Domain Template Builder を使用したテンプレートの作成
操作ガイド
この節では、一般的なテンプレート作成タスクについて説明し、タスクの例を示します。
カスタム ドメイン テンプレートの作成
次の例では、Avitek Medical Records Sample Domain を使用してカスタム ドメイン テンプレートを作成する方法を説明します。ドメイン テンプレートは、ドメイン内のすべてのリソースを定義するテンプレートです。これには、インフラストラクチャ コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ オプション、一般的な環境とオペレーティング システムのパラメータが含まれます。このサンプル ドメイン テンプレートを作成し、新しい Medical Records サンプル ドメインを作成するときにコンフィグレーション ウィザードへの入力として使用できます。
注意 : この例は、WebLogic Server をインストールするときに、WebLogic Server のサンプルをインストールしたという想定に基づいています。サンプルのインストールについては、次の URL にある『インストール ガイド』を参照してください。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/install/index.html
Domain Template Builder を起動します。
Windows の場合 :
[スタート|プログラム|BEA Products|Tools|Domain Template Builder]
UNIX の場合 :
製品のインストール ディレクトリの /common/bin
サブディレクトリに移動します。例 : cd $BEAHOME/weblogic91/common/bin
sh config_builder.sh
と入力します。
[新しいテンプレートの作成] ウィンドウで [ドメイン テンプレートの作成 ] を選択し、[次へ] をクリックします。
[テンプレート ドメイン ソースの選択] ウィンドウで次の操作を行います。
まだ選択されていない場合は、[ドメインを選択] タブをクリックします。
WL_HOME
\samples\domains
このパス名の WL_HOME
は、WebLogic ソフトウェアのインストール ディレクトリを表します (通常は C:\bea\weblogic91
)。
[テンプレートの説明] ウィンドウで、テンプレートを表す名前を入力します。作成するテンプレートを新しいテンプレートのソースとして使用する場合は、このウィンドウで入力した情報が、[テンプレート ドメイン ソースの選択] ウィンドウの [テンプレートを選択] 領域に表示されます。
この例では、以下の情報を入力して [次へ] をクリックします。
[名前] : Avitek Medical Records Sample Domain
[作成者] : BEA Systems, Inc
[カテゴリ] : BEA
[詳細] : Create the Avitek Medical Records domain in a directory outside of the installed kit.The Avitek Medical Records is a WebLogic Server sample application suite that concisely demonstrates all aspects of the J2EE platform.
[アプリケーションの追加または除外] ウィンドウでは、必要に応じてテンプレートからアプリケーションを削除し、また必要に応じてアプリケーションのインポート先ディレクトリの相対パスを変更できます。デフォルトでは、ドメインに含まれているすべてのアプリケーションが選択されています。選択されているアプリケーションがテンプレートに追加されます。
このドメインのアプリケーションは WebLogic ソフトウェアに組み込まれているので、インポート先ディレクトリの相対パスを変更することはできません。これらのアプリケーションはすでにシステムに存在するため、テンプレートにコピーされません。
この例では、すべてのアプリケーションを選択したままにして [次へ] をクリックします。
[ファイルの追加] ウィンドウでは、テンプレートのファイルを追加または削除できます。デフォルトでは、以下のファイルとディレクトリがテンプレートに組み込まれます。
ルート ディレクトリにある、次の拡張子を持つすべてのファイル : .cmd
、.sh
、.xml
、.properties
、.ini
bin
ディレクトリ
lib
ディレクトリ
security
ディレクトリにある、ドメイン作成時に自動的に作成されないすべてのファイル。たとえば、XACMLAuthenticatorInit.ldift
と XACMLRoleMapperInit.ldift
は、デフォルトでは組み込まれません。
config
ディレクトリにある、テンプレート作成時に Template Builder によって自動的に組み込まれないすべてのファイルおよびサブディレクトリ。たとえば、config.xml
と config.xml
に定義された JDBC および JMS のリソースは、テンプレート作成時に Template Builder によって自動的にテンプレートに組み込まれるため、デフォルトでは [現在のテンプレート ビュー] ペインに表示されません。
注意 : このテンプレートに組み込むアプリケーションは製品インストール ディレクトリにあるので、テンプレートにはコピーされません。したがって、それらのアプリケーションは [現在のテンプレート ビュー] ペインの [アプリケーション ルート ディレクトリ] に表示されません。
