この章では、Oracle Identity Managerをインストールする前および後にWebSphereを設定する方法を示します。
この章では次の項目について説明します。
インストール前および後のタスクの概要を次に示します。これらのタスクはすべて実行する必要があります。
タスクの概要: WebSphereのインストールと構成
WebSphere Application Serverをインストールします。
詳細は、「WebSphere Application Serverのインストール」を参照してください。
WebSphere Application Clientをインストールします。
詳細は、「WebSphere Application Clientのインストール」を参照してください。
WebSphereへのSOAP通信を有効にします。
詳細は、「WebSphereとのSOAP通信の有効化」を参照してください。
WebSphereサーバーおよびクライアントのソフトウェアをアップグレードします。
詳細は、「WebSphereサーバーおよびクライアントのアップグレード」を参照してください。
環境を準備します。
詳細は、「環境変数の設定」を参照してください。
Java仮想マシンのメモリー設定を増やします。
詳細は、「メモリー・サイズの設定」を参照してください。
Oracle Identity Managerをインストールする予定のWebSphereインスタンスのセル名およびノード名を取得します。
詳細は、「WebSphereのセル名およびノード名の取得」を参照してください。
Oracle Identity Managerをインストールします。
詳細は、「Oracle Identity Managerをインストールする前のWebSphereの起動」を参照してください。
完全(デフォルト)インストール・オプションを使用してWebSphereをインストールします。かわりにWebSphereのカスタム・インストールを選択する場合は、次の事柄に注意してください。
アプリケーション・サーバーの場所として指定するパスはAppServer
で終わるようにします。たとえば、Windowsでの有効なパスは次のようになります。
C:\IBM\WebSphere\AppServer
WebSphereのインストール時に、次のWebSphereコンポーネントをインストールします。
管理スクリプト
Antユーティリティ
アセンブリ・ツールとデプロイ・ツール
埋込みメッセージ・サーバーおよびクライアント
デフォルトでは、WebSphereのインストールで使用するアプリケーション・サーバー名はserver1です。
Oracle Identity Managerのインストールには、任意のサーバー名を使用できます。デフォルト以外のサーバー名を使用するようにWebSphereを構成する方法の詳細は、「デフォルト以外のサーバーでのWebSphereの構成」を参照してください。
WebSphere Application Clientは、Oracle Identity Manager Design Consoleの実行に必要です。標準(デフォルト)インストールでWebSphere Application Client 5.1をインストールします。インストール手順の詳細は、WebSphereのドキュメントを参照してください。
Oracle Identity Managerインストーラは、JACLコマンドを使用してデータ・ソースの作成、メッセージ・キューの設定などの操作を実行するSOAPクライアントとしてWebSphereと通信します。
WebSphereとのSOAP通信を有効にするには、次のようにします。
次のファイルをテキスト・エディタで開きます。
<WEBSPHERE_HOME>\properties\soap.client.props
プロパティの行を次のように編集します。
com.ibm.SOAP.securityEnabled=true com.ibm.SOAP.loginUserid=xelsysadm com.ibm.SOAP.loginPassword=xelsysadm
注意: xelsysadm以外のユーザーIDまたはパスワードをWebSphereに使用した場合は、それらをここに指定します。 |
ファイルを保存して閉じます。
WebSphere Application Clientのインストール時には、WebSphere Serverのホスト名およびポートの入力を求められます。このポートは、WebSphereブートストラップ・ポートです。Design Consoleのインストール時にもこのポート番号を指定する必要があります。ブートストラップ・ポート番号は、WebSphere管理コンソールを使用して取得します。
注意: ブートストラップ・ポート番号を取得するには、WebSphereアプリケーション・サーバーが稼働している必要があります。 |
非クラスタ(シングルトン)・インストールでブートストラップ・ポート番号を確認するには、次のようにします。
WebSphere管理コンソールにログインします。
「Servers」→「Application Servers」→「<SERVER_NAME>」→「End Points」→「Bootstrap Address」を選択します。
ブートストラップ・ポートが表示されます。
クラスタ・インストールでブートストラップ・ポート番号を確認するには、次のようにします。
WebSphere管理コンソールにログインします。
「Servers」→「Application Servers」→「<Model_Node_Server_Name>」→「End Points」→「Bootstrap Address」を選択します。
ブートストラップ・ポートが表示されます。
注意: クラスタWebSphere構成を使用する場合は、Oracle Identity Manager Design Consoleの構成ファイルを手動で編集し、クラスタ内のすべてのブートストラップ・ポートのリストを指定します。詳細は、「共有ディレクトリを使用したOracle Identity Managerクラスタのインストール」を参照してください。 |
WebSphereサーバーおよびクライアントはいずれもIBM社の最新のフィックス・パックで更新する必要があります。
次の順序でこれらのアップグレードを実行します。
次のようにして、WebSphereサーバーをアップグレードします。
バージョン5.1から5.1.1にアップグレード
バージョン5.1.1から5.1.1.5にアップグレード
