この章では、Oracle Voicemail & Fax関連のリース・ノートの問題がまとめられています。
注意: Oracle Voicemail & Faxは、Windows 2000またはWindows 2003でのみサポートされています。したがって、Oracle Voicemail & Faxのリリース・ノートは、Windowsプラットフォームにのみ当てはまります。 |
この章の内容は次のとおりです。
注意: このドキュメントは2005年9月24日に更新されました。 |
Oracle Enterprise ManagerによるOracle Voicemail & Faxの管理が大幅に強化されました。
監視とロギングの強化
Oracle Voicemail & Faxには150を超えるメトリックが用意されており、管理者はそれぞれの監視の要件に基づいて追加のメトリックを作成できます。アラートおよび関連の警告レベルは、個々のメトリックに対して設定可能です。管理者は、すべてのボイスメール・システムのステータスの概要を一目で把握でき、ドリルダウンにより問題を特定し、解決できます。
簡素化されたプロセス管理
プロセス管理は、より堅固な機能により簡素化されました。管理者は、コンポーネント表をドリルダウンして、各プロセスの動作およびステータスを確認し、Oracle Voicemail & Faxシステムまたは個別サイト関連のすべてのプロセスを開始、停止および再ロードできます。プロセス・パラメータは、システム全体のデフォルト値に設定されているため、管理が簡素化され、起こりそうな構成の間違いが少なくなります。個々のプロセス・パラメータは、「管理」ページから簡単に変更できます。
サイト管理の簡素化
このリリースでは、複数の分散PBXがサポートされています。Oracle Voicemail & Faxでは、これらの複雑な環境の管理が、PBXベースのサイトとグループの監視、管理および作成によって簡素化されます。
Oracle Voicemail & Faxを差別化する機能は、データ中心の設計およびアーキテクチャと、そのデプロイの柔軟性です。これらの特性は、Oracle Voicemail & Fax 10gリリース1で次の機能により拡張されました。
1桁メニュー
Oracle Voicemail & Faxには、柔軟なXMLベースのメニュー・モデルが用意されていて、ボイスメール・システムや企業ディレクトリに統合される単純な1桁メニュー(自動応答または音声自動応答システムともいう)を簡単にカスタマイズできます。
VoIP(SIP)サポート
Oracle Voicemail & Fax 10gリリース1では、ボイスメール・アプリケーションをすべて中心となる場所1箇所に置くことができます。集中SIPベースCTサーバーでは、レガシーPBXに接続された1つ以上のVoIPゲートウェイをサポートします。テレフォニ・カードベースの分散デプロイは引き続きサポートされます。
次の項では、Oracle Voicemail & Faxの既知の制限と回避策について説明します。
Oracle Voicemail & Faxが起動すると、HTTPサーバー、Webキャッシュ、Oracle Collaboration Suiteクライアントなど、いくつかのOracle Collaboration Suiteコンポーネントも起動します。これらのコンポーネントは、Oracle Voicemail & Faxでは不要なので、無効にする必要があります。(バグ番号461627)
コンポーネントを無効にする手順:
Webブラウザを開きます。Oracle Voicemail & FaxがインストールされているマシンのApplication Server Control for Collaboration SuitコンソールのURLを入力します(http://machine_name:console_port)。
ias_adminユーザー名とias_adminのパスワードを使用してログインし、「ホーム」ページにナビゲートします。
「システム・コンポーネント」セクションで、「コンポーネントの有効化/無効化」ボタンをクリックします。
「有効コンポーネント」ペインで次のコンポーネントを選択し、「移動」をクリックします。
HTTP_Server
Webキャッシュ
OC4J_OCSClient、Discussions、Search、Web Access、Workspaces
OC4J接頭辞の付いたすべてのコンポーネント
「OK」をクリックします。
コンポーネントが無効になる前に実行中のプロセスはすべて停止するという警告が表示されます。
「はい」をクリックします。
Enterprise Manager 10.1.0.4には、Oracle Voicemail & Faxを扱えるようにパッチをインストールする必要があります。このパッチについては、MetaLinkのバグ番号4524920を参照してください。
Oracle Collaboration Suiteデータベースに対する設定の変更がOracle Voicemail & Faxの動作に反映されていない場合、Oracle Voicemail & Faxを更新するsc_vsto.cfgファイルが再生成されていないことが原因と考えられます。(バグ番号3453548)
sc_vsto.cfgファイルのタイムスタンプがOracle Voicemail & Fax Applications Serverの再起動後に更新されているかどうかを確認します。このファイルのデフォルトの場所は、C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\Dialogic\CT Media\Containers