デプロイされるアプリケーションに必要な他のファイルがシステムに存在する場合は、このウィンドウを使用してそれらのファイルを追加できます。
この例では、デフォルトでは組み込まれない患者データのファイルを追加する必要があります。必要なファイルを追加するには、次の操作を行います。
[ファイル システム ビュー] ペインで次のディレクトリを選択します。
medrec\incoming
[現在のテンプレート ビュー] ペインで [ドメイン ルート ディレクトリ] を選択します。
選択したディレクトリが [ドメイン ルート ディレクトリ] の下に追加されます。
[次へ] をクリックして [SQL スクリプトの追加] ウィンドウに進みます。
[SQL スクリプトの追加] ウィンドウでは、必要に応じて、このテンプレートから作成するドメインで使用する各データベース用の SQL スクリプトを追加できます。
Medical Records のサンプルでは、製品インストール ディレクトリにあるデフォルトの PointBase デモンストレーション データベースを使用しています。そのため、この例では SQL スクリプトを追加する必要はありません。
Oracle や MySQL などの他のデータベースで Medical Records のサンプルを使用することもできます。そのためには、次のように該当するデータベース スクリプトを追加する必要があります。
[データベース タイプおよびバージョン] ペインで、[タイプ] ドロップダウン リストから Oracle
を選択し、[バージョン] ドロップダウン リストから Any
を選択します。
[SQL ファイルの追加] ダイアログ ボックスで次のディレクトリに移動します。
WL_HOME
\samples\server\medrec\setup\db
このパス名の WL_HOME
は、WebLogic Server のインストール ディレクトリを表します (通常は C:\bea\weblogic91
)。
[Type] ドロップダウン リストから [すべてのファイル] を選択します。
〔Shift〕を押しながらクリックして次の 2 つのファイルを選択します。
medrec_oracle.dll
medrec_oracle_data.sql
追加したファイルの名前が [選択済み SQL ファイル] リストと [選択済みデータベース スクリプト] ペインに表示されます。
MySQL 用のデータベース ファイルを追加するには、次の手順を実行します。
[データベース タイプおよびバージョン] ペインで、[タイプ] ドロップダウン リストから MySQL
を選択し、[バージョン] ドロップダウン リストから Any
を選択します。
[SQL ファイルの追加] ダイアログ ボックスで次のディレクトリに移動します。
WL_HOME
\samples\server\medrec\setup\db
[タイプ] ドロップダウン リストから [すべてのファイル] を選択します。
〔Shift〕を押しながらクリックして次の 2 つのファイルを選択します。
medrec_mysql.dll
medrec_mysql_data.sql
追加したファイルの名前が [選択済み SQL ファイル] リストと [選択済みデータベース スクリプト] ペインに表示されます。
[次へ] をクリックします。
[管理サーバのコンフィグレーション] ウィンドウでは、管理サーバについて次のコンフィグレーション情報を定義します。
管理サーバ名
リスン アドレス
非セキュアおよびセキュア リスン ポート(省略可能)
サーバにアクセスするには、protocol
://
listen-address
:
listen-port
という URL を使用します。
詳細については、「管理サーバのコンフィグレーション」を参照してください。
この例で管理サーバをコンフィグレーションするには、デフォルト値のままにして [次へ] をクリックします。
[管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション] ウィンドウでは、管理サーバを起動し、管理サーバに接続するために使用する有効なユーザ名とパスワードを指定できます。
デフォルトでは、Medical Records ドメイン用のユーザ名/パスワードの組み合わせは、weblogic/weblogic
です。必要に応じて追加のユーザ、グループ、グローバル ロールをコンフィグレーションすることもできます。
この例では、定義されているデフォルトのままにして [次へ] をクリックします。
[スタート メニュー エントリの指定] ウィンドウでは、Windows の [スタート] メニューのエントリを作成できます。この例では、Medical Records サーバの起動と停止のエントリを作成します。
Medical Records サーバを起動するために使用するエントリを [スタート] メニューに作成するには
[ショートカット リンク名] フィールドに Start Medical Records Server
と入力します。
[プログラム] フィールドのドロップダウン リストから bin/startWebLogic.cmd
を選択します。この例では残りのフィールドに入力する必要はありません。
Medical Records サーバを停止するために使用するエントリを [スタート] メニューに作成するには
[ショートカット リンク名] フィールドに Stop Medical Records Server
と入力します。
[プログラム] フィールドのドロップダウン リストから bin/stopWebLogic.cmd
を選択します。この例では残りのフィールドに入力する必要はありません。
