Oracle Communication and Mobility Server インストレーション・ガイド リリース10.1.3 for Solaris Operating System(SPARC 64-bit) E05484-03 |
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この章では、Oracle Communication and Mobility Server(OCMS)および推奨されるトポロジについて説明します。次の項目が含まれています。
OCMSは、SIP対応ブロードバンド・ネットワークまたは携帯電話ネットワーク経由でメッセージを送受信する必要があるアプリケーション用のキャリア・グレードSIP(Session Initiation Protocol)およびJ2EE実行プラットフォームです。このプラットフォームをSIPアプリケーション・サーバーと呼びます。
このようなアプリケーションの例を次に示します。
OCMSは、ブロードバンドまたは付加価値サービスを提供する3GPP IP Multimedia System(IMS)ネットワークのどちらにもデプロイできます。
今回のリリースのOracle Communication and Mobility Serverには、拡張機能および新機能が含まれます。これらの拡張機能および新機能の詳細は、次のURLを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/products/ocms/otn_front.htm
ここでは、OCMSのインストールおよび特定のOCMS機能を使用する際の前提条件について説明します。
OCMSをインストールするシステムは、次の要件を満たしている必要があります。
Subscriber Data Servicesの詳細は、「インストールされるコンポーネント」を参照してください。
OCMSをインストールする前に、shmmaxが1GB以上の適切な値に設定されていることを確認してください。
ルートとして次のコマンドを入力して、現在の値を問い合せることができます。
more /proc/sys/kernel/shmmax
値を約1GBに設定するには、ルートとして次のコマンドを入力します。
/sbin/sysctl -w kernel.shmmax=1073741824
/etc/sysctl.confファイルを編集することで、/sbin/sysctl -w kernel.shmmax=1073741824コマンドにより設定したshmmaxの変更が再起動後も有効になります。
一般に、この値は、物理RAMサイズの半分の値に設定することをお薦めします。物理RAMが2GB未満の場合は、上で説明した約1GBに設定してください。
OCMSでは、SIPコンテナ、PresenceサーバーおよびEdge Proxy(インストールされている場合)のTCPおよびUDP通信にポートを使用する必要があります。OCMSのInstallShieldウィザードで、SIPコンテナとEdge Proxyのポートにデフォルトのポート番号を割り当てることも、指定したポート番号を使用することもできます。Presenceポートは、インストール中は設定できませんが、MBeanブラウザで設定できます。インストール後にポート番号を再設定する方法は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。
インストール中、OCMSのInstallShieldウィザードにより、選択されたポートが使用できるかどうかが確認されます。ポートが他のアプリケーションによって使用されている場合、インストールは成功しません。ポート競合のエラー・メッセージが表示され、ocmsinstall.logファイルに記録されます。
表1-1に、Edge Proxyアプリケーションをインストールする場合にOCMSが使用するデフォルト・ポートを示します。
SIPポート | Edge Proxyポート | Presenceポート |
---|---|---|
5070 |
5060 |
5081 |
表1-2に、Edge Proxyアプリケーションをインストールしない場合にOCMSが使用するデフォルト・ポートを示します。
SIPポート | Edge Proxyポート | Presenceポート |
---|---|---|
5060 |
該当なし |
5071 |
ポートが使用されているかどうかは、次のnetstat
コマンドを実行して確認できます。
netstat -a | grep <portnum>
Oracle Communication and Mobility Serverは、次のインストール・モードでインストールできます。
表1-3は、各インストール・モードの要件の一覧です。
推奨インストール・モードでは、OCMSはOracle Application Serverリリース10.1.3.2以上の環境にインストールされます。このインストール・モードでは、OCMSは、Oracle高可用性(HA)、クラスタリング、レプリケーションなどのOC4J機能を使用できます。
Oracle Communication and Mobility Serverは、OC4Jコンテナとともにデプロイされます。
このコンテナは、Oracle 10g Enterprise Manager Application Server Controlコンソールを使用して管理します。Application Server Controlの機能を使用して、アプリケーションの起動、停止、再起動、デプロイ、アンデプロイおよび再デプロイを行えます。
