Oracle Identity Manager Password Synchronization Module for Microsoft Active Directoryインストレーションおよび構成ガイド リリース9.0.3 E05120-01 |
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Oracle Identity Managerは、エンタープライズ・アプリケーションや管理対象システムへのアクセス権の付与および取消しを自動化するための、高度なユーザー・アカウント・プロビジョニング・システムです。Oracle Identity Managerのモジュール・アーキテクチャでは、既存のインフラストラクチャ、ポリシーまたは手順を変更することなく、大部分のIT要件に対応できます。
この章では、次の項目について説明します。
Oracle Identity Managerには、Microsoft Active Directoryにリンクするために、次のコンポーネントが用意されています。
Microsoft Active Directory用のコネクタ
Password Synchronization Module for Microsoft Active Directory
それぞれのユーザーの必要に応じて、これらのコンポーネントのいずれかまたは両方を、Oracle Identity ManagerおよびMicrosoft Active Directoryにデプロイできます。(LDAP over SSLとともに)両方のコンポーネントをデプロイすると、コネクタおよびPassword Synchronization Moduleにより、パスワードを含むすべてのユーザー属性の完全で双方向の同期が可能になります。
Microsoft Active Directory用のコネクタでは、ユーザー・アカウント属性が双方に更新されます。ただし、パスワード変更が更新されるのはOracle Identity Managerでパスワードが変更された場合のみで、Microsoft Active Directoryで変更された場合には更新されません。
一方、Password Synchronization Module for Microsoft Active Directoryでは、Microsoft Active Directoryで変更されたパスワードによるOracle Identity Managerの更新が行われます。これは、次のように行います。
Password Synchronization Moduleは、Microsoft Active Directoryでのパスワード変更イベントを取得して、Oracle Identity Managerに新しいパスワードを送信します。ここで、パスワードがパスワード・ポリシーに対応していないなどの理由で、Oracle Identity Managerでのパスワード変更に失敗した場合は、そのパスワード変更はMicrosoft Active Directoryで許可されません。ただし、Oracle Identity Managerでのパスワード変更に成功した場合は、そのパスワード変更はMicrosoft Active Directoryで許可されます。
次の表で、両方のツールによって提供されている機能を比較します。
機能 | Module | コネクタ |
---|---|---|
Oracle Identity Managerで変更された(パスワードを除く)ユーザー・アカウント属性によるMicrosoft Active Directoryの更新 | X | ○ |
Microsoft Active Directoryで変更された(パスワードを除く)ユーザー・アカウント属性によるOracle Identity Managerの更新 | X | ○ |
Oracle Identity Managerで変更されたパスワードによるMicrosoft Active Directoryの更新(LDAP over SSLが必要) | X | ○ |
Microsoft Active Directoryで変更されたパスワードによるOracle Identity Managerの更新 | ○ | X |
モジュールのインストール・ファイルは、インストール・メディアにある次のZIPファイルに圧縮されています。
Directory Servers\Microsoft Active Directory\Microsoft Active Directory Password Sync
これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。
インストール・メディア・ディレクトリのファイル | 説明 |
---|---|
setup_ad.exe |
このファイルは、Password Synchronization Moduleのインストールに使用されます。 |
set_ad.jar |
このJARファイルは、インストール・プロセスで使用されます。 |
com\oracle\xl\installer ディレクトリのファイル |
これらの各リソース・バンドル・ファイルには、コネクタで使用される言語固有の情報が含まれます。
注意: リソース・バンドルは、Oracle Identity Managerのユーザー・インタフェースで表示されるローカライズ・バージョンのテキスト文字列を含むファイルです。これらのテキスト文字列には、管理およびユーザー・コンソールに表示されるGUI要素のラベルおよびメッセージが含まれます。 |
jpclient\lib ディレクトリにあるファイル |
パスワード同期ライブラリのファイルです。 |
xlhome\ext ディレクトリのファイル |
サード・パーティJARファイルです。 |
xlhome\install ディレクトリのファイル |
これらのJARファイルは、Password Synchronization Moduleのインストーラに必要です。 |
既存のPassword Synchronization Moduleのリリース番号を確認するには、次のようにします。
xliADSync.jar
ファイルの内容を抽出します。このファイルは、第2章で説明されているインストール・プロセスを実行した後で、ADSYNC_HOME
\lib
ディレクトリにコピーされます。
manifest.mf
ファイルをテキスト・エディタで開きます。manifest.mf
ファイルは、xliADSync.jar
ファイル内にバンドルされているファイルの1つです。
manifest.mf
ファイルで、コネクタのリリース番号がVersion
プロパティの値として表示されます。