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Oracle Access Managerアップグレード・ガイド
10g(10.1.4.2.0)
E05837-01
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C アップグレード・プロセスおよびユーティリティ

この章では、アップグレード・プロセス中にコールされて実行されるユーティリティについて説明します。

内容は次のとおりです。


注意:

これらのツールを手動で実行することはお薦めしません。インプレース・アップグレード(第II部および第III部を参照)を実行するか、または停止時間ゼロのアップグレード(第VI部を参照)を実行することを強くお薦めします。

C.1 アップグレードのイベントの概要

各コンポーネントをアップグレードする場合、最新の製品リリースを以前の製品リリースと同じ場所にインストールします。この項では、コンポーネントのアップグレード中にプログラムによって実行されるプロセスについて概説します。

インプレース・アップグレードを実行する場合と停止時間ゼロのアウトオブプレース・アップグレードを実行する場合では、いくつかの相違があります。

インプレース・アップグレード: コンポーネントのアップグレードは、対応するOracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)インストーラを使用して開始します。各コンポーネントのアップグレードでは、インストーラが一連のイベントとメッセージを自動的に処理します。コンポーネントのアップグレード・プロセスでは、ユーザーが入力する必要はほとんどありません。

アップグレードを開始し、以前(ソース)のコンポーネントが格納されているのと同じ(ターゲット)インストール・ディレクトリを指定すると、以前のバージョンのコンポーネントをアップグレードするかどうかの確認を求められます。

ディレクトリ名に空白が含まれる場合、プログラムを正しく起動するには、使用するコマンド内で各パス名を引用符で囲む必要があります。次に例を示します。

     obmigratenp.exe -c ois -f 650 -t 700 -s
     "C:\Program Files\NetPoint\identity_20060519_134931"
     -d "C:\Program Files\NetPoint\identity"
     -i "C:\Program Files\NetPoint\identity"

警告:

ディレクトリ名に空白が含まれる場合は、必ず使用するコマンド内で各パス名を引用符で囲んでください。


すべてのアップグレード: 図C-1およびそれに続く「プロセスの概要」には、各プログラム(およびプロセス中に自動的にコールされるユーティリティ)によって実行される一般的なコンポーネントのアップグレードを示します。

図C-1 インプレース・アップグレード時にプログラムにより実行されるイベント

図C-1の説明が続きます
「図C-1 インプレース・アップグレード時にプログラムにより実行されるイベント」の説明

プロセスの概要: 以前のソースが検出されてアップグレードする場合

  1. ソース・ディレクトリがタイムスタンプ付きの名前に変更されます。

  2. ターゲット・ディレクトリが作成され、10g(10.1.4.0.1)ファイルがそのディレクトリに抽出されます。最新のリリースは元のターゲット・パスに抽出する必要があります。これにより、以前のインストールの言語が検出されます。

    英語は自動的にアップグレードされます。10g(10.1.4.0.1)言語パックがソース・ディレクトリにある場合は、以前の言語のアップグレードや新規の言語の追加ができます。


    注意:

    10g(10.1.4.0.1)言語パックを使用せずにマルチ言語実装をアップグレードすると、マルチ言語機能が失われます。マルチ言語実装の詳細は、第4章「システム動作と下位互換性」を参照してください。

  3. obmigratenpユーティリティがコールされます(移行元と移行先のリリースを判別します)。このユーティリティは、この特定コンポーネントに対してアップグレードする必要のある機能と、これらのアップグレードに使用する必要のあるその他のユーティリティを内部で検出します。

    インストールに複数の言語が含まれている場合、obmigratenpは次の処理を実行します。

    1. デフォルト言語でメッセージ・カタログを移行します。

    2. コンポーネント・ソース・ディレクトリに10g(10.1.4.0.1)言語パックがある場合は、英語以外の選択した言語でメッセージ・カタログを移行します。

    3. 「基本ユーティリティ: obmigratenp」の説明に従って、通常のアップグレードを開始します。


      注意:

      各ユーティリティとそれによって生成されるログ・ファイルの詳細は、この付録で後述する説明を参照してください。

  4. obmigratefilesユーティリティが、プログラム・ファイルおよびライブラリ・ファイルをアップグレードするためにコールされます。

    1. 必要なファイルがターゲット・ディレクトリに抽出されます。

    2. 名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・ディレクトリに必要な構成ファイルとSSL関連のファイルがコピーされ、10g(10.1.4.0.1)がインストールされます。

    詳細は、「ファイルのアップグレード: obmigratefiles」を参照してください。

  5. obmigrateparamsgユーティリティが、メッセージ・カタログ・ファイルおよびパラメータ・カタログ・ファイルをアップグレードするためにコールされます。

    1. 名前の変更されたソース領域から、必要な(.xmlおよび.lst)ファイルが特定されます。

    2. ファイルが最新のリリースに合せて変更され、ターゲット・ディレクトリに書き込まれます。10g(10.1.4.0.1)では、LSTファイルがXMLファイルに変換され、元のファイルに加えられたカスタマイズがアップグレードされたファイルで保持されます。

    詳細は、「メッセージおよびパラメータのアップグレード: obmigrateparamsg」を参照してください。

  6. スキーマおよびデータのアップグレードのみ: 2つのユーティリティobmigratedおよびobmigratedataが、Oracle Access Managerのスキーマとデータのアップグレードを開始するために自動的にコールされます。

    停止時間ゼロのアップグレード: スキーマとデータが個別にアップグレードされます。詳細は、「停止時間ゼロのアップグレード・メソッドを使用したスキーマおよびデータのアップグレード」を参照してください。

