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Oracle Application Serverインストレーション・ガイド
10g (10.1.4.0.1) for Microsoft Windows

B31479-02
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8 高可用性環境へのインストール: OracleAS Cold Failover Cluster

この章では、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster構成にインストールする方法について説明します。

8.1 OracleAS Cold Failover Cluster: 概要

OracleAS Cold Failover Cluster構成では、アクティブおよびパッシブ・ノードがあり、いずれのノードでもアクセスできる共有記憶域があります。

正常動作時は、アクティブ・ノードでOracle Application Serverプロセスが実行され、クライアントからのリクエストが処理されます。アクティブ・ノードに障害が発生すると、フェイルオーバー・イベントが発生します。パッシブ・ノードが引き継ぎ、アクティブ・ノードになります。これによって、共有記憶域がマウントされ、プロセスが実行されます。

構成

OracleAS Cold Failover Clusterは、次の構成でインストールできます。

8.1.1 対称ノードでの特別な考慮事項

クラスタのノードが対称の場合は、共有ディスクでOracleAS Cold Failover Clusterを構成する際に、より高速な手順の実行を選択できます。

次の情報を確認して、クラスタの2つのノードが対称かどうかを確認してください。

次のものが同じ場合、OracleAS Cold Failover Clusterの2つのノードは対称です。

8.2 OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順

Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールする前に、次の手順を実行します。

8.2.1 Event Logサービスの実行の確認

クラスタ内の両方のノード上で、Event Logサービスが実行されている必要があります。これは、「サービス」ダイアログ・ボックスで確認できます。「サービス」ダイアログ・ボックスを表示するには、次の手順を実行します。

8.2.2 クラスタの仮想アドレスの取得

クラスタに関連付ける仮想アドレスが必要です。仮想アドレスは、仮想ホスト名およびIPアドレスで構成されます。クライアントは、仮想ホスト名を使用してOracleAS Cold Failover Clusterにアクセスします。各ノードには、ノード自体のホスト名およびIPアドレスに加えて、仮想アドレスが必要です。図8-13に、クラスタ内の2つのノードの仮想アドレスを示します。

仮想アドレスを取得するには、ネットワーク管理者に連絡してください。仮想ホスト名と仮想IPアドレスは、クラスタを含むサブネットのコンテキスト内で有効な任意のホスト名およびIPアドレスです。


注意:

仮想ホスト名と仮想IPアドレスは、アクティブ・ノードにのみマップします。仮想ホスト名とIPアドレスを同時にアクティブ・ノードとセカンダリ・ノードの両方にマップしないでください。フェイルオーバー時にのみ、アクティブ・ノードになったセカンダリ・ノードに仮想ホスト名と仮想IPアドレスをマップします。 


8.2.3 両方のノードへのMicrosoft Cluster Server(MSCS)のインストールの確認

MSCSがコンピュータにインストールされていることを確認するには、「スタート」メニューから「クラスタ アドミニストレータ」を起動できることを確認します。

Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

MSCSが使用するクラスタIPアドレスおよびクラスタ名は、前述の手順で作成した仮想IPおよび仮想ホスト名とは異なります。

8.2.4 クラスタの名前の確認

クラスタ・アドミニストレータを使用すると、クラスタの名前を確認できます。

8.2.5 Oracle Fail Safeを管理するドメイン・ユーザーの決定

OracleMSCSServicesサービスを所有するドメイン・ユーザーが必要です。このサービスは、Oracle Fail Safeのインストール時にインストールされます。

このユーザーの要件は、次のとおりです。

Oracle Fail Safeのインストール時に、domainname¥username形式を使用して、ドメインおよびユーザーを指定します。Microsoft Windows 2000のドメインを実行している場合は、username@dnsDomainName形式を使用することもできます。

8.2.6 各ノードのローカル記憶域へのOracle Fail Safeのインストール

両方のノードのローカル記憶域にOracle Fail Safeをインストールする必要があります。たとえば、図8-13では、両方のノードのC:¥Oracle¥OFSに、Oracle Fail Safeがインストールされています。

Oracle Fail Safeは、Oracle Application Serverに付属しています。Oracle Fail Safeは、Oracle Fail SafeのCD-ROMからインストールできます。

両方のノードへOracle Fail Safeをインストールする手順の概要

各ノードにOracle Fail Safeをインストールする手順の概要は、次のとおりです。

  1. Oracle Fail Safeのインストールを開始する前に、OracleMSCSServicesサービスを所有するドメインおよびユーザーを知っておく必要があります。このサービスは、Oracle Fail Safeのインストール時にインストールされます。このユーザーの詳細は、8.2.5項「Oracle Fail Safeを管理するドメイン・ユーザーの決定」を参照してください。

  2. ノード1にOracle Fail Safeをインストールします。詳細は、「Oracle Fail Safeのインストール手順」を参照してください。

  3. ノード1を再起動します。

  4. ノード2にOracle Fail Safeをインストールします。

  5. ノード2を再起動します。

  6. Oracle Fail Safe Managerを使用して、クラスタを検証します。

Oracle Fail Safeのインストール手順

この項では、Oracle Fail Safeのインストールに使用する画面について説明します。画面の詳細は、『Oracle Fail Safeインストレーション・ガイド』を参照してください。

  1. Oracle Fail SafeのCD-ROMを挿入します。setup.exeをダブルクリックして、インストーラを起動します。

  2. 「ようこそ」画面: 「次へ」をクリックします。

  3. 「ファイルの場所の指定」画面:

    名前: このOracleホームの名前を入力します。たとえば、ofsと入力します。

    パス(「インストール先」セクション内): Oracle Fail Safeのインストール先をフルパスで入力します。Oracle Fail Safeは、ローカル記憶域にインストールする必要があります。たとえば、C:¥oracle¥OFSと入力します。

    次へ」をクリックします。

  4. 「インストール・タイプの選択」画面: 「標準」を選択して「次へ」をクリックします。

    次のコンポーネントがインストールされます。

    • Oracle Fail Safe Manager

    • Oracle Services for MSCS

  5. 「インストール終了後リブートしてください」画面: この画面では、インストール終了後にコンピュータを再起動する必要があることを示すメッセージが表示されます。「次へ」をクリックします。

  6. 「サマリー」画面: 「インストール」をクリックします。

  7. 「Oracle Services for MSCS アカウント/パスワード」画面:

    ドメイン¥ユーザー名: OracleMSCSServicesサービスを実行するドメイン名およびユーザー名を入力します。

    パスワード」および「パスワードの確認」: ユーザーのパスワードを指定して、確認します。

    OK」をクリックします。

  8. 「Configuration Assistant」画面: この画面には、Configuration Assistant実行時の進捗状況が表示されます。

  9. 「インストールの終了」画面: 「終了」をクリックします。

クラスタの検証

Oracle Fail Safeのインストール後、Oracle Fail Safe Managerを使用してクラスタを検証します。

  1. 「スタート」メニューからOracle Fail Safe Managerを起動します。

    スタート」→「プログラム」→「Oracle - OracleHomeName」→「Oracle Fail Safe Manager」を選択します。

    ここで、OracleHomeNameは、Oracle Fail SafeをインストールしたOracleホームの名前です。

  2. 「ツリーにクラスタを追加」ダイアログ・ボックスの「クラスタ別名:」に、クラスタ名を入力します(図8-1)。クラスタ名は、クラスタ・アドミニストレータを使用して定義します。「OK」をクリックします。

    図8-1    Oracle Fail Safe Manager: 「ツリーにクラスタを追加」ダイアログ・ボックス


    画像の説明

  3. 左フレームでクラスタを選択します。「ようこそ」ダイアログ・ボックスが表示されます(図8-2)。この図では、「FSWIN-CLU1」がクラスタ名です。

    クラスタの検証」をクリックします。

    Oracleソフトウェアに関連する警告が表示される場合があります。この警告は、クラスタにまだ製品がインストールされていないために表示されます。この警告は無視できます。ただし、システム警告が表示された場合は、調査する必要があります。

    図8-2    Oracle Fail Safe Manager: 「ようこそ」ダイアログ・ボックスおよび「クラスタの検証」


    画像の説明

8.2.7 Oracle Fail Safeのグループの作成

Oracle Fail Safeのグループとは、スタンバイ・ノードに一括してフェイルオーバーされるリソースの論理的な集合です。OracleAS Cold Failover ClusterにOracleAS Infrastructureをインストールする前に、Oracle Fail Safe Managerを使用してグループを作成し、そのグループに次のリソースを追加する必要があります。

表8-1    OracleAS Infrastructureのインストール前にグループに追加するリソース 
グループに追加するリソース  使用するツール 

仮想ホストのIP 

Oracle Fail Safe Manager 

仮想ホスト名 

Oracle Fail Safe Manager 

共有ディスク 

クラスタ・アドミニストレータ 

グループを作成および設定するには、次の手順を実行します。この手順を実行すると、(フェイルオーバー・ポリシーやフェイルバック・ポリシー用の)デフォルト属性を持つグループが作成されます。これらの属性は、必要に応じて後で変更できます。詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』およびOracle Fail Safeのドキュメントを参照してください。

  1. 「スタート」メニューからOracle Fail Safe Managerを起動します。

    スタート」→「プログラム」→「Oracle - OracleHomeName」→「Oracle Fail Safe Manager」を選択します。

    ここで、OracleHomeNameは、Oracle Fail SafeをインストールしたOracleホーム・ディレクトリの名前です。

  2. 左側でクラスタを展開します。

  3. グループ」を右クリックし、ポップアップ・メニューから「作成」を選択します。グループの作成ウィザードが起動されます。

  4. グループの作成ウィザードの画面に従って、「OracleAS」というグループを作成します。

    1. 「一般: ステップ1」画面: インフラストラクチャ・リソースのグループ名を入力し、「次へ」をクリックします。このマニュアルでは、「OracleAS」というグループを使用します。

      図8-3    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「一般: ステップ1」画面


      画像の説明

    2. 「フェイルバック・ポリシー: ステップ2」画面: 「フェイルバックしない」を選択して、「次へ」をクリックします。

      図8-4    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「フェイルバック・ポリシー: ステップ2」画面


      画像の説明

    3. 「グループ作成の終了」画面: 情報を確認して、「OK」をクリックします。

      図8-5    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「グループ作成の終了」画面


      画像の説明

    4. 「仮想アドレスの追加」画面: 「はい」をクリックします。

      図8-6    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「仮想アドレスの追加」画面


      画像の説明

    5. 「リソースをグループに追加 - 仮想アドレス」画面:

      クライアントからアクセス可能なネットワークの表示」を選択します。

      ネットワーク: ノードのプライマリ・ネットワーク・インタフェース・カードに関連付けられている名前を選択します。デフォルトでは、これは「ローカル・エリア接続」です。

      ホスト名: 仮想ホスト名を入力します。たとえば、vhostを入力します。

      IPアドレス: 仮想ホスト名のIPを入力します。たとえば、138.2.229.77を入力します。

      次へ」をクリックします。

      図8-7    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「リソースをグループに追加 - 仮想アドレス」画面