[置換変数のためのスクリプトおよびファイルの準備] ウィンドウでは、Domain Template Builder で更新されなかったファイル内のハードコード化された文字列を置換変数で置き換えることができます。Domain Template Builder は、ハードコード化されているさまざまなドメイン環境設定の値を置換変数で置き換えて、テンプレートに含まれている起動スクリプトなどの標準スクリプトを自動的に更新します。その後、コンフィグレーション ウィザードで、新しいドメインのコンフィグレーション時に置換変数の値をハードコード化された新しい値に置き換えることができます。
この例では、追加のスクリプトまたはファイルを編集する必要はありません。[次へ] をクリックして、[WebLogic ドメイン テンプレートの確認] ウィンドウに進みます。
[WebLogic ドメイン テンプレートの確認] ウィンドウでは、ドメイン テンプレートを作成する前に、ドメイン テンプレートの詳細を確認します。ここまでに指定したコンフィグレーション情報を変更する必要がある場合は、[前へ] をクリックして必要なコンフィグレーション ウィンドウに戻ります。
[次へ] をクリックして、[テンプレートの作成] ウィンドウに進みます。
[テンプレートの作成] ウィンドウでは、テンプレートの名前を入力し、テンプレート ディレクトリの場所を指定します。
この例では、[テンプレート jar 名] フィールドに my_medrec_template
と入力します。
デフォルトでは、BEA_HOME
\user_templates
にテンプレートが作成されます。BEA_HOME
は、製品がインストールされているディレクトリです。この例ではデフォルトを変更する必要はありません。
[作成] をクリックします。
[テンプレートを作成しています] ウィンドウに、テンプレート作成プロセスの状況を示すメッセージが表示されます。[完了] をクリックして Domain Template Builder を閉じます。
カスタム拡張テンプレートの作成
次の例では、製品インストール ディレクトリにある Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートを変更してカスタム拡張テンプレートを作成する方法を説明します。拡張テンプレートでは、既存のドメインの拡張に使用できるアプリケーションとサービスが定義されます。拡張テンプレートを作成するプロセスは、ドメイン テンプレートを作成するプロセスとほぼ同じです。異なる点として、拡張テンプレートの作成では、管理サーバのコンフィグレーション、管理ユーザ名とパスワードの割り当て、スタート メニュー エントリの指定を行いません。これらのドメイン設定は、拡張するドメインですでに定義されています。
この例では、カスタマイズした MedRec 拡張テンプレートを作成し、他の Medical Records ユーザに対するサポートを追加します。サンプル拡張テンプレートを作成したら、この新しい拡張テンプレートをコンフィグレーション ウィザードへの入力として指定することにより、Medical Records サンプル ドメインの機能を追加して既存の WebLogic ドメインを拡張できます。
カスタマイズした MedRec 拡張テンプレートを作成するには、次の手順を実行します。
Domain Template Builder を起動します。
Windows の場合 :
[スタート|プログラム|BEA Products|Tools|Domain Template Builder]
UNIX の場合 :
製品のインストール ディレクトリの /common/bin
サブディレクトリに移動します。例 : cd $BEAHOME/weblogic91/common/bin
sh config_builder.sh
と入力します。
[新しいテンプレートの作成] ウィンドウで [拡張テンプレートの作成] を選択し、[次へ] をクリックします。
[テンプレート ドメイン ソースの選択] ウィンドウでは、新しく作成するドメイン テンプレートの基になる既存の拡張テンプレートまたはドメインを選択します。この例では、製品インストール ディレクトリにある Avitek Medical Records 拡張テンプレートを使用して独自の拡張テンプレートを作成します。手順は次のとおりです。
まだ選択されていない場合は、[テンプレートを選択] タブをクリックします。
[テンプレート] ペインの BEA
という見出しの下に、製品インストール ディレクトリにある事前定義済みの拡張テンプレートのリストが表示されます。
リストから Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートを選択します。
[テンプレートの説明] ウィンドウで、拡張テンプレートを表す名前を入力します。既存のテンプレートをカスタム テンプレートのソースとして使用しているため、Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートの情報がここに表示されています。
この例では説明を変更する必要はありません。
[次へ] をクリックして [アプリケーションの追加または除外] ウィンドウに進みます。
[アプリケーションの追加または除外] ウィンドウでは、必要に応じて拡張テンプレートからアプリケーションを削除し、また必要に応じてアプリケーションのインポート先ディレクトリの相対パスを変更できます。デフォルトでは、ソースに含まれているすべてのアプリケーションが選択されています。選択されているアプリケーションがカスタム テンプレートに追加されます。
この例ではアプリケーションを追加または削除する必要はありません。
[次へ] をクリックします。
[ファイルの追加] ウィンドウでは、拡張テンプレートのファイルを追加または削除できます。カスタム テンプレートのソースとして既存のテンプレートを選択したので、ソース テンプレートのすべてのファイルも自動的に組み込まれます。