    インプレース・アップグレード: スキーマとデータは、マスター・アイデンティティ・サーバー(インストールにアクセス・システムが含まれる場合はマスター・ポリシー・マネージャも)と一緒にアップグレードされます。後続のアイデンティティ・サーバー(およびポリシー・マネージャ)のアップグレード時には、最初のスキーマおよびデータのアップグレードが検出され、プロセスのその部分がスキップされます。第II部「スキーマおよびデータのアップグレード」の説明に従って、Oracle Access Managerのスキーマとデータを自動的にアップグレードすることをお薦めします。このような自動アップグレードでは、ユーザーのディレクトリ・サーバーに固有のLDIFファイルが使用されます。各LDIFファイルに含まれるのは、Oracle Access Managerの1つのリリースと次のリリースとの間の変更点のみです。つまり、スキーマおよびデータのアップグレードは、開始するリリースから10g(10.1.4.0.1)にいたるまで、各リリースへのアップグレードごとに1回繰り返されます。たとえば、リリース6.1.1からアップグレードする場合、スキーマおよびデータのアップグレードが次のように行われます。

    • リリース6.1.1.からリリース6.5へ

    • リリース6.5からリリース7.0へ

    • リリース7.0から10g(10.1.4.0.1)へ

  7. obmigratewsユーティリティがコールされ、指定のWebサーバー構成ファイルおよびフィルタのアップグレードを実行し、ポリシー・マネージャ、WebPassおよびWebGateの新しいバージョンの変更内容を必要に応じて組み込みます。

    Webサーバー構成ファイルに変更が加えられます。

    詳細は、「Webサーバーのアップグレード: obmigratews」を参照してください。

  8. コンポーネント固有のユーティリティを使用して、Windowsの関連するレジストリ・エントリ、プラグインおよびその他のファイルを変更します。

    例:

    1. アイデンティティ・サーバー: obMigrateNetPointOisは、アイデンティティ・サーバーの既存レジストリ・エントリをアップグレードして新しいリリースを反映し、PPPカタログを必要に応じて変更し、password.xmlおよびpassword.lstにあるパスワードを必要に応じて変更し、適切なuninstall_info.txtを再作成します。詳細は、「アイデンティティ・サーバー: obMigrateNetPointOis」を参照してください。


      注意:

      Oracle Access Manager 5.2のpassword.xmlファイルおよびpassword.lstファイルに書き込まれたパスワードは暗号化されていません。これに対して、それより以後のバージョンでは暗号化されます。暗号化はアップグレード中に自動的に行われます。

    2. WebPass: obMigrateNetPointWPは、WebPassの既存レジストリ・エントリをアップグレードして新しいリリースを反映し、password.xmlおよびpassword.lstにあるパスワードを必要に応じて変更します。詳細は、「WebPass: obMigrateNetPointWP」を参照してください。

    3. ポリシー・マネージャ: obMigrateNetPointAMは、ポリシー・マネージャのレジストリ・エントリをアップグレードし、password.lstにある暗号化パスワードを必要に応じて変更します。また、名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・インストール・ディレクトリにカスタム・プラグインをコピーします。詳細は、「ポリシー・マネージャ: obMigrateNetPointAM」を参照してください。

    4. アクセス・サーバー: obMigrateNetPointAAAは、アクセス・サーバーのレジストリ・エントリをアップグレードして、暗号化パスワードを必要に応じて変更し、名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・インストール・ディレクトリにカスタム・プラグインをコピーして、次に示すフェイルオーバー・ファイルをアップグレードします。

      AppDB.lst: .xmlに変換されます。

      ConfigDB.lst: .xmlに変換されます。

      Group.lst: .xmlに変換されます(存在する場合)。

      UserDB.lst: .xmlに変換されます(存在する場合)。

      WebResrcDB.lst: .xmlに変換されます。

      詳細は、「アップグレードされる項目」を参照してください。

    5. WebGate: obMigrateNetPointWGは、WebGateのレジストリ・エントリをアップグレードし、必要に応じて暗号化パスワードを変更します。詳細は、「WebGate: obMigrateNetPointWG」を参照してください。

    6. SDK: obMigrateNetPointASDKがobmigratenpからコールされ、Access Manager SDKのアップグレードを実行します。

      SDKのアップグレードは、SDKにバンドルされたコンポーネント(アイデンティティ・サーバーおよびOracle Access Manager WebSphere用コネクタ)のアップグレードの最終ステップとして自動的に開始されます。


      注意:

      自動SDKアップグレードを拒否すると、現在のSDK構成設定が保持されなくなるため、『Oracle Access Managerアクセス管理ガイド』で説明されているように、configureAccessGateツールを使用してSDKを再構成する必要があります。

    詳細は、「Software Developer Kit(SDK): obMigrateNetPointASDK」を参照してください。

  9. 通常のインストール作業を終了する場合と同様の方法で終了します。

    必須の手動処理作業の詳細は、「手動でアップグレードする必要のある項目」を参照してください。


    注意:

    アップグレードは段階的に行われます。つまり、古いものから順にアップグレード・プロセスが始まり、次のメジャー・リリースにアップグレードされます。コンポーネント固有のアップグレードの後、元のリリースと最新のリリース間の変更がすべて反映されるまで、アップグレード・プロセスが自動的に繰り返されます。

    コンポーネントがインストールされたことが通知された後でアップグレードを取り消す場合は、次のステップを実行してOracle Access Managerの構成を元の状態にリストアする必要があります。

C.2 停止時間ゼロのアップグレードのMigrateOAMスクリプト

停止時間ゼロのアップグレードを実行する場合、Oracle Access Managerリリース10g(10.1.4.2.0)で使用可能なMigrateOAMスクリプトを使用する必要があります。MigrateOAMスクリプトと処理の詳細は、「停止時間ゼロのアップグレードのツールおよびプロセス」を参照してください。

C.3 基本ユーティリティ: obmigratenp

インプレース・アップグレード・メソッドを使用する場合、コンポーネントのアップグレードを実行する基本ユーティリティはobmigratenpです。停止時間ゼロのアップグレード・メソッドを使用する場合、プロセスはMigrateOAMスクリプトにより実行されます。obmigrateユーティリティは、表C-1で説明されているように、メジャー・リリースXからメジャー・リリースYにいたる、コンポーネントのアップグレード・プロセス全体を統括します。

