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Oracle Application Serverインストレーション・ガイド
10g リリース3(10.1.3.2.0) for Solaris Operating System (SPARC 64-bit)

E05159-01
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2 要件

Oracle Application Serverをインストールする前に、使用するコンピュータがこの章で説明している要件を満たしていることを確認してください。

表2-1    この章の内容 
  説明 

2.1項「最新のOracle Application Serverのハードウェアとソフトウェア要件を取得するOracleMetaLinkの使用」 

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.2.0)の最新の要件を検索する方法について説明します。 

2.2項「システム要件」 

サポートされているオペレーティング・システム、プロセッサ速度、メモリー、ディスク領域、スワップ領域などの要件を示します。 

2.3項「ソフトウェア要件」 

必須パッチおよびパッケージを示します。 

2.4項「Oracle Content Databaseの要件」 

Oracle Content Databaseをインストールするための要件を示します。 

2.5項「カーネル・パラメータ」 

oracleユーザーのシェル制限を示します。 

2.6項「ポート」 

デフォルト・ポート以外のポートを使用するようにコンポーネントを構成する方法について説明します。 

2.7項「オペレーティング・システム・グループ」 

Oracle Application Serverをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーが特定のオペレーティング・システム・グループに属している必要がある理由について説明します。 

2.8項「オペレーティング・システム・ユーザー」 

Oracle Application Serverをインストールするために、オペレーティング・システム・ユーザーを作成する必要がある理由について説明します。 

2.9項「環境変数」 

インストールに必要な環境変数を設定または設定解除する方法について説明します。 

2.10項「ネットワーク関連項目」 

リモート・コンピュータへのOracle Application Serverのインストール、リモートCD-ROM/DVD-ROMドライブの使用、ハード・ディスクからのインストールなど、ネットワークの問題について説明します。 

2.11項「Java用フォント・パッケージ」 

異なるキャラクタ・セットを使用して実行する場合に必要なフォント・パッケージについて説明します。 

2.12項「インストーラにより実行される前提条件チェック」 

Oracleホーム名の長さや、Oracleホーム・ディレクトリに別のOracle製品がすでにインストールされているかどうかなど、インストーラによってチェックされる項目を示します。 

2.1 最新のOracle Application Serverのハードウェアとソフトウェア要件を取得するOracleMetaLinkの使用

このマニュアルに含まれるOracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.2.0)のハードウェアとソフトウェア要件は、このマニュアルが作成された時点では正確でした。ハードウェアおよびソフトウェア要件の最新情報については、OracleMetaLinkを参照してください。

https://metalink.oracle.com/

OracleMetaLinkにログインした後、「Certify」をクリックします。表示されたWebページから、製品、プラットフォーム、製品の可用性ごとに、最新の動作保証リストを閲覧できます。

2.2 システム要件

表2-2に、Oracle Application Serverを実行するためのシステム要件を示します。インストーラにより、この要件の多くがインストール・プロセス開始時にチェックされ、満たされていない要件がある場合には警告されます。ユーザーはインストーラによってチェックされない要件のみを確認して時間を節約できます。インストーラによりチェックされない要件については、表2-2を参照してください。

また、次に示すrunInstallerコマンドを実行すると、実際にインストールを行わずに、インストーラによるシステム・チェックのみを実行することもできます。runInstallerコマンドは、Oracle Application ServerのCD-ROM(Disk 1)またはDVD-ROM(application_serverディレクトリ)にあります。

CD-ROMの場合:

prompt> mount_point/WC_101320_1/runInstaller -executeSysPrereqs

DVD-ROMの場合:

prompt> mount_point/application_server/runInstaller -executeSysPrereqs

結果はログ・ファイルに書き込まれると同時に、画面にも表示されます。実行されるチェックの種類の詳細は、2.12項「インストーラにより実行される前提条件チェック」を参照してください。

表2-2    システム要件 
項目  要件 

オペレーティング・システム 

Solaris 8、Solaris 9またはSolaris 10

必須パッチのリストについては、2.3.1項「オペレーティング・システムのパッチ」を参照してください。

インストーラによるチェック: あり 

ネットワーク 

Oracle Application Serverは、ネットワークに接続されているコンピュータまたは接続されていないコンピュータ(スタンドアロン・コンピュータ)にインストールできます。

Oracle Application Serverをスタンドアロン・コンピュータにインストールする場合、インストール後にそのコンピュータをネットワークに接続できます。コンピュータをネットワークに接続する際、いくつかの構成作業を実行する必要があります(詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照)。

インストーラによるチェック: なし 

IP 

コンピュータのIPアドレスは静的である必要があります。Oracle Application Serverでは、DHCPを使用したSolaris Operation System(SPARC)64-Bit Systemsはサポートされていません。

インストーラによるチェック: なし 

ホスト名 

ホスト名は255文字以下にする必要があります。

インストーラによるチェック: なし 

32ビットおよび64ビットのアプリケーションのサポート 

オペレーティング・システムは、32ビットおよび64ビットのアプリケーションをサポートするように構成する必要があります。これを確認するには、-vオプションを指定してisainfoコマンドを実行します。

prompt> /usr/bin/isainfo -v
64-bit sparcv9 applications
32-bit sparc applications

出力に両方の行が表示されない場合は、コンピュータを再構成する必要があります。システム管理者に確認してください。

インストーラによるチェック: なし 

プロセッサの種類 

SPARC v9アーキテクチャを使用したプロセッサである必要があります。これは、Oracle Application ServerがSPARC v8以前のプロセッサをサポートしていないSun Java 1.4.1 HotSpot Server VMを使用するためです。

プロセッサの種類を確認するには、psrinfoコマンドに-vオプションを指定して実行します。その出力には、「sparcv9」が表示される必要があります。

prompt> /usr/sbin/psrinfo -v
Status of processor 0 as of: 02/10/03 13:21:20
Processor has been on-line since 02/04/03 15:45:07.
The sparcv9 processor operates at 450 MHz,
and has a sparcv9 floating point processor.

インストーラによるチェック: なし 

プロセッサ速度 

450MHz以上をお薦めします。また、複数のCPUを搭載したコンピュータをお薦めします。

プロセッサ速度を確認するには、次のコマンドを実行します。

prompt> /usr/sbin/psrinfo -v
Status of processor 0 as of: 02/10/03 13:21:20
Processor has been on-line since 02/04/03 15:45:07.
The sparcv9 processor operates at 450 MHz,
and has a sparcv9 floating point processor.
cpu MHz : 2992.553

インストーラによるチェック: あり 

メモリー 

512MB

ここに示すメモリー要件は、Oracle Application Serverをインストールおよび実行するのに十分な物理メモリーです。ただし、ほとんどの本番サイトでは少なくとも1 GBの物理メモリー構成が必要です。通信量の多いサイトでは、メモリーをさらに増やすことによってパフォーマンスを向上させることができます。Javaアプリケーションで増量したメモリーを活用するには、OC4Jプロセスに割り当てられた最大ヒープを増やすか、OC4Jプロセスを追加構成する必要があります。詳細は、『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。

