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Oracle Collaboration Suiteインストレーション・ガイド
10gリリース1(10.1.1)for HP-UX PA-RISC(64-bit)
B25362-01
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H 削除および再インストール

この付録では、Oracle Collaboration Suiteの削除および再インストールのプロセスについて説明します。

H.1 Deconfigツール

削除手順の一環として、Deconfigツールを実行する必要があります。このツールは、削除するOracle Collaboration Suiteインスタンスのエントリを、OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryから削除します。


注意:

削除プロセスを開始する前に、ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID変数を設定する必要があります。

Deconfigツールを実行するには、次のコマンドを使用します。

prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
prompt> ./ocsdeconfig.sh [-u oid_user]
            [-w password]

パラメータを指定せずにツールを実行した場合、必要な情報の入力を求められます。

./ocsdeconfig.shコマンドを実行するとocsdeconfig.plスクリプトがコールされ、このスクリプトにより、Oracle Internet Directory情報がDeconfigureWrapperに渡されます。

H.1.1 パラメータ

-u oid_user

Oracle Internet Directoryユーザーを指定します。

単純な名前または識別名(DN)を使用して、Oracle Internet Directoryユーザーを指定できます。たとえば、ユーザーの単純な名前jdoe@mycompany.comは、DNのcn=jdoe,l=us,dc=mycompany,dc=comに対応します。

Oracle Internet Directoryユーザーには、削除するOracle Collaboration Suiteインスタンスで構成されているコンポーネントを削除するための権限が必要です。これらの権限は、コンポーネントをインストールおよび構成する場合と同じです。

たとえば、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracle Application Server Single Sign-Onを実行しているOracle Collaboration Suite 10gインフラストラクチャ・インスタンスを削除する場合、ユーザーにはこれらのコンポーネントを構成する権限が必要です。

Oracle Internet Directoryスーパーユーザーとしてツールを実行する場合、orcladminではなく、必ずcn=orcladminを使用してください。これらは2つの異なるユーザーです。

-w password

Oracle Internet Directoryユーザーのパスワードを指定します。

-dbp sys_db_password

データベースのSYSユーザーのパスワードを指定します。これは、Oracle Internet Directoryによって使用されるOracleAS Metadata Repositoryデータベースです。

Oracle Internet Directoryが構成されているIdentity Managementの専用インスタンスを削除する場合にのみ、この値が必要です。

このパラメータを指定したが必要でない場合、パスワードの値は使用されません。

-helpまたは-h

-hまたは-helpパラメータを使用してDeconfigツールを実行すると、ヘルプを表示できます。

prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl ocsdeconfig.pl -h
 - or -
prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl ocsdeconfig.pl -help

H.1.2 Deconfigツールにより生成されるログ・ファイル

Deconfigツールは、ログをORACLE_HOME/cfgtoollogs/OCSDeconfigureWrapper.logファイルに書き込みます。

H.2 削除手順の概要

次の高レベルの手順により、Oracle Collaboration Suiteを削除します(詳細は後述します)。

  1. 最初にアプリケーション層のインスタンスを削除します。

    1. インスタンスでDeconfigツールを実行します。

    2. インストーラを実行し、「製品の削除」ボタンをクリックします。

    3. 残りのすべてのファイルをクリーンアップします。

  2. 次にインフラストラクチャ・インスタンスを削除します。

    1. インストーラを実行し、「製品の削除」ボタンをクリックします。

    2. 残りのすべてのファイルをクリーンアップします。

    3. Oracleホームを削除します。


注意:

Oracle Universal Installerを使用してOracle Collaboration Suiteを削除する場合は、Oracle Collaboration Suiteのコンポーネントを個別に選択できません。Oracle Collaboration Suiteコンポーネント、Oracle Collaboration Suiteインフラストラクチャ、Oracle Collaboration Suiteデータベース、およびOracle Collaboration Suiteアプリケーションのすべてが削除されます。

注意:

削除またはクリーンアップする項目

Oracle Collaboration Suiteインスタンスを削除するには、表H-1に記載されている項目をクリーンアップする必要があります。手順は、この付録で後述します。

表H-1 削除する項目

クリーンアップする項目 使用ツール

Oracleホーム・ディレクトリ内のファイル

インストーラ。

インストーラにより削除されないファイルがある場合は、rmコマンドを使用して残りのファイルを削除できます。

インベントリ・ディレクトリ内の削除したインスタンスのエントリ

インストーラ。

ファーム・ページにあるインスタンス名

インストーラ。

/var/opt/oracleまたは/etcディレクトリ内の削除したインスタンスのエントリ

エントリは手作業で削除する必要があります。次を参照してください。

  • アプリケーション層の削除の場合は手順7

  • Oracle Collaboration Suiteデータベースの削除の場合は手順7

  • インフラストラクチャの削除の場合は手順9

Oracle Internet Directory内の削除したインスタンスのエントリ

Deconfigツール。


インストーラでは、個々のコンポーネントをカスタムで削除することはできません。

H.3 アプリケーション層の削除

アプリケーション層インスタンスを削除すると、次のコンポーネント固有の削除が実行されます。

アプリケーション層を削除するには、次の手順を実行します。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスに関連するすべてのプロセスを停止します。

