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Oracle Application Serverインストレーション・ガイド
10g (10.1.4.0.1) for AIX 5L Based Systems (64-bit)

B31751-03
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D 削除および再インストール

この付録では、Oracle Application Serverの削除および再インストールのプロセスについて説明します。

D.1 Deconfigツール

今回のリリースでは、削除手順の一環として実行する必要があるDeconfigツールと呼ばれるツールがあります。このツールで、削除するOracle Application ServerインスタンスのOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directory内のエントリを削除します。

Deconfigツールでは、パートナ・アプリケーション・エントリを削除しません。パートナ・アプリケーション・エントリを削除する必要がある場合は、F.4.1項「削除したパートナURLが、OracleAS Single Sign-Onの管理画面に残っている」の手順に従います。

Deconfigツールでは、ファームからOracleAS Clusterを削除しません。OracleAS Clusterを削除する場合は、インスタンスを削除してから、dcmctl removeclusterコマンドを実行する必要があります。詳細は、D.5項「OracleAS Cluster(Identity Management)の削除」を参照してください。

Deconfigツールを実行するには、ORACLE_HOME/bin/deconfig.plスクリプトでPerlインタプリタを実行します。Oracle Application Serverで用意されているPerlインタプリタを使用します。

prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl [-u oid_user]
            [-w password] [-r realm] [-dbp sys_db_password]

すべてのパラメータを指定しないでツールを実行すると、必要な情報の入力を要求されます。


注意:

セキュリティ上の理由から、コマンドラインでパスワードを指定することはお薦めしません。コマンドラインでパスワードを指定しない場合、Deconfigツールによってパスワードが要求されます。 


D.1.1 パラメータ

-u oid_user

Oracle Internet Directoryユーザーを指定します。

Oracle Internet Directoryユーザーは、単純なユーザー名または識別名(DN)を使用して指定できます。たとえば、単純なユーザー名はjdoe@mycompany.comと指定できます。この名前は、DNのcn=jdoe,l=us,dc=mycompany,dc=comに対応します。

Oracle Internet Directoryユーザーには、削除するOracle Application Serverインスタンスに構成されているコンポーネントを削除するための権限が必要です。これらの権限は、コンポーネントをインストールおよび構成するための権限と同じです。

たとえば、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onが実行されているOracleAS Infrastructureインスタンスを削除する場合は、これらのコンポーネントを構成するための権限をユーザーが持っていることを確認します。権限を付与するコンポーネントおよびグループのリストは、5.3項「コンポーネントの構成または削除に必要なグループ」を参照してください。

Oracle Internet Directoryのスーパーユーザーとしてツールを実行する場合は、orcladminではなく、cn=orcladminを使用します。これらは、異なるユーザーです。これらのユーザーの詳細は、5.1項「Oracle Internet Directoryのデフォルト・ユーザー」を参照してください。

-w password

Oracle Internet Directoryユーザーのパスワードを指定します。

-r realm

ユーザーの認証を行うレルムを指定します。この値は、Oracle Internet Directoryに複数のレルムが存在する場合にのみ必要です。

-dbp sys_db_password

データベース内のSYSユーザーのパスワードを指定します。これは、Oracle Internet Directoryで使用されるOracleAS Metadata Repositoryデータベースです。

この値は、Oracle Internet Directoryが構成されているOracle Identity Managementのみのインスタンスを削除する場合にのみ必要です。

必要がない場合にこのパラメータを指定しても、このパスワードの値は使用されません。

-helpまたは-h

-hまたは-helpパラメータを指定してDeconfigツールを実行し、ヘルプを表示することもできます。

prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl -h

または

prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl -help

D.1.2 Deconfigツールで生成されるログ・ファイル

Deconfigツールによって、ログ・ファイルがORACLE_HOME/cfgtoollogs/DeconfigureWrapper.logファイルに書き込まれます。

D.2 削除手順: 概要

Oracle Application Serverを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 中間層インスタンスを削除します。削除手順については、中間層のプラットフォームおよびリリースのOracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。

    1. このインスタンスでDeconfigツールを実行します。

    2. インストーラを実行し、「製品の削除」をクリックします。

    3. 残りのすべてのファイルをクリーンアップします。

  2. OracleAS Infrastructureインスタンスを削除します。削除の詳細は、この章の後半で説明します。

    1. このインスタンスでDeconfigツールを実行します。

    2. インストーラを実行し、「製品の削除」をクリックします。

    3. 残りのすべてのファイルをクリーンアップします。

注意:

削除またはクリーンアップするアイテム

Oracle Application Serverインスタンスを削除するには、表D-1に示すアイテムをクリーンアップする必要があります。この手順は、この付録の後半で説明します。