表C-1 アップグレード実行ユーティリティobmigratenp

説明 機能

obmigratenp.exe

  • コンポーネントのターゲット・リリースに到達するために必要となる段階的な中間ステップを決定して実行します。

  • 特定のコンポーネントをメジャー・リリースXからメジャー・リリースYにアップグレードするために必要となる機能を実行する、その他のユーティリティを起動します。

パス

Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratenp

コマンドライン

パラメータを指定せずにobmigratenp.exeを実行してください。すべての入力パラメータの意味を含め、使用方法が出力されます。

使用するその他のファイル

  • デフォルト言語をアップグレードするだけでなく、追加でアップグレードする言語とアップグレードしない言語を決定するために、言語パックの抽出を起動します。

  • メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

    _install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratenpmsg.xml
    
  • どのコンポーネントをどのリリースからどのリリースへアップグレードするかという情報のセクションが含まれたパラメータ・ファイルを読み取ります。

    _install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratenpparams
    

該当するコンポーネントに対して特定タイプのアップグレードを実行するかどうかを指定するには、フラグをtrue(機能を起動する)またはfalse(機能をスキップする)に設定します。このファイルにフラグが設定されていない場合は、フラグの値はfalseとみなされます。

フラグには次のものがあります。

  • kMigrateWS: obmigratews.exeを実行するかどうかを決定します。

  • kMigrateDataおよびkMigrateSchema: obmigrateds.exeを実行するかどうかを決定します。どちらかの値をtrueに設定すると、obmigrateds.exeが起動されます。

  • kMigrateASDK: Access Manager SDKアップグレードに対してobmigratenp.exeを再起動するかどうかを決定します。

出力

このユーティリティは、様々なユーティリティを起動し、次に示すログ・ファイルを生成するという点で、アップグレード・プロセス全体を中核となって推進していく役割を果しています。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratenp.log(通常、次の情報が含まれる)

  • コンポーネント名、ソース・ディレクトリおよびターゲット・ディレクトリ

  • 各アップグレード・ユーティリティの起動に使用されたコマンドライン

  • 各アップグレード・ユーティリティの戻りステータス

  • その他のエラー・メッセージや情報メッセージ


C.4 ファイルのアップグレード: obmigratefiles

obmigratefilesは、ファイルとフォルダに関連したアップグレードを実行するため、obmigratenpから複数回コールされます。

ファイルのアップグレードには、名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・インストール・ディレクトリへの必須ファイルのコピーが伴います。obmigratenpツールからコールされるobmigratefilesツールは、次の内容が指定されたマップ・ファイルを使用します。

詳細は、次のプロセスの概要を参照してください。

プロセスの概要: obmigratenpからのobmigratefilesのコール

  1. 次の2つの場合は、obmigratefilesにより、元の各ファイルを入れるフォルダがソース・ディレクトリ内に作成されます。この理由は、リリース5.2.0のインストーラ(Solarisの場合は6.0.0のインストーラ)が元の各ファイルを入れるフォルダを作成しないためです。

    • Oracle Access Manager 5.2.0からアップグレードする場合

    • Solaris上でリリース6.0.0からアップグレードする場合

    使用されるマップ・ファイルはcomponent_Version_orig_files.lstです。次に例を示します。

    ois_520_orig_files.lst
    

    または

    ois_600_orig_files.lst
    

    このフォルダは、メッセージおよびパラメータのアップグレードにも使用されます。

  2. obmigratefilesは、次のマップ・ファイルを使用して、現在のリリースの元のファイルを入れるフォルダを現在のインストール・ディレクトリに作成します。

    component_Version_orig_files.lst

    例:

         ois_600_orig_files.lst
    

    現在のリリースから新しいリリースへのアップグレードが次に実行された際、メッセージおよびパラメータをアップグレードする段階で、現在のリリース用の元のファイルを入れるフォルダが作成され、使用できるようになります。

  3. obmigratefilesにより、名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・インストール・ディレクトリに構成ファイルやSSL設定関連ファイルなどがコピーされます。

    この場合、obmigratefilesは該当するcomponent_base_filesを使用します。次に例を示します。

         ois_base_files.lst
         am_base_files.lst
    

    このようになります。

    ベース・ファイルには、アップグレードに必要な構成ファイルがリストされています。通常、構成ファイルは変更されません。ベース・ファイル内のファイル(フェイルオーバー関連のファイルを含む)とディレクトリは、アップグレード中にコピーされます。必要に応じてファイルとディレクトリのクリーンアップが実行されます。たとえば、特定のOracle Access Managerリリースにより新規ファイルが追加されるかわりに別のファイルがなくなる場合は、クリーンアップが実行されます。Oracle Access Manager 6.0で追加されたファイルが6.5で不要になったと想定します。このような場合、該当するファイルが次のインストールに含まれなくなります。

    1. ベース・ファイルにリストされているファイルをすべてアップグレードします。

    2. ベース・ファイル・リリースから現在のソース・リリースにいたるすべてのソース・バージョンについて、component_source-version_files.lstファイルにリストされているファイルをアップグレードします。

    たとえば、Oracle Access Manager 5.2からアップグレードし、Oracle Access Manager 6.0、6.5および7.0にリリース固有のファイルが存在すると想定します。この場合は、ois_610_files.lst、ois_650_files.lstおよびois_700_files.lstにリストされているファイルがステップ2でコピーされます。ただし、Oracle Access Manager 7.0から10g(10.1.4.0.1)にアップグレードする場合は、現在のソース・リリースがベース・ファイル・リリースとなるため、ステップ2が実行されません。


    注意:

    ベース・ファイル内に削除されるファイルが存在する場合は、ベース・ファイルにリストされている内容からそのファイルが削除されます。以前のOracle Access Managerリリースに存在していた場合でも、以降のリリースでは不要になります。

また、リリース固有のファイルには、特定のcomponent_source-version_files.lstに固有の変更(この情報は、そのリリースからアップグレードする場合にコピーする必要があります)が含まれます。たとえば、Oracle Access Manager 6.0および6.5で追加になったファイルを考えます。この場合、次のものにこのファイルを追加する必要があります。

     ois_600_files.lst
     ois_650_files.lst
     ois_700_files.lst

注意:

