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Oracle Identity Manager Toolsリファレンス
リリース9.1.0

E05903-02
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4 プロセス・タスク・アダプタについて

この章では、プロセス・タスク・アダプタについて説明します。内容は次のとおりです。

プロセスおよびプロセス・タスクの概要

プロセス・タスク・アダプタは、アダプタ・ファクトリで作成したJavaコードです。これにより、Oracle Identity Managerではプロビジョニング・プロセスでプロセス・タスクを自動的に実行できます。

それぞれのプロセスおよびプロセス・タスクにはステータスがあり、完了の段階を示します。次の表に、プロセスまたはプロセス・タスクのステータスを、重要性の高いものから示します。


注意

UT、UCRおよびXLRのステータスについては、次の表では説明しません。これらのステータスの値は、推奨されておらず、Oracle Identity Managerの将来のリリースでは削除されます。 


タスク・ステータス  説明 

Completed: このプロセスまたはプロセス・タスクは正常に完了しました。 

MC 

Manually Completed: このプロセス・タスクは、Oracle Identity Managerユーザーにより(手動で)正常に完了しました。 

Pending: このプロセスまたはプロセス・タスクは、完了処理中です。先行するプロセスおよびプロセス・タスクはすべて完了しています。 

PX 

Pending Cancellation: このプロセス・タスクは取り消されますが、取り消す前に完了する必要があります。 

Rejected: このプロセスまたはプロセス・タスクは、正常に完了しましたが、承認されていません。却下されたプロセス・タスクのステータスは、「Cancelled」または「Unsuccessfully Completed」のみに変更できます。 

Suspended: このプロセスまたはプロセス・タスクは一時的に停止しています。 

UC 

Unsuccessfully Completed: このプロセス・タスクは、「Completed」に設定されています。しかし、タスクは以前に却下されたことがあります。 

Waiting: このプロセスまたはプロセス・タスクは、先行するすべてのプロセス・タスクまたはプロセスが完了するまで、完了しません。 

このプロセスまたはプロセス・タスクは停止しています。ステータスは変更できません。 

プロセスのステータス・レベルは、そのプロセス・タスクの最も重要なステータス・レベルを表します。これが完了しないと、プロセスは完了しません。プロセスに異なるステータス・レベル(「Completed」、「Waiting」および「Rejected」)を持つ3つのプロセス・タスクがある場合、3つのすべてのプロセス・タスクを完了するまでは、プロセスが完了しません。「Rejected」が最高のステータス・レベルであるため、プロセスのステータス・レベルも「Rejected」となります。

プロセス・タスクは、次のいずれかの方法で管理できます。

Oracle Identity Managerでプロセス・タスクを自動的に実行するJavaコードは、プロセス・タスク・アダプタと呼ばれます。開発者がプロセス・タスク・アダプタを作成および管理するためのOracle Identity Managerツールは、アダプタ・ファクトリと呼ばれます。


注意

プロセス・タスクの手動処理の詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。 


プロセス・タスク・アダプタの動作

プロセス・タスク・アダプタを作成し、「Process Definition」フォームの「Integration」タブを使用して、アダプタを適切なプロセス・タスクにアタッチします。このタブでは、「Resolve at Run time」またはアダプタ戻り変数のいずれかとして指定されたアダプタ変数を、適切な場所にマップすることもできます。

たとえば、adpSOLARISPASSWORDUPDATEDという名前のアダプタが、SolarisプロセスのPassword Updatedタスクに関連付けられているとします。

アダプタを機能させるためにアダプタをプロセス・タスクにアタッチすると、別のフォームのフィールドからデータが必要になる場合があります。この例では、次の情報を取得するまでadpSOLARISPASSWORDUPDATEDアダプタは動作しません。

そのため、UserID、Passwd、SolarisUserID、SolarisUserPasswdおよびServerAddressアダプタ変数から、それぞれ情報を取得する必要があります。この5つの変数は、「Adapter Factory」フォームを使用して作成されます。それぞれのアダプタ変数の先頭のYは、アダプタが正常にマップされたことを表します。

プロセスが必要な情報を取得するために使用するプロセス固有フィールドを作成するためのフォームは「Form Designer」と呼ばれます。作成したフィールドは、Oracle Identity Managerにより表に格納されます。次に、この表をプロセスに関連付けると(「Process Definition」フォームの「Table Name」検索フィールドを使用)、このプロセスのタスクにアタッチされたアダプタは、表を使用して適切なデータを検索します。

この表を変更する場合は、「Form Designer」フォームで変更できます。

UD_SOLARIS表には、UD_SOLARIS_USERIDとUD_SOLARIS_PASSWDという2つの表があります。「Form Designer」フォームでこのレコードにアクセスすると、表のフィールドを編集できます。


注意

「Form Designer」フォームでプロセス固有フィールドを作成および変更する方法の詳細は、『Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール・ガイド』を参照してください。 