実際のインストールに最適なメモリーの容量を決定するには、サイトの負荷テストを行うのが最善です。アプリケーションや利用パターンによって、リソースの要件は大幅に異なることがあります。また、メモリーを監視するオペレーティング・システムのユーティリティでは、共有メモリーを示すなどの理由で、メモリー使用を実際より多く報告するものもあります。メモリー要件を決定するには、負荷テストの際に、物理メモリーの追加によるパフォーマンスの向上を監視することをお薦めします。メモリーおよびプロセッサ・リソースをテスト用に構成する方法は、各プラットフォーム・ベンダーのドキュメントを参照してください。

注意:

  • 「Oracle Content Database」インストール・オプションでは、1GB以上のRAMが推奨されています。

  • インストーラによってコンピュータのメモリーの容量がチェックされ、コンピュータが最小メモリー要件を満たしていない場合は、警告されます。

メモリー容量を確認するには、prtconfコマンドを使用します。

prompt> /usr/sbin/prtconf | grep Memory

インストーラによるチェック: あり 

ディスク領域 

基本インストール: 1.17GB

拡張インストール:

  • Oracle WebCenter FrameworkとOracle HTTP Server: 1.07GB

  • Oracle Content Database: 1.02GB

  • Oracle WebCenter Framework: 1.03GB

  • Oracle HTTP Server: 929MB

インストーラでは、ディスク領域の要件の数値が正確でない場合があります。ディスク領域の要件は、ここで示した値に従ってください。

空きディスク領域を確認するには、次のdfコマンドを使用します。

prompt> df -k dir

dirには、Oracleホーム・ディレクトリ、あるいは、Oracleホーム・ディレクトリがまだ存在しない場合はその親ディレクトリを指定します。たとえば、Oracle Application Serverを/opt/oracle/j2eeにインストールする場合は、dir/opt/oracleまたは/opt/oracle/j2eeに置き換えることができます。

インストーラによるチェック: なし 

/tmpディレクトリの領域 

400MB

/tmpディレクトリの空き領域を確認するには、次のdfコマンドを使用します。

prompt> df -k /tmp

/tmpディレクトリに十分な空き領域がない場合は、環境変数TMPを設定することによって、別のディレクトリを指定できます。詳細は、2.9.5項「TMPおよびTMPDIR」を参照してください。

インストーラによるチェック: あり 

スワップ領域 

使用可能なスワップ領域が512MB以上。

使用可能なスワップ領域を確認するには、swapコマンドを使用します。

prompt> /usr/sbin/swap -l

「free」列の値は空きブロック数を示します。ここで1ブロックは512バイトです。ブロックをKBに換算するには、その値を2で除算します。たとえば、2,000,000の空きブロックは1,000,000KBに相当します。

十分なスワップ領域がない場合は、次のタスクを実行します。

  1. rootユーザーとしてログインし、空のスワップ・ファイルを作成します。

    prompt> su
    Password: root_user_password
    # mkfile sizem swap_file_name
    
    

    MB単位でサイズを指定するには、そのサイズに「m」を追加します(例: 900m)。このファイルの最小サイズは、現在使用可能なスワップ領域と必要なスワップ領域の差より大きくする必要があります。たとえば、空きスワップ領域が100MBの場合は、このスワップ・ファイルを1400MB以上にする必要があります。

  2. 次のコマンドを使用して、ファイルをスワップ領域に追加します。

    # /usr/sbin/swap -a swap_file_name
    
    
  3. /etc/vfstabファイルに行を追加します。行を追加しないと、新しいスワップ領域はコンピュータの再起動時に失われます。

    /path/to/swap/file   -   -   swap   -   no   -
    
    

    /path/to/swap/fileは、スワップ・ファイルの場所に置き換えます。

  4. 新しいスワップ領域のサイズを確認します。

    prompt> /usr/sbin/swap -l
    

インストーラによるチェック: あり 

モニター 

256色表示機能

モニターの表示機能を確認するには、次の手順を実行します。

  1. 環境変数DISPLAYが適切に設定されていることを確認します。詳細は、2.9.3項「DISPLAY」を参照してください。テストするには、/usr/openwin/bin/xclockを実行できるかどうかを確認します。

  2. xwininfoコマンドを実行します。

    prompt> /usr/openwin/bin/xwininfo
    
    

    「Depth」の行を確認します。8(ピクセル当たりのビット数)以上の深さが必要です。

インストーラによるチェック: あり 

サポートされるブラウザ 

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlは、次のブラウザでサポートされています。

  • Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2(Microsoft Windowsの場合のみ)

  • Netscape 7.2

  • Mozilla 1.7。Mozillaはhttp://www.mozilla.orgからダウンロードできます。

  • Firefox 1.0.4。Firefoxはhttp://www.mozilla.orgからダウンロードできます。

  • Safari 1.2、2.0(Apple Macintoshコンピュータ)

サポートされるブラウザの最新のリストについては、OracleMetaLinkのサイト(https://metalink.oracle.com)を参照してください。

インストーラによるチェック:なし。ただし、サポートされないブラウザでOracle Enterprise Manager 10g にアクセスすると、警告メッセージが表示されます。 

2.3 ソフトウェア要件

次の各項に、事前にインストールが必要なSolaris Operating Systemのパッチおよびパッケージを示します。

2.3.1 オペレーティング・システムのパッチ

表2-3に、事前にインストールが必要なSolaris Operating Systemのパッチを示します。これらは「J2SEパッチ・クラスタ」を構成しているパッチです。パッチは次のWebサイトからダウンロードできます。

http://sunsolve.sun.com

インストールに関する説明は、パッチに含まれるREADMEファイルを参照してください。


注意:

表2-3に示すパッチは、マニュアルを発行した時点のものです。Sun社では、頻繁にJ2SEの必須パッチのリストを更新しています。パッチの最新のリストについては、次のURLの「Readme」リンクをクリックしてください。http://sunsolve.sun.com/pub-cgi/show.pl?target=patches/J2SE 


表2-3    Solaris Operating System(SPARC 64-Bit)の必須パッチ 
オペレーティング・システム  必須パッチ 

Solaris 8 

  • 108652-82以上: X11 6.4.1: Xsunパッチ

  • 108921-21以上: CDE 1.4: dtwmパッチ

  • 108940-62以上: Motif 1.2.7および2.1.1: 実行時ライブラリ・パッチ

  • 108773-18以上: IIIMおよびX入出力メソッド・パッチ

  • 111310-01以上: /usr/lib/libdhcpagent.so.1パッチ

  • 109147-28以上: Linkerパッチ

  • 111308-04以上: /usr/lib/libmtmalloc.so.1パッチ

  • 112438-03以上: /kernel/drv/randomパッチ

  • 108434-17以上: C++用32ビット共有ライブラリ・パッチ

  • 108435-17以上: C++用64ビット共有ライブラリ・パッチ

  • 111111-04以上: /usr/bin/nawkパッチ

  • 112396-02以上: /usr/bin/fgrepパッチ

  • 110386-03以上: RBAC機能パッチ

  • 111023-03以上: /kernel/fs/mntfsおよび/kernel/fs/sparcv9/mntfsパッチ

  • 111317-05以上: /sbin/initおよび/usr/sbin/initパッチ

  • 113648-03以上: /usr/sbin/mountパッチ

  • 115827-01以上: /sbin/suloginおよび/sbin/netstrategyパッチ

  • 116602-01以上: /sbin/uadminおよび/sbin/hostconfigパッチ

  • 108987-13以上: patchaddおよびpatchrm用パッチ

  • 108528-29以上: カーネルの更新パッチ

  • 108989-02以上: /usr/kernel/sys/acctctlおよび/usr/kernel/sys/exacctsysパッチ

  • 108993-36以上: LDAP2クライアント、libc、libthreadおよびlibnslライブラリ・パッチ

  • 109326-14以上: libresolv.so.2およびin.namedパッチ

  • 110615-11以上: sendmailパッチ

 