    プロセスを停止する方法の詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

  3. Deconfigツールを実行します。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> ./ocsdeconfig.sh [parameters]
    
    

    パラメータの詳細は、H.1項を参照してください。

  4. インストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  5. インストーラで次の手順を実行します。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除するよう選択したコンポーネントを確認します。「はい」をクリックして続行します。

    4. 削除の進捗状況画面: 削除の進捗状況を監視します。

    5. 削除の完了後、インストーラを終了します。

  6. 削除したインスタンスのOracleホーム・ディレクトリにファイルが残っている場合は削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    
  7. /etc/oratabファイルで、削除したアプリケーション層に関する行を削除します。

    ファイルの終わり近くに、Oracleホーム・ディレクトリを指定した行があります。削除したOracleホームの行を削除します。次のような記述の行です。

    *:/$ORACLE_HOME/infra:N
    
    

    前述の例で、ORACLE_HOMEはOracle Collaboration SuiteデータベースのOracleホームです。


    注意:

    Oracle Internet Directory内のPortalエントリは、Deconfigツールまたはインストーラにより削除されません。

H.4 Oracle Collaboration Suiteデータベースの削除

Oracle Collaboration Suiteの削除には、ocsdeconfigツールを使用します。

ocsdeconfigツールを使用してOracle Collaboration Suiteを削除すると、次のコンポーネント固有の削除が実行されます。

Oracle Collaboration Suiteをサイレント・モードで削除するには、次の手順を実行します。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスに関連するすべてのプロセスを停止します。

    プロセスを停止する方法の詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

  3. Deconfigツールを実行します。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> ./ocsdeconfig.sh -u oid-user-name –w password
    
    

    パラメータの詳細は、H.1項を参照してください。

  4. インストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  5. インストーラで次の手順を実行します。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除するよう選択したコンポーネントを確認します。「はい」をクリックして続行します。

    4. 削除の進捗状況画面: 削除の進捗状況を監視します。

    5. 削除の完了後、インストーラを終了します。

  6. 削除したインスタンスのOracleホーム・ディレクトリにファイルが残っている場合は削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    
  7. /etc/oratabファイルで、削除したOracle Collaboration Suiteデータベースに関する行を削除します。

    ファイルの終わり近くに、Oracleホーム・ディレクトリを指定した行があります。削除したOracleホームの行を削除します。次のような記述の行です。

    SID:/$ORACLE_HOME/infra:N
    *:/$ORACLE_HOME/infra:N
    
    

    前述の例で、SIDは削除したOracle Collaboration Suiteデータベースのシステム識別子、ORACLE_HOMEはOracle Collaboration SuiteデータベースのOracleホームです。


    注意:

    Oracle Internet Directory内のOracleAS Portalエントリは、Deconfigツールまたはインストーラにより削除されません。

H.5 Oracle Collaboration Suiteインフラストラクチャの削除

この項では、インフラストラクチャ・インスタンスを削除する方法について説明します。

H.5.1 削除の順序

インフラストラクチャ・インスタンスには、すべてのインフラストラクチャ・コンポーネントが含まれる場合も、インフラストラクチャ・インストールを分散したためにコンポーネントのサブセットだけが含まれる場合もあります。一般的なシナリオと削除の順序を次に示します。

Identity ManagementとOracleAS Metadata Repositoryインスタンスがインストールされている場合: 削除するインスタンスは1つのみです。

Identity Managementが分散してインストールされている場合:

  1. Oracle Application Server Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Services、Oracle Directory Integration and Provisioning、およびOracle Application Server Certificate Authorityを実行しているインスタンスを削除します。

  2. Oracle Internet Directoryを実行しているインスタンスを削除します。

H.5.2 削除の手順

インフラストラクチャを削除する手順は、次のとおりです。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスでOracle Application Server Certificate Authorityが構成されている場合は、次のコマンドを実行します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oca/bin/ocactl stop
    prompt> $ORACLE_HOME/oca/bin/cmdeinst ocaAdminPassword oidAdminPassword
    
    

    ocaAdminPasswordは、Oracle Application Server Certificate Authority管理者のパスワードに置き換えます。

    oidAdminPasswordは、Oracle Application Server Certificate AuthorityをインストールしたOracle Internet Directoryユーザーのパスワードに置き換えます。ユーザーは次のグループに属している必要があります。

