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Oracle Application Server Forms and Reports Servicesインストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for AIX 5L Based Systems(64-bit)
B25646-01
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4 インストールを開始する前の考慮事項

この章の項目は次のとおりです。

4.1 Oracleホーム・ディレクトリ

Forms/Reports Servicesをインストールするディレクトリを、Oracleホームと呼びます。インストール中に、このディレクトリへのフルパスおよびこのOracleホームの名前を指定する必要があります。

たとえば、Forms/Reports Servicesを/opt/oracle/にインストールし、それにoralinfrsという名前を付けることができます。

4.2 Oracle製品の初回インストール

コンピュータにインストールする最初のOracle製品がForms/Reports Servicesの場合、インストーラにより表示される画面で、インベントリ・ディレクトリ(oraInventoryディレクトリ)を指定します。このインベントリ・ディレクトリは、コンピュータにインストールされるすべてのOracle製品を追跡するためにインストーラによって使用されます。

インベントリ・ディレクトリは、Forms/Reports Services用のOracleホーム・ディレクトリとは別のディレクトリです。

oinstallグループに属している他のユーザーが、インベントリ・ディレクトリにアクセス(Oracle製品をインストール)できるようにするには、インベントリ・ディレクトリにoracleユーザーのホーム・ディレクトリを使用しないでください。ホーム・ディレクトリには、oinstallグループに適切な権限が設定されていない場合があるからです。かわりに、インベントリ・ディレクトリを/opt/oracleディレクトリに配置できます(例: /opt/oracle/oraInventory)。

コンピュータに前もってOracle製品がインストールされている場合、インストーラは既存のインベントリ・ディレクトリを使用します。そのディレクトリに対する書込み権限があることを確認してください。一番よい方法は、既存のOracle製品をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザー本人が、インストーラを実行することです。

Oracle製品のインストールに関連するすべてのタスクを実行するオペレーティング・システム・ユーザーを作成することをお薦めします。第3.6項「オペレーティング・システム・ユーザー」を参照してください。

4.3 他の言語のインストール

デフォルトでは、Forms/Reports Servicesは、英語とオペレーティング・システムの言語のテキストでインストールされます。他の言語をインストールする必要がある場合は、「使用可能な製品コンポーネント」画面の「製品の言語」をクリックします。

インストールの後に他の言語をインストールすることはできません。他の言語はアプリケーションのインストール時にインストールする必要があります。インストールしていない言語を使用する環境でForms/Reports Servicesを実行した場合、ユーザー・インタフェースはその言語および英語で表示されるか、テキストのかわりに(不明なフォントを意味する)四角形のボックスが表示される場合もあります。

4.4 Forms/Reports Servicesのインスタンスとインスタンス名

Forms/Reports Servicesをインストールすると、Forms/Reports Servicesのインスタンスが作成されます。インストーラによって、この新規インスタンスの名前の入力が求められます。たとえば、インスタンスにoralinfrsJ2EE_1012という名前を付けることができます。この名前は、Oracleホーム名と異なる名前にしてもかまいません。この名前は、インストール後は変更できません。

Enterprise Managerでは、インスタンス名にホスト名とドメイン名を付けて完全なインスタンス名が作成されます。たとえば、c1というコンピュータにインスタンスをインストールし、そのインスタンスにfrs1という名前を付けると、ドメイン名がmydomain.comである場合、インスタンスの完全名はfrs1.c1.mydomain.comになります。

インスタンス名の有効な文字

インスタンス名には、英数字(AZaz09)および$または_(アンダースコア)文字のみを使用できます。

インスタンス名に文字数の制限はありません。

Forms/Reports Servicesでのインスタンス名の使用方法

インスタンス名は重要です。Forms/Reports Servicesでは、この名前を使用してインスタンスを識別するからです。そのため、複数のForms/Reports Servicesのインスタンス(OracleAS Infrastructure 10gとJ2EE and Web Cacheのインスタンスなど)を同一のコンピュータにインストールする場合は、インスタンスごとに異なる名前を付ける必要があります。

Oracle Enterprise Manager Application Server Controlを使用してForms/Reports Servicesを管理する場合、インスタンス名が画面に表示されます。このインスタンス名をクリックすることで、そのインスタンスに関する詳細を表示することができます。たとえば、そのインスタンスにインストールされているコンポーネント、コンポーネントが起動または停止されているかどうか、およびコンポーネントのログ・ファイルを確認できます。Application Server Controlは、Forms/Reports Services用のブラウザベース管理ツールです。この管理ツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

4.5 ias_adminユーザー

インストーラによって、ias_adminユーザーのパスワードの指定を求められます。ias_adminユーザーは、Forms/Reports Servicesのインスタンスの管理ユーザーです。Application Server Controlを使用してForms/Reports Servicesインスタンスを管理するには、ias_adminとしてログオンします。

1台のコンピュータに複数のForms/Reports Servicesのインスタンスをインストールする場合はインスタンスごとに異なる名前を付けますが、管理ユーザーにはどのインスタンスの場合もias_adminという同じ名前を使用します。ias_adminユーザーのパスワードは、インスタンスごとに異なるものを使用できます。