Solaris 9 

  • 113096-03以上: X11 6.6.1: OWconfigパッチ

  • 112785-35以上: X11 6.6.1: Xsunパッチ

 

Solaris 10 

なし 

コンピュータにインストールされているオペレーティング・システムのパッチ・リストの取得方法

コンピュータにインストールされているパッチを確認するには、次の手順を実行します。

  1. -pオプションを指定してshowrevコマンドを実行します。次のコマンドを実行すると、patchListというファイルにソート済の出力が保存されます。

    prompt> showrev -p | sort > patchList
    
    
  2. vi、emacsなどのテキスト・エディタでファイルを開き、パッチ番号を調べます。

インストーラによるオペレーティング・システムのパッチ・チェック

インストーラによって、コンピュータの必須パッチのバージョンが検索されます。完全一致が検出されない場合は、インストーラを起動したシェルに警告メッセージが表示されます。

CD-ROM:  prompt> mount_point/WC_101320_1/runInstaller
DVD-ROM: prompt> mount_point/application_server/runInstaller
...
... installer performs prerequisite checks here ...
...
Some optional pre-requisite checks have failed. Continue? (y/n) [n] n

終了するか、続行するかを選択します。

インストールされていないパッチがある場合は、nを入力してインストーラを終了します。パッチをダウンロードしてインストールする必要があります。

すべての必須パッチがインストールされていることを確認できた場合は、yを入力して続行します。

2.3.2 オペレーティング・システムのパッケージ

コンピュータに次のオペレーティング・システムのパッケージが含まれていることを確認します。パッケージが存在しない場合は、インストーラを続行できません。

最後の2つのパッケージ(SUNWi1csおよびSUNWi15cs)はISO8859-1およびISO8859-15コードセットに必要です。

オペレーティング・システムのパッケージがコンピュータにインストールされているかどうかを確認するには、pkginfoコマンドにパッケージ名を指定して実行します。pkginfoを実行する構文は、次のとおりです。

pkginfo package_name1 package_name2 ...

たとえば、リストに示すすべてのパッケージがコンピュータにインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

prompt> pkginfo SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot SUNWsprox 
SUNWtoo SUNWi1of SUNWxwfnt SUNWi1cs SUNWi15cs

コンピュータにパッケージがインストールされていない場合は、システム管理者に連絡してください。

2.4 Oracle Content Databaseの要件

この項では、Oracle Content Database(Oracle Content DB)の要件について説明します。Oracle Content Databaseは、「基本インストール」および「拡張インストール: Oracle Content Database」インストール・オプションでインストールされます。内容は次のとおりです。

2.4.1 ユーザー・リポジトリの要件

Oracle Content DBでは、Oracle Internet Directory、サードパーティ製LDAPサーバー(iPlanet、Open LDAPなど)またはファイルベースのユーザー・リポジトリという3つのタイプのユーザー・リポジトリがサポートされています。この項の内容は次のとおりです。

2.4.1.1 Oracle Content DBでのOracle Internet Directoryの使用

Oracle Internet DirectoryをOracle Content DBユーザー・リポジトリとして使用するには、まず、Oracle Identity Managementが含まれているOracleAS Infrastructureをインストールする必要があります。次に、Oracle Content DBのインストール時にOracle Internet Directoryに必要な詳細情報を指定します。

リリース10.1.2および10.1.4のOracle Identity Managementをインストールできます。Oracle Identity Managementのコンポーネントの選択時に、少なくともOracle Internet Directoryをインストールする必要があります。

関連項目:

  • Oracle Internet DirectoryをOracle Content DBユーザー・リポジトリとして使用する方法の詳細は、『Oracle Content Database Oracle WebCenter Suite用管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Content DBでサポートされているOracle Identity Managementのバージョンの最新情報は、『Oracle Application Server動作要件情報』を参照してください。

 

2.4.1.2 Oracle Content DBでのサードパーティ製LDAPの使用

サードパーティ製LDAPソリューションをOracle Content DBユーザー・リポジトリとして使用するには、まず、サードパーティ製LDAPサーバーをインストールする必要があります。次に、Oracle Content DBのインストール時にサードパーティ製LDAPサーバーに必要な詳細情報を指定します。

Oracle Content DBでは、次のサードパーティ製LDAPソリューションがサポートされています。

2.4.1.3 Oracle Content DBでのファイルベースのユーザー・リポジトリの使用

ファイルベースのユーザー・リポジトリを使用する場合、インストール前の要件はありません。ファイルベースのユーザー・リポジトリをOracle Content DB用のユーザー・リポジトリとして使用するには、Oracle Content DBのインストール時に、「ユーザー・リポジトリの指定」画面で「ファイルベース」を選択します。

2.4.2 Oracle Databaseのハードウェア要件およびソフトウェア要件

Oracle Content DBには、Oracle Databaseリリース10.1.0.5.0または10.2.0.2.0が必要です。Oracle Databaseリリース9.2およびOracle Databaseリリース10.2 XEはサポートされていません。最新の動作要件情報は、『Oracle Application Server動作要件情報』を参照してください。

ハードウェア要件、ソフトウェア要件およびその他の要件の詳細は、Oracleデータベースのインストレーション・ガイドの第2章「インストール前の作業」を参照してください。特に、次の項を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

2.4.2.1 必須データベース・キャラクタ・セットの設定

Oracle Content DBでデータベースを使用するには、データベース・キャラクタ・セットをAL32UTF8に設定する必要があります。

インストール時にデータベース・キャラクタ・セットを設定するには、「拡張」インストール・タイプ(推奨)を選択します。既存のデータベースにデータベース・キャラクタ・セットを設定するには、Database Configuration Assistant(DBCA)を使用して正しいキャラクタ・セットでデータベースを再作成します。

関連項目:

データベース・キャラクタ・セットの設定方法または変更方法の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・ガイド』の第2章「キャラクタ・セットの選択」を参照してください。 

2.4.2.2 パスワード・ファイルの要件

Oracle Content DBでデータベースを使用するには、データベースにパスワード・ファイルを構成する必要があります。この方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

データベースにパスワード・ファイルを設定しなかった場合は、Oracle Content DBのインストール時にエラーが発生します。

2.4.2.3 WindowsでのOracleデータベースのファイアウォール要件

WindowsでOracle Databaseを実行している場合は、Oracle Content DB中間層をインストールする前にデータベース・コンピュータのファイアウォールを無効にする必要があります。そうしない場合、Oracle Content DBのインストールは正常に実行されません。Oracle Content DB中間層をインストールした後、ファイアウォールを必ず再度有効にしてください。