表D-1    削除するアイテム 
クリーンアップするアイテム  使用するツール 

Oracleホーム・ディレクトリのファイル 

インストーラ

インストーラによってすべてのファイルが削除されない場合は、rmコマンドを使用して残りのファイルを削除できます。 

インベントリ・ディレクトリ内の削除済インスタンスのエントリ 

インストーラ 

ファーム・ページのインスタンス名 

インストーラ 

/etcディレクトリ内の削除済インスタンスのエントリ 

これらのエントリは手動で削除する必要があります。

参照:

  • OracleAS Infrastructureを削除する場合は、手順9を参照してください。

 

Oracle Internet Directory内の削除済インスタンスのエントリ 

Deconfigツール 

インストーラでは、個々のコンポーネントをカスタムで削除することはできません。

D.3 OracleAS Cold Failover Clusterインストールの削除

OracleAS Cold Failover Clusterインストールを削除する場合は、次の手順を実行します。

  1. 環境を監視およびフェイルオーバーするクラスタウェア・エージェントまたはパッケージを停止します。詳細は、クラスタウェアのドキュメントを参照してください。

  2. この付録で説明している手順を実行します。

リソースをオフラインにしなかった場合、Oracle Fail Safeによってクラスタウェア・エージェントのフェイルオーバーが試行されるため、削除中にインストーラがハングします。

D.4 OracleAS Cluster(Identity Management)のOracleAS Single Sign-Onインスタンスの削除

複数のOracleAS Single Sign-Onインスタンスを同じOracle Internet Directoryの1つのクラスタにインストールした場合で、そのうちいくつかのインスタンスを削除するが、他のインスタンスは実行したままにするには、Deconfigツールを実行する前に次の手順を実行します。

削除するOracleAS Single Sign-OnインスタンスがOracle Internet Directoryにインストールした最後のインスタンスである場合は、この手順を実行する必要はありません。かわりに、D.6項「OracleAS Infrastructureの削除」の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME/deconfig/DeconfigWrapper.propertiesファイルを開いて編集します。

  2. SSO=」で始まる行を検索します。たとえば、次のような行です。

    SSO=/OraHome_1/jdk/bin/java -jar /OraHome_1/sso/lib/ossoca.jar deinstall /OraHome_1 
    "%OID_USER%" %OID_PASSWORD%
    
    
  3. 行の先頭にシャープ(#)文字を追加して、行をコメント・アウトします。前述の例では、行は次のように変更されます。

    # SSO=/OraHome_1/jdk/bin/java -jar /OraHome_1/sso/lib/ossoca.jar deinstall 
    /OraHome_1 "%OID_USER%" %OID_PASSWORD%
    
    

ファイルを変更してから、D.6項「OracleAS Infrastructureの削除」の手順を実行して、削除を完了します。

D.5 OracleAS Cluster(Identity Management)の削除

OracleAS Cluster(Identity Management)を削除するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Single Sign-Onを含むすべてのインスタンス(インストールされている最後のインスタンス以外)を削除します。D.4項「OracleAS Cluster(Identity Management)のOracleAS Single Sign-Onインスタンスの削除」の手順を使用して、削除を実行します。

  2. D.6項「OracleAS Infrastructureの削除」の手順を使用して、最後のOracleAS Single Sign-Onインスタンスを削除します。

  3. 分散OracleAS Cluster(Identity Management)を使用している場合は、D.6項「OracleAS Infrastructureの削除」の手順を使用してOracle Internet Directoryインスタンスを削除します。

  4. すべてのインスタンスを削除してから、dcmctl removeclusterコマンドを実行して、そのファームからOracleAS Cluster(Identity Management)を削除します。

    prompt> $ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl removecluster -cl cluster_name
    
    

D.6 OracleAS Infrastructureの削除

この項では、OracleAS Infrastructureインスタンスを削除する方法について説明します。

D.6.1 削除の順序

OracleAS Infrastructureインスタンスには、すべてのOracleAS Infrastructureコンポーネントが含まれます。OracleAS Infrastructureの分散インストールを実行した場合は、コンポーネントのサブセットのみが含まれます。次に、一般的なシナリオおよび削除の順序を示します。

Oracle Identity ManagementとOracleAS Metadata Repositoryインスタンスが存在する場合、削除するインスタンスは1つのみです。

Oracle Identity ManagementとOracleAS Metadata Repositoryを別々にインストールした場合は、次の手順を実行します。

  1. Oracle Identity Managementインスタンスを削除します。

  2. OracleAS Metadata Repositoryを削除します。

分散Oracle Identity Managementが存在する場合は、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Services、Oracle Directory Integration PlatformまたはOCA(あるいはこれらのすべて)が実行されているインスタンスを削除します。

  2. Oracle Internet Directoryが実行されているインスタンスを削除します。

  3. OracleAS Metadata Repositoryを削除します。

D.6.2 削除の手順

  1. 削除するインスタンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスにOCAが構成されている場合は、次のコマンドを実行します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oca/bin/ocactl stop
    prompt> $ORACLE_HOME/oca/bin/cmdeinst ocaAdminPassword oidAdminPassword
    