Oracle Access Managerリリース6.1で何も変更する必要がなかった場合は、ois_610_files.lstは不要となります。

詳細を表C-2に示します。

表C-2 obmigratefilesによるファイルのアップグレード

説明 機能

obmigratefiles.exe

  • 特定コンポーネント向けのファイルを読み取ります。

  • このファイルに示されたリストに従ってソース・ディレクトリからターゲット・ディレクトリにファイルをコピーします。

  • 必要に応じてリリース固有のファイルを処理します。

パス

Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratefiles

コマンドライン

パラメータを指定せずにobmigratefiles.exeを実行してください。すべての入力パラメータの意味を含め、使用方法が出力されます。

オプションには次のものがあります。


-m: 使用するマップ・ファイルの名前を指定します。
-s [source_dir]: ソース・ディレクトリを指定します。
-d [target_dir]: ターゲット・ディレクトリを指定します。
-i: インストール・ディレクトリを指定します。
-l: メッセージの移行に使用する言語を指定します。
-p: このフラグにより、言語パックを指定します。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratefilesmsg.xml

出力

このユーティリティは、入力パラメータに基づいてファイルをコピーします。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratefiles.log(通常、次の情報が含まれる)

  • このユーティリティに渡されるパラメータ

  • 使用されたマップ・ファイルに記述されているすべてのコピー操作のステータス

  • エラー・メッセージ(存在する場合)


C.5 メッセージおよびパラメータのアップグレード: obmigrateparamsg

obmigrateparamsgユーティリティは、各コンポーネントに必要なファイルとともにobmigratenpユーティリティからコールされます。

メッセージのアップグレード・プロセス: 以前のメッセージを新しいメッセージにアップグレードし、次のアップグレード先リリース用に新規のメッセージを追加できます。カスタマイズされたメッセージは保持されます。ただし、メッセージ内のパラメータの数が変更された場合は、新しいメッセージしか保持されません。次に例を示します。


元のメッセージ: ファイル%1をコピーできません

カスタマイズされたメッセージ: ファイル%1のコピー操作に失敗しました

新しいメッセージ: ファイル%1を%2から%3にコピーできません

注意:

ここに示した例では、保持されるのは新しいメッセージです。

パラメータのアップグレード・プロセス: パラメータのアップグレードはパラメータ・ファイル内で行われます。ユーザーがあるパラメータを以前のOracle Access Managerリリースで変更していた場合に、同じパラメータが新しいリリースによりさらに変更された場合は、obmigrateparamsgユーティリティによって最初の変更が上書きされます。各変更についてはログ・ファイルを確認してください。

以前のOracle Access Managerバージョン: component_Fromrelease_to_Torelease_msg|param.lstという名前のファイルをcomponent_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_toolsディレクトリに追加します。次に例を示します。

     ois_520_to_600_msg.lst
     ois_520_to_600_param.lst

obmigrateparamsgは、各中間リリースへのアップグレードの実行を伴う繰返しプロセスで使用されます。


注意:

前に説明したように、これに先立ってリリース7.0から10g(10.1.4.0.1)へアップグレードした際、LSTファイルがXMLファイルに変換されてターゲット・ディレクトリに保存されています。以前のLSTカタログで行われたカスタマイズが保持され、XMLバージョンのファイルに記載されます。カスタマイズを保持するために手動ステップを別に実行する必要はありません。

Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1): パラメータ・カタログとメッセージ・カタログの移行は単一のプロセスで実行されます。10g(10.1.4.0.1)には、component_release_param_files.lstという名前のファイルとcomponent_release_msg_files.lstという名前のファイルが含まれています。次にファイルの例を示します。

     am_700_param_files.lst
     am_700_msg_files.lst

以前のリリースに含まれていた、隠れていたオプションのパラメータが、ターゲットにコピーされます。隠れていたパラメータとは、Oracle Access Managerでサポートされており、ユーザーが追加できるものです。

Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)では、Oracle Access Manager 6.5で導入されたマルチ言語機能に対応するための言語IDが、_param|msg_files.lstファイル内のパスに含まれています。この例を次に示します。

     file:/oblix/lang/%lang%/frontpagemsg.xml

-pオプションを指定すると、obmigrateparamsgツールは、指定された言語のメッセージ・カタログしかアップグレードしません。このインストーラは次の決定事項に従って以前のリリースの言語を検出してobmigratenpに渡します。

表C-3にobmigrateparamsgに関する追加情報を示します。

表C-3 obmigrateparamsgによるメッセージおよびパラメータのアップグレード

説明 機能

obmigrateparamsg.exe

  • 特定コンポーネント向けのファイルを読み取ります。

  • メッセージ・ファイル/パラメータ・ファイルを.xmlファイルに変換します。

メッセージ・ファイル/パラメータ・ファイルごとに、obmigrateparamsgは次の処理を実行します。

  • 名前の変更されたソース・ディレクトリから以前のリリースのメッセージ・ファイル/パラメータ・ファイルを読み取ります。

  • 必要に応じてメッセージ・ファイル/パラメータ・ファイルを変更します。

  • 新しいインストーラによりファイルが抽出されたターゲット・ディレクトリに、変更したファイルを書き込みます。

パス

Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigrateparamsg

コマンドライン

次のパラメータを指定してobmigrateparamsg.exeを実行してください。

obmigratparamsg -s source_dir -d target_install_dir
-f component_oldversion_param_files.lst
-t component_newversion_param_files.lst -l <langids> [-p]

意味:

-s source_dir: 以前のOracle Access Managerリリースのインストール・ディレクトリを指定します。

-d target_install_dir: 最新のOracle Access Managerリリースのインストール・ディレクトリを指定します。

注意: このコマンドは2回実行します。つまり、最初にメッセージ・カタログに対して実行し(-lオプションあり)、次にパラメータ・カタログに対して実行します(-lオプションなし)。target_install_dirには、source_dirとは異なるコンピュータを指定してもかまいません。