2.4.2.4 必要なデータベース初期化パラメータの設定

Oracle Content DBで使用するOracle Databaseに初期化パラメータを設定する必要があります。

インストール時に初期化パラメータを設定するには、「拡張」インストール・タイプを選択します。「データベース構成の選択」画面で、「詳細」を選択します。初期化パラメータは、DBCAを起動した後に設定できます。

既存のデータベースに初期化パラメータを設定するには、Oracle Application Server Disk 1の次の場所にあるcdb_alter_system.sqlスクリプトを実行します。

mount_point/WC_101320_1/cdb_alter_system.sql

また、Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlを使用して手動で初期化パラメータを設定してサーバー・パラメータ・ファイルを更新することもできます。

関連項目:

Database Controlへのアクセス方法については、Oracleデータベースのインストレーション・ガイドのOracle Enterprise Manager Database Controlへのログインに関する項を参照してください。 

次のSQLコマンドを使用して、個々のパラメータを設定することもできます。

SQL> alter system set parameter_name=parameter_value scope=both;

たとえば、次のようになります。

SQL> alter system set shared_pool_size=184549376 scope=both;

表2-4に、Oracle Content DBに必要なデータベース初期化パラメータを示します。

表2-4    Oracle Content DBに必要なデータベース初期化パラメータ 
パラメータ名  最小値 
aq_tm_processes
 

db_recovery_file_dest_size
 

2147483648 

dml_locks
 

200 

job_queue_processes
 

10 

max_commit_propagation_delay
 

0

このパラメータは、Oracle Database 10g 10.2では使用されなくなりました。10.2のデータベースを使用している場合、このパラメータを設定する必要はありません。 

open_cursors
 

400 

processes
 

250 

remote_login_passwordfile
 

EXCLUSIVE 

session_max_open_files
 

50 

sessions
 

400 

undo_management
 

AUTO 

PLSQL_CODE_TYPE
 

INTERPRETED 

db_create_file_dest
 

このパラメータは、データベース・サーバーに、次のファイルを作成するデフォルトの場所を指定するために設定します。

  • データファイル

  • 一時ファイル

  • REDOログ・ファイル

  • 制御ファイル

  • ブロック・チェンジ・トラッキング・ファイル

次の例では、Oracle Managed Filesの作成時に使用するデフォルトのディレクトリとして/u01/oradataを設定します。

DB_CREATE_FILE_DEST = '/u01/oradata'

注意: 記憶域がRAWボリューム内にある場合、このパラメータは設定しないでください。RAW記憶域タイプを使用する場合は、Oracle Content DBをインストールする前に必要な表領域を作成する必要があります。詳細は、2.4.2.5項「Oracle Content DBでのRAW記憶域タイプの使用」を参照してください。 

2.4.2.5 Oracle Content DBでのRAW記憶域タイプの使用

データベース・ファイル記憶域にRAWデバイスを使用する場合は、Oracle Content DBをインストールする前に表領域を手動で作成する必要があります。表2-5に、各表領域の最小サイズを示します。

表2-5    Oracle Content DBで使用される表領域の最小サイズ 
表領域名  最小サイズ 

CONTENT_IFS_MAIN 

60MB 

CONTENT_IFS_LOB_N 

270MB 

CONTENT_IFS_LOB_I 

270MB 

CONTENT_IFS_LOB_M 

10MB 

CONTENT_IFS_CTX_I 

10MB 

CONTENT_IFS_CTX_K 

15MB 

CONTENT_IFS_CTX_X 

130MB 

WORKFLOW_IFS_MAIN 

10MB 

Oracle Content DBで使用される表領域の詳細は、『Oracle Content Database Oracle WebCenter Suite用管理者ガイド』の第2章「Oracle Content DBのデプロイ計画」を参照してください。

表領域を手動で作成するには、SQLコマンドcreate tablespaceを発行します。例2-1に、サイズが270MBのCONTENT_IFS_MAIN表領域を作成するコマンドを示します。

例2-1    create tablespaceコマンド

SQL > create tablespace CONTENT_IFS_MAIN logging datafile size 270M autoextend on next 
27M maxsize unlimited extent management local segment space management auto;

2.4.3 既存のOracle Databaseのアップグレード

Oracle DatabaseをOracle Content DBで動作保証されているいずれかのバージョンにアップグレードする必要がある場合があります。アップグレードを行う場合は、アップグレードに関するドキュメントを注意深く読み、すべての指示に従い、実行する必要があるすべてのアップグレード後のタスクを実行してください。そうしないと、問題が発生する場合があります。アップグレード後のタスクでは、次のスクリプトを実行する必要があります。

詳細は、データベースのアップグレードに関するドキュメントを参照してください。

2.4.3.1 データベース・パッチのダウンロードおよび適用

データベース・パッチは、次のURLのOracleMetaLinkからダウンロードできます。

https://metalink.oracle.com

オラクル社とサポート契約を締結している場合、OracleMetaLinkサイトからパッチをダウンロードする手順は次のようになります。

  1. OracleMetaLinkにログインします。

  2. Patches & Updates」をクリックします。

  3. Simple Search」リストで「Patch Number」が選択されていることを確認し、必要なパッチの番号を横のフィールドに入力します。

    ダウンロードする必要があるパッチ番号がわからない場合は、「Simple Search」リストで「Product or Family」を選択します。

  4. Platform or Language」リストから該当するオペレーティング・システムを選択します。

  5. Go」をクリックします。

  6. パッチをダウンロードする前に、「Results」で「View ReadMe」をクリックして、READMEの情報を確認します。次に、「Results」ページに戻って、「Download」をクリックしてパッチをダウンロードします。

データベース・パッチは、すべてのデータベース・プロセスを停止してから適用してください。アップグレードの完了後、root.shを実行する必要があります。詳細は、パッチによるアップグレードに関するドキュメントを参照してください。すべての指示に従い、実行する必要があるすべてのアップグレード後のタスクを実行してください。

2.5 カーネル・パラメータ

カーネル・パラメータの値は、/etc/systemファイルに格納されます。/etc/systemファイルでパラメータが指定されていない場合は、ファイルに行を追加してパラメータを指定する必要があります(Solaris 8のみ)。

パラメータ  最小値を示す/etc/systemの行  説明 

rlim_fd_max 

set rlim_fd_max=65536 

シングル・プロセスで開くことができるファイル記述子のハード制限を定義します。

現在の設定を確認するには、次のコマンドを実行します。

prompt> ulimit -Hn
 

2.6 ポート

Oracle HTTP Serverなどの多くのOracle Application Serverコンポーネントでポートを使用します。インストーラにデフォルトのポート番号を割り当ててもらうことも、ユーザーが指定したポート番号を使用することもできます。

Oracle HTTP Serverのデフォルト・ポートがポート7777でありポート80でない理由

デフォルトでは、インストーラによって、ポート80でなくポート7777を使用するようにOracle HTTP Serverが構成されます。ポート7777がデフォルトのポートである理由は、UNIXでは1024未満のポート番号を使用するコンポーネントに対しrootユーザーとして追加の手順を実行しないと、コンポーネントを実行できないためです。インストーラはrootアクセス権限を所有していないため、1024より大きいポートを使用する必要があります。

Oracle HTTP Serverでポート80などの異なるポートを使用する場合は、「静的ポート」機能を使用します。これにより、コンポーネントのポート番号を指定できます。インストール後にポート番号を変更することもできますが、インストール中にポート番号を設定する方が簡単です。