バージョン5.1.1.5から5.1.1.12にアップグレード
次のようにして、WebSphereクライアントをアップグレードします。
バージョン5.1から5.1.1にアップグレード
バージョン5.1.1から5.1.1.5にアップグレード
バージョン5.1.1.5から5.1.1.12にアップグレード
JAVA_HOME
システム変数が適切なJDKに設定されていることを確認します。Microsoft Windows、SolarisまたはLinuxでは、JAVA_HOME
をSun JDKに設定します。AIXでは、JAVA_HOME
をIBM JDK(IBM WebSphereにバンドルされています)に設定します。
関連資料: 保証されているJDKのバージョンの詳細は、『Oracle Identity Managerリリース・ノート』を参照してください。 |
ANT_HOME
システム変数が定義されている場合は、その変数を削除します。
Microsoft Windows、SolarisおよびLinuxの場合は、Javaコマンドの実行時にSun JDKが使用されるようにします。そのためには、Sun JDKインストールの/java/jre/bin/
ディレクトリを含んだPATH
エントリを、他のすべてのパス・エントリより前に指定します。次に例を示します。
Microsoft Windows
set PATH=<SUN_JDK_HOME>\jre\bin;%PATH%
SolarisまたはLinux
export PATH=<SUN_JDK_HOME>/jre/bin:$PATH
AIXの場合は、Javaコマンドの実行時にIBM JDK(IBM WebSphereにバンドルされています)が使用されるようにします。そのためには、IBM JDKインストールの/java/jre/bin/
ディレクトリを含んだPATHエントリを、他のすべてのパス・エントリより前に指定します。次に例を示します。
export PATH=<IBM_JDK_HOME>/jre/bin:$PATH
次の手順に従ってメモリー・サイズを設定します。メモリー・サイズを設定するには、WebSphereアプリケーション・サーバーが稼働している必要があります。
メモリー・サイズを設定するには、次のようにします。
次のURLを使用してWebSphere管理コンソールに接続します。
http://<WebSphere Host
>:<WebSphere Admin Port
>/admin
「Servers」→「Application Servers」を選択します。
サーバー名を選択します。
「Configuration」タブで、「Additional Properties」セクションまでスクロールします。
「Process Definition」を選択します。
「Configuration」タブで、「Additional Properties」セクションまでスクロールします。
「Java Virtual Machine」をクリックします。
「General Properties」リストで、「Maximum Heap Size」の値を1024MBに変更します。
「OK」を選択します。
「Save」を選択して設定をコミットします。
WebSphereをインストールして初期構成を行った後、次の手順に従ってOracle Identity Managerをインストールする予定のWebSphereインスタンスのセル名およびノード名を取得します。インストール時に、Oracle Identity Managerインストーラからこの情報の入力を求められます。
セル名およびノード名を取得するには、次のようにします。
次のURLを使用してWebSphere管理コンソールに接続します。
http://<WebSphere Host
>:<WebSphere Admin Port
>/admin
左側のセクションで「Servers」をクリックします。
「Servers」の下の「Application Servers」をクリックします。
右側のセクションでサーバー・インスタンス(デフォルトはserver1)をクリックします。
「Runtime」タブをクリックします。
「Cell Name」および「Node Name」の値をメモします。
注意: 「State」の値がStarted でない場合は、サーバー・インスタンスを再起動します。 |
UNIXまたはLinuxで稼働しているWebSphereアプリケーション・サーバーに非ルート・ユーザーとしてOracle Identity Managerをインストールするには、特定の権限が必要になります。UNIXまたはLinuxで稼働しているWebSphereアプリケーション・サーバーに非ルート・ユーザーとしてOracle Identity Managerをインストールする前に、Oracle Identity Managerのインストールに使用するオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントにWebSphereがインストールされるディレクトリ(<WEBSPHERE_HOME>や<NDM_HOME>など)に対する書込み権限および実行権限があることを確認します。
インストール時に、Oracle Identity ManagerインストーラはWebSphereサーバーと通信する必要があるため、インストールを開始する前にアプリケーション・サーバーが稼働していることを確認する必要があります。WindowsでWebSphereを起動するには、Windowsの「スタート」メニューを使用するか、<WEBSPHERE_HOME>\bin\startServer.batスクリプトを使用します。たとえば、次のように実行します。
<WEBSPHERE_HOME
>\bin\startServer.bat <server name
>
UNIXまたはLinuxでWebSphereを起動するには、<WEBSPHERE_HOME>/bin/startServer.shスクリプトを使用します。たとえば、次のように実行します。
<WEBSPHERE_HOME
>/bin/startServer.sh <server name
>
Oracle Identity Managerをインストールするには、オペレーティング・システムに対応する章のインストール手順に従ってください。詳細は、「WindowsでのOracle Identity Managerサーバーのインストール」または「UNIXまたはLinuxでのOracle Identity Managerサーバーのインストール」を参照してください。