プロセス・タスク・アダプタを依存プロセス・タスクにアタッチすると、このプロセス・タスクのステータスは「Pending」になり(先行するプロセス・タスクのステータスは「Completed」)、Oracle Identity Managerは自動的にアダプタをトリガーします。プロセス・タスクが独立したタスクの場合、Oracle Identity Managerはプロセスがリクエストされた時点でアダプタを実行します。

実行されたアダプタの結果は、プロセス・タスクのステータスを表します。アダプタが正常に終了した場合、アダプタをアタッチしたプロセス・タスクのステータスは「Completed」です。

一方、アダプタで指定された機能が実行できない場合、アダプタをアタッチしたプロセス・タスクのステータスは「Rejected」です。エラーの原因を突き止めることで、正常に実行されるようにプロセス・タスクまたはアダプタ(あるいはその両方)を変更できます。


注意

プロセス・タスクが失敗した原因を確認する手順は次のとおりです。

プロセス・タスクを探します。プロセス・タスクをターゲット・ユーザーまたは組織にプロビジョニングしていない場合は、「To-Do List」または「Pending Approvals」の中にあります。タスクの検出手順は次のとおりです。

  1. ユーザーとしてログインします。

  2. ウィンドウの左側の「To-Do List」リンクまたは「Pending Approvals」リンクを選択します。

 

プロセス・タスク・アダプタのプロセス・タスクへのアタッチ

前の章では、プロセス・タスク・アダプタの作成方法を説明しました。プロセス・タスクを自動的に実行するためには、プロセス・タスク・アダプタをプロセス・タスクにアタッチする必要があります。

アダプタをプロセス・タスクに関連付けるには、(「Process Definition」フォームから)「Integration」タブにアクセスします。このタブでは、アダプタ変数を適切な場所にマップすることもできます。

次の手順では、プロセス・タスク・アダプタをプロセス・タスクにアタッチする方法を説明します。

  1. 「Process Management」フォルダにある「Process Definition」フォームを開きます。

    Oracle Identity Managerワークスペースに「Process Definition」フォームが表示されます。

  2. アダプタをアタッチするタスクを含むプロセスを選択します。選択したプロセスとそのタスクが、「Process Definition」フォームに表示されます。この例では、Solarisプロセスが選択されています。

  3. アダプタをアタッチするタスクの行ヘッダーをダブルクリックします。タスクの情報(たとえば、Password Updatedプロセス・タスクなど)を含む「Editing Task」ウィンドウが表示されます。

  4. 「Integration」タブをクリックします。

  5. 「Add」をクリックします。

    「Handler Selection」ウィンドウが表示されます。

  6. 「Adapter」オプションをクリックして、Oracle Identity Managerのアダプタにアクセスします。

    プロセス・タスクをアタッチできるアダプタが表示されます。

  7. この領域から、プロセス・タスクにアタッチするアダプタ(adpSOLARISPASSWORDUPDATEDアダプタなど)を選択します。

    ヒント

    各アダプタの名前は、区別しやすいよう、最初の3文字がadpです。各アダプタの名前は、区別しやすいよう、最初の3文字がadpです。 

  8. 「Handler Selection」ウィンドウのツールバーで「Save」をクリックします。

    アダプタが正常にプロセス・タスクにアタッチされたことを示すダイアログ・ボックスが表示されます。

  9. 「OK」をクリックします。

    ダイアログ・ボックスが閉じ、「Integration」タブがアクティブになります。タブには次の項目が表示されます。

  10. 「Integration」タブの「Adapter Variable」領域に表示されるそれぞれの変数にマッピングを設定します。それには、マップする変数の行ヘッダー(SolarisUserIDなど)をダブルクリックします。

    「Data Mapping for Variable」ウィンドウが表示されます。

    表4-1 で、「Data Mapping for Variable」ウィンドウのフィールドについて説明します。

    表4-1    「Data Mapping for Variable」ウィンドウのフィールド 
    フィールド名  説明 

    Variable Name 

    このフィールドには、マッピングを設定するアダプタ変数の名前(SolarisUserIDなど)が表示されます。 

    Data Type 

    このフィールドには、アダプタ変数のデータ型が表示されます(たとえば、SolarisUserID変数のデータ型は文字列です)。 

    Map To 

    このフィールドには、アダプタ変数に設定可能なマッピング型(「IT Resources」など)が含まれます。このコンボ・ボックスから、アダプタ変数をマップする場所または連絡先の特定のタイプを選択します。また、アダプタ変数をカスタム・プロセス・フォームにマップし、そのフォームに子表が含まれる場合、Oracle Identity Managerでは隣接するコンボ・ボックスが有効化されます。このコンボ・ボックスから、アダプタ変数をマップする子表を選択します。場所、連絡先またはカスタム・プロセス・フォームの子表にアダプタ変数をマップしない場合、このコンボ・ボックスは無効化されます。 

    Qualifier 

    このフィールドには、「Map To」コンボ・ボックスで選択したマッピングの修飾子が含まれます(「IT Asset」など)。 

    IT Asset Type 

    このフィールドでは、アダプタ変数をITリソースにマップし、この変数のデータ型が文字列である場合に、特定のITリソース(Solarisなど)を選択できます。

    アダプタ変数をITリソースにマップしない場合、またはアダプタ変数のデータ型が文字列ではない場合、このフィールドは表示されません。 

    IT Asset Property 

    このフィールドでは、アダプタ変数をITリソースにマップし、この変数のデータ型が文字列である場合に、マッピングの結果を受け取る特定のフィールド(「User Name」など)を選択できます。