-f component_oldversion_param_files.lst
-t component_newversion_param_files.lst
-l <language>
 (-l is to be specified only for message migration)

[-p]: /lang/langTagフォルダの下にあるファイルのメッセージ・カタログのみがアップグレードされることを指定します。指定した言語のメッセージ・カタログのみが移行されるよう、言語パック・インストーラで使用されます。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigrateparamsgmsg.lst

出力

このユーティリティは、メッセージ・ファイル/パラメータ・ファイルをアップグレードします。ログには、強制的に上書き/保持されたパラメータがすべて記録されます。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigrateparamsg.log(通常、次の情報が含まれる)

  • このユーティリティに渡されるパラメータ。

  • 入力ファイルに記述されたすべてのパラメータ・ファイル/メッセージ・ファイルの名前、および各ファイルに対して実行されるアクション。たとえば、既存のパラメータ値/メッセージ値の置換や、パラメータ/メッセージの追加または削除などが記録されます。

  • エラー・メッセージ(存在する場合)。

  • 注意: 以前のリリースで変更したパラメータ/メッセージが最新のリリースで新しく導入された場合、obmigrateparamsgが下した決定をユーザーが認識する必要があるため、これらの値を参照できます。


「mine_types関連のカスタマイズが維持されない問題」で説明されているように、Oracle Access Manager 6.0からアップグレードする際に、同じParamNameを有する複数のエントリがmime_types(.xmlおよび.lst)ファイル内に存在する場合、これらのエントリはアップグレードされません。


IdentityServer_install_dir/identity/oblix/apps/admin/bin/mime_types.xml
IdentityServer_install_dir/identity/oblix/apps/admin/bin/mime_types.lst

WebPass_install_dir/identity/oblix/apps/admin/bin/mime_types.xml
WebPass_install_dir/identity/oblix/apps/admin/bin/mime_types.lst

注意:

両方のバージョンのファイルが必要となります。不要になったMIMEタイプは、削除することも、今後の使用のために特定の属性に関連付ける新規のMIMEタイプとして追加することもできます。必要な作業は、アイデンティティ・サーバー用のmime_types.lstおよび.xmlファイルを編集して、これらをWebPass_install_dirにコピーし、以前のバージョンを上書きすることだけです。

C.6 スキーマのアップグレード: obmigrateds

Oracle Access Managerのスキーマは、通常、Oracle Access Managerのメジャー・リリースのたびに拡張されてきました。たとえば、アイデンティティ・サーバーの機能が拡張された場合、アイデンティティ・サーバーは、以前のバージョンよりも多くのスキーマ属性とオブジェクト・クラスを参照できるようになりました。

アップグレードでは、以前のリリースのスキーマと次のリリースのスキーマとの差異が、特定のディレクトリ・サーバーで必要とされるスキーマldifファイルを使用して、ディレクトリ・サーバーにアップロードされます。どのスキーマldifファイルにも、2つのバージョン間の差異に基づく、スキーマを変更するためのエントリが含まれています。スキーマldifファイルでは、次のネーミング規則が使用されます。

     DataType_fromrelease_to_torelease_schema_DsType.ldif

次に例を示します。

     osd_650_to_700_schema_ad.ldif
     policy_650_to_700_schema_nds.ldif

このようになります。

これらのファイルは、様々なアップグレード・マップ・ファイルを含む次のディレクトリに配置されます。

     Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools

アップグレード中に、obmigratenpユーティリティはobmigratenpparams.lstファイルを読み取り、次のファイル内のkMigrateData kMigrateSchemaフラグがtrueに設定されている場合にobmigratedsをコールして、スキーマ・ファイルを内部的にアップロードします。

     Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools
     \obmigratenpparams.lst

スキーマのアップグレードは段階的に行われます。つまり、元のリリースがその次の後継リリースにアップグレードされ、アップグレード結果のスキーマも同じ後継リリースにアップグレードされ、以降同様に、元のリリースと最新リリース間の中間スキーマ変更がすべて反映されるまで繰り返されます。不要になったスキーマ要素は、アップグレード中に削除されます。

スキーマのアップグレードは、ディレクトリ・サーバーとのインタフェースとなるOracle Access Managerコンポーネント(アイデンティティ・サーバー、ポリシー・マネージャおよびアクセス・サーバー)においてのみ実行可能です。表C-4に、obmigratedsに関する詳細を示します。

表C-4 obmigratedsによるスキーマのアップグレード

説明 機能

obmigrateds.exe

  • 構成ファイルを読み取り、スキーマ・データ(OSD)を評価して、Oracle Access Managerとやり取りできるディレクトリ・サーバーを検出します。たとえば、構成データを含むディレクトリ・サーバー、ユーザー・データを含むディレクトリ・サーバー、ポリシー・データを含むディレクトリ・サーバーなどがあります。

  • これらのディレクトリ・サーバーとの接続およびバインドに必要な情報を収集します。

  • 特定のデータ型のスキーマ・ファイルの場所、ディレクトリ・タイプおよびアップグレード元/先のバージョンを確認し、ds_conf_update.exeユーティリティを使用してディレクトリ・サーバーに適切なldifファイルをアップロードします。

  • OSDから読み取られた情報(たとえば、「o=oblix...」というノード)と構成ファイルを使用して、obmigratedata.exeに渡す入力マップ・ファイルを作成します。

    次に例を示します。

    data_fromrelease_to_torelease_osd.lst -- for osd, policy, and workflow upgrades
    data_fromrelease_to_torelease_user.lst -- for user data upgrade
    
  • 構成データをアップグレードするため、obmigratedataをコールします。obmigratedataは、出力データ・ファイルを作成し、ディレクトリからOracle Access Manager構成ツリーを削除して、この出力データ・ファイルをディレクトリ・サーバーにアップロードします。詳細は、「データのアップグレード: obmigratedata」を参照してください。

