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Domain Template Builder を使用したテンプレートの作成

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はじめに

この節では、Domain Template Builder を使用してテンプレートを作成する方法の概要を説明します。

この節では、以下のトピックを取り上げます。

 


Domain Template Builder の概要

WebLogic Server でドメインを作成する 1 つの方法として、ドメインの構築または拡張に必要なメイン属性とファイルを組み込んだ、ドメイン テンプレートおよび拡張テンプレートを使用する方法があります。BEA では、テンプレートを作成するプロセスを簡略化するために、スタンドアロン Java アプリケーションである Domain Template Builder を用意しています。Domain Template Builder に表示される手順に従って、カスタム ドメインおよび拡張テンプレートを作成できます。このプロセスを図 1-1 に示します。

図 1-1 Domain Template Builder

Domain Template Builder


 

Domain Template Builder は、オフラインのグラフィカル モードでのみ使用するように設計されています。コンソール モードでは使用できません。このため、Domain Template Builder を使用するマシンに接続したコンソールでは、Java ベースの GUI がサポートされている必要があります。Windows システムの場合はすべてのコンソールで Java ベースの GUI がサポートされていますが、UNIX ベースの場合、Java ベースの GUI がサポートされているのは一部のコンソールのみです。

ドメインの作成に使用できる事前定義済みのドメイン テンプレートと拡張テンプレートのセットが製品とともにインストールされます。このテンプレート セットには、基本的な WebLogic Server ドメイン テンプレートと、さまざまな拡張テンプレートが含まれています。拡張テンプレートを使用すると、基本ドメインに製品コンポーネント機能とサンプルを追加できます。BEA 提供のテンプレートの詳細については、次の URL にある『ドメイン テンプレート リファレンス』を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/tempref/index.html

ドメインを作成し、作成したドメインに新しいリソースとアプリケーションを追加した後、Domain Template Builder を使用してカスタム ドメイン テンプレートを作成できます。Domain Template Builder を使用して既存のテンプレートをカスタマイズすることもできます。たとえば、追加データベース用のアプリケーションを削除したり、SQL スクリプトを追加したりできます。そのためには、新しいカスタム テンプレートのソースとして、既存のドメインまたはテンプレートを選択します。作成したカスタム ドメイン テンプレートは、コンフィグレーション ウィザード、WLST Offline、または unpack コマンドを使用してドメインを作成するときに使用できるようになります。ツールの詳細については、「テンプレートとドメインを作成するためのその他のツール」を参照してください。

 


ドメイン テンプレートと拡張テンプレートについて

Domain Template Builder を使用する際、「テンプレート」という用語は、ドメインの作成または拡張に必要なファイルとスクリプトを含む Java アーカイブ (JAR) ファイルを指します。Domain Template Builder では、次の種類のテンプレートを作成できます。

 


Domain Template Builder を使用したドメイン テンプレート作成の概要

Domain Template Builder を使用してカスタム ドメイン テンプレートの作成、新しいドメイン テンプレートを作成するための基になるドメインまたはドメイン テンプレートを選択します。必要に応じて以下の情報を更新できます。

表 1-1 は、Domain Template Builder を使用してドメイン テンプレートを作成するときに必要な手順を示しています。

表 1-1 Domain Template Builder を使用したドメイン テンプレート作成の手順

手順

実行する操作

新しいテンプレートの作成

新しいドメイン テンプレートを作成するために [ドメイン テンプレートの作成] を選択する。

テンプレート ドメイン ソースの選択

新しく作成するドメイン テンプレートの基になるドメイン テンプレートまたはドメインのディレクトリを選択する。

テンプレートの説明

テンプレートの説明を入力する。

アプリケーションの追加または削除

テンプレートに組み込むアプリケーションのリストを確認し、必要な場合は変更する。

ファイルの追加

テンプレートに組み込むファイルを確認し、必要な場合は変更する。

SQL スクリプトの追加

このテンプレートで作成するドメインでの使用が見込まれるデータベースごとに SQL スクリプトを追加し、スクリプトを実行する順序を指定する。

管理サーバのコンフィグレーション

ドメインを管理するサーバとして指定された管理サーバのパラメータを定義する。

管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション

管理サーバを起動するために使用されるユーザ名とパスワードを指定する。必要に応じて、ユーザおよびグループを定義し、グローバル セキュリティ ロールに割り当てることで、追加のセキュリティ機能をコンフィグレーションすることもできる。

スタート メニュー エントリの指定

必要に応じて、Windows の [スタート] メニューのエントリを定義する。

置換変数を使用したスクリプトとファイルの準備

特定のパス、ファイル名、およびその他のドメイン環境設定を、テンプレートに含まれるテキスト ファイルの置換変数で置き換える。後からコンフィグレーション ウィザードによって、変数が実際の文字列に置換されて、特定の WebLogic ドメインが設定される。

ドメイン テンプレートの確認

テンプレートに定義した設定を確認する。

ドメイン テンプレートの作成

ドメイン テンプレートの名前とディレクトリを指定し、ドメイン テンプレートを作成するプロセスを開始する。


 

 


Domain Template Builder を使用した拡張テンプレート作成の概要

拡張テンプレートを作成するプロセスは、ドメイン テンプレートを作成するプロセスとほぼ同じです。異なる点として、拡張テンプレートの作成では、管理サーバのコンフィグレーション、管理ユーザ名とパスワードの割り当て、スタート メニュー エントリの指定を行いません。これらのドメイン設定は、拡張するドメインで定義されます。