      画像の説明

    6. 「仮想アドレスのグループへの追加の完了」画面: 情報を確認して、「OK」をクリックします。

      図8-8    Oracle Fail Safe Manager: グループの作成ウィザードの「仮想アドレスのグループへの追加の完了」画面


      画像の説明

  5. Oracle Fail Safe Manager(図8-9)で、作成したグループが表示されていること、およびそのグループに次の2つのリソースが定義されていることを確認します。

    • 仮想ホストのIPアドレス

    • 仮想ホスト名(ネットワーク名として表示)

      図8-9    Oracle Fail Safe Managerでの新しいグループのリソースの表示


      画像の説明

  6. クラスタ・アドミニストレータを使用して、OracleAS Infrastructureをインストールする共有ディスクを、Oracle Fail Safe Managerで作成したグループに移動します。

    1. 「スタート」メニューからクラスタ・アドミニストレータを起動します。

      Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

      Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

    2. 左側で、共有ディスクを含むディスク・グループを選択します。図8-10では、Disk Iが共有ディスクです。

      左側の「OracleAS」グループに注意してください。これは、Oracle Fail Safe Managerで作成したグループです。

      図8-10    クラスタ・アドミニストレータでの共有ディスクの表示


      画像の説明

    3. 右側の共有ディスク(この例ではDisk I)を左側の「OracleAS」グループへドラッグ・アンド・ドロップします。確認を求めるダイアログ・ボックスが表示されたら(図8-11)、「はい」をクリックします。

      図8-11    クラスタ・アドミニストレータ: 「Move Resources」ダイアログ・ボックス


      画像の説明

  7. Oracle Fail Safe Managerで、グループに共有ディスクが追加されたことを確認します。

    図8-12    グループへ共有ディスクを追加した後のOracle Fail Safe Managerの表示


    画像の説明

8.2.8 既存のデータベースのlistener.oraファイルの変更

OracleAS Metadata Repositoryが含まれるインストールをインストールおよび実行中のシステムに既存のデータベースが存在する場合は、インストールを続行する前に既存のデータベースのlistener.oraファイルを変更する必要があります。listener.oraファイルを変更するには、次の手順を実行します。

  1. 既存のデータベースにORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数が設定されていることを確認します。

  2. データベースのリスナーを停止します。

    C:¥> lsnrctl stop
    
    
  3. 次の場所にあるlistener.oraファイルを開きます。

    ORACLE_HOME¥network¥admin¥listener.ora
    
    

    ORACLE_HOMEは、既存のデータベースのホームです。

  4. ファイルでLISTENERエントリを検索します。

    LISTENER =
      (DESCRIPTION_LIST =
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS_LIST =
            (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = db_hostname)(PORT = db_port))
          )
    ...
    
    

    この例では、db_hostnameは既存のデータベースの完全修飾されたホスト名で、db_portは既存のデータベースのポートです。

  5. ADDRESSエントリを、新しいOracle Application ServerインスタンスのADDRESS_LISTエントリに追加します。

    LISTENER =
      (DESCRIPTION_LIST =
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS_LIST =
            (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = db_hostname)(PORT = db_port))
            (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = new_hostname)(PORT = new_port))
          )
    ...
    
    

    この例では、new_hostnameは新しいOracle Application Serverインスタンスの完全修飾されたホスト名で、new_portは新しいOracle Application Serverインスタンスのポートです。データベース・リスナーが競合していないことを確認する方法については、2.4.5.1項「ポート1521が既存のOracleデータベースで使用されている場合」を参照してください。

  6. 既存のデータベースのリスナーを起動します。

    C:¥> lsnrctl start
    
    

8.3 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール

図8-13に、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。

図8-13    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成


画像の説明

この図では、次のことが示されています。

正常動作時には、1つのノード(ノード1)がアクティブ・ノードとして機能します。このノードは、共有記憶域をマウントしてOracleAS Infrastructureファイルにアクセスし、OracleAS Infrastructureプロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、MSCSはOracleAS Infrastructureプロセスを他のノード(「ノード2」)にフェイルオーバーし、このノードがアクティブ・ノードになります。このノードは、共有記憶域をマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

これらのノードは、仮想アドレスを使用することによって、クライアントからは1つのコンピュータとして認識されます。中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Infrastructureにアクセスするために、クラスタに関連付けられた仮想アドレスを使用します。仮想アドレスは、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(ノード1またはノード2)がリクエストを処理しているかをクライアントが認識する必要はありません。

インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用します。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホスト名である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:80 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:18100 

ソフトウェアの場所

表8-2に、次のストレージ・デバイス上での主要ソフトウェアの場所を示します。

表8-2    Infrastructureノードのソフトウェア 
ソフトウェア  インストール場所 

Oracle Fail Safeリリース3.3.3 

各ノードのローカル記憶デバイス 

Microsoft Cluster Server(MSCS) 

各ノードのローカル記憶デバイス 

OracleAS Infrastructure 

共有記憶デバイス 

MSCS要件

これらのノードではMSCSが使用されるため、ノードがMSCSのハードウェア要件を満たしていることを確認してください。詳細は、Microsoft社のWebサイト(http://www.microsoft.com)を参照してください。


注意:

ノードではMSCSが使用されるため、ノードのIPアドレスは静的である必要があります。DHCPは使用できません。 


Oracle Application Server 中間層

他のノード(OracleAS Infrastructureを実行していないノード)に中間層をインストールして実行できます。インストール時に、共有記憶デバイスにインストールしたOracleAS Infrastructureからのサービスを使用するように中間層を設定します。

また、中間層のOracleAS Cold Failover Cluster構成を使用せずに、クラスタ・ノードに中間層をインストールして実行することもできます。この場合、通常のインストール手順を使用して中間層をインストールします。これを行う場合、フェイルオーバーの発生時に中間層のポートがOracleAS Infrastructureのポートと競合しないことを確認します。

8.3.1 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の概要

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。


注意:

クラスタのノードが非対称の場合は、OracleAS Infrastructureをノード1とノード2からそれぞれ1回ずつ、合計2回インストールする必要があります。これにより、各ノードのローカル記憶域は適切な情報(Windowsレジストリやインベントリ情報など)で更新されます。

OracleAS Infrastructureをノード2からインストールする前に、ノード1からインストールしたファイルを削除する必要があります。 


表8-3    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール 

この手順では、ノード1からインストーラを実行して、共有ドライブにOracleAS Infrastructureをインストールします。 

3. 

ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、OracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

4. 

ノード2の構成 

この手順では、Windowsレジストリ、Oracle InventoryおよびServicesをノード2で構成します。ノード1および2が対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順に従います。ノード1および2が非対称の場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順に従います。 

5. 

ノード2の再起動 

ノード2を再起動します。 

6. 

ノード2へのグループの移動 

ノード2のコントロールの下へ、作成したOracle Fail Safeグループを移動します。 

7. 

ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始 

ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。 

8. 

インストールの検証 

OracleAS Metadata Repository、OPMNおよびApplication Server Controlの高可用性設定を行う前に、Application Server Controlにアクセスして、OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを確認します。 

9. 

データベースのpfileの作成 

OracleAS Metadata Repositoryデータベースのpfile(パラメータ・テキスト・ファイル)を作成します。このpfileはOracle Fail Safeによって使用されます。 

10. 

OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。 

11. 

リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加 

この手順を実行すると、リスナーによるフェイルオーバーが正常に行われるようになります。 

12. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

13. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

14. 

正しいリスナーがアクティブであることの確認 

この時点で、リスナーは2つです。正しい方が実行されていることを確認します。 

8.3.2 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の詳細

この項では、OracleAS InfrastructureをOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成でインストールするための手順を示します。

手順1    インストール前の手順の実行

8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)では、「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementの両方を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

OracleAS Infrastructureのインストールを計画しているシステムに既存のOracle Application Server 10g データベースが存在する場合は、インストール前に8.2.8項「既存のデータベースのlistener.oraファイルの変更」の手順を実行する必要があることに注意してください。

注意:

インストーラの画面

インストーラを実行し、表8-4に示す一連の画面に従います。

表8-4    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)へのOracleAS Infrastructureのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

  • 「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management and Metadata Repository」を選択します。

 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択します。

Oracle Directory Integration Platform」を選択します。

認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

5. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

6. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

7. 

OCAの画面 

「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、4.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 

8. 

データベース構成オプションの指定 

グローバル・データベース名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースの名前を入力します。ドメイン名をデータベース名に追加します。グローバル・データベース名でのこのドメイン名は、ご使用のネットワーク・ドメイン名とは異なる名前にすることができます。

グローバル・データベース名のドメイン名の部分には、次のネーミング制限があります。

  • 英数字、アンダースコア(_)、マイナス(-)およびシャープ(#)文字のみを使用できます。

  • 最大128文字です。

グローバル・データベース名のデータベース名の部分には、次のネーミング制限があります。

  • 英数字のみを使用できます。

  • 最大8文字です。

  • PORTまたはHOSTを大文字で使用することはできません。「host」または「port」を含む名前にする場合は、小文字を使用します。

例: orcl.mydomain.com

注意: 2つ以上のピリオドを一緒に入力しないでください(例: orcl.mydomain.com)。これに関してインストーラはチェックを行わないので、後で、これがインストール・プロセス中のエラーの原因になります。

SID: OracleAS Metadata Repositoryデータベースのシステム識別子を入力します。通常、これはグローバル・データベース名と同じですが、ドメイン名は含まれません。SIDは、すべてのデータベースで一意である必要があります。

SIDには、次のネーミング制限があります。

  • 英数字のみを使用できます。

  • 最大8文字です。

  • PORTまたはHOSTを大文字で使用することはできません。「host」または「port」を含む名前にする場合は、小文字を使用します。

例: orcl

データベース・キャラクタ・セット: 使用するキャラクタ・セットを選択します。4.15項「NE8ISO8859P10およびCEL8ISO8859P14キャラクタ・セットのサポート」も参照してください。

データベース・ファイルの場所: データ・ファイル・ディレクトリの親ディレクトリへのフルパスを入力します。この親ディレクトリはすでに存在している必要があり、このディレクトリへの書込み権限を所有している必要があります。

インストーラによって、この親ディレクトリにサブディレクトリが作成されます。サブディレクトリはSIDと同じ名前になります。データ・ファイルは、このサブディレクトリに配置されます。

たとえば、/u02/oradataと入力し、SIDがorclである場合、データ・ファイルは/u02/oradata/orclに配置されます。

次へ」をクリックします。 

9. 

