ドメイン アップグレード ガイド

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ドメインのアップグレード プロセスの概要

BEA では、WebLogic ドメインのアップグレードに役立つドメイン アップグレード ウィザードというツールを提供しています。

ドメイン アップグレード ウィザードを使用して、製品の以下のリリースで作成されたドメインをアップグレードできます。

製品
リリースからアップグレード
リリースへのアップグレード
WebLogic Server
6.1、7.0、8.1、または 9.x
10.0
WebLogic Workshop
8.1 SP4 以降、または 9.x
10.2
WebLogic Integration
8.1 SP4 以降、または 9.x
10.2
WebLogic Portal
8.1 SP4 以降、または 9.x
10.2
WebLogic Platform
8.1 または 9.x
10.2

この節では、ドメイン アップグレード ウィザードを使用して WebLogic Platform ドメインをアップグレードする場合に、実行されるタスクの概要を説明します。

  1. 元のドメイン ディレクトリがバックアップされます (指定した場合)。
  2. ウィザードはドメイン ディレクトリのみをアーカイブするため、ファイル パーミッションは維持されません。ドメイン、外部アプリケーション、およびアプリケーション データベース リソースをバックアップすることをお勧めします。詳細については、『アプリケーション環境のアップグレードのロードマップ』の「手順 3 : アプリケーション環境のバックアップの作成」を参照してください。

    注意 : ウィザードにより作成されるバックアップ ファイルは機密情報を含んでいる可能性があります。そのため、これらのファイルが保護されていることを確認します。
  3. 起動スクリプトおよび停止スクリプトなどのスクリプトを再作成します。元のスクリプトは、orig-scriptname.bak という名前を付けて保存します。ここで、orig-scriptname は元のスクリプトの名前、.bak は拡張子をそれぞれ表します。
  4. 注意 : ウィザードは、元の起動スクリプトに対して行われたカスタマイズの内容を新しいスクリプトにコピーしません。たとえば、元のスクリプトで JAVA_OPTIONS 環境変数にデフォルト以外の値が指定されている場合、指定されている値は新しいスクリプトに保持されません。
  5. 元のドメインが再構成され、新しいディレクトリの構造が作成され、ドメインのコンポーネントが新しい場所に移動されます。
  6. 注意 : この手順は 9.x より前のドメインをアップグレードする場合のみ行われます。

    再構成中、必要なディレクトリがすでに存在する場合は、そのディレクトリとその中にあるファイルおよびサブディレクトリがそのまま維持されます。

    既存のサーバ ログ ファイルがドメイン内の servers/server_name/logs/pre-10.0-logs ディレクトリ (server_name はサーバの名前) にコピーされます。

    ドメイン ディレクトリ構造の詳細については、「WebLogic ドメイン ディレクトリ構造の強化」を参照してください。

  7. コンフィグレーション ファイル (config.xml) に保存されている永続化されたコンフィグレーションに関する情報が config ディレクトリにアップグレードされます。
  8. 注意 : この手順は 9.x より前のドメインをアップグレードする場合のみ行われます。

    ウィザードでコンフィグレーション ファイル (config.xml) のアップグレード中にリソースの重複が検出されると、進行状況を表すウィンドウにメッセージが表示されます。その場合、最後に検出されたリソース定義が変換中に使用されます。

  9. JMS ファイル ストア、JMS JDBC ストア、トランザクション ストアなどの永続データがアップグレードされます。
  10. 注意 : ドメインで JMS JDBC ストアを使用する場合は、まず『アプリケーション環境のアップグレードのロードマップ』の「手順 6 : 環境の設定」に従って環境をコンフィグレーションする必要があります。

    JMS JDBC ストアのアップグレード後も、元の JMS JDBC ストアは削除されません。キャパシティ プランニングでは、この点を考慮する必要があります。元の JMS JDBC ストア テーブルは、アップグレード プロセスの終了後に削除することができます。元の JMS JDBC ストア テーブルには、PrefixNameJMSSTORE および PrefixNameJMSSTATE (PrefixName は JMS JDBC ストアの Prefix Name 属性の値) という名前が付けられます。

    永続化された JMS メッセージをアップグレードしない場合は、アップグレードを実行する前に JMS ファイル ストアまたは JMS JDBC ストア テーブルを削除できます。この場合、コンフィグレーションは変更されず、JMS メッセージのみが削除されます。JDBC ストア テーブルの管理の詳細については、「JDBC ストア テーブルの管理」を参照してください。