    • Trusted Application Admins

    • iAS Admins

    • Oracle Application Server Certificate Authorityで使用するメタデータ・リポジトリのRepository Ownersグループ

    ocactl stopコマンドは、OCAのサービスを停止します。cmdeinstのコマンドは、次の処理を実行します。

    • Oracle Internet DirectoryからOracle Application Server Certificate Authorityエントリを削除します。

    • ocaスキーマ内の表からデータを削除します。

    • インストール時にOracle Application Server Certificate Authorityコンフィギュレーション・アシスタントにより作成されたOracle Application Server Certificate Authorityファイルを削除します。

  3. 削除するインスタンスでOracle Directory Integration and Provisioningが構成および実行されている場合は、Oracle Directory Integration and Provisioningサーバーを停止します。

    Oracle Internet Directoryが実行されていることを確認します。

    次のコマンドを実行して、Oracle Directory Integration and Provisioningを停止できます。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> oidctl connect=db_connect_string server=odisrv instance=1 stop
    
    

    上のコマンドで、db_connect_stringORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraファイルに記述されたサービス名です。

    その他のOracle Directory Integration and Provisioningサーバーを起動している場合は、それらも停止する必要があります。『Oracle Identity Management統合ガイド』の説明を参照してください。

  4. Oracle Internet Directoryがレプリカとして構成されている場合、このノードをディレクトリ・レプリケーション・グループ(DRG)から削除する必要があります。『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「Oracle Internet Directoryレプリケーションの管理」の章の手順を参照してください。

  5. deconfig.plツールを実行します。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> ./deconfig.pl
    
    
  6. インストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  7. インストーラで次の手順を実行します。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除するよう選択したコンポーネントを確認します。「はい」をクリックして続行します。

    4. 削除の進捗状況画面: 削除の進捗状況を監視します。

    5. 削除の完了後、インストーラを終了します。

  8. 削除したインスタンスのOracleホーム・ディレクトリにファイルが残っている場合は削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    
  9. /etc/oratabファイルで、削除したインフラストラクチャ・インスタンスに関する行を削除します。

    ファイルの終わり近くに、Oracleホーム・ディレクトリを指定した行があります。メタデータ・リポジトリを含むインフラストラクチャ・インスタンスを削除する場合、ファイルには次の2つの行が含まれます。

    • *で始まる行

    • データベースSIDで始まる行

    両方の行を削除します。

    たとえば、インフラストラクチャ・インスタンスが/private1/infraにインストールされ、orclというSIDのメタデータ・リポジトリがある場合、これらの行は次のように記述されます。

    orcl:/private1/infra:N
    *:/private1/infra:N
    
    

H.6 1台のコンピュータでのインストールの削除

1台のコンピュータにインストールされたOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャおよびアプリケーションを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 次のようにインストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  3. 「インストール方法の選択」画面で「拡張インストール」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「ファイルの場所の指定」画面で、「インストールされた製品」をクリックします。

  5. 「インベントリ」ダイアログ・ボックスが表示されます。1台のコンピュータへのインストールの場合、Oracleホームの下に次の項目が表示されます。

    • onebox_apps

    • onebox_infra

    • onebox

    これらの項目は、前のリストに表示された順序で削除する必要があります。

  6. 「onebox_apps」を選択して「削除」をクリックします。次に「onebox_infra」を選択して「削除」をクリックします。最後に「onebox」を選択して「削除」をクリックします。

  7. インストーラを終了します。

H.7 ログ・ファイル内の問題のないエラー

Web CacheまたはOracle Mobile Collaborationインスタンスを削除した後、次のような「unable to delete file」エラーや「unable to find make file」エラーがoraInstalltimestamp.errファイルにある場合、これらは問題のないエラー・メッセージです。

Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime. oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime.
...
Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to delete file
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to delete file
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
at instantiateFileEx.deinstallAction(instantiateFileEx.java:935)
...
Ignoring Exception during de-installoracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
at ssmakeux.deinstallAction(ssmakeux.java:246)
...

H.8 Oracle Collaboration Suiteプロセスのクリーンアップ

Oracle Collaboration Suiteのプロセスを停止せずにインストールを開始すると、これらのプロセスのファイルが削除されるため、プロセスを停止する必要があります。実行中のプロセスを確認するには、psコマンドを実行します。

prompt> ps -ef

プロセスを停止するには、killコマンドを使用します。

prompt> kill -9 process_id

psコマンドでprocess_idを確認できます。

dcmctlシェル・プロセスを停止する必要がある場合は、exitを入力してシェルを終了します。

H.9 再インストール

インストーラでは、すでにOracle Collaboration Suiteインスタンスのあるディレクトリに、Oracle Collaboration Suiteインスタンスを再インストールすることはできません。同じディレクトリにOracle Collaboration Suiteを再インストールするには、先に削除してからインストールする必要があります。