データベース・スキーマのパスワードの指定 

権限付きデータベース・スキーマ(SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMP)のパスワードを設定します。各スキーマに対して異なるパスワードを設定することも、すべてのスキーマに同じパスワードを設定することもできます。

これらのアカウントのパスワードの設定規則については、4.14項「SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMPユーザー用のパスワードの制限」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

10. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.4項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: infra

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを入力して、確認します。これはこのインフラストラクチャ・インスタンスの管理ユーザーです。

パスワードの要件については、3.5項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

11. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順3    ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>TNSListener

    • OracleService<SID>

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順4    ノード2の構成

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストール中のノードが対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順を実行してノード2を構成します。ノードが対称でない場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順を実行する必要があります。ノードが対称かどうかを確認するには、8.1.1項「対称ノードでの特別な考慮事項」を参照してください。

パートA - ノードが対称の場合

  1. ノード1からのOracleレジストリ設定のエクスポート

    1. ノード1で、Windowsの「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」を選択し、表示されるテキスト・フィールドにregeditと入力します。

    2. WindowsレジストリでHKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleエントリを検索して選択します。

    3. レジストリ」メニューから「レジストリ ファイルの書き出し」を選択します。

    4. 表示されるダイアログ・ボックスで、「選択された部分」ラジオ・ボタンが選択されており、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleが選択されていることを確認します。

    5. エクスポートしたレジストリ・ファイルの名前を入力して、「保存」をクリックします。

      たとえば、oracle_registry_entriesと入力します。

      レジストリ・ファイルはローカル・ディスクまたは共有ディスクのいずれかに保存できることに注意してください。ローカル・ディスクに保存する場合、ファイルをノード2にコピーする必要があります。

  2. ノード1からノード2へのOracle Inventoryのコピー

    Oracle Universal Installerのインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。ただし、これらの製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされている場合にかぎります。

    Oracleインベントリ情報は、Extensible Markup Language(XML)形式で、ホストの単一ディレクトリ構造に格納されます。通常、このインベントリはWindows Systemsの次のディレクトリにあります。

    C:¥Program Files¥Oracle¥Inventory
    
    

    インベントリの場所は、Windowsレジストリで次のレジストリ・キーを選択し、文字列inst_locの値を表示して検出できます。

    ¥¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥¥Software¥Oracle¥
    
    

    Oracleインベントリをノード2にコピーするには、ディレクトリ全体(C:¥Program Files¥Oracle¥Inventoryなど)を選択し、ノード2の同じ場所にコピーします。

  3. ノード2でのWindowsレジストリへのレジストリ設定のインポート

    1. ノード2にログインします。

    2. ノード1からレジストリ・エントリをエクスポートした際に作成したoracle_registry_entries.regファイルをダブルクリックします。

    3. レジストリ・エントリを追加するように要求されたら、「はい」をクリックします。

  4. 10g (10.1.4.0.1)に必要なWindowsサービスの作成および開始

    ノード2でWindowsサービスを作成する場合、SCツール(sc.exe)を使用できます。これは、Microsoft社から提供されるサービス・コントロール管理ツールです。


    注意:

    この手順を実行する前に、使用するsc.exeプログラムのバージョンがバージョン5.0.2134.1以上であることを確認してください。詳細は、Microsoft社のWebサイトを参照してください。 


    SCツールを使用して、ノード2に必要なサービスを作成します。SCツールでは各オプションの後にスペースが必要なことに注意してください。

    1. Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN):

      sc create Oracle<home name>ProcessManager 
            binPath= "ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      

      次に例を示します。

      sc create OracleINFRAProcessManager
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      
    2. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control:

      sc create Oracle<home name>ASControl 
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      

      次に例を示します。

      sc create OracleINFRAASControl
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      
    3. OracleAS Metadata Repositoryデータベース・リスナー:

      sc create Oracle<home name>TNSListener
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥TNSLSNR"
      
      

      次に例を示します。

      sc create OracleINFRATNSListener
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥TNSLSNR"
      
      
    4. OracleAS Metadata Repositoryデータベース:

      sc create OracleService<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥oracle.exe oracle_sid"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。次に例を示します。

      sc create OracleServiceORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥ORACLE.EXE ORCL"
      
      
    5. データベース・コンソール:

      sc create OracleDBConsole<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。次に例を示します。

      sc create OracleDBConsoleORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc"
      
      
    6. Oracle Job Scheduler:

      sc create OracleJobScheduler<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥extjob.exe oracle_sid"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。次に例を示します。

      sc create OracleJobSchedulerORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥extjob.exe ORCL"
      
      
  5. 必要なパスのPATH環境変数への追加

    「システム」コントロール パネルを使用して、次のパスをWindowsのPATH変数の先頭に追加します。

    %ORACLE_HOME%¥bin;%ORACLE_HOME%¥jlib;
    
    

    関連項目:

    ご使用のWindows PlatformのPATH変数を設定する方法については、Windowsのオンライン・ヘルプを参照してください。 

  6. グローバル環境変数の作成

    「システム」コントロール パネルを使用して、ORACLE_HOSTNAME環境変数を作成し、値に仮想ホスト名を設定します。

    環境変数の設定方法については、2.6.1項「環境変数の設定方法」を参照してください。

  7. データベース・インスタンスの削除

    ノード1で次のコマンドを実行して、OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを削除します。

    F:¥oracle¥bin> oradim -delete -sid sid
    
    
  8. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

パートB - ノードが非対称の場合

2つのノードが対称でない場合は、次の手順を実行してノード2を構成します。

  1. データベース・インスタンスの削除

    ノード1で次のコマンドを実行して、OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを削除します。

    F:¥oracle¥bin> oradim -delete -sid sid
    
    
  2. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

  3. Oracleホームの削除

    ノード2から、共有ディスク上の次のディレクトリを削除します。

    • OracleAS InfrastructureをインストールしたOracleホーム・ディレクトリ

    • データベース・ファイルをインストールしたディレクトリ

    ノード2からインストールを実行すると、これらのディレクトリにファイルがインストールされるため、これらのディレクトリを削除しておく必要があります。次の手順を参照してください。

  4. ノード2からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール

    OracleAS Infrastructureを共有ドライブに再度インストールします。ただし、今回は、ノード2からインストールを実行します。ノード1からインストールを実行したときに使用した値と同じ値(同じOracleホームの名前とインストール先のディレクトリ、同じインスタンス名とパスワードなど)を使用します。

    インストーラによってノード2のローカル記憶域上のWindowsレジストリおよびインベントリ情報が更新されるように、ノード2からOracleAS Infrastructureをインストールする必要があります。

    具体的な手順については、「ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール」の手順2を参照してください。

手順5    ノード2の再起動

ノード2を再起動します。

ノード2の再起動中に共有ドライブはノード1にフェイルオーバーされるため、OracleAS Infrastructureサービスを開始できないことに注意してください。ノード2からは、共有ドライブにアクセスしてInfrastructureサービスを開始することはできません。

OK」をクリックします。

図8-14    ノード2の起動時のエラー・メッセージ


画像の説明

手順6    ノード2へのグループの移動

ノード2の起動後に、グループをノード2に移動します。クラスタ・アドミニストレータで、グループを右クリックして、「グループの移動」を選択します(図8-15)。

図8-15    クラスタ・アドミニストレータ: ノード2へのグループの移動


画像の説明

手順7    ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始

グループをノード2へ移動した後、ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。

  1. データベース・サービスを開始します。

    • OracleService<SID>

    • Oracle<OracleHomeName>TNSListener

  2. データベースが起動していない場合は起動します。データベースが起動しているかどうかを確認するには、SQL*Plusを使用してデータベースにログインします。

    C:¥> sqlplus "sys/password as sysdba"
    
    

    アイドル状態のインスタンスに接続されたことがSQL*Plusによって報告された場合、データベースは起動していません。SQL*Plusで次のコマンドを実行して、データベースを起動します。

    SQL> startup
    
    
  3. 残りのサービスを開始します。

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

手順8    インストールの検証

OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用(http://vhost.mydomain.com:1156など)して、OracleAS Infrastructureの「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順6.を参照)。

デフォルトのポート番号は、1156です。ポート番号は、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルを参照することによって確認できます。

手順9    データベースのpfileの作成

Oracle Fail Safeでは、データベースにpfile(データベースのパラメータが格納されているテキスト・ファイル)があることが必須です。それぞれの手順については、8.10.1項「データベースのpfileの作成」を参照してください。

手順10    OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。これによって、プライマリ・ノードに障害が発生した場合、Oracle Fail SafeがOracleAS Metadata Repositoryをセカンダリ・ノードにフェイルオーバーできるようになります。

詳細は、8.10.2項「OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定」を参照してください。

手順11    リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加

これを実行すると、リスナーによるフェイルオーバーが正常に行われるようになります。これはOracle Fail Safeを使用して実行します。詳細は、8.10.3項「リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加」を参照してください。

手順12    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順13    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

手順14    正しいリスナーがアクティブであることの確認

Oracle Fail Safeによって別のリスナーが作成されます。このリスナーは実行しておく必要があります。詳細は、8.10.7項「正しいリスナーがアクティブであることの確認」を参照してください。

8.4 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール

図8-16に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。

この構成は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをアクティブ-アクティブ構成で別のノードに個別にインストールすること以外、8.3項「OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」に示す構成と同様です。

図8-16    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成


画像の説明

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、OracleAS Metadata Repository、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformをアクティブ-パッシブ構成で実行します。

ただし、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントは、アクティブ-アクティブ構成で実行します。これらのコンポーネントを実行しているノードにリクエストを送るためのロード・バランサがあります。

8.4.1 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の概要

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。


注意:

クラスタのノードが非対称の場合は、OracleAS Infrastructureをノード1とノード2からそれぞれ1回ずつ、合計2回インストールする必要があります。これにより、各ノードのローカル記憶域は適切な情報(Windowsレジストリやインベントリ情報など)で更新されます。

OracleAS Infrastructureをノード2からインストールする前に、ノード1からインストールしたファイルを削除する必要があります。 


表8-5    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール 

この手順では、ノード1からインストーラを実行して、共有ドライブにOracleAS Infrastructureをインストールします。OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOCA以外のすべてのコンポーネントをインストールします。 

3. 

ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、OracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

4. 

ノード2の構成 

この手順では、Windowsレジストリ、Oracle InventoryおよびServicesをノード2で構成します。ノード1および2が対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順に従います。ノード1および2が非対称の場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順に従います。 

5. 

ノード2の再起動 

ノード2を再起動します。 

6. 

ノード2へのグループの移動 

ノード2のコントロールの下に、Oracle Fail Safeで作成したグループを移動します。 

7. 

ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始 

ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。 

8. 

インストールの検証 

OracleAS Metadata Repository、OPMNおよびApplication Server Controlの高可用性設定を行う前に、Application Server Controlにアクセスして、OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを確認します。 

9. 

データベースのpfileの作成 

Oracle Fail Safeのpfile(パラメータ・テキスト・ファイル)を作成します。 

10. 

OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。 

11. 

リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加 

この手順を実行すると、リスナーによるフェイルオーバーが正常に行われるようになります。 

12. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

13. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

14. 

正しいリスナーがアクティブであることの確認 

この時点で、リスナーは2つです。正しい方が実行されていることを確認します。 

15. 