    

    ocaAdminPasswordは、OCA管理者のパスワードに置き換えます。

    oidAdminPasswordは、OCAをインストールしたOracle Internet Directoryユーザーのパスワードに置き換えます。ユーザーは、次のグループに属している必要があります。

    • 信頼できるアプリケーションの管理者

    • iAS Admins

    • OCAが使用するメタデータ・リポジトリ用のリポジトリ所有者グループ

    ocactl stopコマンドで、OCAサービスを停止します。cmdeinstコマンドで、次の操作を行います。

    • Oracle Internet DirectoryからのOCAエントリの削除

    • ocaスキーマの表からのデータの削除

    • インストール時にOCA Configuration Assistantによって作成されたOCAファイルの削除

  3. 削除するインスタンスでOracle Directory Integration Platformが構成され、実行されている場合は、Oracle Directory Integration Platformサーバーを停止します。

    Oracle Internet Directoryが実行されていることを確認します。

    次のコマンドを実行して、Oracle Directory Integration Platformを停止できます。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> oidctl connect=db_connect_string server=odisrv instance=1 stop
    
    

    db_connect_stringは、ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraファイルに示されているTNSの別名です。

    追加で起動したOracle Directory Integration Platformサーバーも停止する必要があります。詳細は、『Oracle Identity Management統合ガイド』を参照してください。

  4. Oracle Internet Directoryがレプリカとして構成されている場合は、このノードをディレクトリ・レプリケーション・グループ(DRG)から削除する必要があります。この手順については、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の第25章「Oracle Internet Directoryレプリケーションの管理」を参照してください。

  5. Deconfigツールを実行します。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl [parameters]
    
    

    パラメータの詳細は、D.1項「Deconfigツール」を参照してください。

    注意: Oracle Internet DirectoryまたはOracleAS Single Sign-Onのコンポーネントを含むインスタンスを削除する場合は、Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)としてDeconfigツールを実行する必要があります。インスタンスにOracle Internet DirectoryまたはOracleAS Single Sign-Onが含まれていない場合は、表5-4で説明したとおり、適切な権限を持つユーザーとしてツールを実行する必要があります。

  6. インストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  7. インストーラで次の手順に従います。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択して、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除対象として選択したコンポーネントを確認します。「はい」をクリックして、続行します。

    4. 「削除の進行状況」画面: 削除の進行状況を監視します。

    5. 削除が完了したら、インストーラを終了します。

  8. 削除済インスタンスのOracleホーム・ディレクトリの残りのファイルをすべて削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    
  9. 削除したインフラストラクチャ・インスタンスの行を/etc/oratabファイルから削除します。

    ファイルの終わりにかけて、Oracleホーム・ディレクトリを指定する行を確認する必要があります。メタデータ・リポジトリを含むインフラストラクチャ・インスタンスを削除している場合は、ファイル内に次の2つの行があります。

    • *で始まる行

    • データベースのSIDで始まる行

    両方の行を削除する必要があります。

    たとえば、インフラストラクチャ・インスタンスが/private1/infraにインストールされ、そのインスタンスにSIDがorclであるメタデータ・リポジトリが含まれている場合、行は次のようになります。

    orcl:/private1/infra:N
    *:/private1/infra:N
    
    

D.7 ログ・ファイルで発生する害のないエラー

J2EE and Web CacheまたはPortal and Wirelessのインスタンスを削除した後にoraInstalltimestamp.errファイルで発生する場合がある「ファイルを削除できません」および「Makeファイルが見つかりません。」エラーは、害のないエラー・メッセージです。

Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime. oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime.
...
Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to delete file 
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to delete file
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
at instantiateFileEx.deinstallAction(instantiateFileEx.java:935)
...
Ignoring Exception during de-installoracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
at ssmakeux.deinstallAction(ssmakeux.java:246)
...

D.8 Oracle Application Serverプロセスのクリーンアップ

インストールを開始する前にOracle Application Serverプロセスのシャットダウンを忘れた場合は、これらのプロセスのファイルが削除されるため、プロセスを停止する必要があります。実行中のプロセスがあるかどうか確認するには、psコマンドを実行します。

prompt> ps -ef

プロセスを停止するには、killコマンドを使用します。

prompt> kill -9 process_id

psコマンドによって、process_idを確認できます。

dcmctlシェルのプロセスをシャットダウンする必要がある場合は、「exit」と入力して、そのシェルの終了を試みることができます。

D.9 再インストール

インストーラでは、すでにOracle Application Serverインスタンスが含まれているディレクトリにOracle Application Serverインスタンスを再インストールすることはできません。同じディレクトリにOracle Application Serverを再インストールするには、そのディレクトリを一度削除してから、インストールする必要があります。

D.10 トラブルシューティング

削除の一般的な問題については、F.4項「削除の問題および解決策」を参照してください。


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