    アップグレードがすでに実行されていることをウィザードが検出すると、JMS JDBC またはファイル ストアはアップグレードされません。テスト シナリオなど、同一の永続ストアを使用してドメインのアップグレードを複数回実行する場合は、以下のようにアップグレードを実行するたびに JMS ストアのデータを元に戻す必要があります。

    • JMS JDBC ストアの場合、アップグレード プロセスにより PrefixNameWLSTORE (PrefixName は JMS JDBC ストアの Prefix Name 属性の値) という名前の新しいテーブルが作成されます。このテーブルは、JMS JDBC ストアを使用するドメインのアップグレード プロセスを再実行する前に、必ず削除してください。
    • アップグレード プロセスを再実行する場合は、まずバックアップ バージョンの JMS ファイル ストアを復元していることを確認します。
  11. WseeFileStore ファイル ストア、WseeJmsServer JMS サーバ、および関連する JMS モジュールなど、高度な Web サービスをサポートするためのリソースが追加されます。
  12. 注意 : この手順は 9.x より前のドメインをアップグレードする場合のみ行われます。
  13. Workshop アプリケーションをサポートするための Beehive 共有ライブラリ モジュールが追加されます。
  14. 注意 : この手順は 9.x より前のドメインをアップグレードする場合のみ行われます。
  15. JWSQueueTransport EJB がドメインに存在する場合は、削除されます。
  16. データ ソースは、PointBase (v5 以下) を使用するようにコンフィグレーションされた場合、以下のタスクが実行されます。
    • データベースが自動的に組み込みモードでロードされ、PointBase v5.1 にアップグレードされます。
    • pointbase.ini ファイルが更新され、PointBase v5.1 の database.homedocumentation.home、および pbembedded.lic が設定されます。
    • データベース ファイルの名前は workshop から weblogic_eval に変換され、それに応じて関連するデータ ソース JDBC ドライバ URL が変換されます。
    • PointBase 関連の環境設定は、アップグレード済みのドメイン スクリプト setDomainEnv.cmd および setDomainEnv.sh に引き継がれます。
  17. ドメインに WLI リソースが含まれている場合は、『WLI アップグレード ガイド』の「WebLogic Integration ドメインのアップグレード」を参照してください。
  18. ドメインに WLP リソースが含まれている場合は、ウィザードは次の追加のタスクを実行します。
    • パーソナライゼーション (P13n) アプリケーションをサポートするために共有ライブラリ モジュールを追加します。
    • WebLogic Platform アプリケーションをサポートするために共有ライブラリ モジュールを追加します。
    • WebLogic Platform アプリケーションをサポートするために JMS および JDBC リソースを更新して追加します。
    • ドメインにデプロイされていたユーザ定義のアプリケーションを削除します。
    • 注意 : この手順は 8.1.x のドメインからアップグレードする場合のみ行われます。9.2 および 10.0 のドメインの場合、アプリケーションのデプロイメントが保持されます。
    • WebLogic personalization (P13n) JDBC データ ソースおよび接続プールを更新します。
    • WebLogic Portal で必要とされる SSPI プロバイダをコンフィグレーションします。また、WSRP 9.x 機能を有効にするために WebLogic SAML プロバイダ、ID アサータ、資格マッパーをセキュリティ レルムに追加します。
    • SQLAuthenticator セキュリティ プロバイダをドメインに追加します。
    • 注意 : portaladmin および weblogic ユーザが SQLAuthenticator セキュリティ プロバイダに追加されています。ドメインのアップグレード後、このユーザを DefaultAuthenticator セキュリティ プロバイダから削除できます。
    • RDBMSAuthenticator セキュリティ プロバイダを使用する場合、ユーザおよびグループが RDBMSAuthenticator プロバイダから SQLAuthenticator プロバイダにコピーされます。
    • 注意 : ドメインのアップグレード後、RDBMSAuthenticator、そのデータおよびテーブルを削除できます。
  19. 必要に応じて、ドメイン データベース スキーマ オブジェクトがアップグレードされます。
  20. コンフィグレーションが保存されます。
  21. 注意 : リモートの管理対象サーバをアップグレードする場合、コンフィグレーション情報は保持されません。
  22. さらなる検討を要する問題が報告されます。

 


ドメインのアップグレードに関する重要な注意事項


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