Oracle Identity Managerのインストールを開始する前に、デプロイに必要なコンポーネントの知識を得ることを強くお薦めします。また、システムでインストール準備ができたことを確認するために、組込みの診断ダッシュボードをインストールして使用することもお薦めします。詳細は、「診断ダッシュボードの使用方法」を参照してください。
Oracle Identity Managerの基本的なインストールには次の要素が含まれます。
データベース・サーバー
アプリケーション・サーバー
Oracle Identity Managerサーバー(アプリケーション・サーバーで実行)
Design Console
管理およびユーザー・コンソール(Webブラウザで実行)
この章では次の項目について説明します。
Oracle Identity Managerリリース9.0.2は、Oracle Identity Manager製品の新規デプロイを実行する顧客のみを対象としています。リリース9.0.2は、既存のOracle Identity Managerインストールに上書きインストールしないでください。以前のリリースからリリース9.0.2にアップグレードする場合は、Oracleサポート・サービスに問い合せてください。
この後の項では、サポートされるホスト・コンピュータ、アプリケーション・サーバーおよびデータベースを示します。これらは、Oracle Identity Managerリリース9.0とそのコンポーネントをインストールするために必要です。
注意: エンタープライズ・バージョンのアプリケーション・サーバーとデータベース・ソフトウェア、および有効なライセンスを入手する必要があります。Oracle Identity Managerにはこのソフトウェアは含まれていません。 |
注意: Oracle Identity Managerインストール・プログラムが、その他のインストール済アプリケーション、ユーティリティまたはドライバと競合することがあります。Oracle Identity Managerをロードする前に、重要性の低いソフトウェアとドライバをインストール・マシンからすべて削除するようにしてください。また、この処理によって、データベース・ホストによるデータベース・スキーマの作成も保証されます。 |
重要: Oracle Identity Manager製品の各リリース固有の、ハードウェアとソフトウェアの要件やサポートされる構成については、必ず『Oracle Identity Managerリリース・ノート』を参照してください。このガイドの情報は、一般的にすべてのOracle Identity Manager 9.0.xリリースに適用されます。 |
Oracle Identity Managerリリース9.0は、JBoss 4.0.2アプリケーション・サーバーでの動作が確認されています。
重要: JBoss用のOracle Identity Managerでは、Java JDK 1.4.2_08以上(たとえば1.4.2_xx)が必要です。ただし、バージョン1.5以上にしないでください。 |
JBoss 4.0.2アプリケーション・サーバー用のOracle Identity Managerリリース9.0では、次のオペレーティング・システムがサポートされます。
Microsoft Windows Server 2003 Enterprise Edition with SP1および2003 R2 Enterprise Edition
RedHat Linux AS 4.1
Solaris 10
Oracle Identity Managerインストールのために1つのデータベースを選択します。Oracle Identity Managerでは次のデータベースがサポートされます。
Oracle9i Enterprise Editionリリース9.2.0.7
Oracle 10g Enterprise Editionリリース10.2.0.1.0
Microsoft SQL Server 2000 with Service Pack 3a
この項の表では、Oracle Identity Manager環境での様々なコンポーネントの最低限のホスト・システム要件を示します。
表2-1に、Oracle Identity Managerサーバーの最低限のホスト要件を示します。これは基本的なデプロイのガイドラインです。デプロイで大きなサイズが必要な場合は各値を増やしてください。
表2-1 Oracle Identity Managerサーバーのホスト要件
サーバーのプラットフォーム | 項目 |
---|---|
WindowsおよびLinux |
|
Solaris |
|
表2-2に、サポートされるオペレーティング・システムごとにデータベースの最低限のホスト要件の例を示します。これはガイドラインとして使用してください。デプロイで大きなサイズが必要な場合は各値を増やしてください。特定のデータベース・ホストの要件は、SQL ServerまたはOracleデータベースのドキュメントを参照してください。
表2-2 サンプル・データベース・サーバーのホスト要件
データベース・サーバーのプラットフォーム | 項目 |
---|---|
WindowsおよびLinux |
|
Solaris |
|
表2-3に、Oracle Identity Manager Design Consoleの最低限のホスト要件を示します。デプロイで大きなサイズが必要な場合は各値を増やしてください。
表2-4に、Oracle Identity Manager Remote Managerの最低限のホスト要件を示します。デプロイで大きなサイズが必要な場合は各値を増やしてください。
表2-4 Remote Managerのホスト要件
Remote Managerのプラットフォーム | 項目 |