2.6.1 ポートが使用中かどうかの確認

ポートが使用されているかどうかを確認するには、netstatコマンドを次のように実行します。

prompt> netstat -an | grep portnum

2.6.2 デフォルトのポート番号の使用

コンポーネントでデフォルトのポート番号を使用する場合は、特に何もする必要はありません。 デフォルトのポート番号および範囲のリストについては、付録C「デフォルトのポート番号」を参照してください。各コンポーネントに対し、ポート範囲内で1つ以上のポートが使用できることを確認します。インストーラが空きポートを範囲内で検出できない場合、そのインストールは失敗します。

2.6.3 カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)

インストーラがコンポーネントにカスタムのポート番号を割り当てるようにするには、次の手順を実行します。

  1. コンポーネント名とポート番号の入ったファイルを作成します。ファイルの書式は、2.6.3.1項「staticports.iniファイルの書式」を参照してください。このファイルは通常staticports.iniファイルという名前ですが、任意の名前を付けることができます。

  2. インストーラの「ポート構成オプションの指定」画面で、「手動」を選択し、staticports.iniファイルのフルパスを入力します。

    ファイルへのフルパスを指定しないと、インストーラはファイルを見つけることができません。この場合、インストーラはすべてのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てますが、警告は一切表示されません。

2.6.3.1 staticports.iniファイルの書式

staticports.iniファイルの書式は次のとおりです。port_numは、コンポーネントに使用するポート番号に置き換えます。

Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle Notification Server Request port = port_num
Oracle Notification Server Local port = port_num
Oracle Notification Server Remote port = port_num
ASG port = port_num

このファイルを作成する最も簡単な方法は、CD-ROM(Disk 1)またはDVD-ROMにあるstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用することです。

  1. staticports.iniファイルをCD-ROMまたはDVD-ROMからハード・ディスクにコピーします。

    表2-6    CD-ROMおよびDVD-ROM内のstaticports.iniファイルの場所 
    メディア  staticports.iniファイルの場所 

    CD-ROM 

    Disk 1: mount_point/WC_101320_1/stage/Response/staticports.ini 

    DVD-ROM 

    mount_point/application_server/stage/Response/staticports.ini 

  2. ローカル・コピー(ハード・ディスク上にあるファイル)を編集して必要なポート番号を含めます。

    staticports.iniファイルですべてのコンポーネントのポート番号を指定する必要はありません。ファイルにないコンポーネントでは、インストーラによりデフォルトのポート番号が使用されます。

    次の例では、Oracle HTTP ServerのポートといくつかのOracle Process Manager and Notification Serverのポートを設定します。指定されていないコンポーネントには、インストーラによってデフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Oracle HTTP Server port = 2000
    Oracle HTTP Server SSL port = 2001
    Oracle Notification Server Request port = 2002
    Oracle Notification Server Local port = 2003
    
    

    インストールが完了したら、次のコマンドを実行して、割り当てられたポートを確認します。

    prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
    prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl status -l
    
    


    ポート番号の選択に関する注意

    • 65535より大きいポート番号は使用できません。

    • コンポーネントに1024より小さいポート番号を使用する場合は、rootユーザーとしてコンポーネントを実行する必要があります。

    • コンポーネントに1024より小さいポート番号を使用する場合、インストール終了時にインストーラではそのコンポーネントを起動できません。起動する前に、コンポーネントを構成する必要があります。詳細は、対応するコンポーネントのドキュメントを参照してください。

    • Oracle HTTP Serverのポート番号を設定する場合は、2.6.3.3項「Oracle HTTP Serverのポート」を必ずお読みください。

     

インストーラでは、メモリーをチェックすることにより、ファイルに指定されたポートが使用可能であることが確認されます。つまり、インストーラが検出できるのは、実行中のプロセスで使用されているポートのみです。アプリケーションで使用されているポートを調べるために構成ファイルが確認されることはありません。

指定されたポートが使用できないことが検出されると、インストーラにより警告が表示されます。インストーラでは、使用できないポートの割当ては行われません。この問題を解決するには、次の手順を実行します。

  1. staticports.iniファイルを編集して別のポートを指定するか、そのポートを使用しているアプリケーションをシャットダウンします。

  2. 再試行」をクリックします。インストーラはstaticports.iniファイルの再読取りを行い、ファイル内のエントリを再確認します。

2.6.3.2 インストーラが指定されたポートではなくデフォルトのポートを使用する原因となるエラー条件

staticports.iniファイルは念入りに確認してください。間違いがあると、インストーラでは警告を表示せずにデフォルトのポートを使用します。次のような点を確認します。

2.6.3.3 Oracle HTTP Serverのポート

このコンポーネントのポートを設定する場合は、次の点を理解しておく必要があります。

Oracle HTTP Serverのhttpd.confファイルでは、PortおよびListenの各ディレクティブによってOracle HTTP Serverで使用されるポートが指定されます(図2-1)。両方のディレクティブが同じポート番号を使用するように設定する必要があります。

これらのポートを設定するには、staticports.iniファイルの「Oracle HTTP Server port」と「Oracle HTTP Server Listen port」の行を使用します。たとえば、次のようになります。

Oracle HTTP Server port = 8080
Oracle HTTP Server Listen port = 8080

これらのポートのSSLバージョンを設定するには、次の行を使用します。SSL非対応バージョンと同様、ポート番号は同じである必要があります。

Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443


図2-1    Oracle HTTP Serverの構成


画像の説明

2.6.3.3.1 staticports.iniの例

このシナリオでは、Oracle HTTP Serverでポート80と443を使用するように構成します。次の行を含むstaticports.iniファイルを作成します。

Oracle HTTP Server port = 80
Oracle HTTP Server Listen port = 80
Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443


注意:

1024より小さいポート番号を使用しているため、Oracle HTTP Serverはrootユーザーとして実行するように構成する必要があります。構成は、インストール中またはインストール後に行うことができます。

インストール後に構成を行うように選択することもできますが、インストーラではコンポーネントを起動できないことに注意してください(まだ構成されていないため)。

詳細は、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』を参照してください。 


2.7 オペレーティング・システム・グループ

Oracle製品が入っていないコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するためのオペレーティング・システム・グループを作成する必要があります。詳細は、2.7.1項「インベントリ・ディレクトリのグループの作成」を参照してください。

ローカルのオペレーティング・システム・グループを作成するには、Solaris Management Consoleを使用します。

  1. 環境変数DISPLAYをSolaris Management Consoleウィンドウを表示するモニターを示すように設定します。環境変数の設定については、2.9.3項「DISPLAY」を参照してください。

  2. Solaris Management Consoleを起動します。

    prompt> /usr/sadm/bin/smc
    
    
  3. 左側のフレームで、「This Computer」→「System Configuration」の順に展開します。

  4. Users」をクリックします。「Log In」ウィンドウが表示されます。

  5. 「Log In」ウィンドウで、rootユーザーとしてログインします。

  6. 左側のフレームで、「Users」を展開して「Groups」を選択します。

  7. 「Action」「Add Group」を選択します。

  8. Group Name」で、グループの名前を入力します。

  9. (オプション)「Group ID Number」で、グループのID番号を入力します。

  10. OK」をクリックします。

オペレーティング・システムのユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、システム管理者に問い合せてください。