です。
必須のシャットダウン・スクリプトを作成する手順:
「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
「ファイル名を指定して実行」ウィンドウで、gpedit.mscと入力して「OK」をクリックします。
ナビゲーション・ツリーで「コンピュータの構成」を探します。
「Windowsの設定」を選択し、「スクリプト」を選択します。
右側のペインで、「シャットダウン」をクリックします。
create_scvsto.batがシャットダウン・スクリプトの1つとして「シャットダウンのプロパティ」ウィンドウに表示されていない場合は、「追加」をクリックします。
「スクリプト名」フィールドに、次のように入力します。
%ORACLE_HOME%\um\scripts\create_scvsto.bat
「OK」をクリックします。
Application Serverを再起動し、sc_vsto.cfgファイルが更新されていることを確認します。
Intel NetMergeのインストール時にこのファイルに異なる場所を指定した場合、LocalContainerPath環境変数を調べる必要があります。LocalContainerPath環境変数に指定したパスを取得するには、次の手順に従います。
LocalContainerPath環境変数を見つける手順:
「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」をクリックし、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウにregeditと入力して、「OK」をクリックします。
ナビゲーション・ツリーでの「HKEY_LOCAL_MACHINE」の下で、「SOFTWARE」を選択し、「Dialogic」、「CT Media」、「2.0」、「Server」および「Environment」の順に選択します。
右側のペインで、LocalContainerPath環境変数の値を確認します。
サンプルIVRの一部が、IVR用の.soundファイルをロードできないために機能しません。影響を受けるIVRデプロイメントは、LanguageChoiceAttendantとACMEです。(バグ番号4484757)
回避策
デプロイメント用のコール・フローを修正および更新する必要があり、コール・フロー用のサウンド・ファイルをロードする必要があります。影響を受けるコール・フローは、BasicAutoAttendant(afterhours.xml)およびACME(the-works.xml)です。コール・フロー・ファイルの名前がカッコ内に表示されます。
コール・フロー・ファイルを編集する手順:
Oracle Voicemail & FaxがインストールされているApplication Serverにログインします。
コール・フロー・ファイルがあるディレクトリにナビゲートします。
cd %ORACLE_HOME%\um\scripts
コール・フロー・ファイルのコピーを作成します。
ivrman callflow dump BasicAutoAttendant afterhours.xml
ivrman callflow dump ACME the-works.xml
XMLエディタで各ファイルを編集し、<onTimeout>
タグを検索します。
afterhours.xmlファイルで、<onTimeout>タグの前に次の行を追加します。
<timeoutBehavior noResponseOk="true">
the-works.xmlファイルで、<onTimeout>タグの前に次の行を追加します。
<timeoutBehavior noResponseOK="false">
各ファイルで、</onTimeout>
タグを検索します。
</onTimeout>
タグの後に次の行を追加します。
</timeoutBehavior>
各ファイルを保存します。
コール・フローを更新するために、%ORACLE_HOME%\um\scripts
ディレクトリから次のコマンドを実行します。
ivrman callflow replace BasicAutoAttendant afterhours.xml
ivrman callflow replace ACME the-works.xml
サウンド・ファイルをアップロードするために、%ORACLE_HOME%\um\scripts\ivrsound
ディレクトリから次のコマンドを実行します。
loadSoundFile.bat %ORACLE_HOME%
次の表に、Oracle Voicemail & Faxの既知の問題を示します。
表10-1に、Oracle Voicemail & Faxについて知られている一般的な問題を示します。
表10-1 Oracle Voicemail & Faxの既知の問題: 一般
説明 | 操作 | バグ番号 |
---|---|---|
Oracle Collaboration Suiteデータベース設定への変更が、sc_vsto.cfgファイルが更新されていないために反映されていません。 |
この問題の解決方法は、10.2.3「更新されないOracle Collaboration Suiteデータベースの設定」を参照してください。 |
3453548 |