  • obmigratedataを使用してユーザー・データをアップグレードします。

注意: リリース6.0以降、ChallengeResponsePhrase値のユーザー・エントリをアップグレードするために、RC6暗号化スキームを使用するようになりました。以前のOracle Access Managerバージョンでは、同じ目的にRC4暗号化スキームが使用されていました。

注意: 停止時間ゼロのスキーマのアップグレードにデータのアップグレードは含まれません。詳細は、「スキーマ・モードの処理の概要」を参照してください。

パス

Component_install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigrateds

コマンドライン

パラメータを指定せずにobmigrateds.exeを実行してください。すべての入力パラメータの意味を含め、使用方法が出力されます。

使用するその他のファイル

  • メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、メッセージ・カタログinstall_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratedsmsg.lstを読み取ります。

  • パラメータ・ファイルobmigratedsparams.lstを読み取り、データを収集して、設定するフラグと実行するアップグレードのタイプを決定します。

    install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratedsparams.lst
    

    注意: obmigratedsparams.lstには、コンポーネント別にセクションが設けられています。また、各セクションには、アップグレード元とアップグレード先を記載したサブセクションがあります。

  • たとえば、obmigratedsparams.lstのoisセクションには、サブセクション520_to_600があります。このサブセクションには、次のいずれのアップグレードを実行するかを決定するフラグが含まれています。

    • OSD/ユーザー・スキーマのアップグレード

    • OSD/ポリシー・データ/ユーザー・データのアップグレード

    また、各サブセクションには、LSTまたはXMLのパスとファイル名があります。obmigratedsは、この情報を使用して、ディレクトリ・サーバーの詳細とOSD、ポリシー・データまたはユーザー・データを取得できます。

出力

このユーティリティは、スキーマとデータの移行を遂行するために、適切な各ユーティリティを起動していきます。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigrateds.log

C.7 データのアップグレード: obmigratedata

新しいOracle Access ManagerリリースにOracle Access Manager固有のデータの新しい編成または値が含まれる場合、データのアップグレードはスキーマのアップグレードとほぼ同様に実行されます。以前のバージョンと新しいバージョンとのデルタが検出されてデータの適切なldifが提供されるため、これらのデータをディレクトリ・サーバーにアップロードできます。アップグレードが完了するまで、メジャー・リリース間のアップグレードが段階的に実行されます。アップグレードが完了すると、Oracle Access Managerはディレクトリにあるデータを検索して使用し、円滑に動作できるようになります。

データのアップグレードは、ディレクトリ・サーバーとのインタフェースとなるOracle Access Managerコンポーネント(アイデンティティ・サーバー、ポリシー・マネージャおよびアクセス・サーバー)においてのみ実行可能です。

オブジェクト・クラス・マッピングと属性マッピングが両方含まれるファイルが入力として使用されます。オブジェクト・クラス・マッピング・ファイルと属性マッピング・ファイルは、次の場所に配置されています。

     install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata

オブジェクト・クラス・マッピング・ファイルの名前はoc_Fromrelease_to_Torelease_map.lstになります。次に例を示します。

     oc_520_to_600_map.lst
     oc_610_to_650_map.lst
     oc_650_to_700_map.lst

注意:

Oracle Access Managerリリース6.0.0からリリース6.1.0へはデータは移行されません。このため、oc_600_to_610_map.lstという名前のファイルはありません。

属性マッピング・ファイルの名前は次のようになります。

at_Fromrelease_to_Torelease_map_DataType.lst(次に例を示します)

     at_520_to_600_map_osd.lst—Oblix schema data
     at_520_to_600_map_policy.lst—NetPoint policy data
     at_520_to_600_map_user.lst—User data
     at_520_to_600_map_wf.lst—Workflow data

600から650、650から700、および700から10g(10.1.4.0.1)にアップグレードする場合のファイルの名前も同様になります。次に例を示します。

     at_600_to_650_map_item.lst
     at_650_to_700_map_item.lst

itemはOSD、ポリシー、ユーザーまたはワークフローの属性マッピング・ファイルを示します。

obmigratedsユーティリティは、データをアップグレードするために、初期情報(OSDディレクトリ、バインドDN、パスワード、個人オブジェクト・クラス、グループ・オブジェクト・クラスなど)を含むマップ・ファイルを入力引数としてobmigratedataを起動します。このマップ・ファイルでは、次のネーミング規則が使用されます。

     data_Fromrelease_to_Torelease_osd.lst
     data_Fromrelease_to_Torelease_user.lst

次に例を示します。

     data_520_to_600_osd.lst
     data_520_to_600_psc.lst
     data_610_to_650_osd.lst
     data_610_to_650_psc.lst
     data_650_to_700_osd.lst
     data_650_to_700_psc.lst
     data_700_to_1014_osd.lst
     data_700_to_1014_psc.lst

ファイル名がこのようになる理由は、アップグレードが段階的に実行されるためです。たとえば、リリース520から始める場合は、最初にデータを520から600にアップグレードし、次に610から650、650から700と続き、最後に700から10g(10.1.4.0.1)にアップグレードします。


注意:

リリース600から610へのデータのアップグレードはありません。リリース5.2から始める場合は、最初に6.1.1インストーラを使用してリリース6.1.1にアップグレードし、次に10g(10.1.4.0.1)を使用して6.1.1からのアップグレードを実行します。

詳細は、表C-5を参照してください。

表C-5 obmigratedataによるデータのアップグレード

説明 機能

obmigratedata.exe

  • 必要な基本情報を提供するファイルをターゲット・ディレクトリ・サーバーの入力として受け付けます(接続性詳細、人オブジェクト・クラス、グループ・オブジェクト・クラスなど)。この入力ファイルは、オブジェクト・クラス・マッピングの取得に使用するファイルについて指示します。

    注意: オブジェクト・クラス・マッピング・ファイルには、属性レベル・マッピングに使用するファイルが指定されています。

  • マッピング・ファイルの読取り、特定ディレクトリへの接続、既存データの読取り、オブジェクト・クラス・マッピング・ファイルと属性マッピング・ファイルの指示に基づくこのデータの処理、出力ldifの作成を行います。