2.7.1 インベントリ・ディレクトリのグループの作成

Oracle製品が入っていないコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するためのグループを作成します。インストーラでは、コンピュータにインストールされているOracle製品を把握するために、インベントリ・ディレクトリにファイルを書き込みます。

このマニュアルでは、このオペレーティング・システム・グループにoinstallという名前を使用します。

インベントリ・ディレクトリ用に別のグループを用意することによって、様々なユーザーがコンピュータにOracle製品をインストールできるようにします。ユーザーは、インベントリ・ディレクトリへの書込み権限が必要です。これは、oinstallグループに所属します。

コンピュータにOracle製品を初めてインストールするとき、インストーラにより、インベントリ・ディレクトリのグループ名を入力する画面と、インベントリ・ディレクトリの場所を入力する画面が表示されます。

インベントリ・ディレクトリのデフォルトの名前はoraInventoryです。

コンピュータにインベントリ・ディレクトリがすでにあるかどうかが不明な場合は、/var/opt/oracle/oraInst.locファイルを参照します。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と、それを所有するグループが一覧表示されます。ファイルがない場合は、そのコンピュータにはOracle製品がインストールされていません。

2.8 オペレーティング・システム・ユーザー

Oracle製品のインストールとアップグレードを行うオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。このマニュアルでは、このユーザーをoracleユーザーと呼びます。インストーラを実行するoracleユーザーは、次のディレクトリに対する書込み権限を所有している必要があります。

コンピュータに他のOracle製品がある場合、すでにこのためのユーザーが作成されている可能性があります。/var/opt/oracle/oraInst.locファイルを参照します。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と、それを所有するグループが一覧表示されます。ファイルがない場合は、そのコンピュータにはOracle製品がインストールされていません。

Oracle製品のインストール用のユーザーがまだない場合は、次のプロパティを持ったユーザーを作成します。

表2-7    インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのプロパティ 
項目  説明 

ログイン名 

ユーザーには任意の名前を使用できます。このマニュアルではoracleユーザーと呼びます。 

グループ識別子 

oracleユーザーのプライマリ・グループは、oraInventoryディレクトリに対する書込み権限を持っている必要があります。このグループの詳細は、2.7.1項「インベントリ・ディレクトリのグループの作成」を参照してください。

グループには任意の名前を使用できます。このマニュアルでは、oinstallという名前を使用します。 

ホーム・ディレクトリ 

oracleユーザーのホーム・ディレクトリは、他のユーザーのホーム・ディレクトリと同じにすることができます。 

ログイン・シェル 

デフォルトのログイン・シェルはC、BourneまたはKornシェルです。 


注意:

oracleユーザーは、Oracle製品のインストールおよび実行のみに使用します。rootをoracleユーザーとして使用しないでください。 


ローカルのオペレーティング・システム・ユーザーを作成するには、Solaris Management Consoleを使用します。

  1. 環境変数DISPLAYをSolaris Management Consoleウィンドウを表示するモニターを示すように設定します。環境変数の設定については、2.9.3項「DISPLAY」を参照してください。

  2. Solaris Management Consoleを起動します。

    prompt> /usr/sadm/bin/smc
    
    
  3. 左側のフレームで、「This Computer」→「System Configuration」の順に展開します。

  4. Users」をクリックします。「Log In」ウィンドウが表示されます。

  5. 「Log In」ウィンドウの「User Name」で、rootと入力します。「Password」で、rootのパスワードを入力します。

  6. 左側のフレームで、「Users」を展開して「User Accounts」を選択します。

  7. 「Action」「Add User」「With Wizard」を選択します。

  8. User Name」で、ユーザーの名前(oracle)を入力します。「Full Name」および「Description」フィールドはオプションです。「次へ」をクリックします。

  9. User ID Number」で、デフォルトの値を受け入れます。「次へ」をクリックします。

  10. User Must Use This Password At First Login」を選択して、ユーザーのパスワードを入力します。「次へ」をクリックします。

  11. Primary Group」で、ユーザーのプライマリ・グループを選択します。これは、インベントリ・ディレクトリを所有するために、以前に作成したグループです。詳細は、2.7.1項「インベントリ・ディレクトリのグループの作成」を参照してください。「次へ」をクリックします。

  12. Path」で、ユーザーのホーム・ディレクトリを入力します。「次へ」をクリックします。

  13. ユーザーのメール・サーバー情報を確認し、「Next」をクリックします。

  14. ユーザー情報を確認し、「Finish」をクリックしてユーザーを作成します。

オペレーティング・システム・ユーザーが所属するグループを確認するには、groupsコマンドにユーザー名を指定して実行します。たとえば、次のようになります。

prompt> groups oracle

オペレーティング・システムのユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、システム管理者に問い合せてください。

2.9 環境変数

Oracle Application Serverをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、次の環境変数を設定(または設定解除)する必要があります。

表2-8 に、環境変数の設定または設定解除の概要を示します。

表2-8    環境変数の概要 
環境変数  設定または設定解除 

PATH、CLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATH 

Oracleホーム・ディレクトリ内のディレクトリを参照するパスは含めないでください。 

DISPLAY 

インストーラのウィンドウを表示するモニターに設定します。 

TMPおよびTMPDIR 

任意です。設定解除した場合、デフォルトで/tmpに設定されます。 

ANT_HOME 

設定しないでください。 

TNS_ADMIN 

設定しないでください。 

2.9.1 環境変数のヒント

次に、環境変数を扱う際のヒントを示します。

2.9.2 PATH、CLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATH

環境変数PATHCLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATHは、Oracleホーム・ディレクトリを参照しないように編集します。

2.9.3 DISPLAY

環境変数DISPLAYをXサーバーを示すように設定すると、インストーラが表示されます。環境変数DISPLAYのフォーマットは次のとおりです。

hostname:display_number.screen_number

例(Cシェル):

% setenv DISPLAY test.mydomain.com:0.0

例(Bourne/Kornシェル):

$ DISPLAY=test.mydomain.com:0.0; export DISPLAY

次のように、xclockプログラムを実行してディスプレイをテストできます。

$ /usr/openwin/bin/xclock &

Oracle Application Serverではインストール中のみXサーバーを実行する必要があります。オペレーティング・システムにインストールされているフレーム・バッファXサーバーでは、インストール中はログインしたままの状態でフレーム・バッファが動作していることが必要です。これを行わない場合は仮想フレーム・バッファを使用します。仮想フレーム・バッファには、X Virtual Frame Buffer(XVFB)やVirtual Network Computing(VNC)があります。

XVFBなどの仮想フレーム・バッファ・ソリューションの取得方法およびインストール方法については、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology)にアクセスし、「フレーム・バッファ」を検索してください。

2.9.4 TNS_ADMIN

この項では次の2つの要件について説明します。

これらの要件は、異なるOracle製品のNet構成ファイル間の競合を避けるために必要です。

TNS_ADMINを設定する必要がある場合、あるいは/etcまたは/var/opt/oracletnsnames.oraファイルがある場合は、Oracle Application Serverをインストールする前に次の手順を実行します。