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール 

この手順では、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールします。 

8.4.2 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementコンポーネントの両方(OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOCAを除く)を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

手順は、「構成オプションの選択」画面で「OracleAS Single Sign-On」、「OracleAS Delegated Administration Service」および「OracleAS Certificate Authority (OCA)」を選択しないこと以外は、手順2「ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。

手順3    ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>TNSListener

    • OracleService<SID>

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順4    ノード2の構成

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストール中のノードが対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順を実行してノード2を構成します。ノードが対称でない場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順を実行する必要があります。ノードが対称かどうかを確認するには、8.1.1項「対称ノードでの特別な考慮事項」を参照してください。

パートA - ノードが対称の場合

  1. ノード1からのOracleレジストリ設定のエクスポート

    1. ノード1で、Windowsの「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」を選択し、表示されるテキスト・フィールドにregeditと入力します。

    2. WindowsレジストリでHKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleエントリを検索して選択します。

    3. レジストリ」メニューから「レジストリ ファイルの書き出し」を選択します。

    4. 表示されるダイアログ・ボックスで、「選択された部分」ラジオ・ボタンが選択されており、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleが選択されていることを確認します。

    5. エクスポートしたレジストリ・ファイルの名前を入力して、「保存」をクリックします。

      たとえば、oracle_registry_entriesと入力します。

      レジストリ・ファイルはローカル・ディスクまたは共有ディスクのいずれかに保存できることに注意してください。ローカル・ディスクに保存する場合、ファイルをノード2にコピーする必要があります。

  2. ノード1からノード2へのOracle Inventoryのコピー

    Oracle Universal Installerのインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。ただし、これらの製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされている場合にかぎります。

    Oracleインベントリ情報は、Extensible Markup Language(XML)形式で、ホストの単一ディレクトリ構造に格納されます。通常、このインベントリはWindows Systemsの次のディレクトリにあります。

    C:¥Program Files¥Oracle¥Inventory
    
    

    インベントリの場所は、Windowsレジストリで次のレジストリ・キーを選択し、文字列inst_locの値を表示して検出できます。

    ¥¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥¥Software¥Oracle¥
    
    

    Oracleインベントリをノード2にコピーするには、ディレクトリ全体(C:¥Program Files¥Oracle¥Inventoryなど)を選択し、ノード2の同じ場所にコピーします。

  3. ノード2でのWindowsレジストリへのレジストリ設定のインポート

    1. ノード2にログインします。

    2. ノード1からレジストリ・エントリをエクスポートした際に作成したoracle_registry_entries.regファイルをダブルクリックします。

    3. レジストリ・エントリを追加するように要求されたら、「はい」をクリックします。

  4. 10g (10.1.4.0.1)に必要なWindowsサービスの作成および開始

    ノード2でWindowsサービスを作成する場合、SCツール(sc.exe)を使用できます。これは、Microsoft社から提供されるサービス・コントロール管理ツールです。


    注意:

    この手順を実行する前に、使用するsc.exeプログラムのバージョンがバージョン5.0.2134.1以上であることを確認してください。詳細は、Microsoft社のWebサイトを参照してください。 


    SCツールを使用して、ノード2に必要なサービスを作成します。SCツールでは各オプションの後にスペースが必要なことに注意してください。

    1. Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN):

      sc create Oracle<home name>ProcessManager 
            binPath= "ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAProcessManager
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      
    2. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control:

      sc create Oracle<home name>ASControl 
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAASControl
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      
    3. OracleAS Metadata Repositoryデータベース・リスナー:

      sc create Oracle<home name>TNSListener
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥TNSLSNR"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRATNSListener
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥TNSLSNR"
      
      
    4. OracleAS Metadata Repositoryデータベース:

      sc create OracleService<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥oracle.exe oracle_sid"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。たとえば、次のようになります。

      sc create OracleServiceORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥ORACLE.EXE ORCL"
      
      
    5. データベース・コンソール:

      sc create OracleDBConsole<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。たとえば、次のようになります。

      sc create OracleDBConsoleORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc"
      
      
    6. Oracle Job Scheduler:

      sc create OracleJobScheduler<oracle_sid>
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥extjob.exe oracle_sid"
      
      

      oracle_sidは大文字で指定する必要があります。たとえば、次のようになります。

      sc create OracleJobSchedulerORCL
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥extjob.exe ORCL"
      
      
  5. 必要なパスのPATH環境変数への追加

    「システム」コントロール パネルを使用して、次のパスをWindowsのPATH変数の先頭に追加します。

    %ORACLE_HOME%¥bin;%ORACLE_HOME%¥jlib;
    
    

    関連項目:

    ご使用のWindows PlatformのPATH変数を設定する方法については、Windowsのオンライン・ヘルプを参照してください。 

  6. グローバル環境変数の作成

    「システム」コントロール パネルを使用して、ORACLE_HOSTNAME環境変数を作成し、値に仮想ホスト名を設定します。

    環境変数の設定方法については、2.6.1項「環境変数の設定方法」を参照してください。

  7. データベース・インスタンスの削除

    ノード1で次のコマンドを実行して、OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを削除します。

    F:¥oracle¥bin> oradim -delete -sid sid
    
    
  8. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

パートB - ノードが非対称の場合

2つのノードが対称でない場合は、次の手順を実行してノード2を構成します。

  1. データベース・インスタンスの削除

    ノード1で次のコマンドを実行して、OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを削除します。

    F:¥oracle¥bin> oradim -delete -sid sid
    
    
  2. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

  3. Oracleホームの削除

    ノード2から、共有ディスク上の次のディレクトリを削除します。

    • OracleAS InfrastructureをインストールしたOracleホーム・ディレクトリ

    • データベース・ファイルをインストールしたディレクトリ

    ノード2からインストールを実行すると、これらのディレクトリにファイルがインストールされるため、これらのディレクトリを削除しておく必要があります。次の手順を参照してください。

  4. ノード2からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール

    OracleAS Infrastructureを共有ドライブに再度インストールします。ただし、今回は、ノード2からインストールを実行します。ノード1からインストールを実行したときに使用した値と同じ値(同じOracleホームの名前とインストール先のディレクトリ、同じインスタンス名とパスワードなど)を使用します。

    インストーラによってノード2のローカル記憶域上のWindowsレジストリおよびインベントリ情報が更新されるように、ノード2からOracleAS Infrastructureをインストールする必要があります。

    具体的な手順については、「ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール」の手順2を参照してください。

手順5    ノード2の再起動

ノード2を再起動します。

ノード2の再起動中に共有ドライブはノード1にフェイルオーバーされるため、OracleAS Infrastructureサービスを開始できないことに注意してください。ノード2からは、共有ドライブにアクセスしてInfrastructureサービスを開始することはできません。

OK」をクリックします。

図8-17    ノード2の起動時のエラー・メッセージ


画像の説明

手順6    ノード2へのグループの移動

ノード2の起動後に、グループをノード2に移動します。クラスタ・アドミニストレータで、グループを右クリックして、「グループの移動」を選択します(図8-18)。

図8-18    クラスタ・アドミニストレータ: ノード2へのグループの移動


画像の説明

手順7    ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始

グループをノード2へ移動した後、ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。

  1. データベース・サービスを開始します。

    • OracleService<SID>

    • Oracle<OracleHomeName>TNSListener

  2. データベースが起動していない場合は起動します。データベースが起動しているかどうかを確認するには、SQL*Plusを使用してデータベースにログインします。

    C:¥> sqlplus "sys/password as sysdba"
    
    

    アイドル状態のインスタンスに接続されたことがSQL*Plusによって報告された場合、データベースは起動していません。SQL*Plusで次のコマンドを実行して、データベースを起動します。

    SQL> startup
    
    
  3. 残りのサービスを開始します。

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

手順8    インストールの検証

OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用(http://vhost.mydomain.com:1156など)して、OracleAS Infrastructureの「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順6.を参照)。

デフォルトのポート番号は、1156です。ポート番号は、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルを参照することによって確認できます。

手順9    データベースのpfileの作成

Oracle Fail Safeでは、データベースにpfile(データベースのパラメータが格納されているテキスト・ファイル)があることが必須です。それぞれの手順については、8.10.1項「データベースのpfileの作成」を参照してください。

手順10    OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。これによって、プライマリ・ノードに障害が発生した場合、Oracle Fail SafeがOracleAS Metadata Repositoryをセカンダリ・ノードにフェイルオーバーできるようになります。

詳細は、8.10.2項「OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定」を参照してください。

手順11    リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加

これを実行すると、リスナーによるフェイルオーバーが正常に行われるようになります。これはOracle Fail Safeを使用して実行します。詳細は、8.10.3項「リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加」を参照してください。

手順12    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順13    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

手順14    正しいリスナーがアクティブであることの確認

Oracle Fail Safeによって別のリスナーが作成されます。このリスナーは実行しておく必要があります。詳細は、8.10.7項「正しいリスナーがアクティブであることの確認」を参照してください。

手順15    OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。

インストール前の手順

このインストールは、実際にはOracleAS Cluster(Identity Management)インストールです。このため、第9章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順を実行します。

インストール手順

手順は、9.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」に示すものと同じです。

8.5 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール

図8-19に、OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。

この構成は、別の高可用性環境にOracleAS Metadata Repositoryデータベースがあり、Oracle Identity Managementコンポーネント用にアクティブ-パッシブ構成を使用する場合に適しています。OracleAS Metadata Repositoryデータベースが格納されている共有ディスクとは異なる共有ディスクにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

構成内容は次のとおりです。

正常動作時には、プライマリ・ノードであるノード1がアクティブ・ノードです。これは、両方の共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベース・ファイルにアクセスし、Oracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でノード1が停止すると、クラスタウェアはOracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスをノード2にフェイルオーバーします。ノード2がアクティブ・ノードとなり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

OracleAS Cold Failover Cluster内のアクティブ・ノードにアクセスするには、中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Cold Failover Clusterに関連付けられた仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。

インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用することもできます。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホストの名前である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:80 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:18100 

図8-19    OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

8.5.1 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の概要

Cold Failover ClusterデータベースにOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。


注意:

クラスタのノードが非対称の場合は、OracleAS Infrastructureをノード1とノード2からそれぞれ1回ずつ、合計2回インストールする必要があります。これにより、各ノードのローカル記憶域は適切な情報(Windowsレジストリやインベントリ情報など)で更新されることが確実になります。

OracleAS Infrastructureをノード2からインストールする前に、ノード1からインストールしたファイルを削除する必要があります。 


表8-6    OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Metadata Repositoryのインストール 

既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 

3. 

Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール 

ノード1からOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。 

4. 

ノード1でのOracle Application Serverサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、OracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

5. 

ノード2の構成 

この手順では、Windowsレジストリ、Oracle InventoryおよびServicesをノード2で構成します。ノード1および2が対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順に従います。ノード1および2が非対称の場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順に従います。 

6. 

ノード2の再起動 

ノード2を再起動します。 

7. 

ノード2へのグループの移動 

ノード2のコントロールの下に、Oracle Fail Safeで作成したグループを移動します。 

8. 

ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始 

ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。 

9. 

インストールの検証 

OracleAS Metadata Repository、OPMNおよびApplication Server Controlの高可用性設定を行う前に、Application Server Controlにアクセスして、OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを確認します。 

10. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

11. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

8.5.2 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の詳細

次の手順を実行して、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成にインストールします。

手順1    インストール前の手順の実行

8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Metadata Repositoryのインストール

OracleAS RepCAを使用して、既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。データベースは、アクティブ-パッシブ構成で(通常はハードウェア・クラスタ上で)実行する必要があります。詳細は、8.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。

手順3    Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール

Oracle Identity Managementは、他の共有ディスクにインストールします。表8-7に示すインストール手順に従います。

注意:

インストーラの画面

表8-7    Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

「OracleAS Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Directory Integration Platform」を選択します。

認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

8. 

