この章では、Oracle Identity Managementで使用できるすべてのコマンドライン・ツールの概要について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Identity Managementのコマンドライン・ツールを使用する前に、環境を構成する必要があります。この構成作業では、適切な環境変数を設定します。また、Microsoft Windowsマシンでコマンドを実行する場合は、UNIXエミュレーション・ソフトウェアをインストールする必要もあります。詳細は、次の各項を参照してください。
このガイドに記載された構文と例を使用するには、環境変数を次のように設定する必要があります。
ORACLE_HOME
: Oracle Identity Managementのインストール先。
ORACLE_SID
: ディレクトリ・データベース接続文字列。tnsnames.ora
ファイルが構成されている場合は、そのファイルで指定されたネット・サービス名です。tnsnames.ora
ファイルは、$ORACLE_HOME
/network/admin
にあります。
NLS_LANG
(APPROPRIATE_LANGUAGE
.AL32UTF8
): インストール時に設定されるデフォルト言語は、AMERICAN_AMERICA
です。
PATH
: 次のディレクトリの場所をPATH
に追加してください。
$
ORACLE_HOME
/bin
$
ORACLE_HOME
/ldap/bin
$
ORACLE_HOME
/ldap/admin
$
ORACLE_HOME
/opmn/bin
Microsoft Windowsオペレーティング・システム上でシェル・スクリプト・ツールを実行するには、次のUNIXエミュレーション・ユーティリティのいずれかが必要です。
Cygwin 1.3.2.2-1以上。詳細は、http://sources.redhat.com
を参照してください。
MKS Toolkit 6.1。詳細は、http://www.datafocus.com/
を参照してください。
Oracle Identity Managementのコマンドライン・ツールは、次のカテゴリに分類されます。
次の表に、すべてのOracle Identity Managementコマンドライン・ツールのリスト(アルファベット順)と、各ツールの簡単な説明を示します。
表1-1 Oracle Identity Managementコマンドライン・ツールのリスト
コマンド | ツール名 | 説明 |
---|---|---|
|
バルク削除ツール |
ディレクトリからサブツリーを効率的に削除します。 |
|
バルク・ロード・ツール |
大量のエントリをディレクトリ・サーバーにロードします。 |
|
バルク変更ツール |
大量の既存エントリを効率的に変更します。 |
|
カタログ管理ツール |
ディレクトリの索引付き属性を更新します。 |
|
Directory Integration Platformアシスタント |
Oracle Directory Integration Platform Serverを管理します。 |
|
管理者操作キュー・パージ・ツール |
レプリケーションの変更を管理者操作キューからパージ・キューに移動します。 |
|
管理者操作キュー再試行ツール |
レプリケーションの変更を管理者操作キューからリトライ・キューに移動します。 |
|
LDAPデータ追加ツール |
エントリ、エントリのオブジェクト・クラス、属性および値をディレクトリに追加します。このコマンドはIETF(Internet Engineering Task Force)標準と互換です。 |
|
マルチスレッドLDAPデータ追加ツール |
複数のスレッドを使用して、エントリ、エントリのオブジェクト・クラス、属性および値をディレクトリに追加します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
認証検査ツール |
サーバーに対するクライアント認証が可能であるかどうかを確認します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
属性比較ツール |
コマンドラインで指定された属性値をディレクトリ・エントリの属性値と比較します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
LDAPデータ削除ツール |
ディレクトリからエントリを削除します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
LDAP DN/RDN変更ツール |
エントリのRDNを変更するか、エントリをディレクトリ・ツリーの新しい親ノードに移動します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
LDAPデータ変更ツール |
入力用に指定されたLDIFファイルを使用して、エントリの属性を追加、削除または置換します。エントリの削除または追加も可能です。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
マルチスレッドLDAPデータ変更ツール |
マルチスレッド・モードでエントリの属性を追加、削除または置換します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
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LDAP検索ツール |
ディレクトリ内の特定のエントリを検索して取得します。このコマンドはIETF標準と互換です。 |
|
データ移行ツール |
他のディレクトリまたはアプリケーション固有のリポジトリから出力されたLDIFファイルをOracle Internet Directoryで認識可能な形式に変換します。 |
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データ・エクスポート・ツール |
Oracle Internet Directoryに存在する情報の一部または全部をLDIFに変換します。 |
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Oracle Directory Integration Server制御 |
スタンドアロンのOracle Directory Integration Platform Serverを起動します。 |
|
Oracle Directory Integration Platform Server登録 |
Oracle Directory Integration Platform ServerをOracle Internet Directoryに登録します。 |
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Oracle Internet Directoryコンフィギュレーション・アシスタント |
Oracle Internet DirectoryでOracleコンテキストを作成、アップグレードまたは削除するか、 |
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Oracle Internet Directory制御 |
Oracle Identity Managementサーバー・インスタンス(Oracle Internet Directoryサーバー、Oracle Directory Integration PlatformおよびOracleディレクトリ・レプリケーション・サーバー)を起動、停止または再起動します。 |
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Oracle Internet Directoryサーバー診断ツール |
Oracle Internet Directoryに関する診断情報を収集してファイルに出力します。 |
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Oracle Internet Directoryモニター |
Oracle Internet Directoryサーバー・プロセスを起動、監視および停止します。 |
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Oracle Internet Directoryデータベース・パスワード・ユーティリティ |
Oracle Internet Directoryデータベースで、パスワードの変更、Walletの作成、またはスーパーユーザー・アカウントのロック解除を行います。 |
|
Oracle Internet Directoryデータベース・パスワード・ユーティリティ |
Oracle Internet Directoryデータベースのパスワードを変更するか、データベース・パスワードおよびレプリケーション・サーバー・パスワードのWalletを作成します。 |
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プロビジョニング登録ツール |
アプリケーションのプロビジョニング統合プロファイルを作成および管理します。 |
|
比較および調整ツール |
Oracle Internet Directory同士の比較と調整を行います。 |
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Oracle Internet Directoryデータベース統計収集ツール |
Oracleディレクトリ・サーバー(ODS)の様々なデータベース・スキーマ・オブジェクトを分析し、統計を評価します。 |
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Oracle Process Manager and Notification Server制御 |
Oracle Application Serverコンポーネントを統一的に管理します。このツールは、Oracle Internet Directoryサーバー、モニター・プロセスおよびデータベースの起動に使用できます。 |
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レプリケーション環境管理ツール |
ディレクトリ・レプリケーション・グループ(DRG)を設定および構成します。 |
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スキーマ同期ツール |
Oracle Internet Directoryとサード・パーティ・ディレクトリ間でスキーマを同期します。 |
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Oracle Directory Integration Server停止コマンド |
スタンドアロンのOracle Directory Integration Platform Serverを停止します。 |
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証明書アップグレード・ツール |
ディレクトリに格納されているリリース10.1.2より前に発行されたユーザー証明書を更新します。 |
次の表に、Oracle Identity Managementコマンドライン・ツールで実行できる一般タスクと、関連ツール名のリストを示します。
表1-2 Oracle Identity Managementコマンドライン・ツールのタスク・リスト