  1. /etcまたは/var/opt/oracletnsnames.oraファイルがある場合は、ファイルをこれらのディレクトリから別のディレクトリに移動します。または、ファイルの名前を変更します。

  2. 環境変数TNS_ADMINが設定されていないことを確認します。

    例(Cシェル):

    % unsetenv TNS_ADMIN
    
    

    例(Bourne/Kornシェル):

    $ unset TNS_ADMIN
    
    

インストールの後、新しく作成されたtnsnames.oraファイルの内容を既存のtnsnames.oraファイルにマージできます。

2.9.5 TMPおよびTMPDIR

インストーラは、スワップ領域として一時ディレクトリを使用します。インストーラは、環境変数TMPおよびTMPDIRを確認して一時ディレクトリを見つけます。この環境変数が存在しない場合は、/tmpディレクトリが使用されます。

インストーラで/tmp以外の一時ディレクトリを使用するには、環境変数TMPおよびTMPDIRにかわりのディレクトリのフルパスを設定します。oracleユーザーにはこのディレクトリの書込み権限が必要です。また、このディレクトリは表2-2に示した要件を満たしている必要があります。

例(Cシェル):

% setenv TMP /tmp2
% setenv TMPDIR /tmp2

例(Bourne/Kornシェル):

$ TMP=/tmp2; export TMP
$ TMPDIR=/tmp2; export TMPDIR

この環境変数を設定していないと、デフォルトのディレクトリの領域が十分でない場合に、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。異なるディレクトリを指すように環境変数を設定するか、またはデフォルトのディレクトリに十分な領域を確保する必要があります。いずれの場合でも、インストールをやりなおす必要があります。

2.9.6 ANT_HOME

Oracle Application Serverのインストールを正常に完了させるためには、この環境変数を設定解除します。

例:

% unset ANT_HOME

また、/etc/ant.confファイルを削除するか、またはANT_HOME環境変数が適切に設定されてない/etc/ant.confファイル内の行をコメント・アウトする必要もあります。

2.9.7 ORA_NLS

Oracle Application Serverのインストールを正常に完了させるためには、この環境変数を設定解除します。

例:

$ unset ORA_NLS

2.9.8 LD_BIND_NOW

Oracle Application Serverのインストールを正常に完了させるためには、この環境変数を設定解除します。

例:

$ unset LD_BIND_NOW

2.10 ネットワーク関連項目

通常、Oracle Application Serverをインストールするコンピュータはネットワークに接続されており、Oracle Application Serverインストールが入るだけのローカル記憶域があり、表示モニターとCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブがあります。

この項では、このような典型的なシナリオとは異なるコンピュータにOracle Application Serverをインストールする方法について説明します。次のような場合を扱います。

2.10.1 DHCPホストへのインストール

Oracle Application ServerをDHCPネットワークにインストールする場合、ループバック構成を使用する必要があります。Oracle Application Serverにアクセスするには、ローカル・ブラウザを使用する必要があります。Oracle Application ServerをDHCPネットワークにインストールするには、次の手順に従ってください。

  1. 次のコマンドを実行し、DHCPサーバーから割り当てられているIPアドレスを確認します。

    $ /sbin/ifconfig -a
    
    

    IPアドレスは、DHCPを使用するよう構成されているインタフェースに割り当てられています。

  2. 次の手順を実行して、ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

    1. /etc/hostsファイルに次のエントリを含めて、ホストがホスト名をループバックIPアドレスに解決するように構成します。

      127.0.0.1 hostname.domainname hostname 
      127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 
      
      
    2. 次のコマンドを入力し、ホスト名がループバックIPアドレスに解決されることを確認します。

      $ /bin/ping hostname.domainname
      
      
  3. 手順2で使用したホスト名を使用して、このマニュアルで説明されているとおりにOracle Application Serverのインストールを終了します。

2.10.2 複数のホーム(複数のIP)を持つコンピュータへのインストール

Oracle Application Serverを複数のホームを持つコンピュータにインストールできます。複数のホームを持つコンピュータは、複数のIPアドレスに関連付けられます。通常、これは複数のネットワーク・カードをコンピュータに取り付けることによって実現されます。各IPアドレスは1つのホスト名に関連付けられます。また、ホスト名に別名を設定することもできます。Oracle Universal Installerで使用するホスト名は、OUI_HOSTNAME変数を指定してインストーラを実行すると設定できます。たとえば、次のようになります。

CD-ROMの場合:

prompt> mount_point/WC_101320_1/runInstaller OUI_HOSTNAME=hostname

DVD-ROMの場合:

prompt> mount_point/application_server/runInstaller OUI_HOSTNAME=hostname

クライアントは、このホスト名を使用して(またはこのホスト名の別名を使用して)、そのコンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)とフルネーム(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名にpingします。どちらのpingも正常に実行される必要があります。

2.10.3 CD-ROMまたはDVD-ROMからハード・ドライブへのコピーとハード・ドライブからのインストール

Oracle Application ServerのCD-ROMまたはDVD-ROMからインストールするかわりに、CD-ROMまたはDVD-ROMの内容をハード・ドライブにコピーし、そこからインストールを行うこともできます。これは、ネットワーク上にOracle Application Serverインスタンスを多数インストールする場合、またはOracle Application ServerをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブがない場合に便利です。

(リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからもインストールできます。2.10.4項「リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」を参照してください。)

ハード・ドライブからインストールする場合、インストーラにより、CD-ROMを交換するよう要求されません。ファイルが正しい場所にあれば、検出されます(図2-2を参照)。

領域の要件

ハード・ドライブに、CD-ROMの内容またはDVD-ROMのapplication_serverディレクトリの内容が入るだけの十分な空き領域があることを確認してください。各CD-ROMは、約650MBです。つまり、3枚のCD-ROMをコピーする場合、約1.9GBのディスク領域を必要とします。

DVD-ROMのapplication_serverディレクトリは約1.6GBです。

この領域を、Oracle Application Serverのインストールに必要な領域(表2-2を参照)に加えます。

CD-ROMの内容をコピーする方法
  1. 図2-2に示すようなディレクトリ構造をハード・ドライブ上に作成します。

    親ディレクトリ(この例ではOracleAS_10gになっていますが、任意の名前を付けることができます)を作成し、親ディレクトリの下にDisk1Disk2などのサブディレクトリを作成します。サブディレクトリの名前はDiskNにします。ここでNはCD-ROMの番号です。

    図2-2    CD-ROMをハード・ディスクにコピーするためのディレクトリ構造


    画像の説明

  2. 各CD-ROMの内容を、対応するディレクトリにコピーします。

    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/WC_101320_1/* /path/to/hard/drive/Disk1/
    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/WC_101320_2/* /path/to/hard/drive/Disk2/
    ... 各CDに対して繰り返します。
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Disk1ディレクトリからrunInstaller実行可能ファイルを実行します。Oracle Application Serverを実行するコンピュータから実行します。

prompt> /path/to/hard/drive/Disk1/runInstaller

DVD-ROMのapplication_serverディレクトリの内容をコピーする方法
  1. (オプション)application_serverディレクトリをコピーするディレクトリを作成します。