OCAの画面 

「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、4.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 

9. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.4項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: id_mgmt

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.5項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

10. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順4    ノード1でのOracle Application Serverサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順5    ノード2の構成

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストール中のノードが対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順を実行してノード2を構成します。ノードが対称でない場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順を実行する必要があります。ノードが対称かどうかを確認するには、8.1.1項「対称ノードでの特別な考慮事項」を参照してください。

パートA - ノードが対称の場合

  1. ノード1からのOracleレジストリ設定のエクスポート

    1. ノード1で、Windowsの「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」を選択し、表示されるテキスト・フィールドにregeditと入力します。

    2. WindowsレジストリでHKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleエントリを検索して選択します。

    3. レジストリ」メニューから「レジストリ ファイルの書き出し」を選択します。

    4. 表示されるダイアログ・ボックスで、「選択された部分」ラジオ・ボタンが選択されており、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleが選択されていることを確認します。

    5. エクスポートしたレジストリ・ファイルの名前を入力して、「保存」をクリックします。

      たとえば、oracle_registry_entriesと入力します。

      レジストリ・ファイルはローカル・ディスクまたは共有ディスクのいずれかに保存できることに注意してください。ローカル・ディスクに保存する場合、ファイルをノード2にコピーする必要があります。

  2. ノード1からノード2へのOracle Inventoryのコピー

    Oracle Universal Installerのインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。ただし、これらの製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされている場合にかぎります。

    Oracleインベントリ情報は、Extensible Markup Language(XML)形式で、ホストの単一ディレクトリ構造に格納されます。通常、このインベントリはWindows Systemsの次のディレクトリにあります。

    C:¥Program Files¥Oracle¥Inventory
    
    

    インベントリの場所は、Windowsレジストリで次のレジストリ・キーを選択し、文字列inst_locの値を表示して検出できます。

    ¥¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥¥Software¥Oracle¥
    
    

    Oracleインベントリをノード2にコピーするには、ディレクトリ全体(C:¥Program Files¥Oracle¥Inventoryなど)を選択し、ノード2の同じ場所にコピーします。

  3. ノード2でのWindowsレジストリへのレジストリ設定のインポート

    1. ノード2にログインします。

    2. ノード1からレジストリ・エントリをエクスポートした際に作成したoracle_registry_entries.regファイルをダブルクリックします。

    3. レジストリ・エントリを追加するように要求されたら、「はい」をクリックします。

  4. 10g (10.1.4.0.1)に必要なWindowsサービスの作成および開始

    ノード2でWindowsサービスを作成する場合、SCツール(sc.exe)を使用できます。これは、Microsoft社から提供されるサービス・コントロール管理ツールです。


    注意:

    この手順を実行する前に、使用するsc.exeプログラムのバージョンがバージョン5.0.2134.1以上であることを確認してください。詳細は、Microsoft社のWebサイトを参照してください。 


    SCツールを使用して、ノード2に必要なサービスを作成します。SCツールでは各オプションの後にスペースが必要なことに注意してください。

    1. Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN):

      sc create Oracle<home name>ProcessManager 
            binPath= "ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAProcessManager
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      
    2. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control:

      sc create Oracle<home name>ASControl 
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAASControl
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      
  5. 必要なパスのPATH環境変数への追加

    「システム」コントロール パネルを使用して、次のパスをWindowsのPATH変数の先頭に追加します。

    %ORACLE_HOME%¥bin;%ORACLE_HOME%¥jlib;
    
    

    関連項目:

    ご使用のWindows PlatformのPATH変数を設定する方法については、Windowsのオンライン・ヘルプを参照してください。 

  6. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

パートB - ノードが非対称の場合

2つのノードが対称でない場合は、次の手順を実行してノード2を構成します。

  1. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

  2. Oracleホームの削除

    ノード2から、共有ディスク上の次のディレクトリを削除します。

    • OracleAS InfrastructureをインストールしたOracleホーム・ディレクトリ

    • データベース・ファイルをインストールしたディレクトリ

    ノード2からインストールを実行すると、これらのディレクトリにファイルがインストールされるため、これらのディレクトリを削除しておく必要があります。次の手順を参照してください。

  3. ノード2からの共有ディスクへのOracle Identity Managementコンポーネントのインストール

    Oracle Identity Managementコンポーネントを共有ドライブに再度インストールします。ただし、今回は、ノード2からインストールを実行します。ノード1からインストールを実行したときに使用した値と同じ値(同じOracleホーム名とインストール先のディレクトリ、同じインスタンス名とパスワードなど)を使用します。

    インストーラによってノード2のローカル記憶域上のWindowsレジストリおよびインベントリ情報が更新されるように、ノード2からOracle Identity Managementコンポーネントをインストールする必要があります。

    具体的な手順については、「Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール」の手順3を参照してください。

手順6    ノード2の再起動

ノード2を再起動します。

ノード2の再起動中に共有ドライブはノード1にフェイルオーバーされるため、OracleAS Infrastructureサービスを開始できないことに注意してください。ノード2からは、共有ドライブにアクセスしてInfrastructureサービスを開始することはできません。

OK」をクリックします。

図8-20    ノード2の起動時のエラー・メッセージ


画像の説明

手順7    ノード2へのグループの移動

ノード2の起動後に、グループをノード2に移動します。クラスタ・アドミニストレータで、グループを右クリックして、「グループの移動」を選択します(図8-21)。

図8-21    クラスタ・アドミニストレータ: ノード2へのグループの移動


画像の説明

手順8    ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始

グループをノード2へ移動した後、ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。

  1. データベースが起動していない場合は起動します。データベースが起動しているかどうかを確認するには、SQL*Plusを使用してデータベースにログインします。

    C:¥> sqlplus "sys/password as sysdba"
    
    

    アイドル状態のインスタンスに接続されたことがSQL*Plusによって報告された場合、データベースは起動していません。SQL*Plusで次のコマンドを実行して、データベースを起動します。

    SQL> startup
    
    
  2. サービスを開始します。

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

手順9    インストールの検証

Oracle Identity Managementコンポーネントが正しくインストールされていることを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用して(http://vhost.mydomain.com:1156など)、「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順7.を参照)。

デフォルトのポート番号は、1156です。ポート番号は、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルを参照することによって確認できます。

手順10    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順11    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループにリソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

8.6 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成は、次のような場合に適しています。

図8-22に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。

この構成内容は次のとおりです。

Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platformおよびデータベースが実行されている層

この層では、正常動作時は、アクティブ・ノードが共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベースにアクセスし、Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platformおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、クラスタウェアはプロセスをセカンダリ・ノード(ノード2)にフェイルオーバーします。ノード2が新しいアクティブ・ノードになり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

中間層コンポーネントおよびアプリケーションが格納されているアクティブ・ノードやクライアントにアクセスするには、仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時はプライマリ・ノード、フェイルオーバー時はセカンダリ・ノード)に関連付けられています。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。

アクティブ・ノードにアクセスするには、URLに仮想ホスト名を使用する必要があります。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホスト名である場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:80 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:18100 

Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onが実行されている層

この層のノードはクラスタ化されないことに注意してください。両方のノードは同時にアクティブであり、ファイルは各ノードでローカルにインストールします。これらのノードにアクセスするために、クライアントはロード・バランサを介します。たとえば、ロード・バランサの名前がloadbalance1.mydomain.comである場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:80 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:18100 

図8-22    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

8.6.1 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の概要

Cold Failover Clusterデータベースに分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。


注意:

クラスタのノードが非対称の場合は、OracleAS Infrastructureをノード1とノード2からそれぞれ1回ずつ、合計2回インストールする必要があります。これにより、各ノードのローカル記憶域は適切な情報(Windowsレジストリやインベントリ情報など)で更新されることが確実になります。

OracleAS Infrastructureをノード2からインストールする前に、ノード1からインストールしたファイルを削除する必要があります。 


表8-8    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Metadata Repositoryのインストール 

既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 

3. 

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストール 

ノード1からOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformコンポーネントをインストールします。 

4. 

ノード1でのOracle Application Serverサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、OracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

5. 

ノード2の構成 

この手順では、Windowsレジストリ、Oracle InventoryおよびServicesをノード2で構成します。ノード1および2が対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順に従います。ノード1および2が非対称の場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順に従います。 

6. 

ノード2の再起動 

ノード2を再起動します。 

7. 

ノード2へのグループの移動 

ノード2のコントロールの下へ、Oracle Fail Safeで作成したグループを移動します。 

8. 

ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始 

ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。 

9. 

インストールの検証 

OracleAS Metadata Repository、OPMNおよびApplication Server Controlの高可用性設定を行う前に、Application Server Controlにアクセスして、OracleAS Infrastructureが正しくインストールされていることを確認します。 

10. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

11. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

12. 

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール 

この手順では、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをインストールします。 

8.6.2 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Metadata Repositoryのインストール

OracleAS RepCAを使用して、既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。詳細は、8.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。

手順3    Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストール

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformコンポーネントは、共有ディスクにインストールします。表8-9に示すインストール手順に従います。

注意:

インストーラの画面

表8-9    Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」は選択しないでください。

「OracleAS Delegated Administration Service」は選択しないでください。

Oracle Directory Integration Platform」を選択します。

「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

8. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.4項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: oid_dip

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.5項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

9. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順4    ノード1でのOracle Application Serverサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順5    ノード2の構成

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストール中のノードが対称の場合は、「パートA - ノードが対称の場合」の手順を実行してノード2を構成します。ノードが対称でない場合は、「パートB - ノードが非対称の場合」の手順を実行する必要があります。ノードが対称かどうかを確認するには、8.1.1項「対称ノードでの特別な考慮事項」を参照してください。

パートA - ノードが対称の場合

  1. ノード1からのOracleレジストリ設定のエクスポート

    1. ノード1で、Windowsの「スタート」メニューから「ファイル名を指定して実行」を選択し、表示されるテキスト・フィールドにregeditと入力します。

    2. WindowsレジストリでHKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleエントリを検索して選択します。

    3. レジストリ」メニューから「レジストリ ファイルの書き出し」を選択します。

    4. 表示されるダイアログ・ボックスに、「選択された部分」ラジオ・ボタンが選択されており、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Oracleが選択されていることを確認します。

    5. エクスポートしたレジストリ・ファイルの名前を入力して、「保存」をクリックします。

      たとえば、oracle_registry_entriesと入力します。

      レジストリ・ファイルはローカル・ディスクまたは共有ディスクのいずれかに保存できることに注意してください。ローカル・ディスクに保存する場合、ファイルをノード2にコピーする必要があります。

  2. ノード1からノード2へのOracle Inventoryのコピー

    Oracle Universal Installerのインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。ただし、これらの製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされている場合にかぎります。

    Oracleインベントリ情報は、Extensible Markup Language(XML)形式で、ホストの単一ディレクトリ構造に格納されます。通常、このインベントリはWindows Systemsの次のディレクトリにあります。

    C:¥Program Files¥Oracle¥Inventory
    
    

    インベントリの場所は、Windowsレジストリで次のレジストリ・キーを選択し、文字列inst_locの値を表示して検出できます。

    ¥¥HKEY_LOCAL_MACHINE¥¥Software¥Oracle¥
    
    

    Oracleインベントリをノード2にコピーするには、ディレクトリ全体(C:¥Program Files¥Oracle¥Inventoryなど)を選択し、ノード2の同じ場所にコピーします。

  3. ノード2でのWindowsレジストリへのレジストリ設定のインポート

    1. ノード2にログインします。

    2. ノード1からレジストリ・エントリをエクスポートした際に作成したoracle_registry_entries.regファイルをダブルクリックします。

    3. レジストリ・エントリを追加するように要求されたら、「はい」をクリックします。

  4. 10g (10.1.4.0.1)に必要なWindowsサービスの作成および開始

    ノード2でWindowsサービスを作成する場合、SCツール(sc.exe)を使用できます。これは、Microsoft社から提供されるサービス・コントロール管理ツールです。


