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Oracle Audit Vaultサーバー・インストレーション・ガイド
リリース10.2.3.1 for Linux x86
B52516-03
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4 Oracle Audit Vault Serverのアップグレード

この章では、Oracle Audit Vault Server(Audit Vault Server)のリリース10.2.2.1.0以下のインストールをリリース10.2.3.0.0にアップグレードする手順について説明します。この章には、次の項が含まれます。

4.1 Audit Vault Serverのバックアップとリカバリ

Audit Vault Serverのアップグレード・インストールにはロールバックの機能がありません。このため、アップグレードのテストが完了するまで、アップグレードの実行前に予防措置としてファイルをバックアップしておく必要があります。

データベースのバックアップ

データベースの分析後にインスタンスを完全に停止したら、データベースの全体バックアップを実行する必要があります。次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、RMANにサインオンします。

    rman "target / nocatalog"
    
  2. 次のRMANコマンドを発行します。

        BACKUP DATABASE FORMAT 'backup_directory%U' TAG before_upgrade;
        BACKUP CURRENT CONTROLFILE TO 'save_controlfile_location';
    

    注意:

    アップグレードの問題が発生した場合、アップグレードをすべて中止するには、このバックアップからデータベースをリストアする必要があります。このため、必ずこの時点で予防措置としてデータベースをバックアップしてください。


    関連項目:

    データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』を参照してください。

Audit Vault Serverホームのバックアップ

アップグレードではAudit Vault Serverホームのファイルが更新されるため、パッチ・セットのテストが完了するまで、これらのファイルをすべて別のディレクトリにバックアップまたはコピーしておく必要があります。

アップグレードの中止

アップグレードが失敗した場合、アップグレードを中止するには、次の手順を実行します。

  1. Audit Vault Serverホームのファイルをコピー(リストア)で元に戻します。

  2. 「データベースのバックアップ」の手順をすべて実行してデータベースをバックアップした場合は、そのバックアップをリストアします。次の手順を実行します。

    1. 前のリリースのOracleホーム・ディレクトリの所有者としてシステムにログインします。

    2. 次のコマンドを使用して、RMANにサインオンします。

      rman "target / nocatalog"
      
    3. 次のRMANコマンドを発行します。

      STARTUP NOMOUNT
      RUN
      {
          REPLICATE CONTROLFILE FROM 'save_controlfile_location';
          ALTER DATABASE MOUNT;
          RESTORE DATABASE FROM TAG before_upgrade
          ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
      }
      

4.2 アップグレード要件

Audit Vault Server 10.2.3.0.0へのアップグレードを実行するための唯一の要件は、システムに旧リリースのAudit Vault Server(リリース10.2.2.1.0以下)がインストール済であり、それがOracle Universal Installerによって検出されることです。

4.3 アップグレード手順

Audit Vault Serverのリリース10.2.3.0.0にアップグレードするには、次の一連の手順に従って、Oracle Audit Vaultコンポーネントの停止、サーバー・アップグレードの実行、収集エージェント・アップグレードの実行、Oracle Audit Vaultコンポーネントの起動を順に行います。

これらの各手順の詳細を以降に示します。

手順1: NLS_LANG環境変数が設定されていないことの確認

NLS_LANG環境変数は設定しないでください。

手順2: すべてのコレクタの停止

今回のアップグレード・インストールの適用先となるAudit Vault Serverと関連付けられているすべてのコレクタを停止する必要があります。

ORACLE_HOMEORACLE_SIDおよびPATH環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各コレクタを停止します。

avctl stop_collector -collname collector-name -srcname source-name

手順3: すべての収集エージェントの停止

今回のアップグレード・インストールの適用先となるAudit Vault Serverと関連付けられているすべての収集エージェントを停止する必要があります。

ORACLE_HOMEORACLE_SIDおよびPATH環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各収集エージェントを停止します。

avctl stop_agent -agentname agent-name

手順4: エージェントOC4Jの停止

今回のアップグレード・インストールの適用先となるAudit Vault Serverと関連付けられているすべてのエージェントOC4Jを停止する必要があります。どの収集エージェントにも、エージェントOC4Jが1つ関連付けられています。