  2. application_serverディレクトリをDVD-ROMからハード・ディスクにコピーします。

    prompt> cp -pr /dvd_mount_point/application_server /path/to/hard/drive
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Oracle Application Serverを実行するコンピュータからrunInstaller実行可能ファイルを実行します。

prompt> /path/to/hard/drive/application_server/runInstaller

2.10.4 リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール

Oracle Application ServerをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブがない場合は、リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストールを実行することができます。次の手順は実行済であることを確認します。

2.10.5 リモート・コンピュータへのインストール

インストーラをリモート・コンピュータ(「remote_computer」)で実行する場合も、インストーラの画面をローカル・コンピュータ(「local_computer」)に表示できます。インストーラによりOracle Application Serverがリモート・コンピュータにインストールされます。

  1. remote_computerをlocal_computerに表示できるようにします。このコマンドは、ローカル・コンピュータのコンソールで実行する必要があります。

    local_computer> xhost +remote_computer
    
    

    xhostを実行しないと、インストーラの起動時に「サーバーへの接続に失敗しました」、「サーバーにより接続が拒否されました」または「ディスプレイを開けません」のようなXlibエラーが発生する場合があります。

  2. local_computerで、remote_computerへのリモート・ログインを実行します(telnetまたはrloginを使用します)。2.8項「オペレーティング・システム・ユーザー」で説明しているように、oracleユーザーとしてログインします。2.9項「環境変数」で説明しているように、ユーザーが環境変数を正しく設定していることを確認します。

    local_computer> rlogin -l oracle remote_computer.mydomain.com
    
    

    または

    local_computer> telnet remote_computer.mydomain.com
    
    
  3. remote_computerの環境変数DISPLAYがlocal_computerを示すように設定します。

    例(Cシェル):

    remote_computer> setenv DISPLAY local_computer.mydomain.com:0.0
    
    

    例(Bourne/Kornシェル):

    remote_computer> DISPLAY=local_computer.mydomain.com:0.0; export DISPLAY
    
    
  4. インストーラを実行します。詳細は、3.11項「Oracle Universal Installerの起動」を参照してください。


    注意:

    PC XエミュレータがPseudoColorカラー・モデルまたはPseudoColorビジュアルをサポートする場合は、PC Xエミュレータを使用してインストーラを実行できます。PC XエミュレータをPseudoColorビジュアルを使用するよう設定し、インストーラを起動します。カラー・モデルまたはビジュアル設定を変更する方法については、Xエミュレータのドキュメントを参照してください。 


2.10.6 NFSマウントされたストレージへのインストール

NFSシステムでOracle Application Serverを実行するには、動作保証されているNFSマウントされたストレージ・システムを使用する必要があります。

現在、Oracle Application Serverは、次のNFSシステムでの動作が保証されています。

Network Appliance (NetApp)ファイラー

NetAppシステムは、少なくともリモート・インストール・ユーザーとリモートrootユーザーにエクスポートする必要があります。これには、exportfsコマンドを使用します。

prompt> exportfs -i /vol/vol1

インストールの前に、NFSマウントsetuid権限がsuidに設定されていることを確認します。nosuidオプションが設定されていると、インストールに失敗します。

最新の動作保証リストで新しい情報を確認するには、OTN(Oracle Technology Network)のサイト(http://www.oracle.com/technology)を参照してください。

2.10.7 1つのインストールからの複数のインスタンスの実行

Oracle Application Serverコンポーネントは、インストールされているコンピュータでのみ実行されることを想定しています。コンピュータがNFSを介してファイルにアクセスできても、リモート・コンピュータでコンポーネントを実行することはできません。

図2-3    Oracle Application Serverはインストールされているコンピュータでのみ実行


画像の説明

2.10.8 NISおよびNIS+のサポート

NISおよびNIS+環境にOracle Application Serverをインストールして実行できます。

2.11 Java用フォント・パッケージ

異なるロケール用に異なるキャラクタ設定が必要な場合があります。Java用のSolarisフォント・パッケージの場合、すべてのロケールでSUNWi1ofおよびSUNWxwfntフォント・パッケージが常に必要です。ユーザーのロケールによっては、追加のフォント・パッケージが必要な場合があります。Solarisフォント・パッケージのリストは、次のURLを参照してください。

http://java.sun.com/products/archive/j2se/1.4.1_05/font-requirements.html

2.12 インストーラにより実行される前提条件チェック

表2-9 に、インストーラにより実行される前提条件チェックを示します。

表2-9    インストーラにより実行される前提条件チェック 
項目  説明 

オペレーティング・システムのバージョン 

サポートされているバージョンについては、表2-2を参照してください。 

オペレーティング・システムのパッチ 

必須パッチのリストについては、2.3.1項「オペレーティング・システムのパッチ」を参照してください。 

オペレーティング・システムのパッケージ 

必須パッケージのリストについては、2.3.2項「オペレーティング・システムのパッケージ」を参照してください。 

オペレーティング・システムのカーネル・パラメータ 

必要なカーネル・パラメータのリストについては、2.5項「カーネル・パラメータ」を参照してください。 

メモリー 

推奨値については、表2-2を参照してください。 

スワップ領域 

推奨値については、表2-2を参照してください。 

TMP領域 

推奨値については、表2-2を参照してください。 

インスタンス名 

インストーラにより、Oracle Application Serverのインストール先のコンピュータに同じ名前のインスタンスがすでに存在しないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリ名 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリ名に空白が含まれていないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリへのパス 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリへのパスが127文字を超えていないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリの内容 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリにインストールの妨げとなるファイルがないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリ 

Oracle Application Serverは新しいディレクトリにインストールしてください。許可されていないインストールの例を次に示します。

  • Oracle Application Serverを8.0、8i 、9.0.1、9.2または10g データベースのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle Management ServiceのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle Collaboration SuiteのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle HTTP ServerのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracleAS Web CacheのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle9i Developer Suite 9.0.2またはOracle Developer Suite 10g リリース2(10.1.2)のOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle Containers for J2EEのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle9i AS 1.0.2.2のOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをInfrastructure 9.0.2、9.0.4、10g リリース2(10.1.2) または10g (10.1.4.0.1)のOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle9i ASの9.0.2、9.0.3、9.0.4、10g リリース2(10.1.2)、10g リリース3(10.1.3)または10g リリース3(10.1.3.0.0)の中間層のOracleホームにインストールする

  • Oracle Application ServerをOracle Business Intelligence 10g (10.1.2.0.2)CD-ROMからインストールしたOracleホームにインストールする

 

静的ポートの競合 

指定されている場合、インストーラにより、staticports.iniファイルに一覧表示されているポートがチェックされます。詳細は、2.6項「ポート」を参照してください。 

モニター 

インストーラにより、モニターが256色以上を表示できるように構成されていることがチェックされます。 

表示権限 

インストーラにより、ユーザーに、環境変数DISPLAYによって指定されたモニターに表示する権限があることがチェックされます。 

環境変数DISPLAY 

インストーラにより、環境変数DISPLAYが設定されていることがチェックされます。 

環境変数TNS_ADMIN 

環境変数TNS_ADMINは設定しません。

/etcまたは/var/opt/oracleディレクトリにtnsnames.oraファイルが存在しないようにします。 

クラスタ・ファイル・システム 

インストーラにより、Oracle Application Serverをクラスタ・ファイル・システム(CFS)にインストールするのではないことがチェックされます。 


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