Oracle Application Server Forms and Reports Servicesインストレーション・ガイド 10gリリース2(10.1.2)for AIX 5L Based Systems(64-bit) B25646-01 |
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Forms and Reports Servicesの10gリリース1(9.0.4)スタンドアロン・インスタンスを10gリリース2(10.1.2)Business Intelligence and Formsインスタンスにアップグレードできます。その他のサポートされているアップグレードのシナリオは、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』を参照してください。
この章では、次の項でForms and Reports Servicesの10gリリース1(9.0.4)スタンドアロン・インスタンスから、10gリリース2(10.1.2)Business Intelligence and Formsインスタンスにアップグレードする手順を簡単に説明します。
アップグレードの詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』を参照してください。
表8-1は、リリース2(9.0.2)中間層インストール・タイプと、それに対応する互換性のある10gリリース2(10.1.2)インストール・タイプを示しています。
表8-1 リリース2(9.0.2)のアップグレードに対して互換性のある10gリリース2(10.1.2)中間層インストール・タイプ
リリース2(9.0.2)インストール・タイプ | 互換性のある10gリリース2(10.1.2)インストール・タイプ |
---|---|
Business Intelligence and Forms |
Forms and Reports Services |
表8-2は、10gリリース1(9.0.4)中間層インストール・タイプとそれに対応する互換性のある10gリリース2(10.1.2)インストール・タイプを示しています。
使用しているコンピュータ上にForms/Reports Servicesのスタンドアロン10gリリース1(9.0.4)インスタンスがあるとします。10gリリース1(9.0.4)インスタンスを10gリリース2(10.1.2)にアップグレードする手順は次のとおりです。
Forms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)をインストールします。
Forms and Reports Servicesのインストールの詳細は、第5章「インストールの概要」を参照してください。
注意: Forms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)のOracleホーム・ディレクトリが、Forms and Reports Services 9.0.4のインストールのOracleホーム・ディレクトリとは異なることを確認してください。 |
ORACLE_HOME
/upgrade
ディレクトリにナビゲートします。ここで、ORACLE_HOME
は、Forms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)をインストールしたOracleホーム・ディレクトリです。
iasua.sh
ファイルを実行します。このファイルを実行すると、Oracle Application Server Upgrade Assistantが起動します。
注意: rootユーザーとしてiasua.sh スクリプトを実行しないでください。アップグレード先Oracleホームのインストールに使用したものと同じユーザー・アカウントからスクリプトを実行してください。
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「Oracle Application Serverアップグレード・アシスタント - ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
「Oracle Application Serverアップグレード・アシスタント - ステップ1/1: Oracleホーム」画面が、図8-1のように表示されます。
図8-1 「Oracle Application Serverアップグレード・アシスタント - ステップ1/1: Oracleホーム」画面
「ソースOracleホーム」セクションには、Forms and Reports Servicesの9.0.4インスタンスの名前とパスが表示されます。
「接続先Oracleホーム」セクションには、OracleAS Upgrade Assistantが実行されているForms/Reports Servicesの10gリリース2(10.1.2)Oracleホームの名前とパスが表示されます。
「次へ」をクリックし、「コンポーネントの調査」ダイアログ・ボックスを表示します。
「コンポーネントの調査」ダイアログ・ボックスでは、図8-2のように、OracleAS Upgrade Assistantによって、ソースOracleホームの各コンポーネントが調査され、アップグレードの必要があるかどうかが判別されます。
各コンポーネントの「ステータス」列には、次のいずれかが表示されます。
表8-3 「コンポーネントの調査」ダイアログ・ボックスの「ステータス」列の値
ステータス | 意味 |
---|---|
成功 |
コンポーネントはアップグレード可能です。 |
進行中 |
OracleAS Upgrade Assistantがコンポーネントの有効性を調査中です。 |
保留中 |
このコンポーネントは、OracleAS Upgrade Assistantが現在のコンポーネントの調査を完了してから調査されます。 |
