APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージには、Oracle Application Expressのランタイム環境を管理するためのユーティリティが用意されています。APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージを使用すると、電子メール設定、ウォレット設定、レポート出力設定などの取得と設定を行い、スキーマと作業領域のマッピングを管理できます。APEX_INSTANCE_ADMIN
は、SYS
、SYSTEM
、FLOWS_030100
のデータベース・ユーザーに加え、ロールAPEX_ADMINISTRATOR_ROLE
が付与されているすべてのデータベース・ユーザーが実行できます。
このセクションの構成は次のとおりです。
SET_PARAMETER
プロシージャは、ランタイム環境の管理に使用されるパラメータを設定します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER( p_parameter IN VARCHAR2, p_value IN VARCHAR2);
パラメータ
表7-1に、SET_PARAMETER
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-1 SET_PARAMETERのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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設定するインスタンス・パラメータ。 |
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パラメータの値。 「使用可能なパラメータ値」を参照してください。 |
例
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER ('SMTP_HOST','mail.mycompany.com'); END;
GET_PARAMETER
ファンクションは、ランタイム環境の管理に使用されるパラメータの値を取得します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER( p_parameter IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表7-2に、GET_PARAMETER
ファンクションで使用可能なパラメータを示します。
例
DECLARE L_VAL VARCHAR2(4000); BEGIN L_VAL := APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER('SMTP_HOST'); HTP.P('The SMTP Host Setting Is: '||L_VAL); END;
表7-3に、APEX_INSTANCE_ADMIN
パッケージ内で設定可能なすべてのパラメータ(電子メール、ウォレット、レポート出力用のパラメータなど)の値を示します。
表7-3 使用可能なパラメータ
パラメータ名 | 説明 |
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割当てリクエストの承認や、パスワードのリセットなど、電子メールを作成する管理タスクに対する送信元アドレスを定義します。 有効な電子メール・アドレスを入力します。次に例を示します。
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SMTPサーバーのサーバー・アドレスを定義します。別のサーバーをSMTPリレーとして使用する場合は、このパラメータをそのサーバーのアドレスに変更します。 デフォルト設定: localhost |
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メール・リクエスト用にSMTPサーバーが待機するポートを定義します。 デフォルト設定: 25 |
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ファイル・システムでのウォレットへのパス。次に例を示します。
file:/home/<username>/wallets
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ウォレットに関連付けられているパスワード。 |
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標準サポートまたは拡張サポートのいずれかを指定します。拡張サポートの場合は、Oracle BI Publisherの使用許諾が必要です。有効な値は、次のとおりです。
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有効な値は、次のとおりです。
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プリント・サーバー変換エンジンのホスト・アドレス( |
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プリント・サーバー・エンジンのポート( |
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プリント・サーバー・エンジンのスクリプトを定義します。次に例を示します。 /xmlpserver/convert |
参照: Oracle Application Express管理ガイドの「ランタイム環境での電子メールの構成」、「ランタイム環境でのウォレットの構成」および「ランタイム環境でのレポート出力設定の構成」 |
GET_SCHEMAS
ファンクションは、指定された作業領域にマップされているスキーマのリストを取得します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_SCHEMAS( p_workspace IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表7-4に、GET_SCHEMAS
ファンクションで使用可能なパラメータを示します。
例
DECLARE L_VAL VARCHAR2(4000); BEGIN L_VAL := APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_SCHEMAS('MY_WORKSPACE'); HTP.P('The schemas for my workspace: '||L_VAL); END;
ADD_SCHEMA
プロシージャは、作業領域とスキーマのマッピングにスキーマを追加します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_SCHEMA( p_workspace IN VARCHAR2 p_schema IN VARCHAR2);
パラメータ
表7-5に、ADD_SCHEMA
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-5 ADD_SCHEMAのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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スキーマ・マッピングを追加する作業領域の名前。 |
|
スキーマと作業領域のマッピングに追加するスキーマ。 |
例
BEGIN
APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_SCHEMA
('MY_WORKSPACE
','FRANK');
END;
REMOVE_SCHEMA
プロシージャは、作業領域とスキーマのマッピングからスキーマを削除します。
構文
APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SCHEMA( p_workspace IN VARCHAR2 p_schema IN VARCHAR2);
パラメータ
表7-6に、REMOVE_SCHEMA
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-6 REMOVE_SCHEMAのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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スキーマ・マッピングを削除する作業領域の名前。 |
|
スキーマと作業領域のマッピングから削除するスキーマ。 |
例
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SCHEMA ('MY_WORKSPACE','FRANK'); END;
REMOVE_WORKSPACE
プロシージャは、Application Expressインスタンスから作業領域を削除します。
構文
PROCEDURE REMOVE_WORKSPACE( p_workspace IN VARCHAR2 p_drop_users IN VARCHAR2 DEFAULT 'N', p_drop_tablespaces IN VARCHAR2 DEFAULT 'N' );
パラメータ
表7-7に、REMOVE_WORKSPACE
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-7 REMOVE_WORKSPACEのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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削除する作業領域の名前。 |
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'Y'を指定すると、作業領域に関連付けられているデータベース・ユーザーに関連付けられた表領域も削除されます。デフォルトは |
例
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_WORKSPACE ('MY_WORKSPACE','Y','Y'); END;
ADD_WORKSPACE
プロシージャは、Application Expressインスタンスに作業領域を追加します。
構文
PROCEDURE REMOVE_WORKSPACE( p_workspace_id IN NUMBER DEFAULT NULL, p_workspace IN VARCHAR2, p_primary_schema IN VARCHAR2, p_additional_schemas IN VARCHAR2 );
パラメータ
表7-8に、ADD_WORKSPACE
プロシージャで使用可能なパラメータを示します。
表7-8 ADD_WORKSPACEのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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Application Expressインスタンス内で作業領域を一意に識別するID。これをNULLのままにすると、新しい一意のIDが割り当てられます。 |
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追加する作業領域の名前。 |
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新しい作業領域に関連付けるプライマリ・データベース・スキーマ。 |
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この作業領域に関連付ける追加スキーマを列挙したコロン区切りのリスト。 |
例
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE (8675309,'MY_WORKSPACE','SCOTT','HR:OE'); END;