MWIService 10.1.1.0.2でMWIService 9.0.4.2プロセスへの接続の際にエラーが発生すると、MWIリクエストはキューから削除されます。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 |
4433243 |
Oracle Voicemail & Faxに必要のないいくつかのOracle Collaboration Suiteコンポーネントが、Application Server上で起動します。 |
これらのコンポーネントを無効にする方法は、10.2.1「無効にする必要のある選択済Oracle Collaboration Suiteコンポーネント」を参照してください。 |
4461627 |
音声自動応答(IVR)サンプル・アプリケーションの一部が機能しません。 |
回避策は、10.2.4「機能しない一部のサンプルIVRデプロイメント」を参照してください。 |
4484757 |
テレフォニ監視サービスまたはメッセージ配信サービス、あるいはその両方が起動しません。これらのサービスのログ・ファイルを調べると、BusStopLogWriterで最大ログ・ファイル・サイズを設定できず、BusStopLogWriterからNullPointerExceptionがスローされた、というエラーがあります。 |
次の手順を実行します。
|
4486248 |
この既知の問題は、リリース9.0.4のOracle Voicemail & Faxと、リリース9.0.4から10.1.1へのアップグレードで見られます。MWI(メッセージ待機インジケータ)サービスが起動またはリフレッシュされると、Oracle Internet Directoryへの接続時にエラーが発生することがあります。この問題が発生すると、メッセージ待機インジケータ・リクエストはすべて失われます。Oracle Internet Directoryへの接続が回復すると、MWIサービスではメッセージ待機インジケータ・リクエストの処理が再開されます。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 |
4496727 |
Oracle Internet Directoryセルフ・サービス・コンソールを使用して、ボイスメール・アカウントの作成または編集を行うとき、ボイスメール・アカウントを割り当てるグループを指定できます。ドロップダウン・リストに完全または正確なグループのリストが表示されないことがあります。これは、Oracle Internet Directoryの停止中に発生します。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 |
4511156 |
キャッシュのリフレッシュ・プロセスでエラーが発生すると、Delegated Administration Service(DAS)内のグループ・リストが正しくなくなり、DASログ・ファイルにNullpointerexceptionエラーが示されます。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 |
4514995 |
プロビジョニング・プロファイルの作成時にApplication Bootstrap変数が設定されていないため、Oracle Voicemail & Faxが新規またはアップグレードされた10.1.1環境でインストールされる前に作成されたユーザーは、プロビジョニング・ステータスがOracle Voicemail & Fax用に正しく設定されません。これらのユーザーをOracle Internet Directory Delegated Administration Serviceで検索し、この問題とユーザーのプロビジョニング・ステータスを表示できます。これらのユーザーには、正しいプロビジョニング・ステータスを設定するコマンドライン・ツールを使用して、Oracle Voicemail & Faxに対するプロビジョニングを行います。 |
Oracle Voicemail & Faxアプリケーション層で %ORACLE_HOME%\bin\oidprovtool operation=modify ldap_host=<LDAP HOST>
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4536748 |
表10-2に、Oracle Voicemail & Faxのアカウント・マネージャ・ツール(ovfucr)に関する既知の問題を示します。
注意: アカウント・マネージャ・ツール関連のバグは、バグ番号4544734に対するパッチで修正されます。このバグに対するパッチはMetaLinkで入手できます。 |
表10-2 Oracle Voicemail & Faxの既知の問題: アカウント・マネージャ・ツール(ovfucr)
説明 | 操作 | バグ番号 |
---|---|---|
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Oracle Internet Directoryセルフ・サービス・コンソールを使用してボイスメール・アカウントを作成するか、バグ番号4544734に対するパッチを適用します。 |
4476614 |
|
Enterprise Manager Grid ControlまたはOracle Internet Directoryセルフ・サービス・コンソールを使用してボイスメール・アカウントを削除するか、バグ番号4544734に対するパッチを適用します。 |
4476631 |