失敗 |
このコンポーネントの一部のアップグレード項目が、欠落しているかアップグレード条件を満たしていません。OracleAS Upgrade Assistantでは、このコンポーネントをアップグレードできません。 |
コンポーネントの調査の後、図8-3のような「Oracle Application Serverアップグレード・アシスタント - サマリー」画面が表示されます。プラス記号(+)をクリックすると、特定のコンポーネントのアップグレード・アイテムを表示できます。
図8-3 「Oracle Application Serverアップグレード・アシスタント - サマリー」画面
「終了」をクリックし、アップグレード処理を開始します。「コンポーネントをアップグレードしています」画面にアップグレードのステータスが表示されます。
アップグレードが完了したら、「OK」をクリックします。
アップグレードが完了すると、「アップグレードに成功しました」または「アップグレード失敗」画面が表示されます。
「アップグレード失敗」画面が表示された場合、「OK」をクリックして画面を閉じ、コンポーネントのアップグレードの失敗原因に対する処置を行います。OracleAS Upgrade Assistantを再度起動します。
「アップグレードに成功しました」画面には、アップグレード・ログ・ファイルの場所が指定され、様々なコンポーネントに対してアップグレード後に行う作業が一覧表示されます。「OK」をクリックし、「アップグレードに成功しました」画面を閉じます。
OracleAS Upgrade Assistantやアップグレード失敗の理由に関する詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』を参照してください。
OracleAS Upgrade Assistantでは、OracleAS Forms Servicesの構成データの大半が、ソースOracleホームからアップグレード先Oracleホームに移動されます。ただし、アップグレードの終了後も、手動による作業が残っている場合があります。この項では、これらの作業の実行方法について説明します。OracleAS Upgrade Assistantの詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』を参照してください。
注意: アップグレード後、default.env ファイルに、OracleAS Forms Servicesのデフォルトの環境変数およびユーザー定義の環境変数(存在する場合)が含まれています。Upgrade Assistantでは、ユーザー定義の環境変数はすべて、アップグレード先Oracleホームのdefault.env ファイルにアップグレードされます。ソースOracleホームのdefault.env ファイルでユーザーがデフォルトの変数を変更している場合は、変更内容が抽出され、アップグレード先Oracleホームのdefault.env ファイルにインストーラが入れたデフォルトの環境変数値に付加されます。
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これらのファイルをソースOracleホーム内にデプロイしている場合は、アップグレード先Oracleホームの同じ場所に手動でコピーする必要があります。*.fmx
ファイルがファイル・システムのOracleホームの下にない場合、FORMS90_PATH
はOracleAS Upgrade Assistantによってアップグレードされ、アップグレード後に有効になるため、作業は不要です。
forms90app.ear
ファイルは、デフォルトでは、OC4J_BI_Forms OC4Jインスタンスにデプロイされます。OracleAS Upgrade Assistantでは、ユーザー定義のOC4Jインスタンスと、これらのインスタンスの下にデプロイされているアプリケーションが、すべてアップグレード先Oracleホームにアップグレードされます。
したがって、ソースOracleホーム内のユーザー定義のOC4Jインスタンスにforms90app.ear
ファイルをデプロイしている場合、OracleAS Upgrade Assistantでは、このデプロイメントがアップグレード先Oracleホーム内の対応するOC4Jインスタンスにアップグレードされます。
その結果、ソースOracleホームのリリース1(9.0.4)forms90app.ear
ファイルは、アップグレード先Oracleホームにデプロイされます。OracleAS Forms Services 10gリリース2(10.1.2)を正常に機能させるには、10gリリース2(10.1.2)のEARファイルが必要なため、誤った構成になります。
したがって、forms90app.ear
ファイルは、アップグレード先Oracleホームにあるアップグレード済のOC4Jインスタンスからいったんアンデプロイし、アップグレード先Oracleホームに再度デプロイする必要があります。
Oracle Application Server Forms Services 10gリリース2(10.1.2)forms90app.ear
ファイルは、次のディレクトリにあります。
ORACLE_HOME/forms/j2ee
OracleAS Upgrade Assistantによって、Oracle Reportsのアップグレードの大部分が実行されます。ただし、次の部分は処理されません。
次のソースOracleホームの場所にある.sh
スクリプト・ファイル
ORACLE_HOME/bin/rw*.sh ORACLE_HOME/bin/reports.sh
次のソースOracleホームの場所にあるテンプレート・ファイル
ORACLE_HOME/reports/conf/rwserver.template