さらに、Application Server Control MBeanブラウザでは、OCMSコンポーネントの構成と管理も行えます。OCMS MBean(マネージドBean)の属性を構成すると、DNS(ドメイン・ネーム・システム)の構成、Presenceの構成と管理、OCMS SIPサーバー本体の基本構成(ポート、IP、ホスト・アドレス)などの管理タスクを実行できます。
Oracle Application Server環境でのOCMSの管理および構成の詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』の「SIPサーバーの管理」を参照してください。
Oracle Application Serverが提供する機能の詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。
スタンドアロン開発者モードでは、開発者がアプリケーション・サーバーなしの最小インストール環境で、SIPアプリケーションの開発とテストを行えます。このインストール・モードでは、Oracle Containers for J2EE(OC4J)がインストールされます。
スタンドアロン開発者モードは、管理機能が制限されるため、通常は本番デプロイにはお薦めしません。
標準インストールには次のアプリケーションが含まれます。
Subscriber Data Servicesアプリケーションは、SIPコンテナに依存します。また、データおよびユーザー情報を格納するためにOracle TimesTen In-Memory Databaseをインストールする必要があります。
Proxy Registrarは、Location Serviceと、Proxy Registrarの登録サブコンポーネントを機能させるためにSubscriber Data Servicesに依存します。
Presenceアプリケーションは、SIPコンテナに依存します。
カスタム・インストール・フローでは、インストールで次のアプリケーションを選択する必要があります。
Presence Web Serviceアプリケーションは、SIPコンテナに依存し、スタンドアロン開発者モードまたはOracle Application Serverモードによるインストールでのみ使用できます。
Aggregation Proxyは、SIPコンテナとSubscriber Data Servicesに依存します。
STUNサーバーは、SIPコンテナに依存します。
Application Routerは、処理する各SIPリクエストにルート・ヘッダーを付けて、リクエストをルーティングします。1つのリクエストに、それぞれが異なる宛先URIを表す多数のルート・ヘッダーを使用できます。SIPリクエストは、一連の宛先URI経由で送信されるか、最初の宛先に達したときに新しいURIにプロキシされます。
Application Routerアプリケーションは、SIPコンテナとSubscriber Data Servicesに依存します。
Edge Proxyは、Oracle Application Serverモードによるインストールでのみ使用できます。
これらの機能の詳しい説明と構成情報は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。
OCMSは、特定のインストール・コンポーネント(SIPコンテナ、Subscriber Data Services、Application Router、Proxy RegistrarおよびPresence)一式を含む標準インストールとしてインストールすることも、特定の機能をカスタム・インストールすることもできます。カスタム・インストールでのみインストールできるコンポーネントもあります。
OCMSは、SIPコンテナ、Presenceサーバー、Proxy Registrar、Presence Webservices、STUNサーバー、Application Router、Edge Proxy、Aggregation Proxy、およびサード・パーティ・アプリケーションを開発するためのツールであるOCMS Service Creation Environmentを提供します。これらの機能の詳細は、「インストールされるコンポーネント」を参照してください。OCMSは、Subscriber Data Servicesと呼ばれる、ユーザーの認証と認可を必要とするアプリケーション用のフレームワークも提供します。標準インストールでは、SIPコンテナは、Application Router、Subscriber Data Services、Proxy RegistrarおよびPresenceとともにインストールされます。
特定のOCMS機能のみを使用するため、提供されている一部の機能は必要ない場合は、カスタム・インストールを実行できます。表1-4は、カスタム・インストールでOCMSアプリケーションをインストールするための要件です。
Subscriber Data Services(および、Proxy Registrar、Application Router、Aggregation ProxyなどのSubscriber Data Servicesに依存するアプリケーション)には、データ・アクセス制御が有効なOracle TimesTen In-Memory Databaseが必要です。OCMSインストーラにより、インストール中にOracle TimesTen用のデータソースが作成され、permsizeが256MBに設定されます。
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