    注意:

    この手順を実行する前に、使用するsc.exeプログラムのバージョンがバージョン5.0.2134.1以上であることを確認してください。詳細は、Microsoft社のWebサイトを参照してください。 


    SCツールを使用して、ノード2に必要なサービスを作成します。SCツールでは各オプションの後にスペースが必要なことに注意してください。

    1. Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN):

      sc create Oracle<home name>ProcessManager 
            binPath= "ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAProcessManager
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥opmn¥bin¥opmn.exe -S"
      
      
    2. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control:

      sc create Oracle<home name>ASControl 
            binPath= "ORACLE_HOME¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      

      たとえば、次のようになります。

      sc create OracleINFRAASControl
            binPath= "C:¥oracle¥OraInfra¥bin¥nmesrvc.exe"
      
      
  5. 必要なパスのPATH環境変数への追加

    「システム」コントロール パネルを使用して、次のパスをWindowsのPATH変数の先頭に追加します。

    %ORACLE_HOME%¥bin;%ORACLE_HOME%¥jlib;
    
    

    関連項目:

    ご使用のWindows PlatformのPATH変数を設定する方法については、Windowsのオンライン・ヘルプを参照してください。 

  6. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

パートB - ノードが非対称の場合

2つのノードが対称でない場合は、次の手順を実行してノード2を構成します。

  1. ノード1の再起動

    ノード1を再起動します。再起動中、「OracleAS」グループの下に定義されたリソースはノード2にフェイルオーバーされます。リソースには、仮想ホスト名、仮想ホストのIPおよび共有ディスクが含まれます。フェイルオーバー後は、ノード2がこれらのリソースを所有します。

  2. Oracleホームの削除

    ノード2から、共有ディスク上の次のディレクトリを削除します。

    • OracleAS InfrastructureをインストールしたOracleホーム・ディレクトリ

    • データベース・ファイルをインストールしたディレクトリ

    ノード2からインストールを実行すると、これらのディレクトリにファイルがインストールされるため、これらのディレクトリを削除しておく必要があります。次の手順を参照してください。

  3. ノード2からの共有ディスクへのOracle Identity Managementコンポーネントのインストール

    Oracle Identity Managementコンポーネントを共有ドライブに再度インストールします。ただし、今回は、ノード2からインストールを実行します。ノード1からインストールを実行したときに使用した値と同じ値(同じOracleホーム名とインストール先のディレクトリ、同じインスタンス名とパスワードなど)を使用します。

    インストーラによってノード2のローカル記憶域上のWindowsレジストリおよびインベントリ情報が更新されるように、ノード2からOracle Identity Managementコンポーネントをインストールする必要があります。

    具体的な手順については、「Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール」の手順3を参照してください。

手順6    ノード2の再起動

ノード2を再起動します。

ノード2の再起動中に共有ドライブはノード1にフェイルオーバーされるため、OracleAS Infrastructureサービスを開始できないことに注意してください。ノード2からは、共有ドライブにアクセスしてInfrastructureサービスを開始することはできません。

OK」をクリックします。

図8-23    ノード2の起動時のエラー・メッセージ


画像の説明

手順7    ノード2へのグループの移動

ノード2の起動後に、グループをノード2に移動します。クラスタ・アドミニストレータで、グループを右クリックして、「グループの移動」を選択します(図8-24)。

図8-24    クラスタ・アドミニストレータ: ノード2へのグループの移動


画像の説明

手順8    ノード2でのOracleAS Infrastructureサービスの開始

グループをノード2へ移動した後、ノード2でOracleAS Infrastructureサービスを開始します。

  1. データベースが起動していない場合は起動します。データベースが起動しているかどうかを確認するには、SQL*Plusを使用してデータベースにログインします。

    C:¥> sqlplus "sys/password as sysdba"
    
    

    アイドル状態のインスタンスに接続されたことがSQL*Plusによって報告された場合、データベースは起動していません。SQL*Plusで次のコマンドを実行して、データベースを起動します。

    SQL> startup
    
    
  2. サービスを開始します。

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

手順9    インストールの検証

Oracle Identity Managementコンポーネントが正しくインストールされていることを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用(http://vhost.mydomain.com:1156など)して、「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順7.を参照)。

デフォルトのポート番号は、1156です。ポート番号は、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルを参照することによって確認できます。

手順10    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順11    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeで作成したグループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

手順12    OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

これらのコンポーネントをOracleAS Cluster(Identity Management)構成でインストールします。この構成では、各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。

インストール前の手順: このインストールは、実際はOracleAS Cluster(Identity Management)のインストールであるため、第9章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順に従うことができます。

インストール手順: インストール手順は、9.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」を参照してください。

8.7 OracleAS Cold Failover ClusterへのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール

この項で説明する構成は、8.4項「分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」で説明した構成に類似しています。相違点は、この項で説明する構成で、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesがOracleAS Cold Failover Cluster構成で実行される点です。

2セットのクラスタ・ノードが必要です。詳細は、図8-25を参照してください。1つのセットでOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryを実行し、もう1つのセットでOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onを実行します。

各セットには、共有記憶域および仮想ホスト名が必要です。Oracle Application Serverの様々なコンポーネントのOracleホームを共有記憶域にインストールします。

図8-25    Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On


画像の説明

8.7.1 OracleAS Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On: インストール手順の概要


注意:

この構成のインストール順序は、他の構成とは異なります。1つの層で複数のインストールを完了した後、移動して次の層で複数のコンポーネントをインストールするかわりに、ある層のノードから1つのインストールを実行した後で、別の層のノードから1つのインストールを実行する必要があります。このため、各層の別のノードから同じインストールを実行できるようにするために、最初のインストールを削除する必要があります。この順序でインストール手順を実行して、同じコンポーネントをOracle Internet Directoryに再登録しようとしていることを示すエラー・メッセージを回避する必要があります。 


表8-10    OracleAS Cold Failover ClusterへのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール手順 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

staticports.iniファイルの作成 

2つのstaticports.iniファイルを作成します。ノードの各セットで1つずつです。これによって、インストーラは同じポートを使用してコンポーネントを構成します。 

3. 

ノード1からの共有ドライブへのOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール 

ノード1から共有ディスクにOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryをインストールします。

手順は、「構成オプションの選択」画面で「Oracle Internet Directory」、「Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」および「高可用性およびレプリケーション」のみを選択すること以外は、手順2「ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。 

4. 

ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール 

ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。 

5. 

ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、ノード1からOracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

6. 

ノード3でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定 

Oracleホームを削除するため、ノード3からOracleAS Infrastructureサービスを停止します。 

7. 

データベース・インスタンスの削除 

ノード1からoradimコマンドを実行して、データベース・インスタンスを削除します。後でノード2から再インストールします。 

8. 

OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryのOracleホームの削除 

ノード1からOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryのOracleホーム・ディレクトリを削除します。 

9. 

Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnのOracleホームの削除 

ノード3からOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnのOracleホーム・ディレクトリを削除します。 

10. 

OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール 

ノード2から共有ディスクにOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryをインストールします。手順2.で使用した同じ値(Oracleホーム名、Oracleホーム・ディレクトリ、インスタンス名など)を使用します。 

11. 

Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール 

ノード4から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。手順4.で使用した同じ値(Oracleホーム名、Oracleホーム・ディレクトリ、インスタンス名など)を使用します。 

12. 

データベースのpfileの作成 

OracleAS Metadata Repositoryデータベースのpfile(パラメータ・テキスト・ファイル)を作成します。このpfileはOracle Fail Safeに必要です。 

13. 

OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定 

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。 

14. 

リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加 

共有ディスクのリスナーの依存関係を作成します。 

15. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

16. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

17. 

ノード4への「SSODAS」グループの移動 

Oracle Fail Safeの「SSODAS」グループをノード4に移動します。 

18. 

ノード4のOracleホームでのサービスの開始 

ノード4でOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onを起動します。 

19. 

インストールの検証 

Application Server Controlにアクセスして、インストールを検証します。 

20. 

OPMNの高可用性設定 

Oracle Fail Safeの「SSODAS」グループに、リソースとしてOPMNを追加します。 

21. 

OPMNへの共有ディスクの依存関係の追加 

OPMNに共有ディスクの依存関係を作成します。 

22. 

Application Server Controlの高可用性設定 

Oracle Fail Safeの「SSODAS」グループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。 

23. 

正しいリスナーがアクティブであることの確認 

この時点で、リスナーは2つです。正しい方が実行されていることを確認します。 

8.7.2 OracleAS Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On: インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。インストール前の作業の内容は次のとおりです。

手順2    staticports.iniファイルの作成

2つのstaticports.iniファイルを作成します。ノードの各セットで1つずつです。 各ノードからインストールする際に同じポートを取得する必要があるため、staticports.iniファイルが必要です。staticports.iniについては、2.4.4項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。

手順3    ノード1からの共有ドライブへのOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール

「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Internet Directoryを同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

この手順は、次に示す相違点以外は、手順2「ノード1からの共有ディスクへのOracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。

手順4    ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール

表8-11の手順に従い、ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。

注意:

手順5    ノード1でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    • Oracle<OracleHomeName>TNSListener

    • OracleService<SID>

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順6    ノード3でのOracleAS Infrastructureサービスの停止およびスタートアップの種類の手動への設定
  1. 「サービス」ウィンドウを表示します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「サービス」を選択します。

  2. 次のサービスを停止します。

    • Oracle<OracleHomeName>ASControl

    • Oracle<OracleHomeName>ProcessManager

    サービスを停止するには、サービスを右クリックし、ポップアップ・メニューから「停止」を選択します。

  3. 前述のサービスのスタートアップの種類を、手動に設定します。

    1. サービスを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    2. 「スタートアップの種類」セクションで「手動」を選択して、「OK」をクリックします。

手順7    データベース・インスタンスの削除

ノード1で次のコマンドを実行して、OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを削除します。

F:¥oracle¥bin> oradim -delete -sid sid

手順8    OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryのOracleホームの削除

ノード1からOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryのOracleホームを削除します。ノード2から再び同じディレクトリにインストールするため、削除しておく必要があります。

手順9    Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnのOracleホームの削除

ノード3からOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnのOracleホームを削除します。ノード4から再び同じディレクトリにインストールするため、削除しておく必要があります。

手順10    OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール

ノード2からOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryをインストールします。Oracleホーム、インスタンス名、SIDなどは、ノード1からインストールしたときと同じ値を使用します。手順3「ノード1からの共有ドライブへのOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール」に従います。

手順11    Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール

ノード4からOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。Oracleホーム、インスタンス名、SIDなどは、ノード3からインストールしたときと同じ値を使用します。手順4「ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール」に従います。

手順12    データベースのpfileの作成

Oracle Fail Safeでは、データベースにpfile(データベースのパラメータが格納されているテキスト・ファイル)があることが必須です。それぞれの手順については、8.10.1項「データベースのpfileの作成」を参照してください。