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Enterprise Manager Grid Controlを使用して既存のボイスメール・アカウントに電話番号を追加するか、バグ番号4544734に対するパッチを適用します。 |
4478264 |
|
Enterprise Manager Grid Controlを使用して、古い電話番号を削除し、新しい電話番号を追加するか、バグ番号4544734に対するパッチを適用します。 |
4478445 |
|
Enterprise Manager Grid Controlを使用してボイスメール・アカウントのプロパティを変更するか、バグ番号4544734に対するパッチを適用します。 |
4478555 |
表10-3に、Oracle Voicemail & Faxでエンド・ユーザーが遭遇する可能性のある既知の問題を示します。
表10-3 Oracle Voicemail & Faxの既知の問題: エンド・ユーザー
説明 | 操作 | バグ番号 |
---|---|---|
Oracle WebMailから、エンド・ユーザーが「ボイスメール/FAXプリファレンス」にアクセスしようとすると、ボイスメール/FAXプリファレンスの取得中にエラーが発生したというエラーが表示されます。 |
次の手順を実行します。
それでもなおボイスメール/FAXプリファレンスの取得中にエラーが発生したというエラーが表示される場合は、Webブラウザを閉じます。これは、前のHTTPセッションが正しく消去されていないために起こります。新しいブラウザを開き、再びログインします。 |
4477277 |
保存済メッセージに対する返信の際、ボイスメール・システムで、受信者リストからメッセージの送信者を削除できません。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 |
4479469 |
エンド・ユーザーは、ボイスメール・メッセージを記録します。ユーザーが、音声タグを記録した連絡先や配信リストにメッセージを送信しようとすると、エラーが発生します。これは、ユーザーが自身の名前を記録していないためです。 |
MetaLinkでこのバグの修正を入手可能です。バグ番号4544734を参照してください。 または、回避策として、次の手順を実行します。 エンド・ユーザーに名前を記録させます。名前を記録すると、ユーザーは音声タグを作成した連絡先や配信リストにメッセージを送信できます。 名前を記録する手順:
|
4500012 |
次の項では、Oracle Voicemail & Faxのドキュメント関連の問題を説明します。
ボイスメールまたはFAXアクセスのために、ユーザーにバルクプロビジョニングを行うとき、次のいずれかの方法で、ユーザーの初期パスワードを設定できます。
LDIFファイルで、各ユーザーのパスワードを指定できます。LDIFファイルには、Oracle Collaboration Suiteのベース・ユーザーを作成するためのパラメータおよび値が含まれています。さらに、ボイスメール・アカウントの電話番号を指定するtelephonenumber
パラメータを含めることもできます。ファイルがOracle Internet Directoryにロードされると、Oracle Collaboration Suiteベース・ユーザーが作成され、追加イベントがOracle Voicemail & Faxプラグインに送られ、ここでベース・ユーザーがボイス・アクセスに対してプロビジョングされます。ボイス・アクセスに対してユーザーをプロビジョニングする追加イベントをトリガーするために必要なパラメータは、LDIFファイルのtelephonenumber
パラメータのみです。オプションで、ボイスメール・アカウントの初期パスワードの指定に使用されるパラメータをLDIFファイルに含めることができます。このパラメータは、orclpasswordverifier;email
です。LDIFファイルがロードされるとき、このパスワードがOracle Internet Directoryにロードされます。この方法には自動通知プロセスがないので、注意してください。ユーザーに対してそれぞれの初期ボイスメール・パスワードを通知する必要があります。
一部のインスタンスで、2つの異なる時刻にパスワードとボイスメール・アカウントを作成することがあります。システム管理者は、新しいボイスメール・アカウントがアクティブになる前に、電子メールをユーザーに送信することが必要になる場合がよくあります。この場合、ovfucr generatepassword
コマンドを使用すれば、ユーザーのパスワードを生成できます。このコマンドは、ベース・ユーザーと電子メール・アカウントがすでに作成されていることを前提としています。このコマンドにより、入力ファイルに指定されているユーザーの初期パスワードが自動的に生成され、新しいパスワードを持つユーザーに電子メールの通知が送信されます。これで、ボイスメール・アカウントをアクティブにする準備ができると、ovfucr create
を使用して、ボイスメール・アカウントを作成できます。
注意: または、ovfucr create コマンドを実行して、ボイスメール・アカウントを作成し、このアカウントにパスワードを割り当てるとき、オプションのパスワード・パラメータを指定できます。ただし、この方法でパスワードが生成される場合、通知機能はありません。
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サード・パーティまたはその他の専用ツールを使用して、パスワードを生成することもできます。