Domain Template Builder を使用して拡張テンプレートを作成するには、そのテンプレートの基になるドメインまたは拡張テンプレートを選択し、作成した拡張テンプレートを必要に応じて変更できます。拡張テンプレートを作成する場合、必要に応じて以下の情報を変更できます。

Domain Template Builder では、既存のドメインの拡張に使用できる拡張テンプレート (JAR ファイル) が作成されます。表 1-2 は、Domain Template Builder を使用した拡張テンプレートの作成手順を示しています。

表 1-2 Domain Template Builder を使用した拡張テンプレート作成の手順

手順

作業内容

新しい拡張テンプレートの作成

新しい拡張テンプレートを作成するために [拡張テンプレートの作成] を選択する。

拡張テンプレートのテンプレート ドメイン ソースの選択

作成するドメイン テンプレートの基になる拡張テンプレートまたはドメイン ディレクトリを選択する。

拡張テンプレートの説明

テンプレートの説明を入力する。既存のテンプレートをソースとして選択した場合は、そのテンプレートの説明が表示される。説明を確認し、必要に応じて変更する。

拡張テンプレートでのアプリケーションの追加または削除

拡張テンプレートに組み込むアプリケーションのリストを確認し、必要な場合は変更する。

拡張テンプレートへのファイルの追加

拡張テンプレートに組み込むファイルのリストを確認し、必要な場合は変更する。

拡張テンプレートへの SQL スクリプトの追加

このテンプレートで作成するドメインでの使用が見込まれるデータベースごとに SQL スクリプトを追加し、スクリプトを実行する順序を指定する。

拡張テンプレートでのセキュリティ オプションのコンフィグレーション

必要に応じてユーザ、グループ、およびロールを作成し、グループとグローバル ロールに割り当てる。

拡張テンプレートの作成時におけるスクリプトとファイルの準備

特定のパス、ファイル名、および他の環境固有の文字列をテンプレート内のテキスト ファイルの置換変数で置き換える。後から特定の WebLogic ドメインを作成するときに、コンフィグレーション ウィザードによって変数が実際の文字列に置き換えられる。

拡張テンプレートの設定の確認

テンプレートに定義した設定を確認する。

拡張テンプレートの作成

拡張テンプレートの名前とディレクトリを入力し、拡張テンプレートを作成するプロセスを開始する。


 

 


テンプレートとドメインを作成するためのその他のツール

テンプレートとドメインの作成に使用するいくつかのツールが製品とともにインストールされます。これには、Domain Template Builder、pack コマンド、unpack コマンド、WLST Offline、およびコンフィグレーション ウィザードが含まれます。すでに説明したように、Domain Template Builder では、グラフィカルなユーザ インタフェースを使用してカスタム ドメイン テンプレートおよび拡張テンプレートを作成できます。次の表でその他のツールについて説明します。

表 1-3 テンプレートおよびドメインを作成するためのその他のツール

実行するタスク

使用するツール

テンプレートの作成

  • pack - ドメイン全体またはドメインのサブセットのスナップショットを含むテンプレート アーカイブ (.jar) ファイルを作成できるコマンド。ドメインのサブセットを含むテンプレートを使用して、リモート マシン上に管理対象サーバ ドメインのディレクトリ階層を作成できる。詳細については、次の URL にある『pack および unpack コマンドを使用したテンプレートとドメインの作成』を参照。
    http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/pack/index.html

  • WLST Offline - コマンドラインから実行するスクリプト インタフェース。実行中の WebLogic Server インスタンスに接続せずに新しいドメインを作成または既存のドメインを更新するときに使用する。WLST Offline の writeTemplate 機能を使用すると、pack コマンドと同じテンプレート作成の機能を実行できる。詳細については、次の URL にある『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「ドメイン テンプレートの作成 (オフライン)」を参照。
    http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs91/config_scripting/domains.html#create_template

新しいドメインの作成、または既存のドメインの拡張

  • コンフィグレーション ウィザード - ドメインの作成または拡張のプロセスを手順に従って実行できるスタンドアロン Java アプリケーション。ドメインを作成するときは、デフォルト設定を使用することも、特定の環境の要件に合わせてドメインをカスタマイズすることもできる。ドメインをカスタマイズする場合は、管理対象サーバ、クラスタ、およびマシン定義を追加してコンフィグレーションしたり、事前定義済みの JDBC データ ソースや JMS ファイル ストア ディレクトリをカスタマイズしたりできる。コンフィグレーション ウィザードでは、事前に定義されたアプリケーションとサービスを追加するか、製品コンポーネント機能を組み込んで、既存のドメインを拡張することもできる。詳細については、次の URL にある『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照。
    http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/confgwiz/index.html

  • WLST Offline - コマンドラインから実行するスクリプト インタフェース。実行中の WebLogic Server インスタンスに接続せずに新しいドメインを作成または既存のドメインを更新するときに使用する。WLST Offline はコンフィグレーション ウィザードと同じ機能をサポートする。詳細については、次の URL にある『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照。
    http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs91/config_scripting/index.html

  • unpack - このコマンドを使用すると、現在のインストール環境と互換性のあるテンプレートを使って、新しいドメインを作成できる。管理対象サーバ ドメインを作成するには、unpack コマンドと管理対象サーバ テンプレートを使用する。unpack を使用して既存のドメインを拡張することはできない。詳細については、次の URL にある『pack および unpack コマンドを使用したテンプレートとドメインの作成』を参照。
    http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/pack/index.html


 

 

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