ORACLE_HOMELD_LIBRARY_PATHおよびPATH環境変数が適切に設定されている各Oracle Audit Vault収集エージェント・ホームから、次のコマンド構文を使用して各エージェントOC4Jを停止します。

avctl stop_oc4j

手順5: Oracle Audit Vaultコンソールの停止

ORACLE_HOMEORACLE_SIDおよびPATH環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用してOracle Audit Vaultコンソールを停止します。

avctl stop_av

Oracle RAC環境では、Audit Vault Serverがインストールされているすべてのノードでこのコマンドを実行します。


注意:

Oracle RAC環境では、リモート・ノードのEnterprise Managerを停止しないでください。これを行った場合、Audit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレード後に、これらのリモート・ノードのEnterprise Managerを手動で起動する必要があります。

手順6: Oracle Audit Vaultデータベースの停止

Audit Vault Serverホームから、次のコマンドを使用してOracle Audit Vaultデータベースを停止します。

sqlplus /nolog
SQL*Plus: Release 10.2.0.3.0 - Production on Thu Dec 13 22:51:56 2007
Copyright (c) 1982, 2007, Oracle.  All Rights Reserved.
SQL> connect sys as sysoper
Enter password:
Connected.
SQL>
SQL> shutdown immediate
Database closed.
Database dismounted.
Oracle instance shut down.
SQL> exit

Oracle RAC環境では、ローカル・ノードから次のコマンドを実行します。

$ORACLE_HOME/bin/srvctl stop database –d AVdatabase name -q
Connect string:  [/ as sysdba] sys/sys password as sysdba

手順7: リスナーの停止

Audit Vault Serverホームから、次のコマンドを使用してリスナーを停止します。リスナー名は通常、LISTENERです。リスナーの名前を確認するには、lsnrctl statusコマンドを実行します。

$ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop Listener-name

Oracle RAC環境では、Audit Vault Serverがインストールされているすべてのノードでこのコマンドを実行します。

手順8: Audit Vault ServerホームでのAudit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレードの実行

次の手順を実行して、Audit Vault ServerホームでAudit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのインストールのアップグレードを実行します。

  1. Audit Vault Serverリリース10.2.3のメディアを検索し、そのメディアをマウントします。

  2. runInstallerプログラムが存在するディレクトリからOracle Universal Installer(OUI)を起動します。

    cd directory-containing-Oracle-Audit-Vault-Server-Installation-Files
    ./runInstaller
    
  3. Oracle Audit Vault Serverインストール インストール・タイプの選択ウィンドウで、インストーラによりアップグレード可能なリリースが検出されると、自動的に既存のAudit Vault Serverホームのアップグレード・オプションが選択され、アップグレード可能なホーム・パス指定が表示されます。アップグレード可能なパスが複数存在する場合は、パス名を確認し、アップグレードするパス指定を選択します。次に「次へ」をクリックします。

  4. サマリー・ページ画面が表示されます。必要な領域を確認します。Audit Vault Server 10.2.3.0.0へのアップグレードには662MBの領域が必要です。この中には、117MBの一時領域も含まれます。次に、インストールする各項目を確認します。「インストール」をクリックします。

  5. 「コンフィギュレーション・アシスタント」画面が表示され、Audit Vault Serverの個別パッチの適用処理が開始されます。次に、Oracle Audit Vault Upgrade Assistantにより、リリース10.2.3のアップグレード・インストールを続行するためのAVCAスクリプトが実行されます。