次のソースOracleホームの場所にあるjdbcpds.conf
構成ファイル
ORACLE_HOME/reports/conf/jdbcpds.conf
これらのファイルをカスタマイズしている場合は、アップグレード先Oracleホーム内の対応するファイルに、カスタマイズの内容を適用する必要があります。
注意: カスタマイズの内容を適用するには、ソースOracleホームのファイルからアップグレード先Oracleホームのファイルに、カスタマイズしたエントリを個々にコピーする必要があります。10gリリース2(10.1.2)ではファイルの編成と内容が異なるため、10gリリース2(10.1.2)ファイルをソースOracleホームのファイルで置き換えないでください。 |
さらに、ソースOracleホームのキャッシュ・ファイルやキャッシュ・ディレクトリを保持するには、ソースOracleホームからアップグレード先Oracleホームに、Reports Serverのキャッシュ・ディレクトリをコピーします。
中間層でOracleAS Reports Servicesをアップグレードした後、アップグレードされたインプロセス・サーバーをApplication Server Controlコンソールから管理するために、次の変更をtargets.xml
構成ファイルに対して行います。これらの変更は、Oracle Enterprise Managerの統合が、アップグレードされたReportsインプロセス・サーバーと連動するようにするために必要です。
テキスト・エディタでtargets.xml
ファイルを開きます。このファイルは、ORACLE_HOME
/sysman/emd
ディレクトリにあります。
Reportsインプロセス・サーバーのtargets.xml
ファイルで次のエントリを探します。
TYPE="oracle_repserv" and DISPLAY_NAME="Reports Server: new_server_name
new_server_nameがrep_
hostname
_
newOracleHome
形式になることに注意してください。
この例では、hostnameは、ドメイン名がないホスト・コンピュータの名前であり、newOracleHomeはOracleホーム・ディレクトリです。
oracle_repserv
エントリについては、すべてのnew_server_nameの出現を、中間層アップグレードを実行する前にソースOracleホームで使用していた元のサーバー名で置き換えます。
この例では、targets.xml
ファイルのoracle_repserv
エントリで新しいサーバー名の出現を識別するために太字を使用しています。元のサーバー名は、ORACLE_HOME
/reports/conf
にあるrwservlet.properties
ファイルにあります。
<Target TYPE="oracle_repserv" NAME="appserv1.acme.com_Reports_Server: new_server_name" DISPLAY_NAME="Reports Server: new_server_name" VERSION="1.0" ON_HOST="appserv1.acme.com"> <Property NAME="IASInternalName" VALUE="new_server_name"/> <Property NAME="Password" VALUE="77c1ed41793a5ce6" ENCRYPTED="TRUE"/> <Property NAME="Server" VALUE="new_server_name"/> <Property NAME="Servlet" VALUE="http://appserv1.acme.com:port/reports/rwservlet"/> ... ... </Target>
Enterprise Managerを停止してから再起動し、変更を有効にします。
OracleAS Upgrade Assistantによって、Forms and Reports Services 10gリリース1(9.0.4)の構成がForms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)の構成にアップグレードされます。これらの構成外にある、デプロイされたレポートが含まれるOC4Jインスタンスや、デプロイされたレポートを実行できるようにこれらのインスタンスに行われたカスタマイズは、OracleAS Upgrade Assistantではアップグレードされません。
したがって、標準的なForms and Reports Services OC4Jインスタンス以外のOC4Jインスタンスを使用している場合、これらのインスタンスにデプロイ手順を手動で実行したら、Forms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)の対応するインスタンスにも実行する必要があります。
Forms and Reports Services 10gリリース1(9.0.4)スタンドアロン・インスタンスをForms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)インスタンスにアップグレードした後、この10gリリース2(10.1.2)インスタンスを構成してOracle Application Server Infrastructureのサービスを使用できます。OracleAS Infrastructureのサービスを使用するためのForms and Reports Services 10gリリース2(10.1.2)スタンドアロン・インスタンスの構成の詳細は、第6章「Oracle Application Server Infrastructureを使用するためのForms/Reports Servicesの構成」を参照してください。