各Forms/Reports Servicesインスタンスには、独自のパスワードがあります。同じオペレーティング・システム・ユーザーとして複数のForms/Reports Servicesのインスタンスを同じコンピュータ上にインストールした場合でも、その同じコンピュータ上のインスタンスごとに新しいパスワードを入力する必要があります。

ias_adminユーザーのパスワード

ias_adminユーザーのパスワードを指定する場合は、次のパスワード・ポリシーに従う必要があります。

ias_adminユーザーのパスワードには次の制限があります。

パスワードは、次の作業を実行するときに入力する必要があるので、覚えておく必要があります。

パスワードを忘れたときには、パスワードをリセットできます。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

4.6 インストーラのファイルの場所

インストーラが使用するファイルは次のディレクトリに保存されます。

表4-1 インストーラによってファイルが書き込まれるディレクトリ

ディレクトリ 説明

Oracleホーム・ディレクトリ

Oracle Application Server 10g Forms and Reports Servicesをインストールするディレクトリ。

インベントリ・ディレクトリ

コンピュータにインストールされているOracle製品を追跡するためにインストーラによって使用されるディレクトリ。その後のインストールでは、同じインベントリ・ディレクトリが使用されます。

/tmpディレクトリ

インストール時にのみ必要なファイルが一時ディレクトリに保存されます。デフォルトでは、一時ディレクトリは/tmpです。異なるディレクトリを指定するには、TMP環境変数を設定します。詳細は、第3.7.5項「TMPおよびTMPDIR」を参照してください。


4.7 インストール中に何度かrootとしてログインする必要がある理由

インストール中に最低1回、rootユーザーとしてログインしてスクリプトを実行するように、インストーラから要求されます。/etcディレクトリにあるファイルをスクリプトが編集するため、rootユーザーであることが必要になります。

インストーラによって、root.shスクリプトの実行を別のウィンドウで求められます。このスクリプトでは、ローカルbinディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/bin)にファイルが作成されます。

同じ名前のファイルをスクリプトが見つけた場合、既存のファイルを上書きしてよいか確認を求められます。このファイルのバックアップを作成してから上書きしてください(バックアップの作成は別のウィンドウで行えます)。

次の行は、root.shスクリプトからのプロンプトを示したものです。デフォルト値は大カッコで囲まれています。

Enter the full pathname of the local bin directory: [/usr/local/bin]:
The file "dbhome" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]:  y
 Copying dbhome to /usr/local/bin ...
The file "oraenv" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]:  y
 Copying oraenv to /usr/local/bin ...
The file "coraenv" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]: y
 Copying coraenv to /usr/local/bin ...

root.shを実行すると、「chmod: WARNING: Corresponding set-ID also disabled...」で始まる警告が表示される場合があります。これらの警告は無視してかまいません。

4.8 CD-ROMまたはDVD-ROMのマウント・ポイントの設定

Forms/Reports Servicesでは、CD-ROMはRockRidge形式です。DVDはDVD-ROM形式です。

最初のディスクをマウントする手順は次のとおりです。

  1. Oracle Application Server 10g Forms and Reports ServicesのDisk 1をディスク・ドライブに挿入します。

  2. 次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/mount -rv cdrfs /dev/cd0 /cdrom
    
    

4.9 Oracle Universal Installerの起動

Oracle Universal Installerを起動するには、次の手順を実行します。

  1. コンピュータでCD-ROMまたはDVD-ROMが自動的にマウントされない場合、マウント・ポイントを手動で設定する必要があります。第4.8項「CD-ROMまたはDVDのマウント・ポイントの設定」を参照してください。

  2. oracleユーザーとしてログインします。

  3. マルチホーム・コンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする場合は、ORACLE_HOSTNAME環境変数を作成します。Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータのホスト名を指すように、この変数を設定します。マルチホーム・コンピュータでのインストールの詳細は、第3.9.1項「マルチホーム(マルチIP)コンピュータへのインストール」を参照してください。

  4. CD-ROMユーザー: Forms/Reports ServicesのディスクをCD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROMユーザー: Forms/Reports ServicesのDVD-ROMをDVD-ROMドライブに挿入します。

  5. cdコマンドを使用してOracle Universal Installerを実行します。


    注意:

    • Oracle Universal Installerを起動する際には、rootユーザーとしてログインしていないことを確認してください。rootユーザーとしてインストーラを実行しようとすると、エラー・メッセージが表示されます。

    • mount_pointディレクトリ内でインストールを開始しないでください。インストール・ディスクを取り出せなくなる恐れがあります。cdコマンドを実行すると、現行ディレクトリがホーム・ディレクトリに変更されます。


    CD-ROM:

    prompt> cd
    prompt> mount_point/forms_reports/runInstaller
    
    

    DVD-ROM:

    prompt> cd
    prompt> dvd_mount_point/forms_reports/runInstaller
    
    

これによってOracle Universal Installerが起動し、それを使用してForms/Reports Servicesをインストールできます。