  6. 「インストールの終了」画面に、インストールが成功したことを示すメッセージが表示されます。Oracle Audit Vaultコンソール10.2.3.0.0のURLをメモしてください。「終了」をクリックして、Oracle Universal Installerを終了します。次に「終了」確認画面で「終了しますか。」と表示されたら、「はい」をクリックして終了操作を確認します。

最近リリース10.2.3.0.0にアップグレードしたAudit Vault Serverのインストールに関連付けられているリリース10.2.2.1.0以下のOracle Audit Vault収集エージェントをすべてアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Audit Vault収集エージェント・インストレーション・ガイド』を参照してください。

手順9: Oracle Audit Vault収集エージェント・ホームでのOracle Audit Vault収集エージェント・リリース10.2.3.0.0へのアップグレードの実行


注意:

最近リリース10.2.3.0.0にアップグレードしたAudit Vault Serverに関連付けられているリリース10.2.2.1.0以下のOracle Audit Vault収集エージェントはいずれも、Audit Vault Serverの最新リリースとの互換性を保つために、Oracle Audit Vault収集エージェント・リリース10.2.3.0.0にアップグレードできるようになりました。詳細は、『Oracle Audit Vault収集エージェント・インストレーション・ガイド』のOracle Audit Vault収集エージェントのアップグレードに関する項を参照してください。

手順10: すべての収集エージェントの起動

ORACLE_HOMEORACLE_SIDおよびPATH環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各収集エージェントを起動します。

avctl start_agent -agentname agent-name

手順11: すべてのコレクタの起動

ORACLE_HOMEORACLE_SIDPATHおよびLD_LIBRARY_PATH環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各コレクタを起動します。

avctl start_collector -collname collector-name -srcname source-name

手順12: Oracle Audit Vaultシステムの監視

この手順は、すべてのOracle Audit Vaultコンポーネントが実行されており、システムが使用可能であることを確認するためにOracle Audit Vaultシステムを監視する必要があることを示すためのものです。詳細は、『Oracle Audit Vault管理者ガイド』を参照してください。

4.4 レスポンス・ファイルを使用したサイレント・アップグレード・インストールの実行


注意:

基本インストールは、サイレント・モードではサポートされません。サイレント・インストールは、拡張アップグレード・インストールでのみサポートされます。

レスポンス・ファイルを使用してサイレント・アップグレード・インストールを実行する手順は、次のとおりです。

  1. Audit Vault ServerとOracle Audit Vault収集エージェントをインストールするための前提条件がすべて満たされていることを確認します。

  2. Audit Vault Serverのレスポンス・ファイルを準備します。レスポンス・ファイルのテンプレートは、Audit Vault Serverインストール・メディアのAV-installer-location/response/upgrade_av.rspにあります。

    レスポンス・ファイルを準備するには、レスポンス・ファイルの最初の部分で、すべての未指定のパラメータの値を入力し、ファイルを保存します。単一インスタンスのインストールには、RAWストレージを使用しないことに注意してください。また、Oracle RAC環境にAudit Vault Serverをインストールするには、CLUSTER_NODESパラメータを指定する必要があります。レスポンス・ファイルの2番目の部分にある値は編集しないでください。

  3. サイレント・インストールを続行する前に、DISPLAY環境変数を適切な値に設定してください。詳細は、2.11項を参照してください。

  4. 次のオプションを使用して、Oracle Universal Installerを起動します。

    ./runInstaller -silent -responseFile path_of_response_file
    

これらのオプションの詳細は、1.3.2項を参照してください。レスポンス・ファイルを使用してデータベースのインストールを完了する方法の一般情報は、Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。

4.5 アップグレード後の情報

アップグレードはインプレース・アップグレードであるため、Oracle Audit Vault Serverアップグレードの実行後も元のディレクトリ構造が引き続き使用されることに注意してください。つまり、ORACLE_HOMEPATHおよびLD_LIBRARY_PATH環境変数は、アップグレード前のものと同じです。

その他のアップグレード・インストール後の作業については、3.7項を参照してください。