それが発信要求でも着信応答でも、WS-I 準拠のチェックは明示的には実行されません。これは、ほとんどのメッセージ コンテンツの生成はパイプライン設計者によって行われるためです。ただし、メッセージの AquaLogic Service Bus によって生成される部分は、サポートされる WS-I 準拠のすべてのチェックを満たします。次のコンテンツが含まれます。

[WS-I 準拠の適用] チェックボックスは、AquaLogic Service Bus Console に次のように表示されます。

図 2-17 [WS-I 準拠の適用] チェックボックス

[WS-I 準拠の適用] チェックボックス


 

WS-I 準拠チェック

注意 : WS-I 準拠チェックでは、サービスで呼び出される操作をシステムが認識する必要があります。つまり、プロキシ サービスによって受信される要求メッセージでは、コンテキスト変数 $operation が null であってはなりません。そのためには、操作選択アルゴリズムが適切にコンフィグレーションされていることが前提になります。呼び出したサービスから受信する応答メッセージでは、操作は、ルート、パブリッシュ、およびサービス コールアウトのアクション コンフィグレーションで指定されているはずです。

サービスについて WS-I 準拠チェックをコンフィグレーションすると、AquaLogic Service Bus によって次のチェックが実行されます。

表 2-6 AquaLogic Service Bus の WS-I 準拠チェック

チェック

WS-I 基本プロファイルの詳細

説明

3.1.1 SOAP エンベロープ構造

R9980 エンベロープは、SOAP 1.1、第 4 節「SOAP Envelope」に指定された構造に準拠する必要がある (修正対象)。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。応答メッセージがチェックされ、メッセージに外部 Envelope タグがない場合、soap:Client エラーが生成される。メッセージが Envelope タグだが、別のネームスペースがある場合、3.1.2 SOAP エンベロープ ネームスペースによって処理される。

3.1.2 SOAP エンベロープ ネームスペース

R1015 受信側は、ドキュメント要素が soap:Envelope でないエンベロープを検出した場合にエラーを生成する必要がある。

このチェックは要求メッセージと応答メッセージに適用される。これは、3.1.1 SOAP エンベロープ構造に関連している。要求メッセージのローカル名が Envelope だが、ネームスペースが SOAP 1.1 でない場合、soap:VersionMismatch エラーが生成される。

3.1.3 SOAP Body のネームスペース修飾

R1014 エンベロープの soap:Body 要素の子は、ネームスペースで修飾する必要がある。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

3.1.4 許可されない構成

R1008 エンベロープは文書型宣言を含んではならない。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

3.1.5 SOAP トレーラ

R1011 エンベロープでは、soap:Body 要素の後に soap:Envelope の要素の子があってはならない。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

3.1.9 SOAP 1.1 要素の SOAP 属性

R1032 エンベロープの soap:Envelopesoap:Header、および soap:Body 要素は、ネームスペース http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/ の属性を持つことはできない。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

3.3.2 SOAP Fault の構造

R1000 エンベロープが Fault の場合、soap:Fault 要素には、faultcodefaultstringfaultactor、および detail 以外の要素の子があってはならない。

このチェックは、応答メッセージのみに適用される。

3.3.3 SOAP Fault のネームスペース修飾

R1001 エンベロープが Fault の場合、soap:Fault 要素の子要素は修飾されていてはならない。

このチェックは、応答メッセージのみに適用される。

3.4.6 HTTP クライアント エラー ステータス コード

R1113 HTTP 要求メッセージの形式に異常がある場合、インスタンスは「400 Bad Request」HTTP ステータス コードを使用する必要がある。

R1114 HTTP 要求メッセージの形式に異常がある場合、インスタンスは「405 Method not Allowed」HTTP ステータス コードを使用する必要がある。

R1125 要求のフォーマットに問題がある応答については、インスタンスは 4xx HTTP ステータス コードを使用する必要がある。

要求のエラーで返されるステータス コードを変更できない場合、プロキシ サービスの応答のみに適用される。

3.4.7 HTTP サーバ エラー ステータス コード

R1126 応答エンベロープが Fault の場合、インスタンスは「500 Internal Server Error」HTTP ステータス コードを返す必要がある。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに別の方法で適用される。要求メッセージの場合、生成されるエラーに対して「500 Internal Server Error」HTTP ステータス コードが返される。応答メッセージの場合、「500 Internal Server Error」HTTP ステータス コードのない Fault 応答が受信されると、エラーが生成される。

4.7.19 応答ラッパー

R2729 rpc-literal バインディングで記述されたエンベロープが応答である場合、対応する wsdl:operation の名前に文字列 Response がサフィックスとして付いた名前のラッパー要素が必要。

このチェックは、応答メッセージのみに適用される。AquaLogic Service Bus では、プロキシ サービスから Fault 以外の応答を生成することはない。

4.7.20 パート アクセサ

R2735 rpc-literal バインディングで記述されたエンベロープでは、ネームスペースにないパラメータと戻り値のパート アクセサ要素を配置する必要がある。

R2755 rpc-literal バインディングで記述されたメッセージのパート アクセサ要素は、対応する wsdl:part 要素の name 属性と同じ値のローカル名を持つ必要がある。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

4.7.22 必須ヘッダ

R2738 エンベロープは、エンベロープを記述する wsdl:bindingwsdl:operationwsdl:input または wsdl:output に指定された、すべての soapbind:headers を含む必要がある。

このチェックは、要求メッセージと応答メッセージに適用される。要求エラー メッセージがあると、soap:Client エラーが生成される。

4.7.25 SOAPAction の記述

R2744 HTTP 要求メッセージは、SOAPAction HTTP ヘッダ フィールドに、soap:operation の soapAction 属性の値と等しい、引用符で囲まれた値を含む必要がある (対応する WSDL 記述にこの値が存在する場合)。

R2745 HTTP 要求メッセージは、SOAPAction HTTP ヘッダ フィールドに、引用符で囲まれた空の文字列値を含む必要がある (対応する WSDL 記述に、soapbind:operation の SOAPAction が存在しない場合、または値が空文字列で存在する場合)。

このチェックは要求メッセージに適用され、soap:Client エラーが返される。


 

 

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