    注意: すべてのマッピング・ファイルは次の場所に配置する必要があります。

    install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_
    tools\obmigratedata
    

パス

Component_install_
dir\identity|access\oblix\tools\migration_
tools\obmigratedata

コマンドライン

次のパラメータを指定してobmigratedata.exeを実行してください。

obmigratedata -f ConfigFileName -i install_dir

ここで、ConfigFileNameは、このユーティリティと特定のディレクトリ・サーバーを接続できるようにするために最初に必要となるすべての情報を提供するファイルのフル・パスです。また、このファイルには、それ以外の情報(オブジェクト・クラス・マッピング・ファイル名、ログ・ファイル名、バイナリ属性がリストされているファイルの名前など)も含まれています。

また、install_dirは、該当するコンポーネントのターゲット・インストール・ディレクトリになります。

使用するその他のファイル

  • 入力構成ファイルに定義されているオブジェクト・クラス・マッピング・ファイル

  • オブジェクト・クラス・マッピング・ファイルに記述されている属性マッピング・ファイル

  • バイナリ属性がリストされているファイル(ファイル名は入力構成ファイルに記述されています)

  • メッセージをコンソールに出力するかファイルに書き込む場合に使用するメッセージ・カタログobmigratedatamsg.lst: install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata\obmigratedatamsg.lst

出力

このユーティリティは、名前が入力構成ファイルに記述されている出力ldifファイルを作成します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_
tools\obmigratedata

ログ・ファイル名は入力構成ファイルに記述されています。

たとえば、migration_log_file.lstのようになります。通常、次の情報が含まれます。

  • このユーティリティによって移行されたエントリの旧DNと新DN

  • 選択した移行の成功/失敗メッセージ

  • その他のエラー・メッセージ(存在する場合)


C.8 Webサーバーのアップグレード: obmigratews

ポリシー・マネージャ、WebPassおよびWebGateを拡張すると、使用しているWebサーバー構成ファイルも変更する必要が生じてきます。アップグレード・プロセス中に、Webサーバー構成ファイルを自動更新するかどうかの確認を求められます。Webサーバー構成ファイルは、アップグレード後の手動更新もできますが、自動で更新することをお薦めします。

obmigratenpユーティリティは、Webサーバー構成を更新するため、マップ・ファイルとその他のパラメータを入力引数としてobmigratewsをコールします。マップ・ファイルの名前と場所は次のとおりです。

     Component_fromrelease_to_torelease_ws_WebserverType.lst
     install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_tools

次に例を示します。

     am_520_to_600_ws_nsapi.lst

また、obmigratenpは、obmigratewsで生成されたファイルを元のWebサーバー構成ファイルに上書きします。これにより、Webサーバー構成ファイルには、新しいリリースのコンポーネントに適合させるための変更が反映されます。詳細は、表C-6を参照してください。

表C-6 obmigratewsによるWebサーバー構成のアップグレード

説明 機能

obmigratews.exe

  • 入力マップ・ファイルを読み取り、新旧インストール・ディレクトリの入力値を使用してこのファイルの内容を変更します。

  • 変更されたマップ・ファイルの内容に基づいて、特定の入力Webサーバー構成ファイルを変更します。

  • 名前がパラメータの1つとしてこのユーティリティに渡された新規の出力ファイルに、Webサーバー構成を書き込みます。

パス

Component_install_
dir\identity|access\oblix\tools\migration_
tools\obmigratews

コマンドライン

パラメータを指定せずにobmigratewsを実行してください。すべての入力パラメータの意味を含め、使用方法が出力されます。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\identity|access\oblix\oblix\tools\migration_
tools\obmigratewsmsg.lst

出力

このユーティリティは、Webサーバー構成ファイルの変更されたリリースを作成します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity|access\oblix\tools\migration_
tools\obmigratews.log

C.9 コンポーネント固有のアップグレード

どのコンポーネントでも、特定のレジストリや特定ファイルの変更などに対応するための特別な処理がアップグレード中に必要となります。このため、obmigratenp.exeは、アップグレード対象として選択されたコンポーネントに応じて適切なユーティリティをコールします。この工程で実行される一般的なアクションを次に示します。

次に、各コンポーネント固有のユーティリティについて説明します。

C.9.1 アイデンティティ・サーバー: obMigrateNetPointOis

アイデンティティ・サーバーのアップグレードを実行する場合、obmigratenpツールはobMigrateNetPointOisツールをコールします。詳細は、表C-7を参照してください。

表C-7 obMigrateNetPointOisによるアイデンティティ・サーバーのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointOis.exe

  • 新しいOracle Access Managerリリースを反映するようにアイデンティティ・サーバーの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • 必要に応じて、PPPカタログ・ファイルを新しいOracle Access Managerリリースで使用できるよう変更します。

  • Oracle Access Manager 5.2からアップグレードする場合は、password.xmlに書き込まれたパスワードを暗号化します。

  • Windowsシステム上で、install_dir\identity\oblix\tools\setup\uninstall_info.txt(存在する場合)を1回削除し、正確な情報を使用して再作成します。

パス

install_dir\identity\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointOis

コマンドライン

パラメータを指定せずにobMigrateNetPointOisを実行してください。すべての入力パラメータの意味を含め、使用方法が出力されます。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\identity\oblix\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointOismsg.lst

出力

  • 以前のプラグインとの下位互換性を確保するため、新規フラグ(encoding)がoblixpppcatalog.lstファイルに自動的に追加されます。下位互換性のあるアイデンティティ・サーバーは引き続きLatin-1エンコーディングで以前のプラグインにデータを送信します(以前のプラグインはLatin-1エンコーディングでデータを設定するためです。これに対して、新しいプラグインはUTF-8エンコーディングでデータを設定します)。

  • アイデンティティ・サーバーのレジストリ・エントリを変更します。

  • PPPカタログ・ファイルを変更します。

  • password.xmlを変更します。

  • 正確なuninstall_info.txtを作成します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointOis.log