---|---|
WindowsおよびLinux |
|
Solaris |
|
AIX |
|
表2-5に、Oracle Identity Managerリリース9.0と互換性があるサード・パーティ・コンポーネントのバージョンの詳細を示します。
表2-5 サード・パーティ・コンポーネントのサポートの詳細
項目 | バージョンの詳細 |
---|---|
JBoss |
4.0.2 |
Oracle 10gリリース2 |
10.2.0.1.0 |
Oracle9i |
9.2.0.7 |
SQL Server |
2000 with SP3a |
Microsoft Windows Server |
2003 Enterprise Edition with SP1および2003 R2 Enterprise Edition |
RedHat Linux |
AS 4.1 |
Solaris |
10 |
Sun JDK |
1.4.2_08以上(たとえば1.4.2_xx)、ただしバージョン1.5以上は不可 |
Microsoft Internet Explorer |
6.x |
Oracle Identity Managerリリース9.0.2のコンポーネントを英語以外の環境にデプロイする場合、次のガイドラインと要件を確認してください。
Oracle Identity Managerリリース9.0.2のいずれかのコンポーネントをインストールする前に、ターゲット・システムの地域と言語の設定(ロケール)が次の要件を満たすことを確認します。
適切な言語のオペレーティング・システムのインストール
特定の言語設定の適切な構成
デプロイのローカライズ構成の詳細を確認して、様々なコンポーネントや属性固有の制約を満たすためには、『Oracle Identity Managerグローバリゼーション・ガイド』を参照してください。
Oracleデータベースのグローバリゼーション・サポートでは、データベースをUnicode対応に構成する必要があります。
詳細は、「Oracleデータベースの作成」を参照してください。
Oracle Identity Managerのインストール計画に役立つように、「ハードウェアおよびソフトウェアの要件」と「インストール・ワークシート」を読むことをお薦めします。
通常、データベース管理者(DBA)、システム管理者およびIT開発者は各自の専門分野に固有のタスクを処理するため、Oracle Identity Managerのインストール情報をチーム・メンバーで共有する必要があります。表2-6に、インストール・チームの各メンバーが読む必要があるドキュメントの項を示します。
表2-6 インストールでの役割とドキュメント
インストールでの役割 | 参照する項 |
---|---|
データベース管理者 |
|
システム管理者 |
|
IT開発者 |
|
表2-7の「インストール・ワークシート」を使用すると、Oracle Identity Managerのインストールを開始する前に、必要な構成属性を特定することができます。このワークシートを印刷し、インストールの記録を取ってください。「ユーザー選択」の列に実際のインストールの情報を記入します。
表2-7 インストール・ワークシート
項目 | デフォルト | ユーザー選択 |
---|---|---|
Windows: C:\oracle UNIXまたはLinux: /opt/oracle |
||
Oracle Identity Managerデータベースがインストールされているマシンの名前またはIPアドレス |
N/A脚注1 |
|
SQL Serverでは1433 Oracleでは1521 |
||
インストールで使用するデータベースの名前 |
N/A |
|
Oracle Identity Managerがデータベースにアクセスするために使用するデータベース・アカウントの名前とパスワード |
N/A |
|
Windows: C:\j2sdk<version> UNIXまたはLinux: /opt/j2sdk<version> |
||
Windows: C:\jboss-<version> UNIXまたはLinux: /opt/jboss-<version> |
脚注1 N/Aはデフォルトがないことを意味します。Oracle Identity Managerをインストールするときはこの項目の値を指定する必要があります。
診断ダッシュボードは、アプリケーション・サーバーで実行するWebアプリケーションです。これによって、Oracle Identity Managerで必要なコンポーネントについてインストール前とインストール後の環境がチェックされます。Oracle Identity Managerをインストールする前に診断ダッシュボードをインストールすることを強くお薦めします。
診断ダッシュボード・ツールは、Oracle Identity ManagerインストーラCDで配布されます。DiagnosticDashboardディレクトリに含まれています。
診断ダッシュボードWebアプリケーションは、アプリケーション・サーバーにデプロイする必要があります。詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。
注意: Oracle Identity Managerサーバーをインストールする前に診断ダッシュボードXIMDDアプリケーションをJBossにインストールすると、JBossの起動時に例外が発生することがあります。この例外を回避するには、jboss-4.0.2\server\default\deploy\jbossweb-tomcat55.sar\META-INF\jboss-service.xmlファイルのUseJBossWebLoader プロパティをtrue に設定します。 |