この例では、別に定義されたアプリケーション ディレクトリが Avitek Medical Records Sample Domain 拡張テンプレートに組み込まれています。そのため、テンプレートに含まれているアプリケーションが [現在のテンプレート ビュー] ペインの [アプリケーション ルート ディレクトリ] に表示されます。
[次へ] をクリックして [SQL スクリプトの追加] ウィンドウに進みます。
[SQL スクリプトの追加] ウィンドウでは、必要に応じて、このテンプレートから作成するドメインで使用する各データベース用の SQL スクリプトを追加できます。PointBase、Oracle、および MySQL 用のデータベース スクリプトが、デフォルトでテンプレートに組み込まれます。
この例ではデータベース スクリプトを追加する必要はありません。
[次へ] をクリックします。
[セキュリティ コンフィグレーション オプション] ウィンドウでは、必要に応じて、ドメインに、またはカスタム拡張テンプレートのソースとして使用する拡張テンプレートにすでに定義されている任意のセキュリティ設定をカスタマイズできます。
この例では追加のユーザを定義するので、[はい] を選択して [次へ] をクリックします。
[ユーザ、グループ、およびグローバル ロールのコンフィグレーション] ウィンドウでは、認証のためのユーザ、グループ、ロールを定義します。テンプレートでのユーザ、グループ、ロールの定義は以下のとおりです。[ユーザ]、[グループ]、[ロール] の各タブを選択すると、現在の定義を表示できます。
この例では、新しい医師を定義して既存のグループに割り当てます。手順は次のとおりです。
[ユーザ] タブが選択されていることを確認します。
[User name] : joe@md.com
[User password] : weblogic
[Description] : MedRec Physician
デフォルトでは、新しいユーザは Administrators
グループに割り当てられます。次のウィンドウでこの割り当てを解除し、joe@md.com
を MedRec Physicians
グループに割り当てます。
[ユーザのグループへの割り当て] ウィンドウでは、ユーザをグループに割り当てます。グループを管理することで複数のユーザを同時に管理できるため、ユーザをグループに追加することをお勧めします。
この例では、joe@md.com
を Administrators
グループから削除し、MedRecPhysicians
グループに割り当てます。手順は次のとおりです。
[グループ] ペインで Administrators
グループが選択されていることを確認します。
Administrators
グループの現在の割り当ての一覧が左ペインに表示されます。
左ペインで、joe@md.com
のチェック ボックスのチェックをはずします。
[グループ] ペインで、MedRecPhysicians
グループを選択します。
MedRec Physicians
グループの現在の割り当ての一覧が左ペインに表示されます。
左ペインで、joe@md.com
のチェック ボックスをチェックします。joe@md.com
に関連付けられているグループのリストが更新され、変更が反映されます。
[グループのグループへの割り当て] ウィンドウでは、グループを別のグループのメンバーとして指定できます。この例ではデフォルトの割り当てを変更する必要はありません。
[次へ] をクリックします。
[ユーザおよびグループのグローバル ロールへの割り当て] ウィンドウでは、ユーザおよびグループを事前に定義された WebLogic Server グローバル セキュリティ ロールに割り当てることができます。この例ではデフォルトの割り当てを変更する必要はありません。
[次へ] をクリックします。
[置換変数のためのスクリプトおよびファイルの準備] ウィンドウでは、Domain Template Builder で更新されなかったファイル内のハードコード化された文字列を置換変数で置き換えることができます。Domain Template Builder は、ハードコード化されているさまざまなドメイン環境設定の値を置換変数で置き換えて、テンプレートに含まれている起動スクリプトなどの標準スクリプトを自動的に更新します。その後、コンフィグレーション ウィザードでは、新しいドメインのコンフィグレーション時に置換変数の値をハードコード化された新しい値に置き換えることができます。
この例では、追加のスクリプトまたはファイルを編集する必要はありません。[次へ] をクリックして、[WebLogic ドメイン テンプレートの確認] ウィンドウに進みます。
[WebLogic ドメイン テンプレートの確認] ウィンドウでは、拡張テンプレートを作成する前に、拡張テンプレートの詳細を確認します。前のウィンドウで定義した情報を修正する必要がある場合は、[前へ] を選択して必要なコンフィグレーション ウィンドウに戻ります。
[次へ] をクリックします。
[拡張テンプレートの作成] ウィンドウでは、拡張テンプレートの名前を入力し、テンプレート ディレクトリの場所を指定します。
この例では、[テンプレート jar 名] フィールドに my_medrec_ext_template
と入力します。
デフォルトでは、BEA_HOME
\user_templates
にテンプレートが作成されます。BEA_HOME
は、製品がインストールされているディレクトリです。この例ではデフォルトを変更する必要はありません。
[作成] をクリックします。
[テンプレートを作成しています] ウィンドウに、テンプレート作成プロセスの状況を示すメッセージが表示されます。[完了] をクリックします。