手順13    OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてOracleAS Metadata Repositoryを追加します。これによって、プライマリ・ノードに障害が発生した場合、Oracle Fail SafeがOracleAS Metadata Repositoryをセカンダリ・ノードにフェイルオーバーできるようになります。詳細は、8.10.2項「OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定」を参照してください。

手順14    リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加

これによって、Oracle Fail Safeが共有ディスクにアクセスしてから、その共有ディスクにインストールしたリスナーにアクセスできるようになります。詳細は、8.10.3項「リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加」を参照してください。

手順15    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順16    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeの「MROID」グループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

手順17    ノード4への「SSODAS」グループの移動

クラスタ・アドミニストレータを使用して、「SSODAS」グループをノード4に移動します。クラスタ・アドミニストレータで、グループを右クリックして、「グループの移動」を選択します。

手順18    ノード4のOracleホームでのサービスの開始

ノード4のOracleホームに関連付けられているサービスを開始します。

手順19    インストールの検証

ノード1およびノード2でのインストールを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用(http://vhost.mydomain.com:1156など)して、ノードの「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順6.を参照)。デフォルトのポート番号は、1156です。ポート番号は、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルを参照することによって確認できます。

同様に、ノード3およびノード4でのインストールを検証するには、URLに仮想ホスト名を使用(http://vhost_2.mydomain.com:1156など)して、ノードの「Application Server Control」ページにアクセスします。

仮想ホスト名は、「仮想ホストの指定」画面で入力した値です(手順7.を参照)。

手順20    OPMNの高可用性設定

Oracle Fail Safeの「SSODAS」グループに、リソースとしてOPMNを追加します。詳細は、8.10.4項「OPMNの高可用性設定」を参照してください。

手順21    OPMNへの共有ディスクの依存関係の追加

これによって、OPMNを起動する前に、Oracle Fail Safeが共有ディスクにアクセスできるようになります。詳細は、8.10.5項「OPMNへの共有ディスクの依存関係の追加」を参照してください。

手順22    Application Server Controlの高可用性設定

Oracle Fail Safeの「SSODAS」グループに、リソースとしてApplication Server Controlを追加します。詳細は、8.10.6項「Application Server Controlの高可用性設定」を参照してください。

手順23    正しいリスナーがアクティブであることの確認

Oracle Fail Safeによって別のリスナーが作成されます。このリスナーは実行しておく必要があります。詳細は、8.10.7項「正しいリスナーがアクティブであることの確認」を参照してください。

8.8 OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール

この項では、OracleAS Metadata Repositoryを新しいデータベースをインストールする(インストーラによって、新しいデータベースが作成され、OracleAS Metadata Repositoryが移入される)方法について説明します。このデータベースは、OracleAS Cold Failover Cluster環境で使用できます。

前提条件:

8.9 OracleAS Cold Failover Clusterのインストール後の手順

8.9.1 ORACLE_HOME¥Apache¥Apache¥htdocs¥index.htmlファイルの編集

ORACLE_HOME¥Apache¥Apache¥htdocs¥index.htmlファイルで、すべての物理ホスト名(node1など)を仮想ホスト名(vhost)に変更します。ここで、node1はホスト名を示します。

node1がOracle Application Serverインスタンス名の一部として使用されている場合は、変更しないでください。

8.10 サポートされる手順

この項では、サポートされている手順について説明します。この章の前半にある構成に関する説明では、次の手順が参照されています。ご使用の構成に関連する手順のみを実行します。

8.10.1 データベースのpfileの作成

pfileは、データベースの初期化パラメータが格納されているテキスト・ファイルです。Oracle Fail Safeではデータベースにpfileが必要です。データベースをグループに追加する際に、pfileへのフルパスを「パラメータ・ファイル」に入力します(図8-28を参照)。

  1. ORACLE_HOME¥databaseディレクトリにinit<SID>.oraというファイルを作成します。

  2. ファイルに次の行を追加します。

    spfile=<ORACLE_HOME>¥database¥spfile<SID>.ora
    remote_login_passwordfile=<PARAMETER_VALUE>
    local_listener="(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=<Virtual_IP>)(PORT=1521))"
    
    

    <ORACLE_HOME>は、Oracleホーム・ディレクトリのフルパスに置き換えます。

    <SID>は、データベースのSIDに置き換えます。

    <PARAMETER_VALUE>は、EXCLUSIVEまたはSHAREDに置き換えてください。

    <Virtual_IP>は、仮想ホスト名の仮想IPに置き換えます。

8.10.2 OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定

以前、OracleAS Metadata Repositoryをインストールする前に任意のノードのローカル・ディスクにデータベースをインストールした場合は、OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定を行う前に一部のファイルを移動する必要があります。次のファイルを、表領域をインストールした共有ディスクに移動します。

OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定を行うには、グループにOracleAS Metadata Repositoryを追加します。

  1. ノード2で、「スタート」メニューからOracle Fail Safe Managerを起動します。

    スタート」→「プログラム」→「Oracle - OracleHomeName」→「Oracle Fail Safe Manager」を選択します。

    ここで、OracleHomeNameは、Oracle Fail SafeをインストールしたOracleホーム・ディレクトリの名前です。

  2. 左側で「グループ」を展開して、8.2.7項「Oracle Fail Safeのグループの作成」で作成したグループを右クリックし、「リソースをグループに追加」を選択します。リソースをグループに追加ウィザードが起動されます。

    図8-26    Oracle Fail Safe Manager: 「リソースをグループに追加」


    画像の説明

  3. リソースをグループに追加ウィザードで、次の手順を実行します。

    1. 「リソース: ステップ1」

      Oracleデータベース」およびグループを選択して、「次へ」をクリックします。

      図8-27    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の「リソース: ステップ1」画面


      画像の説明

    2. 「データベース識別情報: ステップ2」

      サービス名、インスタンス名およびデータベース名を入力して、「次へ」をクリックします。

      図8-28    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の「データベース識別情報: ステップ2」画面


      画像の説明

    3. 「データベース・パスワード: ステップ3」

      はい、パスワード・ファイルを作成します(推奨)」を選択します。

      ユーザー名: ユーザー名としてSYSと入力します。

      パスワード」および「パスワードの確認」: ユーザーSYSのパスワードを指定して、確認します。

      終了」をクリックします。

      図8-29    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の「データベース・パスワード: ステップ3」画面


      画像の説明

    4. 「データベースのグループへの追加の完了」画面

      情報を確認して、「OK」をクリックします。特に、クラスタの両方のノードが、「可能所有者ノード」の下に表示されていることを確認します。

      図8-30    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の「データベースのグループへの追加の終了」画面


      画像の説明

    5. 「データベースのグループへの追加の確認」画面: 「はい」をクリックします。

      図8-31    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の「データベースのグループへの追加の確認」画面


      画像の説明

    6. リスナーに関する「FS-10230: Oracle NetリスナーLISTENERはホスト・アドレス・パラメータのホスト名を使用します。」という警告が表示された場合、「はい」をクリックします。Oracle Fail Safeによって、矛盾が修正されます。Oracle Fail Safeでは、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerFsl<virtualHostName>という名前でリスナー・サービスを設定する必要があります。これは、クラスタ内のノードで実行する唯一のリスナー・サービスです。

      図8-32    FS-10230の警告


      画像の説明

    7. クラスタ内の両方のノードでデータベースを実行できるように、Oracle Fail Safe Managerによってデータベースが構成されます。構成中は、図8-33の「ノード」列に示されているとおり、Oracle Fail Safe Managerによって、ノード2からノード1へデータベースがフェイルオーバーされます(「STAJX17」はノード1です)。構成が完了すると、図8-33に類似した画面が表示されます。

      図8-33    リソースをグループに追加ウィザード(データベースの追加)の最後の画面


      画像の説明

      Oracleソフトウェアに関連する警告は無視できます。ただし、システムに関連する警告は、調査する必要があります。ステータスを示すダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

    8. Oracle Fail Safe Managerで、グループの下にデータベースが表示されていることを確認します(図8-34)。データベースSIDとデータベース・リスナーの両方が表示されていることを確認します。リスナーが、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerではなく、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerFsl<virtualHostName>であることに注意してください。後で、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerリスナーは無効にします(8.10.7項「正しいリスナーがアクティブであることの確認」を参照)。

      図8-34    データベースをグループに追加した後のOracle Fail Safe Managerの表示


      画像の説明

8.10.3 リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加

リスナーに対し共有ディスクの依存関係を設定する必要があります(例ではDisk X)。これは、コマンドを実行するか、クラスタ・アドミニストレータから行います。間違いの可能性が低くなるため、クラスタ・アドミニストレータの使用をお薦めします。

クラスタ・アドミニストレータの使用
  1. 「スタート」メニューからクラスタ・アドミニストレータを起動します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

  2. リスナーをオフラインにします。これには、次の手順を実行します。

    1. 左側で「グループ」を展開します。

    2. 左側で、以前に作成したグループを選択します。

    3. 右側で、リスナーを右クリックして「オフラインにする」を選択します。

      図8-35    クラスタ・アドミニストレータ - リスナーのオフライン


      画像の説明

  3. 右側で、リスナーを右クリックして「プロパティ」を選択します。

  4. 依存関係」タブを選択して、「変更」をクリックします。

    図8-36    クラスタ・アドミニストレータ - 「依存関係」タブが表示されている「プロパティ」画面


    画像の説明

  5. ディスクを「依存関係」リストに移動して「OK」をクリックします。

    図8-37    クラスタ・アドミニストレータ - 「依存性関係の変更」画面


    画像の説明

  6. プロパティ・ダイアログ・ボックスで「適用」をクリックします。

  7. リスナーをオンラインにします。これを行うには、右側でリスナーを右クリックして「オンラインにする」を選択します。

    図8-38    クラスタ・アドミニストレータ - リスナーのオンライン


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コマンドの使用

クラスタ・アドミニストレータを使用するかわりに、シェルからコマンドを実行できます。

  1. リスナーをオフラインにします。これはクラスタ・アドミニストレータを使用して実行できます。前述の「クラスタ・アドミニストレータの使用」の項の最初の2つの手順を参照してください。

  2. 次のコマンドを実行します。

    C:¥> cluster resource OracleiasTNSListenerFsliasha26 /offline
    C:¥> cluster resource OracleiasTNSListenerFsliasha26 /addDep:"Disk F:"
    C:¥> cluster resource OracleiasTNSListenerFsliasha26 /online
    
    

    OracleiasTNSListenerFsliasha26は、ご使用のリスナー名に置き換えてください。リスナー名には、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerFsl<virtualHostName>という形式を使用します。

    Disk F:は、ご使用の共有ディスク名に置き換えてください。

8.10.4 OPMNの高可用性設定

OPMNの高可用性設定を行うには、8.2.7項「Oracle Fail Safeのグループの作成」で作成したOracle Fail SafeグループにOPMNを追加します。OPMNは、Oracle<OracleHomeName>ProcessManagerサービスに対応します。

  1. Oracle Fail Safe Managerを起動します。

  2. 左側で「グループ」を展開して、8.2.7項「Oracle Fail Safeのグループの作成」で作成したグループを右クリックし、「リソースをグループに追加」を選択します。リソースをグループに追加ウィザードが起動されます。