通常、このファイルには次の情報が含まれます。

  • このユーティリティに渡されるパラメータ

  • このユーティリティで実行される各アクションのステータス


C.9.2 WebPass: obMigrateNetPointWP

WebPassのアップグレードを実行する場合、obmigratenpはobMigrateNetPointWPをコールします。詳細は、表C-8を参照してください。

表C-8 obMigrateNetPointWPによるWebPassのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointWP.exe

  • 新しいOracle Access Managerリリースを反映するようにWebPassの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • Oracle Access Manager 5.2からアップグレードする場合は、password.xmlに書き込まれたパスワードを暗号化します。

  • Windowsシステム上で、uninstall_info.txtファイル(存在する場合)を1回削除し、正確な情報を使用して再作成します。

    install_dir\identity\oblix\tools\setup\uninstall_
    info.txt
    

パス

install_dir\identity\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointWP

コマンドライン

使用方法とすべての入力パラメータの意味を出力するため、パラメータを指定せずにobMigrateNetPointWPを実行してください。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\identity\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointWPmsg.lst

出力

  • WebPassのレジストリ・エントリを変更します。

  • password.xmlを変更します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\identity\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointWP.log

C.9.3 ポリシー・マネージャ: obMigrateNetPointAM

ポリシー・マネージャ(以前のAccess Managerコンポーネント)のアップグレードを実行する場合、obmigratenpはobMigrateNetPointAMをコールします。詳細は、表C-9を参照してください。

表C-9 obMigrateNetPointAMによるポリシー・マネージャのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointAM.exe

  • 新しいリリースを反映するようにポリシー・マネージャの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • リリース5.2からアップグレードする場合は、password.lstに書き込まれたパスワードを暗号化します。

  • 必要に応じて、install_dir\access\oblix\data\common\ldapuserdbparams.lstを変更します。

  • 名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・ディレクトリにカスタム・プラグインをコピーします。

パス

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAM

コマンドライン

使用方法を出力するため、パラメータを指定せずにobMigrateNetPointAMを実行してください。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\access\oblix\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAMmsg.lst

出力

  • ポリシー・マネージャのレジストリ・エントリを変更します。

  • password.xmlを変更します。

  • カスタム・プラグインをターゲット・ディレクトリにコピーします。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAM.log

C.9.4 アクセス・サーバー: obMigrateNetPointAAA

アクセス・サーバーのアップグレードを実行する場合、obmigratenpユーティリティはobMigrateNetPointAAAユーティリティをコールします。詳細は、表C-10を参照してください。

表C-10 obMigrateNetPointAAAによるアクセス・サーバーのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointAAA.exe

  • 新しいリリースを反映するようにポリシー・マネージャの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • リリース5.2からアップグレードする場合は、password.lstに書き込まれたパスワードを暗号化します。

  • 必要に応じて、install_dir\access\oblix\data\common\ldapuserdbparams.lstを変更します。

  • 名前の変更されたソース・ディレクトリからターゲット・ディレクトリにカスタム・プラグインをコピーします。

パス

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAAA

コマンドライン

使用方法を出力するため、パラメータを指定せずにobMigrateNetPointAAAを実行してください。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\access\oblix\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAAA.lst

出力

  • 新しいパラメータ"IsBackwardCompatible" Value="true"下位互換性のあるアクセス・サーバーは引き続きLatin-1エンコーディングで以前のカスタム認証および認可プラグインとの間でデータを送(受)信します(以前のカスタム・プラグインはLatin-1エンコーディングでデータを設定するためです。これに対して、新しいプラグインはUTF-8エンコーディングでデータを設定します)。

  • アクセス・サーバーのレジストリ・エントリを変更します。

  • password.xmlを変更します。

  • カスタム・プラグインをターゲット・ディレクトリにコピーします。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointAAA.log

C.9.5 WebGate: obMigrateNetPointWG

WebGateのアップグレードを実行する場合、obmigratenpはobMigrateNetPointWGをコールします。詳細は、表C-11を参照してください。

表C-11 obMigrateNetPointWGによるWebGateのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointWG.exe

  • 新しいOracle Access Managerリリースを反映するようにWebGateの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • Oracle Access Manager 5.2からアップグレードする場合は、password.lstに書き込まれたパスワードを暗号化します。

パス

install_dir\access\oblix\tools\migration_tools\obMigrateNetPointWG

コマンドライン

使用方法を出力するため、パラメータを指定せずにobMigrateNetPointWGを実行してください。

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\access\oblix\tools\migration_tools\obMigrateNetPointWGmsg.lst

出力

  • WebGateのレジストリ・エントリを変更します。

  • password.lstを変更します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointWG.log

C.9.6 Software Developer Kit(SDK): obMigrateNetPointASDK

Software Developer Kitのアップグレードを実行する場合、obmigratenpはobMigrateNetPointASDKをコールします。詳細は、表C-12を参照してください。

表C-12 obMigrateNetPointASDKによるSDKのアップグレード

説明 機能

obMigrateNetPointASDK.exe

  • 新しいリリースを反映するようにAccess Manager SDKの既存レジストリ・エントリをアップグレードします。

  • リリース5.2からアップグレードする場合は、password.lstに書き込まれたパスワードを暗号化します。

パス

install_dir\access\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointASDK

コマンドライン

次のように実行してください。

obmigrateAccessSDK -fromver <oldVer> -tover <newVer> -srcdir <dir> -dstdir <dir>

使用するその他のファイル

メッセージをコンソールに出力するかまたはログ・ファイルに書き込む場合に、次のメッセージ・カタログを読み取ります。

install_dir\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointASDKmsg.lst

出力

  • Access Manager SDKのレジストリ・エントリを変更します。

  • password.lstを変更します。

ログ・ファイル

次のログ・ファイルを生成します。

install_dir\oblix\tools\migration_
tools\obMigrateNetPointASDK.log