    アダプタ変数をITリソースにマップしない場合、またはアダプタ変数のデータ型が文字列ではない場合、このフィールドは表示されません。

    重要: 「IT Asset Type」および「IT Asset Property」フィールドは、下位互換性のためにこのウィンドウに含まれています。アダプタ変数を「IT Resource」データ型で作成することをお薦めします。この場合、これらのフィールドは表示されません。 

    Literal Value 

    アダプタ変数をリテラルにマップする場合、このフィールドでリテラル値を指定します。

    アダプタ変数をリテラルにマップしない場合、このフィールドは表示されません。 

    Old Value 

    このチェック・ボックスを選択して、選択した「Qualifier」フィールドの変更前の値に、アダプタ変数をマップします。

    プロセス・タスクに関連付けられたプロセス・タスク・アダプタは、プロセス・フォームのフィールドの一部が変更されると、条件付きでトリガーされる場合があります。「Old Value」オプションをクリックし、プロセス・タスクを条件付きとしてマークした場合、フィールドを変更する前の値がアダプタに渡されます。これは、パスワードを使用するフィールドの場合に役立ちます。たとえば、パスワードに同じ値の設定を許可しない場合、比較に古い値を使用できます。

    カスタム・プロセス・フォームの子表に属するフィールドにアダプタ変数をマップしていない場合は、このチェック・ボックスは無効化されています。 

  11. 「Map To」、「Qualifier」、「IT Asset Type」、「IT Asset Property」、「Literal Value」および「Old Value」フィールドをすべて入力します。


    注意

    選択するマッピングの詳細は、『Oracle Identity Managerリファレンス』のアダプタ変数マッピングに関する項を参照してください。 


  12. ツールバーで「Save」をクリックします。次に、「Close」をクリックします。

    「Data Mapping for Variable」ウィンドウが閉じます。「Integration」タブが再びアクティブになります。

  13. 「Editing Task」ウィンドウのツールバーで「Save」をクリックします。

    「Status」フィールドのコンテンツが、「Mapping Incomplete」から「Ready」に変化します。アダプタ変数のマッピング・ステータスも、「No(N)」から「Yes(Y)」へ変化します。

  14. ツールバーで「Close」をクリックします。

    「Editing Task」ウィンドウが閉じ、メイン画面が再びアクティブになります。Password Updatedタスクに追加したアダプタ(adpSOLARISPASSWORDUPDATED)が、「Process Definition」フォームに表示されます。

    これは、adpSOLARISPASSWORDUPDATEDプロセス・タスク・アダプタがPassword Updatedプロセス・タスクにアタッチされたことを意味します。

    ヒント

    プロセス・タスク・アダプタをプロセス・タスクにアタッチすると、「Adapter Factory」フォームの「Usage Lookup」タブにアクセスすることで、関連付けられたプロセスおよびタスクを簡単に確認できます。 

プロセス・タスク・アダプタのプロセス・タスクからの削除

Oracle Identity Managerで、プロセス・タスクを自動的に完了するためのプロセス・タスク・アダプタが不要になった場合、または別のアダプタをプロセス・タスクにアタッチする場合は、まずプロセス・タスクにアタッチしたアダプタを削除する必要があります。

次の手順では、プロセス・タスク・アダプタをプロセス・タスクから削除する方法を説明します。

プロセス・タスク・アダプタのプロセス・タスクからの削除

  1. 「Process Definition」フォームを開きます。

    Design Consoleワークスペースに、「Process Definition」フォームが表示されます。

  2. アダプタを削除するタスクを含むプロセス(Solarisプロセスなど)を選択します。

    選択したプロセスとそのタスクが、「Process Definition」フォームに表示されます。

  3. アダプタを削除するプロセス・タスク(Password Updatedタスクなど)の行ヘッダーをダブルクリックします。

    プロセス・タスクの情報を含む「Editing Task」ウィンドウが表示されます。

  4. 「Integration」タブをクリックします。

    「Integration」タブに、プロセス・タスクにアタッチされたアダプタの情報が表示されます。

  5. 「Remove」をクリックします。

    アダプタをプロセス・タスクから削除することを確認するダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. 「OK」をクリックします。

    アダプタがプロセス・タスクから削除されたことを示すダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. 「OK」をクリックします。

    アダプタのコンテンツが「Integration」タブに表示されなくなります。

  8. ツールバーで「Close」をクリックします。

    「Editing Task」ウィンドウが閉じ、メイン画面が再びアクティブになります。Password Updatedタスクに関連付けられていたアダプタ(adpSOLARISPASSWORDUPDATED)が、「Process Definition」フォームの子表に表示されなくなります。

    これは、アダプタがプロセス・タスクから削除されたことを意味します。


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