    このグループおよびメニュー項目は、データベースをグループに追加したときに選択したグループおよびメニュー項目と同じです(図8-26を参照)。

  3. リソースをグループに追加ウィザードで、次の手順を実行します。

    1. 「リソース: ステップ1」

      汎用サービス」を選択して、グループが正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。

      図8-39    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「リソース: ステップ1」画面


      画像の説明

    2. 「汎用サービスの識別情報: ステップ2」

      表示名」で「Oracle<OracleHomeName>ProcessManager」を選択して、「次へ」をクリックします。

      図8-40    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスの識別情報: ステップ2」画面


      画像の説明

    3. 「汎用サービスのアカウント: ステップ3」

      OPMNの起動パラメータは存在しません。「次へ」をクリックします。

      図8-41    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスのアカウント: ステップ3」画面


      画像の説明

    4. 「汎用サービスのディスク: ステップ4」

      選択済ディスク」には、何も表示されていない必要があります。「次へ」をクリックします。

      図8-42    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスのディスク: ステップ4」画面


      画像の説明

    5. 「汎用サービスの依存性: ステップ5」

      使用可能なリソース」には、グループのリソースが表示されます。「リソースの依存性」に移動する必要があるリソースは、インストールする構成によって異なります。

      表8-13    リソースの依存性 
      インストールする構成  「リソースの依存性」に移動するアイテム  「使用可能なリソース」に残すアイテム 
      • OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)

      • 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)

       
      • データベースSID

      • データベースTNSリスナー

       
      • IPアドレス

      • ネットワーク名

       
      • OracleAS Cold Failover Cluster (Identity Management)

      • 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)

      • OracleAS Cold Failover Cluster(Middle-Tier)

       

      なし 

      • IPアドレス

      • ネットワーク名

       

      Oracle Delegated Administration ServicesのOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryノード、およびOracleAS Cold Failover ClusterのOracleAS Single Sign-On 

      • データベースSID

      • データベースTNSリスナー

       
      • IPアドレス

      • ネットワーク名

       

      Oracle Delegated Administration ServicesのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onノード、およびOracleAS Cold Failover ClusterのOracleAS Single Sign-On 

      なし 

      • IPアドレス

      • ネットワーク名

       

      次へ」をクリックします。

      図8-43    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスの依存性: ステップ5」画面


      画像の説明

    6. 汎用サービスのレジストリ: ステップ6: 「終了」をクリックします。

      図8-44    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスのレジストリ: ステップ6」画面


      画像の説明

    7. 「汎用サービスのグループへの追加の終了」

      情報を確認して、「OK」をクリックします。特に、クラスタの両方のノードが、「可能所有者ノード」の下に表示されていることを確認します。

      図8-45    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「汎用サービスのグループへの追加の終了」画面


      画像の説明

    8. 「グループへ汎用サービスの追加の確認」画面: 「はい」をクリックします。

      図8-46    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の「グループへ汎用サービスの追加の確認」画面


      画像の説明

      クラスタ内の両方のノードがProcess Managerサービスを実行できるように、Oracle Fail Safe ManagerによってProcess Managerサービスが構成されます。構成が完了すると、図8-47に類似した画面が表示されます。成功したことを示すダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

      図8-47    リソースをグループに追加ウィザード(OPMNの追加)の最後の画面


      画像の説明

    9. Oracle Fail Safe Managerで、グループの下にProcess Managerサービスが表示されていることを確認します。

      図8-48    Process Managerサービスをグループに追加した後のOracle Fail Safe Managerの表示


      画像の説明

8.10.5 OPMNへの共有ディスクの依存関係の追加

この手順は、8.10.3項「リスナーへの共有ディスクの依存関係の追加」とほぼ同様です。異なる点は、クラスタ・アドミニストレータでリスナーを選択するかわりに、Oracle<OracleHomeName>ProcessManagerを選択することのみです。

  1. 「スタート」メニューからクラスタ・アドミニストレータを起動します。

    Windows 2000の場合: 「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「管理ツール」→「クラスタ アドミニストレータ」を選択します。

  2. OPMNをオフラインにします。これには、次の手順を実行します。

    1. 左側で「グループ」を展開します。

    2. 左側で、以前に作成したグループを選択します。

    3. 右側で、Oracle<OracleHomeName>ProcessManagerを右クリックして「オフラインにする」を選択します。

  3. 右側で、Oracle<OracleHomeName>ProcessManagerを右クリックして「プロパティ」を選択します。

  4. 依存関係」タブを選択して、「変更」をクリックします。

  5. ディスクを「依存関係」リストに移動して「OK」をクリックします。

  6. プロパティ・ダイアログ・ボックスで「適用」をクリックします。

  7. OPMNをオンラインにします。これを行うには、右側でOracle<OracleHomeName>ProcessManagerを右クリックして「オンラインにする」を選択します。

8.10.6 Application Server Controlの高可用性設定

Application Server Controlの高可用性設定を行うには、8.2.7項「Oracle Fail Safeのグループの作成」で作成したOracle Fail SafeグループにApplication Server Controlを追加します。Application Server Controlは、Oracle<OracleHomeName>ASControlサービスに対応します。

  1. Oracle Fail Safe Managerを起動します。

  2. 左側で「グループ」を展開して、8.2.7項「Oracle Fail Safeのグループの作成」で作成したグループを右クリックし、「リソースをグループに追加」を選択します。リソースをグループに追加ウィザードが起動されます。

    このグループおよびメニュー項目は、データベースをグループに追加したときに選択したグループおよびメニュー項目と同じです(図8-26を参照)。

  3. リソースをグループに追加ウィザードで、次の手順を実行します。

    1. 「リソース: ステップ1」

      汎用サービス」を選択して、グループが正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。

      図8-49    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「リソース: ステップ1」画面


      画像の説明

    2. 「汎用サービスの識別情報: ステップ2」

      表示名」で「Oracle<OracleHomeName>ASControl」を選択して、「次へ」をクリックします。

      図8-50    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスの識別情報: ステップ2」画面


      画像の説明

    3. 「汎用サービスのアカウント: ステップ3」

      Application Server Controlの起動パラメータは存在しません。「次へ」をクリックします。

      図8-51    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスのアカウント: ステップ3」画面


      画像の説明

    4. 「汎用サービスのディスク: ステップ4」

      選択済ディスク」には、何も表示されていない必要があります。「次へ」をクリックします。

      図8-52    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスのディスク: ステップ4」画面


      画像の説明

    5. 「汎用サービスの依存性: ステップ5」

      Process Managerサービスを、「リソースの依存性」列に移動します。「次へ」をクリックします。

      図8-53    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスの依存性: ステップ5」画面


      画像の説明

    6. 汎用サービスのレジストリ: ステップ6: 「終了」をクリックします。

      図8-54    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスのレジストリ: ステップ6」画面


      画像の説明

    7. 「汎用サービスのグループへの追加の終了」

      情報を確認して、「OK」をクリックします。特に、クラスタの両方のノードが、「可能所有者ノード」の下に表示されていることを確認します。

      図8-55    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「汎用サービスのグループへの追加の終了」画面


      画像の説明

    8. 「グループへ汎用サービスの追加の確認」画面: 「はい」をクリックします。

      図8-56    「リソースをグループに追加」ウィザード(Application Server Controlの追加)の「グループへ汎用サービスの追加の確認」画面


      画像の説明

      クラスタ内の両方のノードがApplication Server Controlサービスを実行できるように、Oracle Fail Safe ManagerによってApplication Server Controlサービスが構成されます。構成が完了したら、成功したことを示すダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

    9. Oracle Fail Safe Managerで、グループの下にApplication Server Controlサービスが表示されていることを確認します。

      図8-57    Application Server Controlサービスをグループに追加した後のOracle Fail Safe Managerの表示


      画像の説明

8.10.7 正しいリスナーがアクティブであることの確認

データベースをグループに追加すると(8.10.2項「OracleAS Metadata Repositoryの高可用性設定」を参照)、Oracle Fail Safeによって、Oracle<OracleHomeName>TNSListenerFsl<virtualHostName>というリスナーが作成されます。このリスナーがアクティブであることおよび実行されていることを確認します。

もう1つのリスナーOracle<OracleHomeName>TNSListenerは使用されません。このリスナーを停止して(実行されている場合)、スタートアップの種類を手動に設定し、このリスナーが自動的に起動されないようにする必要があります。

8.11 OracleAS Cold Failover Cluster Infrastructureへの中間層のインストール

この項では、OracleAS Cold Failover Cluster InfrastructureにCold Failover Cluster構成ではない中間層をインストールする方法について説明します。

OracleAS Cold Failover Clusterで非Cold Failover Clusterの中間層がOracleAS Infrastructureとともに動作するためには、クラスタ外のコンピュータまたはクラスタ内のノードに中間層をインストールできます。


注意:

非Cold Failover Clusterの中間層をOracleAS Cold Failover Cluster外のノードにインストールして実行することをお薦めします。 


8.11.1 中間層をOracleAS Cold Failover Clusterのノードにインストールする場合

非Cold Failover Clusterの中間層をOracleAS Cold Failover Clusterのノード(プライマリまたはセカンダリ)にインストールする場合は、中間層をインストールする前に次のタスクを実行します。

8.11.1.1 中間層用のstaticports.iniファイルの作成

中間層で使用されるポートが、インフラストラクチャで使用されるポートと同じでないようにします。これは、インフラストラクチャがプライマリ・ノードからセカンダリ・ノード(またはこの逆)にフェイルオーバーすることがあり、いずれのノードでもポートの競合が発生しないようにするためです。両方のノード上のインフラストラクチャに同じポートを確保する必要があります。

中間層をインストールするノードでインフラストラクチャが実行中の場合は、インストーラはどのポートが使用されているかを検出して、中間層に別のポートを選択します。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノードで実行されており、中間層をインストールするためにインストーラをプライマリ・ノードで実行する場合は、インストーラによって別のポートが中間層に割り当てられます。

ただし、中間層をインストールするのとは異なるノードでインフラストラクチャが実行されている場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノード上で実行されていて、中間層をセカンダリ・ノードにインストールする場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。この場合、中間層用のポート番号を指定するためにstaticports.iniファイルを設定する必要があります。詳細は、2.4.4項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。

インフラストラクチャが使用しているポートは、ORACLE_HOME¥install¥portlist.iniファイルで確認できます。ここで、ORACLE_HOMEは、インフラストラクチャをインストールしたディレクトリです。

8.11.2 OracleAS Cold Failover Clusterのインフラストラクチャへの中間層のインストール手順

OracleAS Cold Failover Cluster内のOracleAS Infrastructureに中間層をインストールするには、中間層のリリース用のOracle Application Serverのインストレーション・ガイドに記載された中間層のインストール手順に従います。ただし、次の点を除きます。

8.12 OracleAS Cold Failover Clusterノードへの通常の中間層のインストール

コールド・フェイルオーバー・クラスタ構成でない中間層をOracleAS Cold Failover Cluster Infrastructureと同じノードにインストールする場合、中間層で使用するポートは、同じクラスタにインストールされているOracleAS Infrastructureで使用するポートとは異なる必要があります。また、ポートは、同じノードの他のOralceホームで使用するポートと異なる必要があります。Oracleホームのコンポーネントに割り当てられたポートを確認するには、Application Server Controlコンソールの「ポート」ページを確認します。

中間層をインストールする場合は、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、2.4.4項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。


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